ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2019年9月10日

2件の記事があります。

2019年09月10日ウトナイ湖で秋を感じて

苫小牧 大久保 智子

こんにちは、野生課の大久保です。

ウトナイ湖では、涼しい風が頬をなでるようになりました。秋の渡りで賑やかになる前の静かなこの季節は、湖畔沿いを散策するのにもってこいです。

今日の巡視では、

 

漆の紅葉とドングリの赤ちゃんをみつけ、秋を感じてきました。

散策路沿いにはまだ花も咲いています。

   

  キンミズヒキ      ツリフネソウ      キツネフリ       ノコギリソウ

森の小鳥たちは、繁殖期を終えたのでさえずりが聞こえなくなり、とても静かですが、時折散策路脇にも現れます。今は、アオジ、センダイムシクイ、クロツグミ、ウグイスなどがいます。

ウトナイ湖畔にあるウトナイ湖野生鳥獣保護センターでは、ウトナイ湖の自然や鳥の紹介を行っているほか、展示室からウトナイ湖を望むこともできます。

また、ウトナイ湖鳥獣保護センターの2階では、9月3日から29日まで2階でアクティブレンジャー写真展を開催しています。

北海道地方環境事務所のアクティブレンジャーが業務中に撮影した選りすぐりの写真を展示しています。国立公園や鳥獣保護地区で撮影した景色や動植物の写真をみると、撮影された場所にきっと訪れたくなると思います。

今年のアクティブレンジャー写真展の案内はこちら

  

秋を探しにウトナイ湖に是非お越しください。

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2019年09月10日離島巡視〜大黒島〜

釧路湿原国立公園 佐野 綾音

皆さまこんにちは。

北海道内外各地で猛暑日が記録されていますが、冷涼な釧路湿原でも今年は暑い!と9月に入ってからも半袖です。

先日、一泊二日で離島の巡視に行ってきました。厚岸町に位置する大黒島です。

大黒島は島全体が国指定鳥獣保護区(特別保護地区)に定められており、海鳥にとって、とても大切な集団繁殖地となっています。

天候に恵まれ快晴の中、港からいつもお世話になっている昆布漁漁師さんの船に乗って出発しました。

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講師である厚岸水鳥観察館専門員と環境省職員2名で船に揺れながら海上の様子を確認。

島に上陸後、尾根沿いを徒歩で巡視しながら、鳥類20種及び植物約40種(開花・結実しているものを含む)を確認しました。

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<巡視の様子とハッカの花(とても良い香りがしました)>

この時期、海鳥の繁殖はすでに終わっており、詳しい繁殖状況まで分かりませんでしたが、地面には営巣穴が無数にありました。

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<ウトウのものと思われる営巣穴>

崖の上にとまるオジロワシやハヤブサといった猛禽類の他、オオセグロカモメやウトウ、夜にはコシジロウミツバメを観察することができしました。

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<オジロワシとハヤブサ>

定点調査(沖合調査)では、ゼニガタアザラシやラッコ、カマイルカといった海獣類も確認されました。

暑い日だったのでとても気持ちよさそうに見えました。

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<定点調査地からの眺めと確認したウミウとラッコ>

また、翌朝(2日目)の巡視では、海岸沿いで昆布漁が盛んに行われていました。

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<昆布漁の様子>

今回の巡視では目立った異常はみられませんでした。

しかし、気がかりなこともありました。

それは、海岸に漂着していた数々のゴミと島に生育していた外来植物です。

ゴミは、海鳥や海獣類、魚などの生き物が誤って飲み込んでしまい、それが原因で命を落としてしまうこともあります。これは、一人一人がポイ捨てをしない等の工夫で被害を減らすことができます。

また、外来植物の存在は、本来の自然の姿を変化させてしまうことがあります。それは、植物単体への影響のみならず、在来植物と共生している他の多くの生き物の住処を奪ってしまう可能性もあります。

私たちが気軽にできることは、外来植物の種子を靴裏につけて運ばないことなのかもしれません。

今後も、ゴミ問題や外来植物に注視しながら、自分ができることに取り組み、様々な生き物たちと一緒に平穏な日々を過ごして行きたいと思います。

最後に、大黒島の巡視を終えたばかりですが、もう来年の巡視が待ち遠しい今日この頃です...

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