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アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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支笏洞爺国立公園 支笏湖

135件の記事があります。

2008年06月17日定山渓

支笏洞爺国立公園 支笏湖 西川 裕美子

みなさんこんにちは、支笏湖AR西川です。
今日は、定山渓地区の巡視に行ってきました。

ここ支笏湖自然保護官事務所では支笏湖周辺と定山渓の2地区を飛び地で管理しています。

まずは、国立公園の入り口に立っている『支笏洞爺国立公園』の看板が、生い茂ったイタドリによって見えなくなっていたので、カマで刈っていきました。
一人で手作業なので、結構大変でしたが軽く汗もかいて良い運動になりました。車で走ってきてもよく見えるようになり、きっと初めて来られた方も

「あっ、この辺は国立公園なんだ!!」

と気づいてくれることでしょう。
北海道の中心都市、札幌からわずか1時間ほどで来られる定山渓。
ここにこんな素晴らしい自然環境があるなんて、大阪出身の私にとっては羨ましい限りです。
しかも、定山渓も札幌市だと知ったときは「さすが北海道!」と思ったのはきっと私だけではないはずです・・・笑

手軽に楽しめる自然があり、
心と体を癒せる温泉もある。
中山峠を越えれば羊蹄山のそびえるニセコや、サミットで話題になっている洞爺湖などへも行けます。
改めてこのような恵まれた定山渓地域の自然をいつまでも守っていきたいと思いました。



草刈りをしてスッキリしました。



~時雨橋より~紅葉の時期には車が列をなしているスポットです



その後は定山渓地域にある登山口の看板などを確認しながら、中山峠に向かいました。
ここ中山峠の道の駅では、支笏湖をアピールするためにパンフレットを置いてもらっており、前回からの減り具合を見てきました。
トイレの入り口には洞爺湖ビジターセンターに隣接してできた『エコギャラリー』の大きなポスターも掲示していただいていますので、観光や仕事などで道の駅に寄られた際はぜひ見つけてみてください。


写真左奥(入口から入ると正面です)にあるエコギャラリーポスターと手前に並ぶ様々なパンフレットたち

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2008年06月04日巡視報告 ~空沼岳~

支笏洞爺国立公園 支笏湖 西川 裕美子

みなさんこんにちは、支笏湖アクティブレンジャー西川です。

5月31日(土)空沼岳に巡視に行ってきましたのでその報告です。

空沼岳は札幌市南区に位置し、スノーボードのオリンピック選手を多数輩出してきた真駒内スキー場(昨年度より閉鎖中)前を通り、採石場を突っ切って林道をしばらく行くと登山口があります。

土曜日でしたが、朝から肌寒く曇り空でしたので人は少ないだろう・・・と思っていましたが、午前7時に登山口に到着した時点ですでに5~6台の車が停まっていました。

ここの登山道は沼や湿地が点在しており、いつ来てもぬかるんでいます。途中出会った5人組の中にはスニーカーにジャージ上下、雨具無しで登っている方がおり、下山する頃には靴はグショグショで体は芯まで冷え切っていたようです。これでは登山が嫌いになってしまいますね・・・
低山の日帰りでも装備はしっかりしたほうが、より一層楽しめるでしょう。


登山口から1時間半ほどで万計沼に到着しましたが、写真を撮り立ち止まっていると一気に寒くなり温度計を見ると気温は4℃しかなく、思わず万計山荘に避難しました(笑)



立派な風格の万計山荘

この山荘は老朽化が進み2001年に改修工事が行われましたが、現在は歴史を感じる風合いを残したままの安全な建物になっています。

まだ半分ほどの道のりが残っているので、足早に進みますがどんどん視界が悪くなり、気がつけばすっかり霧の中でした。


何も見えない真簾沼に着いた時には気温は2℃まで下がっていました。
「この分じゃ、山頂に着いても支笏湖は見えないなぁ・・・」
気温とともにテンションも下がります。

途中、先に登っていた方と数名すれ違いましたが、みな一様に「寒くて山頂に居られなかった・・・」と。

これ以上まだ寒くなるのか?と半信半疑ながらもニット帽にダウンベストにウィンドブレイカーと完璧な防寒をし、少々残っていた雪渓を慎重に越え、札幌岳との分岐に差し掛かると、なんとそこには・・・・

冬景色~!!




霧氷というやつですね。一面真っ白です。

ではアップでどうぞ!!




ということは、朝方は氷点下まで冷え込んだということですね。
なんということでしょう!!
明日から6月だというのに。
さすが北海道です。
一気にテンションがハイ↑になり写真を撮りまくるも、あまりの寒さと強風で落ちてくる氷の痛さに耐えきれず、山頂滞在時間わずが2分ほど(これでも頑張ったほうだと思います)で下山しました。

これから夏山登山シーズンに入りますが、山の上は別世界です。家を出るとき曇っていても山頂は晴れていて、最高の眺望が・・・
なんてこともありますが逆に家を出るとき晴れていても山の上では大荒れ・・・なんて山の天気は予想できないことが多いです。
山の上で困ってもどうすることもできない時もあります。
最低限、食料(余分に)・水分(夏場は特に多めに)・雨具(防寒具にもなります)・地図・コンパス・救急セットなどは持参したほうが良いでしょう。
そして、単独でもグループでも必ず登山届けを提出し、家族や友人に行き先・下山予定などを伝えておくようにしましょう。

【今回見られた主な花】
 ・ツバメオモト
 ・ミズバショウ
 ・エゾノリュウキンカ
 ・シラネアオイ
 ・コヨウラクツツジ
 ・マイヅルソウ
 ・ミヤマスミレ
         など




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2008年05月26日支笏湖地区パークボランティア 春期研修会

支笏洞爺国立公園 支笏湖 西川 裕美子

事務所から見える恵庭岳は日に日に緑が色濃くなっており、季節の移り変わりの早さを実感しています。
みなさんこんにちは、支笏湖AR西川です。

今日は、日頃から支笏湖の自然を守るために活動している『パークボランティア』の方々の研修の報告をさせていただきます。

先日5月25日(日)支笏湖ビジターセンター内ボランティアルームにおいて、春期研修会を行いました。
今回の参加は11名。
今年の研修内容は、ビジターセンターの案内方法について再確認しよう、というものでした。
支笏湖のビジターセンターは平成15年にリニューアルオープンし、その後2年ほどはパークボランティアの方が当番制で解説補助を行っていましたが、現在はビジターセンターに専門の解説員が2名常駐しているため、補助解説は行っていませんでした。
ところが、今年夏に行われるJ8(ジュニア8サミット)に向けて支笏湖を訪れる観光客が増大するのでは・・・ということで、少しでも支笏湖を訪れる方の役に立ちたいとの熱い思いを抱くパークボランティアの方が再度、館内の案内方法について学び合いました。
前半は机上で日本の国立公園や支笏湖の歴史、支笏湖の自然や温泉などについての勉強です。
さすが、長年支笏湖に通っている方々です。
支笏湖はその昔、御陵林だったことから開発されずに現在のような豊かな自然が残っていること。
今は全くその面影もありませんが、美笛の千歳鉱山には映画館などを備えた現在の支笏湖温泉よりも大きな集落があったこと。
また、支笏湖の水は電気を作り出しており、そのエネルギーは最大で一般家庭17000戸分(千歳市の半分)にもなること。
など興味深い話がドンドン出てきました。

その後、実際に館内を回りながら、常設されている設備について解説方法などを確認しました。
展示物には分かり易いように解説がついていたり、DVDによる説明などもありますが、実際に支笏湖の移り変わりを見てきたパークボランティアの方による解説が加われば、より一層奥の深い支笏湖が見えてくるのではないでしょうか・・・

現在、支笏湖地区では47名の方がパークボランティアに登録されています。
目印は「PARK VOLUNTEER」と書かれた緑の帽子とワッペン、館内にいるときは腕章も付けています。
週末のみならず平日も支笏湖へ通っておられますので、見かけた方はお気軽に声を掛けてみてください。きっとおもしろい話が聞けますよ!



午後からは支笏湖消防署による『救命講習』を受講しました。
これからの時期たくさんの観光客が来られる支笏湖。また野外活動も増えますので救命処置に加え、蜂に対する対処法なども教わり、大変有意義な一日を過ごしました。



パークボランティアの方々には、これからもますます活躍されることと思います。どうぞよろしくお願いします!!






机上での学習の様子



実際に館内を回りながら・・・



救命講習の様子

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2008年04月14日湖水開き in 支笏湖

支笏洞爺国立公園 支笏湖 西川 裕美子

みなさんこんにちは、支笏湖アクティブレンジャー西川です。
5ヶ月間の冬眠から目覚め、また支笏湖の地に戻ってきました。

今年は、支笏湖初の女性自然保護官となる柳谷レンジャーと共に、支笏湖の豊かな自然を守りつつ、ここを訪れる方々に「また来たい!」と思ってもらえるような魅力ある公園を目指して活動したいと思います。
どうぞよろしくお願いします。



さて、今年の支笏湖周辺は(北海道全体的にでしょうか)雪解けが早く、事務所から見える恵庭岳は日に日に黒くなっています・・・・

そんななか、昨日13日(日)は『支笏湖湖水開き』が行われました。
地域の方や観光に携わる方などが参加し今年度の無事故を祈願しました。
支笏湖小学校の児童による『鍵の投入』やヒメマス(チップ)の稚魚放流なども行われ、さわやかな春風とともに観光シーズンの幕開けとなりました。

今年の夏には洞爺湖サミットに連動して、ジュニア8サミット(J8)が千歳市・支笏湖を舞台に開催されます。
支笏湖の魅力はもちろん、後世へこの素晴らしい自然を残すためにも、自然保護・環境保護の大切さを世界へ向けてここ支笏湖から発信していきたいです。



風不死岳をバックに支笏湖に浮かぶ遊覧船

湖へ鍵を投げ込む支笏湖小児童

ヒメマス(チップ)稚魚放流の様子

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2007年10月29日【特定外来生物】 ウチダザリガニ ~支笏湖編~

支笏洞爺国立公園 支笏湖 西川 裕美子

こんにちは、支笏湖アクティブレンジャー西川です。

今日は、今年度のウチダザリガニ駆除作業が終了しましたのでその報告です。

環境省で【特定外来生物】に指定されている動植物は何種類かありますが、ここ支笏湖では数年前に見つかった『ウチダザリガニ』というのがいます。
ウチダ・・・と聞けば何となく日本ぽく感じるのですが、出身は北米です。

自分の足で海を越えて遙々日本へやってきたわけではなく、もともとは食用として人の手によって日本へ運ばれてきたものです。
なので、ウチダザリガニ本人には何も罪はないのですが、もともと日本(北海道)に住んでいたニホンザリガニという、とっても小柄でカワイイザリガニの生息地を奪ったり、時にはニホンザリガニを食べてしまったりする凶暴な一面があったり、場所によっては貴重な水草を食べ尽くして全滅させてしまったり、ウチダザリガニの体には『ザリガニペスト』という水カビの菌を保持しています。この菌に対して免疫力がないと思われるニホンザリガニは同じ水域に生息していると死んでしまうかもしれない、という危険もあります。

またウチダザリガニは繁殖力も強く、ニホンザリガニの数十倍ともいわれています。強くて繁殖力もあればあっという間に生息数も生息地域も拡大していくでしょう。


と随分前置きが長くなりましたが、昨年から始めた駆除作業。
カニカゴ漁で使う罠にエサを入れて湖底に沈めます。
2~3日おきにカゴを揚げ、ウチダザリガニが掛かっていたら計測してデータをとります。またエサを入れて沈める。これをひたすら繰り返すのです。
支笏湖の場合は冬は湖面が荒れることが多いので夏場の作業となります。

平成18年度は【314匹】の捕獲(8月下旬~10月下旬)

そして

平成19年度は【1164匹】の捕獲でした。(7月下旬~10月下旬)


昨年度は手探り状態での駆除作業でしたが、本年度は大体の生息地の特定もできており要領よく捕獲することができたり、昨年より駆除期間が長かった、など様々な要因はあるでしょうが、単純にこの数字にはビックリしています。
まだ生息地域が大きく拡大されていないのが救いですが、はたしてこの支笏湖にはどれくらいの数のウチダザリガニが潜んでいるのでしょうか・・・・?

考えただけでも恐ろしくなります。

そこで、皆さんにお願いです。
生き物を飼うときには、もともとはどこで生まれどこに住んでいたのか、もし飼えなくなってしまったらどうすればいいのか、しっかり調べてみてください。
 

「自然に帰してあげれば・・・・」


この安易な考えが後々大変なことになってしまうことも忘れないでくださいね。






罠を仕掛けているところ(8月)

今期最大の165gを記録したウチダザリガニ【ビッグマン】
このハサミで挟まれたら・・・(怖っ)

とってもかわいいニホンザリガニです。
これじゃあウチダに食べられてもおかしくないですよね・・・

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2007年10月05日 ?お知らせ? 【無意根山】登山道通行止め 

支笏洞爺国立公園 支笏湖 西川 裕美子

今日は、登山道通行止めのお知らせです。

『札幌の奥座敷』と呼ばれている定山渓温泉。
ここから車で中山峠方面へ5?6分程走ると、【無意根山登山口】の看板が見えます。
無意根山は一年を通して訪れる人が多い山です。
標高こそ1464mですが、薄別コース途中には大蛇が原湿原(おろちがはらしつげん)があり、夏山シーズンにはワタスゲ・ツルコケモモ・コバイケイソウ・チングルマ・モウセンゴケなどが見られ、豊羽コースとの合流地点付近ではノウゴウイチゴ・ハイオトギリなども見られ、札幌周辺では高山植物がたくさんみられる山です。
また晴れた日には山頂から羊蹄山(蝦夷富士)やニセコ連邦がキレイに見え、その展望の良さには心が癒されます。

こんな魅力的な無意根山ですが、最近、大蛇が原湿原の先にある無意根小屋から500mほど行った辺りの崩落が激しく、このままでは危険で通行困難なため石狩森林管理署で迂回路をつけることになりました。
迂回路設置工事の期間など詳細は未定ですが、平成19年9月28日現在 登山道は通行止めとなっていますので、ここでお知らせします。


※昨日、定山渓方面の紅葉の様子を見てきましたが、まだ1割?場所によっては2割程度といったところでしょうか。この体育の日の連休の雨(予報)で気温が下がると、来週末には見頃になるのでは・・・・?





登山道入口のお知らせ

登山口

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2007年09月28日腐生植物

支笏洞爺国立公園 支笏湖 西川 裕美子

大雪山系では初冠雪が観測され、北海道の山ではいよいよ冬到来ですね。

ここ、支笏湖では紅葉もまだですが・・・・


今日は、恵庭岳登山口で見つけた変わった植物を紹介します。


【ギンリョウソウモドキ 銀竜草擬】 (イチヤクソウ科)
 
 植物といえば葉緑素を持ち光合成をするのが普通ですが、このギンリョウソウモドキは葉緑素を全く持たず、他の生物や、生物の遺体などから養分を吸収して生活する『腐生植物』と呼ばれる植物です。
 似たものでは以前紹介した『ギンリョウソウ』や、少し黄みがかった『シャクジョウソウ』などがあります。全く緑を持たないため、時にはキノコと間違われることもあるとか・・・
私は一瞬『ホワイトアスパラ』に見えましたが(笑)

周りを見れば、様々なキノコや枯れ木・落ち葉などがたくさんあります。
一生懸命生きて、命が無くなっても他の生物などのために役立っていたり・・・


    人間もそうありたいものですね。











ギンリョウソウモドキ

群れています



登山道入口
よく見ると左脇に・・・

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2007年09月10日緊急指令! カエルを捜索せよ

支笏洞爺国立公園 支笏湖 西川 裕美子

2006年12月 国内初の『カエルツボカビ症』が確認された。

 【カエルツボカビ症】
   カエルやサンショウウオなどの両生類の皮膚にツボカビと呼ばれる真菌類(カビの仲間)の一種が寄生し、そのカエルを死に至らすもの。90年代に豪州でカエルの激減を招いた病気として報告されている。人間などには感染しないが、野外に広がると根絶できず、生態系に深刻な影響を及ぼす恐れがある。


というとても恐ろしい感染症なのです。
そこで、環境省では両生類のツボカビ保有状況を調べるためのサンプル採取調査を全国的に行っています。


ここ支笏湖周辺でも調査を行っています。
以前、山で『エゾアカガエル』を何度か見たことがありましたが、今年に入ってから支笏湖周辺ではカエルの姿を全く見ていませんでした。
今年の夏はほとんど雨が降らず、地元の方によると卵の時点で干涸らびたんじゃないか・・・と。

そんな中、待望の雨が。

ちょうど、関西の大学から実習生が来ていたので手伝ってもらい捜索すると、いました!いました!
ドッシリと貫禄のある『エゾアカガエル』から、変身したてのカワイイ『ニホンアマガエル』まで。

やっぱり、野生の生命力は凄いです。
そして、大学生のパワーも凄いです。


雨の中、4時間で13匹の成果です。
まだノルマは達成していませんが、支笏湖は今日も雨。
さて、カエルちゃんはどこに居ますか??

エゾアカガエルです。
手のひらからはみ出すくらい大きくて重いです。

ひっくりカエル!
 見ないでケロ・・・

こんなにちっちゃくてもカエルだよ!
  『ニホンアマガエル』

死んだふり・・・・
   あっ!!お尻にオタマジャクシの名残が(笑)

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2007年08月28日樽前山情報

支笏洞爺国立公園 支笏湖 西川 裕美子

8月24日(金)快晴

久しぶりに 『樽前山』 登山道の巡視に行ってきました。


北海道の学校は夏休みが終わり2学期が始まったためか、地元北海道の人より本州からの登山者が多かったです。

今日は気分を変えていつもとは逆の「東山?西山」周りで歩きました。

7合目ヒュッテを出発して10分ほど歩くと、登山道沿いに何とも不思議な食虫植物『モウセンゴケ』が生えているのです。

モウセンゴケ(毛氈苔)モウセンゴケ科 →葉に線毛があり粘液を分泌して小さな虫を捕獲する食虫植物。湿原に生育する多年生の草本である。


とありますが、ここ樽前山では湿原とは程遠い、急斜面の火山灰混じりの岩礫地に、周りの他の植物とともに岩にへばりつくように生えています。
では、どうしてこのような場所でモウセンゴケが生きていられるのでしょうか?

答えは簡単!!

一見すると乾燥しているように見えますが、霧に覆われることの多い樽前山ですので地下は保水力・保湿力が高く、湿原と同じ環境を作り出しているのでしょう。

まさに自然界の神秘ですね。


この他にも、この手軽に登れる樽前山には見所がいっぱいです。


この時期、一番目につくものといえば真っ白な実を付けた
  
      『シラタマノキ』

でしょう。ツツジ科の植物で北海道では高山の岩礫地で見られます。花は壺形で、実は球形。花も実も白いためよく「これは花ですか?実ですか?」と聞かれます。樽前山でシラタマノキを見るなら東山山頂から下って、西山へ向かう途中がオススメです。ワサワサと実をつけた純白の白玉を目にすることができるでしょう。
また、今の時期ですと白に混じって所々で真っ赤な実を付けた『コケモモ』も見ることができます。

その他にも、イワギキョウ・ミヤマアキノキリンソウ(黄金菊)・エゾオヤマリンドウなどが見られ、山はすっかり秋です。晴れていれば蝦夷富士(羊蹄山)も見える樽前山にのんびり登ってみてはいかがでしょうか?


ただし、山頂で吹く風は、汗をかいた体から一気に体温を奪います。防寒着や雨具をお忘れなく!!

岩礫地に生えるモウセンゴケ

純白の実をつけたシラタマノキ

真っ赤な実をつけたコケモモ

ミヤマアキノキリンソウ(黄色)とエゾオヤマリンドウ(青)

7合目ヒュッテから徒歩5分の展望台
支笏湖がカルデラ湖であることがよく分かります

天気が良いと後方羊蹄山(しりべしやま)通称 羊蹄山(ようていざん)が見えます。
いつ見てもカッコイイです!!

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2007年08月13日自然公園クリーンデー

支笏洞爺国立公園 支笏湖 西川 裕美子

毎年、8月第一日曜日は全国自然公園クリーンデーです。
ここ支笏湖周辺では8月5日(日)、支笏湖パークボランティアはじめ、支笏湖温泉街の皆さんや、千歳市・苫小牧市の企業やスポーツ少年団の方々、総勢120名もの参加協力をいただき、清掃活動を行いました。

前日までの台風の影響でお天気が心配されましたが、集合した時には雨もあがり、皆さん一生懸命に清掃活動に汗を流してくださいました。

今回私は、千歳市の企業の方々と一緒にポロピナイ周辺を清掃しましたが、木や笹の下にワンサカ落ちていました。
目立つものとしては、バーベキューに使用したであろう炭の箱、絡まった釣り糸や釣り針、空き缶・ペットボトル、某ファーストフード店の紙コップや包み紙。そして驚いたのは赤ちゃんのおむつ(使用済み)。
赤ちゃんは自分でおむつは履き替えられません。よって捨てるのは大人でしょう。
こんな親に育てられた子どもは、どんな人間に成長するのでしょうか・・・

また、今回の清掃活動には夏休みということもあって、幼児?小中学生といったカワイイ子ども達もたくさん参加してくれていました。
大人が捨てたゴミを拾っていた子ども達は、何を思い、何を感じたのでしょうか・・・?


心ない大人の捨てるゴミ。

そのゴミを拾う自然を愛している人たち。


あなたはどちらの人間ですか?





家族で清掃活動ボランティア

こちらも親子で

拾い集めたゴミ約200kg

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