阿寒摩周国立公園 川湯
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2018年11月30日「藻琴山巡視」
阿寒摩周国立公園 川湯 岡西 大助
阿寒摩周事務所の岡西です。川湯に移住して3度目の冬を迎えました。今年は本当に暖かい日が続いており、とても過ごしやすいのですが、あとで帳尻合わせのような大雪が降るのではないかと少し不安でもあります。何事も普通が良いですね。
11月21日、雪に閉ざされる前に藻琴山巡視に行ってきました。藻琴山登山はハイランド小清水725から入るコースと大空町側から入る2つの登山コースがありますが、今回は最も利用者の多いハイランド小清水725駐車場から入山。
登山届けを出す箱はすでにかたづけられていました。
今日はパークボランティアのメンバーが同行してくれました。心強い!
みなさま、こんにちは。
日がだんだんと長くなってきました。
2月上旬には最強寒波がやってきて、川湯もマイナス30度以下を記録しましたが、気づけば厳冬期も過ぎ去っていました。近頃では雪も湿り気を帯び、春が近づいてきていると感じます。
2月27日はパークボランティア有志の方と西別岳に巡視に行ってきました。
冬の山は初めての私ですが、熟練のPVさんが同行してくださったので、安心して登ることができました。
西別岳は冬期林道が除雪されておらず、登山口まで約6キロを歩かなければなりません。
みんなでスキーシューを装着し、もくもくと歩きはじめましたが、林道にはウサギのとめ足や、エゾリスの足跡、ネズミが顔を出した穴、キツネが顔をつっこんだ穴、鳥が飛び立った羽の跡など動物たちの痕跡が私たちを楽しませてくれ、あっという間に2時間で登山口に到着しました。
西別小屋の利用記録を見ると、冬期も使用されているようで、遠くカナダから来られている方もいました。トイレもあるので、休憩地点として丁度良く、きちんと整備されているのが有り難いです。
小休憩のち気をとりなおし、スキーシューで緩い斜面を登っていきます。もうこれ以上斜面は登れない、というところでスノーシューに履き替えたのですが、滑るように移動してきたスキーシューに足が慣れていたせいか、待ち構えていたのが急傾斜のがまん坂だったせいか、一歩一歩が重く感じてしまいました。甘えに甘えて、踏み固められた最後尾を歩かせてもらい、なんとか尾根に出ることができました。
リスケ山から見る摩周カルデラと摩周岳の姿は圧巻です。天候にも恵まれ、遠くウトロとオホーツクの流氷まで見ることができました。左手には西別岳の頂上が見えます。リスケ山から西別岳頂上の尾根は、風の吹き付けが強く、高山植物がむきだしになっているところがありました。そのような積雪が少ないところは、登山道沿いにある植生保護のための杭も頭をのぞかせています。杭の内側からはずれないように歩き、高山植物を踏みつけないように気をつけたいですね。
西別岳頂上に到着すると、オオワシが旋回していました。この後、オジロワシもやってきました。
予定より少し時間が押してしまっていたので、頂上ではあまり長居をせずに下山を始めました。行きは大変でしたが、帰りは気持ちも軽く、さくさく進みます。体力温存のため(?)がまん坂は滑って降りようと小道具を持ってきていたのですが、残念ながら雪もだいぶゆるくなっていて、思うように滑ることができませんでした。その分、スキーシューに履き替えてからは、怖いほど滑り、何度も頭から雪につっこんでしまいました。
帰りの林道もあっという間でしたが、丁度2時間かかりました。朝7時半に出発して、夕方4時半に出発地点に戻ってきました。振り返ると西別岳が雄大に夕日に照らされていました。