ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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阿寒摩周国立公園 川湯

34件の記事があります。

2019年04月10日摩周湖にヒグマ現る?!

阿寒摩周国立公園 杉山万里子

ニュースが飛びこんできたのは、48日のお昼休憩中。なんと、結氷した摩周湖の湖上にエゾシカの死体があり、ヒグマがそれを食べに来ているとのこと!

慌てて車に乗り込み、はやる気持ちを抑えながら摩周湖に向かいます。双眼鏡と望遠カメラは準備万端、あとはヒグマがまだいてくれたら・・・。

展望台に到着し、湖面を見渡しました。

いつも通りの結氷した摩周湖

あれ?何もいません。というより、湖面まで遠すぎてよく見えません。

それもそのはず、カルデラ湖である摩周湖は崖に囲まれており、ここ摩周湖第一展望台から湖面までは約200メートルの標高差があります。

摩周湖レストハウスの方に教えていただいて、やっとエゾシカの残骸を確認することができました。ワシやカラスにつつかれて形すら残っていませんが、写真を拡大するとツノが見えました。2、3歳のオスジカでしょうか。

ヒグマが食べていたエゾシカの残骸

残念ながら、ヒグマは20分程前に林の中に帰っていったとのこと。まだ視界の中にいるはずですが、雪も少なくなった斜面でヒグマを探しだすのは至難の技です。ヒグマが帰っていった方向を惜しくも眺めるだけとなりました。


この景色のどこかにまだヒグマがいるはず・・・

毎日摩周湖を見ているレストハウスの方によると、このようにヒグマが出てきたのは初めてだということです。さて、エゾシカはなぜ湖上で息絶えてしまったのでしょうか。ヒグマも湖上を渡るのは怖くなかったのでしょうか。幸運にもヒグマを見ることができた観光客の方に写真を見せていただきましたが、大きなヒグマも摩周湖の上ではなぜかちっぽけに見えて不思議でした。

阿寒摩周国立公園ではあまり姿を見かけることのないヒグマですが、やはり自然の中は彼らのテリトリーです。もうすぐ登山シーズンも開幕ですが、クマ鈴を携帯して、思いがけない鉢合わせが無いように心がけたいですね。

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2019年03月29日[ゆっくりやって来る北国の春]

阿寒摩周国立公園 川湯 岡西 大助

 阿寒摩周国立公園の岡西です。本州では桜も満開!というニュースが聞こえてきて、いよいよ春本番という感じでしょうか。しかい川湯に住んでいると本当に日本は広いことを実感します。最高気温はやっとプラスに届くかどうか、最低気温は10度(もちろんマイナス)を下回る日もあります。しかし、どこかに春はいるはず...。

3月26日川湯の森を巡視。

 

木々の隙間から差し込むやわらかな光 確かに春はすぐそこまで...

枯れたようにみえていたアカエゾマツの森にも、みどり色の新しい芽吹きがありました。

長い冬の間、休んでいた自然もいよいよお目覚めかな?

翌日327日、濤沸湖・神の子池コースを巡視。

 

「濤沸湖」 ラムサール条約登録地に指定されている、渡り鳥の貴重な飛来地。寒い!気温も低いけどこの寂寥感がさらに寒さを強調していました。

 

濤沸湖水鳥・湿地センター 環境省の直轄施設。センター内から多種多様な鳥類が観察できます。カモの群れの中に若いタンチョウが。

続いて神の子池へ。

 

神の子池へと続く林道は冬期閉鎖中。約2㎞の林道歩き。春はどこにいるんだろう...

道路脇の標識はこのとおり。林道の真ん中にある先行者のトレール跡を外さなければスノーシュー等は必要ありませんでしたが、持参が無難。

雪の中で静かに佇む神の子池

「ゆっくりでいいから。」春をあせる私に語りかけているみたい。足下をしっかり固めて新年度を迎えよう!

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2019年03月01日冬の西別岳

阿寒摩周国立公園 川湯 杉山万里子

みなさま、こんにちは。

日がだんだんと長くなってきました。

2月上旬には最強寒波がやってきて、川湯もマイナス30度以下を記録しましたが、気づけば厳冬期も過ぎ去っていました。近頃では雪も湿り気を帯び、春が近づいてきていると感じます。

2月27日はパークボランティア有志の方と西別岳に巡視に行ってきました。

冬の山は初めての私ですが、熟練のPVさんが同行してくださったので、安心して登ることができました。

西別岳は冬期林道が除雪されておらず、登山口まで約6キロを歩かなければなりません。

みんなでスキーシューを装着し、もくもくと歩きはじめましたが、林道にはウサギのとめ足や、エゾリスの足跡、ネズミが顔を出した穴、キツネが顔をつっこんだ穴、鳥が飛び立った羽の跡など動物たちの痕跡が私たちを楽しませてくれ、あっという間に2時間で登山口に到着しました。

登山口/西別小屋に到着!

西別小屋の利用記録を見ると、冬期も使用されているようで、遠くカナダから来られている方もいました。トイレもあるので、休憩地点として丁度良く、きちんと整備されているのが有り難いです。

小休憩のち気をとりなおし、スキーシューで緩い斜面を登っていきます。もうこれ以上斜面は登れない、というところでスノーシューに履き替えたのですが、滑るように移動してきたスキーシューに足が慣れていたせいか、待ち構えていたのが急傾斜のがまん坂だったせいか、一歩一歩が重く感じてしまいました。甘えに甘えて、踏み固められた最後尾を歩かせてもらい、なんとか尾根に出ることができました。

緩い斜面をスキーシューで登る

がまん坂

やっと尾根に出ました!正面にリスケ山があります。

リスケ山から見る摩周カルデラと摩周岳の姿は圧巻です。天候にも恵まれ、遠くウトロとオホーツクの流氷まで見ることができました。左手には西別岳の頂上が見えます。リスケ山から西別岳頂上の尾根は、風の吹き付けが強く、高山植物がむきだしになっているところがありました。そのような積雪が少ないところは、登山道沿いにある植生保護のための杭も頭をのぞかせています。杭の内側からはずれないように歩き、高山植物を踏みつけないように気をつけたいですね。

リスケ山山頂

リスケ山山頂から西別岳を望む

西別岳頂上に到着すると、オオワシが旋回していました。この後、オジロワシもやってきました。

つい息をとめて見とれてしまいます。

予定より少し時間が押してしまっていたので、頂上ではあまり長居をせずに下山を始めました。行きは大変でしたが、帰りは気持ちも軽く、さくさく進みます。体力温存のため(?)がまん坂は滑って降りようと小道具を持ってきていたのですが、残念ながら雪もだいぶゆるくなっていて、思うように滑ることができませんでした。その分、スキーシューに履き替えてからは、怖いほど滑り、何度も頭から雪につっこんでしまいました。

頂上から降りてリスケ山方面へ歩く

帰りの林道もあっという間でしたが、丁度2時間かかりました。朝7時半に出発して、夕方4時半に出発地点に戻ってきました。振り返ると西別岳が雄大に夕日に照らされていました。

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2018年11月30日「藻琴山巡視」

阿寒摩周国立公園 川湯 岡西 大助

阿寒摩周事務所の岡西です。川湯に移住して3度目の冬を迎えました。今年は本当に暖かい日が続いており、とても過ごしやすいのですが、あとで帳尻合わせのような大雪が降るのではないかと少し不安でもあります。何事も普通が良いですね。

11月21日、雪に閉ざされる前に藻琴山巡視に行ってきました。藻琴山登山はハイランド小清水725から入るコースと大空町側から入る2つの登山コースがありますが、今回は最も利用者の多いハイランド小清水725駐車場から入山。

登山届けを出す箱はすでにかたづけられていました。

今日はパークボランティアのメンバーが同行してくれました。心強い!

町中に雪はないけど、山は真っ白。ハイマツに綿を被せたような美しい景色。

雪の重みで樹木が垂れ下がり、あちこちでこのように這うような山登りになりました。

山頂からの眺望は雪とガスで全くなし!しかも寒い!

雪のない時期なら1時間もあれば余裕で登頂できるのですが、今日は1時間半もかかりました。

春に咲き、夏に育ち、秋に実り、冬に休む。自然のサイクルはおおらかに進んでゆく...。

道道102号線からハイランド小清水725駐車場への道は除雪されません。冬期登山はキャンプ場付近の駐車スペースに車をとめて登るしかありませんのでご注意下さい。

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2018年10月12日[錦秋の川湯]

阿寒摩周国立公園 川湯 岡西 大助

 

10月に入って、朝晩気温が下がり随分秋らしくなってきました。みなさま体調は崩されておられませんでしょうか?川湯は北海道でも指折りの寒冷地。屈斜路カルデラの真ん中に位置しており寒暖差が激しく、ほんの数日で景色が変わるほど季節が早く移ろうので、頭も身体も乗り遅れないようにすることが大変です。

10月2日の川湯の森。

 ヤマドリゼンマイが美しい。樹木が緑、地面が紅葉していて不思議な景色。

 バス停 「大鵬記念館前」ここはバスも来ますが...

 馬車も来ます!この時期の川湯名物「紅葉馬車」(10月1日~16日 お急ぎください!)

 

109日の川湯園地

 ウルシにナナカマド

 

 サクラにカエデ

 環境省阿寒摩周国立公園管理事務所周辺は鮮やかに色づいています。先日、欧米の方々にこの時期の日本の印象を伺う機会がありました。みなさん、口々に語られるのは紅葉の美しさでした。多くの国々は単色であったり、元々年中同じ景色であったりするようで、日本のような色の混ざり合う風景はめずらしいのだそうです。

間もなく鮮やかな錦秋の候。

一人ひとりは小さいけどみんなで美しい。「調和」自然から学ぶものは多いですね。

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2018年09月12日「カフェ774(名無し)オープン」

阿寒摩周国立公園 川湯 岡西 大助

皆さま、お元気ですか。

川湯も9月を迎え秋めいてきた、というより今年は夏が随分短かったように感じましたが、どうだったのでしょうか?

さて今回の日記は、前回お知らせした川湯エコミュージアムセンターで行われたカフェの試験営業についての報告。この企画は、国立公園満喫プロジェクトのコンセプトの一つ、「上質な旅の提供」という命題に応えるため、ツアーデスク、キッズコーナーの新設と併せ、2階にくつろげるカフェスペースを設置。実際にカフェを開設してデータ収集、今後のカフェスペースの在り方を模索するというもの。

【カフェ来店者数】

・8月14日(火) 来店者数72名

・8月15日(水) 来店者数66名

・8月16日(木) 来店者数60名

・8月17日(金) 来店者数59名

「広々としたつくりになっていてくつろげた。」「窓からの眺めが素晴らしく、居心地が良い。」等、嬉しいお客様の声も多数いただき、オープニングイベントとしては大成功でした。もちろん本格営業するには問題点もあり、新たな課題も見つかりましたがそれでも結果は大成功だと思います。根拠はお客様のたくさんの笑顔とありがとうの一言。

カフェ774(名無し)

最強のスタッフ! 魅力溢れる地元スイーツ!

 

            

エコミュージアムセンタースタッフによる「阿寒摩周国立公園スライド&トークショー」

「森の絵」を眺めながら、「ほっと」するひととき

次回は9月22日~24日の3日間、 釧路の「喫茶ボロンジ」が出店される予定。是非ご来店を!

追記

8月20日、国立公園満喫プロジェクト進捗状況ご視察のため、川湯エコミュージアムセンターに管官房長官が来訪されました。カフェスペースもご覧いただく機会があり、挽き立てドリップコーヒーでおもてなしさせていただきました。

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2018年08月13日「国立公園満喫への誘い 旅の途中にほっとする時間」

阿寒摩周国立公園 川湯 岡西 大助

 全国的に酷暑といわれる暑い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。阿寒摩周国立公園管理事務所のある弟子屈では、8月7日の立秋と共に日中でも20度前後の気温で推移しており、随分涼しくなりました。しかし、弟子屈はこれから熱くなるんです。そう、立秋の翌日8月8日は「阿寒摩周国立公園」名称変更から記念すべき一周年を迎えました。

 この度、「国立公園満喫プロジェクト」のコンセプトの一つである質の高い滞在空間の演出にもつながり、地元の人に関心をもっていただけるように川湯エコミュージアムセンターがリニューアルされました。一階の展示施設刷新、キッズコーナーを改装、雨具、防寒具の貸し出し、ツアーデスクの増設(予定)。そして一番の目玉はカフェの開設。まだ本格営業はできませんが、今後営業に向け具体的な検討を重ねていきます。そしてその第一回目のイベントが8月14日(火)~17日(金)に実施されるはこびとなりました。

とてもお洒落な空間。旅の途中、豊かなひとときを提供したい。

摩周ブルー。水槽のようなショーケース    今回のイベントスタッフ

森の中の隠れ家のような、静寂につつまれたカフェコーナー。ご来店お待ちしております。

詳細はこちらまで↓

<http://www.kawayu-eco-museum.com/>(川湯エコミュージアムセンターホームページ)

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2018年07月24日夏真っ盛りのカムイヌプリ(摩周岳)

阿寒摩周国立公園 川湯 杉山万里子

みなさま、初めまして。4月より阿寒摩周国立公園管理事務所(川湯)に着任しました杉山万里子です。これからどうぞ宜しくお願いします。

今月12日の摩周岳巡視の様子をお伝えします。

摩周岳登山は巡視や整備など合わせて今シーズン三回目。毎年夏シーズンに数回登っている身近な山ですが、いつも違った表情を見せてくれます。

この日は霧が立ちこめて視界ゼロ。見えるはずの根釧大地も、摩周湖もその姿を見せてくれません。

綺麗な花が!と指さすレンジャー

  

          ヒオウギアヤメ                 チシマフウロ           

足下の花を見ながら、だらだらとした下り坂、だらだらと続く上り坂を歩いていくと、約1時間で見晴らしの良い風衝草原にたどり着きました。ここにはベンチがあり、一休みすることができます。あれ?!看板が旧名称のまま・・・・・・どう直す?上から何か・・・いや、彫るか??なんて話していると、突然摩周湖が姿を現しました。あっという間の出来事だったので、慌ててカメラを構えてぱちり。

 

歩いてきた方向を振り返ると、濃い霧が絶えず流れています。あの霧の中を歩いてきたのでしょうか。見えたり、見えなかったり、じらすように姿を現すのが摩周湖の魅力?なんて話をしながら、頂上まで残り3キロを歩みます。

 

すっかり晴れると、今度は暑さが気になります。外輪山の尾根沿いを歩く摩周岳登山道は、樹木がないところは日差しを遮るものがありません。すると、シラカバの幹に、ぷるぷるキノコ。触るとひんやり。おでこに貼りたくなるね、と冗談を言うレンジャー。(頭に巻いているのはキノコではなくタオルです。)シラカバに生えていたので、シロキクラゲ科のコガネニワカタケでしょうか。

 

西別岳への分岐を過ぎると、いよいよ最後の急な上り坂が続きます。幸いにもシラカバが木陰を作ってくれていて、北海道ならではの冷たい風が体を涼ませてくれます。何度登っても最後の急登は毎回しんどいですが、一歩一歩進んでいくと、ついに頂上につきました!やっぱり、頂上から見る摩周湖は特別。展望台からとはまた違った景色です。

 

 

          エゾツツジ                  ヨツバシオガマ

 

         マルバシモツケ                  キリンソウ

気温が上がったためか、頂上は大量の虫!ゆっくりしていられないほどです。この時期は長袖&虫除けがおすすめです。アマツバメがものすごい風切り音をたてながら舞っていました。

帰り道の風衝草原では、フランスからの親子とすれ違いました。頂上まで目指すそうです。さらに、イスラエルからの親子にも会いました。小さな子供も手を引かれながら、たくましいです。いろんな国からの登山客に楽しんでもらえるよう、これからも魅力を発信していきたいと思います。

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2018年06月05日「新緑の季節」

阿寒摩周国立公園 川湯 岡西 大助

 「極寒の地」川湯にも、温もりを感じられる日が多くなり、日中20度を超える日もあります。

森からはカッコウの声が響き、新緑の木々の隙間から漏れる光の粒に初夏の訪れを感じる今日この頃です。

「みどり」には新しく生まれたものという意味もあり、冬期閉ざされる時間の多いこの地では、その意味を

いっそう強く感じます。

5月19日、摩周・屈斜路パークボランティア連絡会も今年度の活動を再開、川湯の固有種 「カワユエンレイ

ソウ分布調査」をしました。久しぶりに顔を合わせたメンバーと新しい季節を感じながらの楽しい活動に

なりました。

 

川湯エコミュージアムセンターにて        車でちょっと走ったところにある森の中へ入って調査  

新任の秋月管理官、杉山ARの紹介 

「コドラード法」植生調査で一般的に行われる調査方法 正方形の枠の中で

個体数を数えます 一生懸命の秋月管理官

年齢判別をされる金井パークボランティア会長 カワユエンレイソウは開花まで

10年かかる!

「カワユエンレイソウ 」ユリ科の被子植物。川湯の固有種であり絶滅危惧種。

6月中旬に入るとカワユエンレイソウと入れ替わるようにイソツツジが一斉に開花します!硫黄山へ続く、

ツツジが原探勝路付近は可憐な白い花で覆われます。観光馬車も6月10日(日)から始まります。みどりと花の季節を迎える川湯を訪れてみませんか?

 

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2018年03月06日「川湯エコミュージアムセンター発 総合学習で学ぶ」

阿寒摩周国立公園 川湯 岡西 大助

阿寒摩周国立公園管理事務所、岡西です。

早春から陽春へとむかう季節、皆様いかがお過ごしでしょうか。

川湯は3月に入ってもシバレル日が続いております。摩周湖、屈斜路湖共に全面結氷したのは5年ぶりのことみたいで、今年は雪が少なく低温で推移する、そのような特徴の冬でありました。

「川湯エコミュージアムセンター」

阿寒摩周国立公園摩周地域の自然環境情報発信基地。小さな博物館的な施設として地元の児童や生徒の教育の場としても利用されており、子供達が地域の自然を通して健やかに、環境教育、地域理解、そして郷土愛を育む一助となっています。小中学校の総合学習にも利用されており、今回は冬の総合学習について紹介したいと思います。

2月5日 川湯小学校(1~3年生)24名。テーマ「冬にしか見られないものを見に行こう」

屈斜路湖にて(砂湯)。スタッフの説明よりもオオハクチョウが気にかかるのかな?

温度計を使用しての調査。温泉が湧出しているため20度を超えています。オオハクチョウ、マガモ、オジロワシなどが観察できました。

エコミュージアムセンターに戻り、まとめの時間。案の定オオハクチョウに質問が集中。私も必死に説明しました。

2月8日。川湯小学校(4~6年生)17名。テーマ「冬の屈斜路湖でしか見られない物を見つける」

カウンターを使用して確認したオオハクチョウは40羽。温泉湧出付近温度52度。地面50.9度。温泉ph7.6。高学年になると計測器を使用して正確な数値を記録します。その他、御神渡り現象について氷に触れてみたり、発生の仕組みをみんなで考えたり、砂湯温泉と川湯温泉の泉質の違いを数値で比較することも。さすが高学年!の内容です。

クマゲラの食痕を観察。細長いのが特徴。クマゲラは確認できませんでしたが、間近でオジロワシを観察することができました。

 

2月22日。川湯中学校(1年生)6名。テーマ「自然環境を主体的に観察し、ふるさとの自然を理解する。」

小学生は午前中授業ですが、中学生は一日校外授業。量、内容ともに難易度が上がります。場所も和琴半島と砂湯付近の二カ所。

エコミュージアムセンターのスタッフから「凍裂」についてレクチャーを受ける。

「和琴半島ではトドマツによくこの現象がみられます。カエデの仲間多いですが、彼らは樹液に糖分を蓄えることで凍らない工夫をしています。シラカンバもそうです。なので甘いシロップが採れます。」とても解りやすい説明に私までひきこまれてしまいました。

 オヤコツ付近は地熱の影響で雪がなく、「マダラスズ」というコオロギの仲間の姿が1年を通して観察できます。必死で探す生徒達。

 昼食後、場所を砂湯付近に移動して御神渡り現象の観察。

時々近くでバリバリと氷の割れる音がし御神渡り現象の発生を耳で聞くこともできました。

 ドリルを使用して氷に穴をあけて、メジャーで厚さを測るとなんと38㎝!。

この後、学校に戻り今日のまとめと資料作りを行いました。この資料は今年の夏、川湯エコミュージアムセンターで観光客を対象にボランティアガイドとして説明する際の資料となります。地域の子供達が地元の自然を学び、自分の言葉でふるさとを紹介する。すばらしい循環ですね。

実は今回のスタッフは川湯中学校の大先輩です。同じ学校で同じように授業を受け、そして地元の後輩に伝える仕事に就きました。これもすばらしい循環ですね。

地球というひとつの家族。自然から学ぶ物は何でしょう。命、神秘、驚異、感謝。たくさんありそうですね。

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