阿寒摩周国立公園 川湯
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2017年10月19日標準テンプレート阿寒摩周国立公園名称変更記念式典~世界水準の"ナショナルパーク"を目指して~
阿寒摩周国立公園 川湯 岡西 大助
10月3日、阿寒摩周国立公園名称変更記念式典(主催:阿寒摩周国立公園広域観光協議会)が行われました。主催者を代表して、德永哲雄会長(弟子屈町長)の挨拶で開会し、来賓挨拶では武部新環境大臣政務官が「国と地域の宝であるこの地を一層の磨きをかけたい。」と述べられました。つづいて涌井史郎氏(東京都市大学特別教授)による「国立公園満喫プロジェクトと阿寒摩周国立公園」をテーマとした基調講演では、「インバウンドの人達が『よかった』と感じてもらうブランドをいかに作るか。そして阿寒摩周国立公園が日本の国立公園の未来モデルになってほしい。」と講演されました。その後、山田桂一郎氏(JTIC、SWISS)をコーディネーターとし、涌井史郎氏、菅原淳氏(株式会社北海道新聞社釧路支社長)大西雅之氏(NPO法人阿寒観光協会まちづくり推進機構理事長)、中嶋康雄氏(一般社団法人摩周湖観光協会長)河野通治(阿寒摩周国立公園管理事務所所長)をパネリストにむかえ「これからの阿寒摩周国立公園を考える~環境保全と経済発展の両立を目指して~」をテーマにしたパネルディスカッションが行われました。河野所長はパネリストとして「自然保護も観光地としての魅力向上も、地元民一人ひとりの協力が大切。」と述べ、涌井氏が「保護と規制のバランスをとりながら観光コンテンツを磨き上げ、日本の国立公園のモデルになってもらいたい。」と結びました。
德永弟子屈町長開会の挨拶
武部環境大臣政務官の来賓あいさつ
パネルディスカッションの様子。
10月10日。
記念行事から一週間。川湯地区はすっかり秋の気配に。
環境省阿寒摩周国立公園管理事務所前
川湯エコミュージアムセンター前も秋色
無料の観光馬車で川湯園地内の紅葉を楽しむことができます(10月16日まで)
足湯周辺の紅葉
川湯園地内には様々な樹木草木が生育しています。そのため紅葉も赤、黄、緑さまざまな色が混在してみんなで力を合わせて美しい季節を演出しています。「阿寒摩周国立公園満喫プロジェクト。」誰かが頑張る!ではなく、'一人ひとり'が繋がって大きな力にして行きましょう。
2017年10月08日野生動物と交通事故
阿寒摩周国立公園 川湯 佐々木 亘
私は、環境省 阿寒摩周国立公園管理事務所に勤務しております、佐々木 亘と申します。今年3月まで、北海道(道東)の高校の実習職員として5校に34年間勤務し、定年退職後、4月から同事務所に勤務しております。
さて、私は、釧路市から環境省の事務所がある弟子屈町川湯温泉までの片道約96㎞をマイカーで通勤しています。(長距離のため、帰りはつらい時もありましたが、今は慣れてドライブを楽しんでいます)
5月頃、通勤途中のある決まった場所で、二匹の親子キツネ(たぶん母と子、どういう訳か子供は1匹)を見かけるようになりました。当所、その子キツネはヨチヨチ歩きで親に着いて行くのに必死の様子でしたが、日を追うごとに活発になり、成長していく様子が分かりました。夜、帰宅途中、親子は道路上でじゃれ合ったりしていることもありました。
ただ、成長とともに道路を横断することも多くなってきました。私は、大体、親子がいる場所を把握していたので、減速をするようにしていましたが、それでもブレーキを踏むくらい急に目の前に飛び出されて、ヒャッとすることがありました。そして、近いうち交通事故に遭うのではないかという不安もよぎりました。
次第に私は、その子キツネの成長を密かに応援するようになっていました。娘の愛犬「マメ」にしぐさが似ていたため、マメと呼ぶようにしました。
・・・マメ、「車に気をつけろよ」と心の中で祈っていました。
ところが、7月6日の朝、いつもの場所に差しかかろうとした時、数羽のカラスが何かの死骸を啄んでいました。徐行をして、その側を通りかかったところ、その死骸は「マメ」だったのです。こうなるのではないかとなぁという不安はありましたが、ついに現実になってしまいました。
ここまで大きくなったのに、あのかわいい仕草、歩き方、親子のスキンシップ等もう見られないと思うと・・
この他にも多くの野生動物が交通事故により命を失っています。場所によっては注意喚起のための標識が設置されているところもありますが、皆様も車の運転にはご注意下さい。
以下に、私が通勤中に遭遇した野生動物の交通事故現場の写真を掲載します。
(苦手な方はご注意ください)。
交通事故あった野生動物
キタキツネ(マメではありません) エゾシカ
エゾタヌキ エゾリス
アオダイショウ ヤマシギ
※ ヒグマは車や列車との接触事故が
時々あります。
カラスのヒナ(巣立ち直後が多い)
北海道にはこのような注意喚起の看板がありますが・・・
『野生動物と交通事故』野生動物との関わりという面で避けて通れない問題ではないでしょうか。
自然の裏にはこのような現実があるのも事実です。
2017年09月27日自然の驚異と学び
阿寒摩周国立公園 川湯 岡西 大助
9月の18日、川湯園地は台風18号に襲われました。いたるところで倒木が発生し、通行止め等、支障がでました。
直径70~80㎝ある大木が倒れ、車道、探勝路問わず、被害がでましたが、けが人や、建物に被害等は無く、不幸中の幸いでした。
細くしなやかな樹木の多い足湯付近は、ほとんど被害は無く、紅葉も始まり穏やかな風景。
私たちの事務所(阿寒摩周国立公園管理事務所)を見守るように立つ、川湯園地内最大のミズナラ。強風をしなやかに受け流すのか。真正面から受け止めるのか。自然は問いかけます。
2017年08月10日阿寒摩周国立公園誕生!
阿寒摩周国立公園 川湯 岡西 大助
道東の中央部に位置し、三つの大きなカルデラ地形を基盤とした、「火山と森が織りなす豊かな原生的景観」を有するこの地域は、昭和9年12月4日に「阿寒国立公園」に指定されました。
この公園に隣接する摩周カルデラ北側外輪山山麓にある「神の子池」は、以前から多くの観光客が訪れる観光スポットとして定着しており、その保護と保全、適正な利用の増進を図ることが求められていました。
そのため、この度、公園区域及び公園計画の変更を行い、神の子池周辺を公園区域に編入し、それに併せて以前から地元要望のあった公園の名称変更も同時に行われるはこびとなりました。
神の子池
平成29年8月8日、「阿寒国立公園」は「阿寒摩周国立公園」に名称が変更され、それに併せて、阿寒摩周国立公園管理事務所の新たな看板のお披露目式がおこなわれました。
当日は報道関係9社の取材申し込みがあり、関心の高さが伺われます。
報道機関、関係者に挨拶をする河野所長
国立公園名称変更の概要を説明する萱島国立公園管理官
阿寒摩周国立公園管理事務所誕生!
たくさんの人がこの地を訪れ、感動を持ち帰っていただければ嬉しいな。大自然の懐に飛び込みに来てください。お待ちしています!
写真データ:8月6日夜明け 撮影者 河野通治(阿寒摩周国立公園所長)
2017年07月10日西別岳登山道巡視と山の守り人
阿寒摩周国立公園 川湯 岡西 大助
7月5日 西別岳登山道案内板の破損情報を受け、佐々木・岡西アクティブレンジャーで巡視活動にいってまいりました。先ず避難小屋を訪れ、登山道の現状報告もかねて登山道の管理を委託している加藤さんにもご同行お願いしたところ、快諾。
とても雰囲気のある山小屋 今日の打ち合わせ風景
AM9:30 さあ、出発
30分歩いて振り返ると雄大な北海道の風景。 シラカンバのトンネルを抜けると...
ヒオウギアヤメの咲く草原 そして控えめな小ピーク
案内板と木道の状況も確認 早急な処置が必要
登山道管理の説明の一方、登山道の気になるところを補修。以前は生えていなかったササが山頂付近まで進出し、高山植物を覆いはじめ、花の減少が目立ちはじめたため、計画的なササ刈りをしてくれています。手鎌での丁寧な作業に思わず感謝の言葉が出ました。
「花が好きなんだ。せっかく咲こうとする花を守りたい。来てくれる人にみてほしいんだ。」
穏やかに語る姿にただ頭が下がりました。
美しい登山道と可憐な花、そして人
さぁ、帰ろう!
清々しい気持ちで山をおります。この道は通称「我慢坂」。佐々木レンジャー足先痛。岡西膝が笑いだす状況。そんな中、加藤さんは穏やかな表情で「いつもは走るんだ」。
加藤 利助さん、御年87歳。地上の星に会いました。
2016年04月21日春を探しに和琴半島へ
阿寒摩周国立公園 川湯 二階堂美香
みなさま、はじめまして!
4月より川湯自然保護官事務所にアクティブレンジャーとして赴任いたしました、二階堂美香と申します。
これから、川湯地区(摩周湖・硫黄山・屈斜路湖畔など)の自然やイベントの情報などを随時、発信して参ります。どうぞよろしくお願いいたします!
さて、4月も半ばを過ぎ川湯地区のあちこちで春の花も見かけるようになり、太陽も力強く、外に誘われ出る日が多くなってきました。
今日は、屈斜路湖の南岸につきでた「和琴半島探勝路」の様子をお伝えします。アイヌ語で「ワッコチ(魚の尾のくびれたところ)」と呼ばれる和琴半島には、1周2.5キロ、約1時間で回れる探勝路があります。
ここ数日の春の陽気ですっかり探勝路上の雪も溶け、歩きやすくなっていました。探勝路脇の至る所で「フクジュソウ」を見ることができます。
(和琴半島探勝路脇に咲く、「フクジュソウ」)
これから「ミズバショウ」や「ニリンソウ」なども開花しますし、和琴半島の先には今も蒸気をあげている「オヤコツ地獄」など、歩く者を楽しませてくれる自然でいっぱいです。
(蒸気をあげる「オヤコツ地獄」)
また、4月27日からは和琴半島で見られる動植物や自然情報を紹介する和琴フィールドハウスも開館します。ここで情報を手に入れ、いざ、和琴半島で春を探してみてください!
(つつじが原自然探勝路から「硫黄山」をのぞむ)
歴史、自然、人々の生活が調和する「阿寒国立公園 川湯地区」。
次回は、川湯温泉とも密接な関わりのある硫黄山と、硫黄山まで続く「つつじが原自然探勝路」をレポートしたいと思います。上記写真では、茶色一色の世界ですが、6月にもなれば、探勝路一体に咲き誇る「イソツツジ」で白い世界へと変貌を遂げます。
私も今から楽しみです!
イメージを膨らませて、次回のレポートをお待ちください!!
2016年02月10日屈斜路湖全面結氷!
阿寒摩周国立公園 川湯 恩田諒
屈斜路湖が全面結氷しました!!(昨年、全面結氷は確認されていません。)
湖が凍ることを結氷といい、湖すべてが凍結すると全面結氷といいます。
全面結氷の湖では屈斜路湖(最大水深117m)は国内最大級といわれています。
近くの摩周湖(最大水深211m)は、水深が深いため全面結氷せず部分結氷といわれています。
~年別の結氷日~
2011年:2/20
2012年:1/20
2013年:1/11
2014年:2/12
2015年:凍結確認されず
2016年:2/4
*データ元:川湯エコミュージアムセンター資料
写真(砂湯から) 写真(オオハクチョウ)
砂湯は地熱が高く一部解氷部分が出来ることから、毎年400~500羽の白鳥が羽を休めています。
2015年12月05日川湯エコミュージアムセンター
阿寒摩周国立公園 川湯 恩田諒
川湯は12月に入り、寒さが一気に増してきました。
屈斜路湖には150羽以上のオオハクチョウが飛来し、冬の訪れを感じます。
寒い中でのツツジヶ原自然探勝路散策の後は足湯に入り、その後は環境省直轄施設「川湯エコミュージアムセンター」がおすすめです。
ホームベージアドレス:http://www6.marimo.or.jp/k_emc/
川湯のもりの中にたたずむ当センターは自然と人間との繋がりを考えてもらい、体験することを目的としたフィールドと一体となった施設です。硫黄山、摩周湖などを各ブースでジオラマや写真、標本、映像などの工夫された展示が行われており、川湯地域の自然が紹介されています。
二階はギャラリースペースになっており、月毎に様々な展示が行われています。
11月2日~12月28日の期間は、当方の写真展を行っています。テーマは「アオウミガメの旅立ち」で、内容は当方がアクティブレンジャーになる前に小笠原で体験した活動になります。直径約10cmの子ガメが懸命に生きている姿を見て頂けたらと思います。一部のブースでは道東の野生動物をテーマに、キタキツネや遡上中のサケなどの写真も展示しているのでこちらも是非ご覧ください。
川湯にお越しの際は、暖かい格好でお越しください。
2015年10月09日川湯地区の秋
阿寒摩周国立公園 川湯 恩田諒
ここ最近、日に日に寒くなってきた阿寒国立公園川湯地区です。
和琴半島には多くの野生生物が生息しており、比較的簡単に見つけることが出来ます。
たとえば、今の季節であれば、クルミをくわえたエゾリスやエゾマツの木の上にいるアカゲラなどが観察できます。
秋の自然散策と共に和琴半島探勝路入り口の温泉もおすすめです。
先日、巡視した際に発見したアオダイショウは、温泉に触れた直後、温泉の温度に驚き、ものすごい勢いで茂みに入っていきました。
アオダイショウは和琴半島では頻繁にみかけます。
また、硫黄山から川湯に向かう道にあるツツジヶ原自然探勝路の木々も徐々に黄葉や紅をしてきています。
特にこれから見頃を迎える硫黄山前の紅葉した木々のトンネルは絶景です!
(ツツジヶ原自然探勝路内のシラカンバの黄葉)
12月5日、川湯地域にまとまった雪が降りました。昨年は12月6日に降った雪がそのまま根雪になったので、
今年も今回の雪がそのまま根雪になりそうです。
(川湯園地-ツツジが原中間地点) (アカエゾマツの森)
(アカゲラの森 道を遮る倒木) (アカゲラの森 天然のツリー)
「穏やかな静けさ...」し~ん、とした森の声に耳を澄ますと、森がやすんでいることに気づきます。エゾシ
カが二頭、遠くから私を見ていて、近くのアカエゾマツから「キョーン」と甲高いクマゲラの声が響き渡り
ました。この森には心癒やす、穏やかな静けさがあります。
森に隣接する「川湯エコミュージアムセンター」では、スノーシューの貸し出しや(有料)ガイドウォーク
(無料)も随時受け付けています。よろしければ森の声を聴きにきてください。
(川湯園地前,道道52号線沿い) (同左 青空に咲くみごとな樹氷の花)
森を出た温泉街の一角。川湯は北海道でも有数の寒冷地。この日も-20度を超えました。川湯地域には人と
自然が調和した美しい自然の姿が日常にあります。
(屈斜路湖・古丹)
川湯から車で10分ほどの古丹地域。オオハクチョウやマガモ達がすぐ足下まで挨拶に。古丹はアイヌ資料館
や松浦武四郎の碑が建ち、アイヌ文化や歴史、先達の足跡を今に伝える場所。この地は間もなく厳冬期を迎
え、おおらかな大自然をダイレクトに感じる季節を迎えます。「人と自然の調和。」そんなことを感じる旅に
でてみませんか。お待ちしています!