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アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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支笏洞爺国立公園 洞爺湖

169件の記事があります。

2007年09月10日ウチダザリガニとの戦い ?個体測定編?

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 加藤 康大

「個体測定」なんていうと堅っ苦しく聞こえるがなんてことはない、カラダの長さや重さを測る、いわゆる身体測定だ。先日のパークボランティア養成研修会に参加した際、講師の先生が言ってた。自然ガイドをする時はできるだけ専門用語の使用を避け、誰にでもわかる言葉でって。そのとおりだ。なのでレンジャー日記もなるべくわかりやすく書こうと思う。

本題に戻す。捕獲した、いや、とっつかまえたザリガニは一人残らず身体測定をする。見栄張ってこっそり背伸びしたり、まして最近太ってきたからといって「具合悪いから休みます」なんてことは許されない。一人ずつの正確なカラダの記録を残し、それを元にザリガニの暮らしぶりを探ってしまおうってわけだ。例えば身長や体重のほかに、ハサミの有無なんかもチェックする。同じカゴワナに片手や、時には両手のないザリガニが多いってことは、その周辺ではザリガニ同士の喧嘩が多いってこと。=生息密度が濃い… いや、同じ場所に大勢が暮らしてる「都会」ってことになる。

湖から事務所までザリガニを護送し、そこからひたすら身体測定だ。これがなかなか骨がおれる。まずオスかメスか。目からお腹までの長さと、目から尾の先までの長さ。そして体重。あとはハサミの有無、卵を持ってるかどうか、殻が柔らかいかどうか(柔らかいのは脱皮後まもない奴)なんかをチェックする。たくさん捕れた日はこれを延々と繰り返す羽目になる。200匹捕れたら200回、500匹捕れたら500回。(ちなみに9月6日には一日で1024匹捕れた…。)

100匹を超えたあたりからかなり飽き始める。気分転換に背伸びしたあと、デカい2匹を選んで向かい合わせ、戦わせてみたりする(でっかいのはノロノロしてて戦わないけど)。で、ため息まじりにまたバケツに手を伸ばし、ザリガニをつまみ上げ測定再開…。

今年度初めに比べると、測定スピードが格段にアップした。通常オスメスの区別はザリガニを裏返して、お腹の辺りに小さい足のような物(生殖器)があるかないかで判断する。でも最近では、上からパッと見ただけでオスメスがわかるようになった。尾の部分の横の広がり具合を見る。幅広なのがメスだ。オスのほうがハサミが大きく、また上半身(?)部分が長くて下半身(尾)が短い「頭でっかち」だ。親近感わきます。メスは尾の裏側に卵を抱えなきゃいけないから、尾が長めで幅も広いんだな。

さらに最近、もう一段階上の領域に踏み込んだ。目をつぶって、尾の部分を触るだけでオスメスがわかるってコトに気づいた。盲パイならぬ盲ザリガニ。尾の部分の角張り具合が決め手だ。体長5cm未満のザリガニだとたまにはずす時もあるが、9割以上の確率で的中する。かなりの高打率。

なんとなく一人で嬉しくなって、盲ザリガニしながら測定してたら、さらにもうひとつ気づいたコトがある。目をつぶって、指を挟まれないように、ソロソロと尾に触ってオスメス調べるよりも、ガツッとつまみ上げて、ガバッと裏返して、尾の裏を見た方が早いってコトだ…。

洞爺湖からウチダザリガニがいなくなりますように。


どっちがオスでどっちがメスかわかりますか?
左がメス、右がオスです。

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2007年08月27日「山のルールの前に、人としてのルール」

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 加藤 康大

8月14日(火)・15日(水)1泊2日で、後志管内羊蹄山にて巡視・清掃登山を行った。「蝦夷富士」として親しまれ、北海道を代表する名山として日本百名山のひとつにも数えられる。夏場は多くの登山者が訪れ、また冬季には、極上のパウダースノーを味わえる山として、最近はスキーヤー、スノーボーダーの姿もよく見かけるようになった。

各地区のアクティブレンジャー日記でも頻繁に書かれているけれど、ここ羊蹄山もゴミが多い(洞爺湖畔よりマシだけど…)。前回7月末に真狩コースを往復した際のあまりのゴミの多さに、今回は徹底的にゴミを拾うつもりで来た。

真狩コースに車1台をデポし、倶知安(比羅夫)コースより登山開始。真狩コースに比べ、利用者が少ないせいか、ゴミもそれほど多くはないが、空き瓶、空き缶に始まり、ペットボトルやティッシュペーパー、おにぎりやアメの包み紙…、気づくとゴミ袋がいっぱいに。景色を見ながら、風の心地よさを感じながら、ボーっと休憩している時、ふと横を見ると怪しげなティッシュペーパーが…。こんなトコでやらかして誰か来たらどうするつもりなんだろう…? と不思議に思いつつ、心底ガッカリする。自分の紙ぐらい自分で持って帰って欲しい。残しておくほうが恥ずかしいと思うけど。そもそも我慢する自信がないなら、携帯トイレを持参するべき。

下りは、真狩コース。人気ルートだけにゴミも多い。結局往復でゴミ袋×3を収拾。後半はなかなか重たかった。かなりレトロな空き缶の発掘にも成功し、綺麗に洗って雑貨屋に売りに行こうかと思ったくらい。

さらにゴミ以外の問題も。避難小屋監視員の話によると、来年洞爺湖にて開催のサミットブーム(?)の影響か、登山者と呼べないような軽装者の入山が増え、プチ遭難が多発しているそう。8月13日夜も警察・消防のお世話になったパーティーが立て続けに2組。私たちが小屋に宿泊した14日夜にも、日没後19時を過ぎてから小屋に到着したパーティーに驚いていると、さらに上には上がいて、21時を過ぎてから小屋に着いた登山者がいた。かなり危険。

自分の体力をわきまえ、また仲間の様子にも気を配り、時には途中下山する勇気も必要。各ガイドブックやパンフレットを見てみると、登山口から山頂まで4時間?4時間半くらいの記載が多い。しかしこれはかなりのハイペースだ。まして夏場の高気温時は、背負う水の量も多くなるし(途中に水場はなく、避難小屋の雨水は緊急用)、さらにペースも落ちる。山に慣れていない人・体力に自信のない人は、休憩時間・下山及び緊急時の体力をセーブすることを考慮すると、山頂まで6?7時間、もっとかかる人もいるだろう。

警告看板を設置する等、私たちを含めた関係機関によるなんらかの対策が必要かも知れないが、結局は登山者一人一人のモラルの問題。ゴミ問題も然り。「ゴミは持ち帰って下さいね」なんて優しく諭す気はない。そんなこと、山以外の場所でも当たり前だし。

山には山のルール。国立公園には国立公園のルール。人には人のルール。守る気のない人は入山するべきでない。訪れた人すべてが癒されるような、そんな国立公園であって欲しい。

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2007年08月09日オオヒラウスユキソウに出会う!

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 浅田 唯衣

 8月5日、 狩場茂津多道立自然公園 大平山へ2回目のパトロール登山を行いました。大平山(標高1191m)一帯は、道南地方には珍しい石灰岩露出地帯が広がり、日本の北限となる豊かなブナの天然林と共に、オオヒラウスユキソウなどの希少な石灰岩植生が数多く分布する地帯です。環境省では「自然環境保全地域」として指定しています。
 最初から傾斜のある小さな沢沿いを歩き、標高を上げていくと次第にブナの天然林が現れ始めます。登り始め、天候はあいにくの雨でしたが、その雨をとっても喜んでいるのはカドバリヒメマイマイというカタツムリです。前回のアクティブレンジャー日記にも写真が掲載されましたが、カタツムリの進化する過程で特に原始的な状態の殻を持ち石灰岩を養分として生きているそうです。稜線に出ると、視界も開けて谷が入り込み、山深い山並みを望むことができます。雨も上がり初め、雲が徐々に上がっていき墨絵の様な景色でした。第1ピーク(810m付近)からは狩場山が見え、天気が良ければこれから登る大平山の第2ピークが目の前に現れます。花は第1ピーク手前から徐々に見ることができます。6月初めにあったオオヒラタンポポが少なくなり、第1ピークから第2ピークまでの間にある岩場には大平山固有のオオヒラウスユキソウが多く咲き乱れていました。ウスユキソウは歌でも有名なエーデルワイス。白い花に見えるのは実は葉が綿毛に被われて白いからで、本当の花は真ん中の黄色い部分です。他にイブキノトラノオ、イワオウギ、ヨツバヒヨドリ、ハイオトギリ、ヒメエゾネギ、ヤマルリトラノオ、ツリガネニンジン、タカネナデシコ、カラフトマンテマ、ミヤマアキノキリンソウなどが咲いていました。第2ピーク手前にある岩場はもろく常に危険な状況で、6月に登った時よりもまた少し岩が崩れてしまったようです。落石が多く、いつ来てもはらはらどきどきの場所です。第2ピークから頂上までは背丈くらいある笹藪が多く雨で濡れた笹をもがきながらやっとピークに着きました。特別展望がいいところではありませんが、ハードな登山道なだけに感慨ひとしおです。昔は?測量のためのやぐらが建っていたようです。帰路は、滑りやすく傾斜のある岩場をひたすら下りながら注意し頑張って下ります。その頃空には青空も見え始め、登ってきたルートを見ることができました。最後に、木々から差し込む太陽の光に照らされ地面からの蒸気がきらきらと輝き幻想的なブナ林の中を歩くことができました。
 北海道百名山にも大平山は紹介はされていますが、登山口にある大平山のパンフレットには「体力に自信のない方はご遠慮ください!」と記載されているように登山道はかなりハードで、傾斜のきつい場所や岩場もあり、ヒグマの生息地でもあるので十分に注意してください。

可憐なオオヒラウスユキソウ

急峻な岩場を登る

ブナ林に注ぎ込む太陽の光

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2007年08月07日洞爺湖 ウチダザリガニ防除

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 加藤 康大

7月24日(火)?8月1日(水)、洞爺湖温泉街にて、外来生物であるウチダザリガニの防除を行った。
「外来生物」とは、本来その地域には生息していなかったが、人間の活動によって他の地域・国から持ち込まれた生物で、もともとその地域に生息している「在来生物」や、自然環境に大きな影響を及ぼし、生態系のバランスを崩すことで問題化している。
ウチダザリガニの場合、在来魚等の卵の補食、住処やエサ、産卵場所となる水草の補食が考えられ、また繁殖力も強いことから、湖沼や河川の生態系を大きく変化させてしまう恐れがある。

洞爺湖でも3年前にウチダザリガニの生息が確認され、今後の生態系へのダメージが懸念されている。

洞爺湖でのウチダザリガニの捕獲には、潜水士による手捕りと、カゴ等を使用した捕獲の2パターンがあり、今回はカニカゴによる捕獲を実施する。
7月24日(火)、洞爺湖温泉街湖畔にカニカゴ計26個を投入。円柱形のカゴの中に、エサとなる魚のアラを入れ、水深7m?8mに多く生息するウチダザリガニがカゴに入りやすいように、カゴを湖底に着地させる必要があるため、長さ約10mのロープを取り付けたカゴを湖に放り込み、ロープの端は手すり等に結ぶ。(※ロープには環境省のタグが付いています。見かけても触れないようにお願い致します。またカゴを使用した捕獲には許可が必要になります。)カゴは湖に沈めたままにし、毎日全カゴを引き上げ、中に入ったザリガニを捕獲し、カゴは再び湖へ。これを1週間繰り返す。

「たくさん捕れるといいなぁ」「いやいや、たくさん捕れちゃダメなんだ…」という複雑な心境の中、7月25日(水)カゴ上げ初日。 いるいる…。 多い場所ではひとカゴに40?50尾。期待に応えて(反して?)大漁。初日は229尾、今シーズン最大となる体長(目から尾の先まで)136mm、体重194gという大型の個体を含め、8日間で計478尾を捕獲。(※今年度は、8月現在で1905尾。昨年度は1年間で1367尾。)うーん、やっぱりたくさんいるんだな…。

今のところ洞爺湖では、温泉街付近、約1.8kmに渡って生息が確認されているが、他の場所では未確認。なんとか今後の生息範囲の広がりを食い止め、長流川や、サクラマスの遡上が見られる壮瞥川への流出は防ぎたい。私たちのカゴによる捕獲では捕れる数にも限界があり、根絶は困難。現時点で効果的な防除方法や、組織的な防除システムの構築が必要。捕獲や運搬を規制する外来生物法の問題もあり、クリアしなければいけない課題は多いが、ぜひ地元の皆さんの協力をお願いしたい。

最後に。ウチダザリガニを日本に持ち込んだのは人間の勝手。ザリガニにはなんの罪もない。水産処理場に運ばなくてはいけない大量のザリガニを前に、毎回いたたまれない気持ちになる。


ウチダザリガニ?

ウチダザリガニ?

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2007年07月20日火山を体験!!

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 浅田 唯衣

 7月10日に子どもパークレンジャーとして地元の洞爺湖温泉小学校5・6年生24名と「火山を体験しよう」をテーマに洞爺湖の近くにある普段は入ることのできない有珠山の外輪山内へ行きました。アドバイザーとして火山の研究をされている宇井先生に、火山の仕組みや有珠山がどのように変化してきたかなどをお話ししてもらい、子ども達が感じたこと見たこと不思議なことを写真に撮って、ワークシートに記録しました。
 各グループが温度計を片手に地表の温度を測ったところ85℃近くあるのにびっくりした様子。そして自分たちが立っている地面の下にはマグマが潜み、断層がずれているのを見てマグマが動くことを知りました。外輪山内に入ると穴を見つけました。その穴はそこに立っていた木が燃えて倒れた跡の穴。「深?い!」という声。さらに奥に歩くと、イタドリが点々にあり、岩がごろごろした荒涼地帯に1977年噴火の銀沼火口があり、今は火山灰や噴石で重なった地層が見ることができます。昔、ここには森と沼と牧場で魚も棲んでいました。また、その頃の写真を見せると「牛がいる!」と子ども達ははたまたびっくりしていました。遠くに目を向けると有珠山頂上部は平らで「どうして平らなの?」という質問。「実は今君たちがいる場所とあそこの平らな部分はつながっていたんだ。地面が約200m弱あそこまで隆起したんだ。」なんとも信じがたい面持ち。銀沼から少し歩くと未だに噴気現象が活発な一帯があり火山性ガスがもくもくあがっています。その辺りは地表温度は300℃近くにもなり場所によって地表の温度が変わることも知りました。
1977年噴火は彼らはまだ生まれていませんが2000年噴火は小さい頃に体験しています。そして今後も噴火が起きる可能性はあります。でもこの洞爺湖周辺は昔から火山と人とが共生してきた場所です。まずは火山がどんなものなのか?を知ることが大切です。今回子ども達は、普段の生活の中で何気なく見ている有珠山に行き、火山の不思議を肌で感じたことでしょう。
 次回は「火山の歴史を感じよう」がテーマで噴火の年代順に火口の植物調査をする予定です。


地表の温度を測る!


銀沼火口をのぞく!

広い外輪山内を歩く!

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2007年07月05日レンジャーを体験しよう!!

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 浅田 唯衣

6月30日?7月1日に子どもパークレンジャーキャンプが行われました。地元の子どもたち19名と私達レンジャーと一緒にビオトープの生き物調査や整備、洞爺湖にいる外来種ウチダザリガニを調べました。
 1日目は、ビオトープでカエル、オタマジャクシ、ヤマメ、フクドジョウ、ヨシノボリ、ヤゴ、トビムシ、アメンボなど沢山の生き物を見つけました。またビオトープ内のドロノキやヤナギなどの木々を見ながら、全体のバランスを考えてそれらの生き物に良好な環境となるように木を切りました。2日目は、洞爺湖でボランティアダイバーさんが捕まえてきたウチダザリガニを、子ども達は性別・体重・大きさなどを頑張って調べました。
 このキャンプで子ども達は、人間が作り出したビオトープでは管理をしないと水の流れがなくなり生き物の生態が変わってしまうことや、外来生物が在来種に与える影響を学びました。そしてウチダザリガニをこれからどうやって減らしていくかをレンジャーと一緒に考えました。例えば、捕獲したウチダザリガニを水族館で飼ってそのウチダザリガニを動物のえさにする。ウチダザリガニをおいしく料理し、販売してその売り上げを捕獲をしてもらうダイバーさんに還元する。など子どもならではの斬新な意見が飛び交いました。
 子ども達は大人が気づかないような小さなことも沢山知っています。このキャンプを通して子ども達それぞれが自然の大切さを考えるきっかけを作ることが出来たのではないかなと思います。

ヤマメ

ビオトープの管理についてレンジャーが伝える。


ザリガニ調査に子ども達は真剣!! 

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2007年06月29日洞爺湖中島 アメリカオニアザミ調査駆除 

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 加藤 康大

 6月23日(土)、昨年に続き洞爺湖中島中腹の「大平原」にて、アメリカオニアザミの調査駆除を行った。
 中島では、エゾシカの食害による植生の変化に加え、ここ数年、アメリカオニアザミが急激に繁殖。非常に強力な繁殖力を持つため、在来植物を駆逐してしまうおそれがある。
 札幌ほかから一般公募のボランティア9名も参加し、総勢17名での作業。業務委託したNPO法人アースウィンドより、アメリカオニアザミについてのレクチャーを受け、作業にかかる。
 30m×45mを1区画とし、それを2区画設置。一方は草刈り鎌による刈り取り、もう一方は根こそぎ引き抜き、今後の繁殖状況を比較する作戦。
 ほとんどの方が初めての参加。二重にした厚手の革手袋を貫いてくるアメリカオニアザミの手強さに、引き抜きエリアのあちこちから「アイタ!」「痛っ!」という悲鳴が…。それでもボランティアの皆さんの頑張りで、麻袋約30袋分を引っこ抜いた。
 それにしても、既に大平原のあちこちに広がっている繁殖力と、その棘の強力なこと…。家に帰ってからも体中チクチクする感触が。 ミミズやオケラはたくさん見かけたし、アメリカオニアザミも確かに生きてはいるけれど、さすがに「友達」とは思えませんでした…。
 8月にも、今年度2回目の調査駆除を予定しています。皆さん、ご協力をお願い致します!


※洞爺湖中島のアメリカオニアザミの防除にあたっては、各方面から土壌流出につながらないよう細心の注意を払うべきというご意見をいただきました。今回の防除作業にあたっては、いただきました意見を踏まえ、湖岸から離れた島の中央部に調査区を設定するとともに、アメリカオニアザミ以外の植生もあり防除=裸地化とならないよう、土壌流出の恐れはないことを確認た上で作業を行いました。貴重な意見をいただきました皆様にはこの場を借りてお礼申し上げます。(野生生物課担当)

洞爺湖真ん中に浮かぶ中島の、さらに中腹に広がる「大平原」

アメリカオニアザミ。茎や葉に強力な棘が。

根こそぎ引き抜く。

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2007年06月15日オロフレ山合同パトロール

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 浅田 唯衣

6月13日に壮瞥町、登別市、胆振支庁、地元山岳会らと私達でオロフレ山(1230.8m)の登山道パトロールを行いました。オロフレ山の登山口は標高930mで頂上までの標高差はわずかに300mほどです。この時期は、ツバメオモト、ミネザクラ、チングルマ、チシマキンバイ、ハクサンチドリ、ミヤマエンレイソウ、エゾイチゲ、ハクサンチドリ、サンカヨウ、フデリンドウなど花の宝庫です。特にシラネアオイは全コースを通して見ることができるので多くの登山者が訪れます。しかし、シラネアオイの群生地を見るために登山道からはずれた踏み跡が多くあり、今回はそこに立ち入らないようにロープ張りをしました。
 シラネアオイの名前の由来にもなった日光白根山では減少しているようです。本州ではなかなかこんなに沢山のシラネアオイを見ることが出来ないでしょう。北海道ではいつまでも見れることを願います。
 頂上では、徳舜瞥山・ホロホロ山・来馬岳・洞爺湖・倶多楽湖・羊蹄山・樽前山などの展望が広がり、登山者が景色を楽しんでいました。

登山道よりオロフレ山を望む


シラネアオイが寄り添う...

踏み跡と立入禁止ロープ

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2007年06月11日大平山合同パトロール

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 加藤 康大

 6月8日(金)、後志管内島牧村の大平山(おおひらやま。正しくは「おおびら」らしい。)合同パトロールに参加。
 今回のパトロールは、後志支庁、後志森林管理署、島牧村、エコ島牧と合同で、登山道の整備や危険箇所・立ち入り禁止箇所のロープ張り、植生状況のチェックを行った。
 大平山は、石灰岩による独特の植生・生態系を持つ山。天然のブナ林やオオヒラタンポポ、オオヒラウスユキソウなどの植物、またカドバリヒメマイマイという殻が平らなカタツムリなど、貴重な動植物に出会うことができる。
 しかし非常に残念ながら、心ない登山者による盗掘が後を絶えない。地元ガイドによると、昨年も盗掘痕や、移植ゴテまで見つかったそう。
 また、登山道は非常に急峻で、足場の悪い箇所も多く、ちょっと花を見に…という気軽な気持ちで登る山ではない。
 マナーを守った登山、環境への配慮をお願いしたい。

810m第一ピークから望む大平山ピーク。

カドバリヒメマイマイ。

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