ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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利尻礼文サロベツ国立公園 稚内

247件の記事があります。

2007年05月02日小さな宇宙

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 岡田 伸也

利尻島に湿原があることはあまり知られていません。

島の南部にある南浜湿原も、そのひとつです。
ここは、利尻山の火山活動の一時期に出来た側火山の爆裂
火口跡に生まれた湿原で、ギザギザした利尻山の稜線を背
景に、ミズゴケの赤い絨毯が広がる素敵なところ。
しかし、国立公園に指定されているわけでもなく、ひっそ
りと小さな漁港のそばにたたずんでいて、観光シーズン前
の今は、近所の人達のお散歩コースになっています。

南浜湿原メヌウショロ沼(06.5.16.撮影)
「日本の重要湿地500」に選ばれています。


今は、ちょうど「萌え?♪」の時期。

まだ寒々しい風景の中、ミズバショウの清楚な白い苞が、
太陽を指さすように咲いています。
「なんて、けなげでたくましいんだろう。」
と、少し感動。。

天を指す水芭蕉(以下全て07.4.25.撮影)


他にも、子犬のようなワタスゲの花(地味)。
キバナノアマナやザゼンソウが咲きはじめ、しょぼくれて
いたヒメシャクナゲの幹も、水分を吸い始めたのか徐々に
シャキッとしてきました。

春の湿原の植物はどれも小さくて、屈まないとよく観察で
きません。動きやすい服装で、小さな宇宙を散策してみま
せんか?

きっと新鮮な喜びが待っていますよ!


キバナノアマナ
 昨秋枯れたヨシが、雪の重みで倒されて、そのままフリ
ーズドライされています。それは、遅霜から花を守る天然
の毛布のようです。

ワタスゲ
 今は花の時期。見つけられるでしょうか?地味にむっく
りと咲いています。 

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2007年04月13日タビノヒト

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 岡田 伸也


海に近い我が家の窓の外から
「フィフィ フィーホ」
と、子供が口笛の練習をするような、少し音程のはずれた
独特の鳴き声が聞こえてくる。
春の渡りの時期が来たのだ。

鳥のように島に訪れ、そして時期が来ると別のところに
飛んで行ってしまう転勤族のことを、利尻では
「タビノヒト」と言う。

人口約6千人のこの島は、関東の普通の街で育った私には
少し息苦しいほど匿名性が無い。

しかしそれだけに多くの人にとって、島の生活は愛着深い
ものになるだろう。昨年度、半年間アクティブレンジャー
としてこの地に暮らして、一番印象に残ったのは、昆布干
しに代表されるように、老若男女問わず島民が総出になっ
て短い夏にエネルギーを集中していく生活リズムだった。

音楽を奏でるように・・
ピタッとリズムが合っている。

それは見ていてとても面白かったし、羨ましく思えた。


私も「タビノヒト」のひとり。
私の上げる声はウソの鳴き声のように、少し音程がはずれ
たものになるのかもしれないし、今居る場所は、本来私が
住む場所とは環境が異なるのかもしれない。

だけど鳥の鳴き声が春を告げ、徐々に体を起こしていくサ
インになるのなら、私も島の奏でる音楽のクレッシェント
位にはなれるだろうか。

いま私は、半年振りに会う、島の人たちと話すのが楽しく
てたまらない。雑談だ。コミュニケーションなんていうス
マートなものではないが、人と会い、話して嬉しくなれる。

これから10月までの「タビノヒトトキ」。
こういうものを大切に思える場所を、守り、絶えず作り続け
ていく一員になれたらどんなに楽しいだろう。


4月の利尻山


夏の昆布干し

【自己紹介】
昨年度に引き続き、利尻島でアクティブレンジャーを務め
させていただくことになりました、岡田と申します。
多くの人と一緒に考え、汗を流したいと思います。
よろしくお願いします。


 END

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2006年10月13日NEWS 雪が降る

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 岡田 伸也

 10月7日、利尻山で初冠雪が観測されました。10月12日現在、山頂部では10?程度の雪が積もっています。
 これからの季節、気温は日中でも0度以下の日も多くなり、降った雪も完全には解けきらずに、岩の隙間などでは凍結していることもあります。また、10月の山は天候次第で冬山に急変します。
 冬山用の装備と技術を持つ登山者以外の安易な入山はお控え下さい。


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2006年08月30日札幌の学生4人が利尻登山道整備に飛び入り参加!

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 岡田 伸也

 「私たち、すごい貴重な体験してない?」
 こんな声が上がったのは利尻山の登山道侵食が一番深刻な山頂直下の登山道整備現場だった。

 8月26日、晩夏を感じさせる高く青い空の下、札幌から利尻登山に来ていた学生4人組が登山道整備を手伝ってくれたのです。
 この日、現場で作業していたのは環境省稚内自然保護官事務所の職員2名。二人で付近の火山礫を土のう袋に詰め、それを積み重ねて、植生への人の踏み込みと、火山礫の流れ込みを防止するための塀を築く計画でしたが、やはり2人での作業は一人何役もこなさなくてはならず大変です。
 午前11時頃、元気そうに頂上から下山してくる4人組に、ちょっと手伝っていかない?と、職員が声をかけると、「やってみようか」と、飛び入りで作業に参加してくれました。

作業をする若者たち

 それぞれスコップを手にしたり、土のう袋の口を塞ぐために裁縫をしたりと初めての作業に関わらず頑張っていました。
 作業の合間には、登山道が火山礫で覆われて歩きにくくなることの原因や、対策について考えてみることも。利尻山は火山礫の大変崩れやすい地質で、人が歩く登山道は当然侵食されやすいのですが、悪いことに侵食され剥げ落ちた火山礫は登山道を川のようにして下へ下へと押し流されていってしまうのです。こうして上から流れてくる火山礫は周辺のお花畑も覆ってしまい、裸地が拡大する。植生の破壊と、歩きにくい登山道化の同時進行が起きてしまっているのです。

深く侵食された登山道

 おそらく、ほとんどの登山者にとって山頂付近の登山道は「歩きにくい」ことでしょう。
 しかし歩きにくい道を作っているのが登山者自身であるのも事実。「どうしたらいいんだろう?」と、真剣に考える学生たち。この問いに一つの正解は無いのでしょうが、多くの登山者がただ「歩きにくい」という感想だけを持って素通りしてしまうところに、関心を持って想像力を働かすきっかけになったのなら、今回の飛び入り作業は、彼らの将来にとっても、自然と人との関係を考える上でも、大きな意味を持つことになるのではないでしょうか。

 普段、整備をしている私も、ただ作業をするだけではなく、その意味を伝える仕事にももっと力を入れていかなくてはと、若い力に良い刺激を受けることが出来ました。彼らにも今度の経験を周囲の人に伝え、関心の環をつなげていってもらえたら幸いです。

☆★☆手伝ってくれた学生の皆さん、どうもありがとう!!☆★☆

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2006年08月24日秋山に備えて

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 岡田 伸也

 夏は足早に通り過ぎ、利尻山には早くも秋の気配が漂い始めています。華やかかりしの夏山も良いけれど、晩夏の山に漂う哀愁もまた日本人の心に染み入りますね。コメススキが風に揺れている姿などは、儚げで打たれるものがあります。

 さて登山シーズンも終盤にさしかかりました。登山を計画されている皆様、装備の準備はばっちりですか?
 北緯45度にある利尻島は、夏は朝3時から夜8時近くまで明るいのですが、この時期の日中時間は夏至と比べて、1時間以上も短くなっています。また、夏と比べて天候が崩れやすくなるのもこのシーズンの特徴です。
 9月の山の平均最低気温は0度近くにまで下がります。防寒着の用意はよろしいですか?日も短いですからヘッドランプと替え電池も必携です。特に天気が悪い日には樹林帯は午後4時半ごろには足元が見えにくくなって危険です。

 登山者の数もピーク時に比べてぐっと少なくなり、ゆっくりと山の雰囲気を味わうには最適ですが、秋山の持つ特徴を知り、それに適した装備と、ゆとりある計画を立てることが重要です。

 準備OKですか?
 秋山は空気が澄んでいて展望が良く、サハリンもすぐ近くに見えますよ。
冷んやりした風も、最北の百名山に登っていることを実感させてくれるでしょう。良い登山を!!


三眺山晩夏の空

風に揺れるコメススキ

翅を持たないバッタ (ダイセツタカネフキバッタ)

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2006年07月24日利尻山登山道整備

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 岡田 伸也

 7月21日、利尻山登山道維持連絡協議会員によって登山道整備が行われました。

 作業を行ったのは山頂直下の急斜面。ここは長年の侵食により、登山道は3m近くも掘れ、足元には火山礫が堆積していてスリップしやすく、登山者は補助ロープにつかまって通過していました。
 今回の整備目標は、ここに火山礫を詰めた麻袋を積み重ねて階段を作り、登山者の足元の確保と同時に、登山道のこれ以上の侵食を防ぐこと。約3時間の作業で約50mの区間に階段を作りました。
 早速通りかかった登山者の評判も「すごく歩きやすくなった」と上々。
これから登山者の安全と、山の自然を守るのに役立ってくれそうです。


2車線区間下り ザイルにつかまって降りる列

こんなんできました

土嚢を下る

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2006年07月14日一日レンジャー体験

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 岡田 伸也

 7月13日、宿泊研修で利尻島を訪れた礼文島船泊中学2年生の生徒8名が、「一日レンジャー体験」と称して、利尻アクティブレンジャーとともにポン山ハイキングルートなどを歩き、園地内の植生調査や外来種除去、ごみ拾いを行いました。
 皆、自分たちの住む礼文島でも花を調べたり、外来種除去などの作業を経験済みで、今回もアクティブレンジャーの教えたことの飲み込みが早い。
 暑い中大変でしたが、皆頑張ってくれました!

ポン山山頂で花の名前を検索

ポン山山頂で咲いている花を記録する

ポン山山頂にて集合写真 みんな暑そう?

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