ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

RSS

大雪山国立公園 上川

159件の記事があります。

2019年01月17日新たな管理運営体制で世界に誇れる山岳国立公園を目指す

大雪山国立公園 上川 大久保 智子

こんにちは、上川自然保護官事務所の大久保です。

2019年も始まりました。

冷え込みの厳しい朝、見上げた大雪山がダイヤモンドダストにまとわれ輝いていました。

今年もたくさんの大雪山の輝きを見ることができますように。今年もどうぞよろしくお願いします。

原生的な風景が広がる山岳国立公園、大雪山。

野生動物に会いに思いをはせる人もいるでしょう、咲き乱れる高山植物を楽しみにしている人もいるでしょう、長い稜線がつながる峰々の中を風景の一部となってただただ歩き回りたいという人もいるでしょう。

近年、大雪山に夢中な私でも、大雪山を取り巻く状況が刻々と変化していることに気がつかされることが多くなりました。

気候変動による影響、利用状況による変化、トイレや避難小屋などの老朽化、課題は細々したものから、大きなものまで様々あります。

いつまでも地域の宝であって欲しい大雪山。

状況が変わりつつある今だからこそ、今後の大雪山の管理のあり方をみんなで考えないといけない時です。

そこで、

日本一愛される国立公園にむけた取り組みをしている妙高戸隠国立公園や、新・尾瀬ビジョンを作り奮闘している尾瀬国立公園からゲストを招き、大雪山国立公園の協働型管理運営体制について考えるフォーラムを開催します。

 

新しい仕組み作りの第一歩を考える講演を聞きに来ませんか?

↓こちらでも詳しい案内をしています。

フォーラム案内

ページ先頭へ↑

2018年12月28日~紹介できなかった業務から~

大雪山国立公園 岩城大洋

 みなさま、こんにちは。上川自然保護官事務所の岩城です。

師走も佳境に入り2018年も残り僅かとなりました。1年を締めくくる今の時期は、去る年と新たに来る年を思い浮かべながら、年賀状へとそれらの言葉を添えられるあたたかい時期だと思います。

毎年ぎりぎりになっていた年賀状を今年はなんとか書き上げることができました。

皆様はすでに投函されましたでしょうか。

まだでしたらお早めに。

さて、今回のAR日記は、2018年の業務に関して少しではありますが振り返りたいと思います。

今年も様々な業務がありました。計画していたもの、突発的なものなど。

その中で印象深かった業務をふたつ紹介したいと思います。

<大雪山国立公園編>

大雪山国立公園では登山者の入り込み数を把握するため、主要な登山口に登山者カウンターを設置しています。

上川管内では、黒岳・赤岳・緑岳・愛山渓温泉の4箇所に設置しています。

 

          黒岳7合目付近に設置した登山者カウンター

 

 今年度、私は黒岳及び赤岳を担当しました。業務はカウンターを設置・回収し、その後カウンターに蓄積されたデータの数値をまとめ上げることです。

カウンターの仕組みは登山者がカウンターを横切る際に、その登山者が発している熱を感知しカウントする仕組みとなっています。正式には熱感知式カウンターといい、

設置の際は必ずといっていいほど、登山者の方に質問攻めにされます。

「こんなたいそうな物は、何に使うんだい」「これはカメラなのかい」などみなさんカウンターに興味津々です。

私の返答を聞くとみなさん「大変だね。ご苦労様」と笑顔を返してくれました。

私が設置した地区の登山者カウンターのカウント値の結果は下記のとおりです。

 

黒岳での数値(6月29日~10月12日まで設置)

年間およそ29,000

赤岳では(6月28日~10月4日まで設置)

年間およそ10,000

※およそと記す理由は、熱感知式センターでは多少の誤差が生じるケースがあるためです。

大雪山国立公園では、登山者カウンターを設置するようになってから5年が経ちました。(データの公表は3年目)

今後10年、20年とデータを蓄積していくことは、大雪山国立公園の管理運営にとって貴重なデータとなります。

例えば、入山者が増えすぎてしまった状況があった場合には、登山道に負担が掛かりすぎます。データがあればその対策に素早く取りかかる事が可能となるのです。

 

 来年度も引き続き登山者カウンターを設置し皆様に結果をお伝えできればと思っています。

2018年度登山者データの詳細は下記の環境省のサイトからご覧になれます。

<大雪山国立公園登山者利用者数調査結果>

https://www.env.go.jp/park/daisetsu/data/tozandoriyosya2016.html

 

大雪山国立公園編はここまで。

 

<上川町編>

 アクティブレンジャーの仕事は公園内だけとは限りません。公園外で国立公園や自然環境のことを理解してもらうため様々な業務を行っています。

その中でも今年思い出に残った業務は、上川町内の子ども支援センターで行った親子講座での授業でした。

受講に来てくれたのは上川町の小さなお子さんがいるお母さんたち10名。 授業の内容は「小さな子どもたちが食べてはいけない・触ってはいけない植物など」をテーマとして実施しました。

 

○身近に生育しているオンコの実(イチイの実)の種部分には有毒成分が含まれているので、種までを食べてしまうと中毒症状を発症する可能性があること

ヤマウルシが茂っている場所では、直接ウルシに触らなくてもかぶれてしまう事象があること(湿度が70パーセント以上ある午前10時前後はウルシオールが揮発しやすく近くを通っただけでかぶれてしまう事もあります)

蚊に刺されている最中に蚊を退治するとはかゆさが増大してしまうのでやめた方が良いことなど

※蚊が吸引している途中で蚊を叩いてしまうと、蚊の唾液成分(かゆみ成分)が人の体内に残ってしまうため。蚊が自然に吸引を終えるときは、唾液成分(かゆみ成分)も回収してくれるため、かゆみは少なく済む。

 

蚊を叩かないでジーッと吸引しているところを見守ることには皆さん「できないよね」と困惑していました。

 

                   授業の様子 

  

 授業の最後には必要以上に植物や自然を怖がったり、警戒したりはしない様に次の言葉で締めくくりました。

「豊かな自然があってこそ虫や昆虫は生息し、様々な植物は生育することができます。それぞれの動植物には生態系の中で重要な役割を担っている大切な生き物なので大切にして下さい。」

自分の胸にも言い聞かせながらとてもいい時間を過ごせました。

今年のAR日記はここまでです。

皆さんにとって来年も良い一年となりますように願っています。

良いお年を。。

ページ先頭へ↑

2018年12月20日カモフラージュⅡ ユキウサギ

大雪山国立公園 上川 大久保 智子

こんにちは、上川自然保護官事務所の大久保です。

どっか~んと一気に寒さと雪がやってきました。

気合いを入れ除雪した翌朝、雪かきした道をたどって、玄関先までキタキツネが尋ねてきたという、足跡メッセージを受け取ってから出勤しました。野生動物たちを身近に感じることができる環境っていいなと改めて思いました。

H30年12月13日の黒岳

さて、季節をさかのぼり、今年の夏に登山道調査をした時、この空間(下の写真)に、なんとなく不思議な物が目に入りました。

なんだろう。

なにか分かりますか?

よ~く見ると・・・

砂の上でエゾユキウサギが寝っ転がっていました!!

お腹まで見せて、とてもリラックスしている様子。

それにしても、土と木々の幹や枝に混ざって上手に自然に溶け込んでいます。

目を凝らさなければ、エゾユキウサギだと気がつきませんでした。

野生生物の中には、自分の身を守るために、周りの自然環境と同化する模様でカモフラージュします。

生き抜くための野生動物の知恵って本当感心します。

カモフラージュするエゾユキウサギは、夏冬と毛の色を変え、夏の間は褐色で土や森の色彩にあわせ、冬は真っ白になり雪景色に紛れます。

これは、換毛中の春のエゾユキウサギ。

冬毛の白から夏毛の茶色に変わるところで、残雪の山の景色に溶け込んでいます。

雪景色に溶け込むエゾユキウサギは見つけることが難しく、見かけても気がついたときには雪煙の中を駆け抜ける後姿が多く、じっくり見たことがありません。

痕跡はよく見かけるので、近くにいとは思うのですが、それがどうもなかなか。

  

      足跡             排泄物           足跡と食痕と排雪物

今シーズンも、雪景色に溶け込んでいるユキウサギに会えるかもしれないよと、雪の森に誘わます。

冬の大雪山山麓の森もいいですよ。

私達はカモフラージュせず、カラフルな防寒着で身を包めば、モノトーンの森を華やかにするでしょう♪

ページ先頭へ↑

2018年11月16日緑岳の入山状況

大雪山国立公園 上川 大久保 智子

 こんにちは、上川の大久保です。

こちら上川は、穏やかな晩秋のおかげで、大雪山がゆっくりと白銀に移り変わって行く姿が楽しめます。

今日(11/16)、層雲峡からみた黒岳

 夏山シーズンも終わり、今シーズンを振り返りつつ、巡視でみたもの、調査したものをとりまとめたり整理したりしているところです。それらを来年度以降の登山道の整備や維持管理などのための情報として活かしていく予定です。

 夏の調査といえば、大雪山国立公園では平成27年度より各登山口に登山者カウンターやセンサーカメラを設置し、入山状況を調査しています。上川管内では、緑岳、愛山渓、黒岳、銀泉台に熱感知式登山者カウンターを設置しています。自然状況による入山者の増減、もしくは、利用状況による環境の変化や維持管理の整備の必要があるかどうかなど、大雪山の基礎資料として蓄積し、そのデータをもとにいろいろなことがわかるかもしれません。

 まだ設置には試行錯誤していますが、4年目に入りだいぶデータが安定してきました。

エコカウンターは熱感知式のセンサーで、人の体温を検知し、通行者数をカウントするのですが、センサーの前で立ち止まったり、のぞき込んだりするとセンサーが反応して、カウントが連打されたり、日に当たった笹が風に揺れてもカウントされたりといった問題もあります。

 こんなこともありました。

題して「エコカウンターの災難」

 登山道ではエコカウンターのような人工物はひときわ目立ち、大いに気になるものです。そこで、場所によっては目立たないように工夫して設置しています。

 さて、前置きが長くなりましたが、今年の緑岳登山口の高原温泉の登山者カウンターの結果を見てみましょう。下記が日別利用者数のグラフです。

 7月下旬のお花見シーズン、9月中下旬の紅葉シーズンで賑わっていることがわかります。一日ごとの入山者数と下山者数にはほとんど差がないのですが、9月23日前後だけは入山者より下山者がグッと多くなっています。

 どうしてでしょうか?

 それは、この時期にマイカー規制が行われていて、9月21日~24日には、大雪湖から赤岳の登山口の銀泉台、緑岳の登山口の高原温泉まで、両方でマイカー規制の通行が規制され、代わりに大雪湖の駐車場からシャトルバスがそれぞれ運行するからです。

通常、高原温泉までのバスの運行はなく、車で行くしかないので高原温泉から入山した登山者はまた高原温泉に戻る必要があります。しかし、この時期限定で、例えば銀泉台から登山して高原温泉へ下山する縦走が気軽にできるのです。

9月23日前後の日に下山者が多かったのは、銀泉台赤岳方面から多くの縦走者が下山したということです。

 このデータからは、銀泉台から高原温泉へ向かうルートは、登山者が多く、割と安心して歩けること、逆コースの高原温泉から銀泉台は、比較的空いていることがわかりました。今後データを蓄積していけば、より快適な登山に役立つ情報を提供できるかもしれません。

 また、グラフをぱっと見て思ったのは、1日の入山者数はそれほど多くないということです。大雪山の中でも高山植物が多く、日に日に咲き変わる多種多様で群落を広げる緑岳とその周辺。高山植物を見るのが毎年の楽しみですが、緑岳が意外と穴場というのがわかりました。

 今後も登山者カウンターを設置していきますので、目立っていても見かけたときには、好奇心を抑えて横目で確認するだけにしてください。

【夏の緑岳周辺の写真】来年も多くの高山植物を見られますように★鬼が笑ってるかな。

おまけ

11月7日に層雲峡で見かけました。急がしちゃったかな?

ページ先頭へ↑

2018年11月08日今年の巡視を振り返って 沼ノ原編

大雪山国立公園 岩城大洋

皆様、こんにちは、上川自然保護官事務所の岩城です。

今年は、11月に入っても暖かい日が続き、北海道での初雪は30年ぶりに遅れています。

このまま11月10日までに道内で初雪が観測されなければ、1886年以来132年ぶりの遅さとなるそうです。

冬の準備がまだの方は、もうしばらく余裕があるかもしれませんね。

さて、今回のAR日記は、9月10~12日の行程で巡視に行ってきました沼ノ原の現状を皆様にお伝えします。

沼ノ原へ行くには、クチャンベツ沼ノ原登山口から入山するのが一般的です。

しかし、平成28年7月の大雨で登山口に通ずる林道が崩壊し通行止めとなったため、現在沼ノ原までは別ルートを使って行くしかありません。

そこで今回の巡視時は、高原温泉から緑岳へ行き、高根ヶ原を直進し、

忠別岳避難小屋で1泊し、翌日、五色岳へ登り、沼ノ原へ下りていく行程としました。

通常クチャンベツ沼ノ原登山口から登れば、2時間~2時間半かかるところ、

高原温泉から入山すると沼ノ原までは約13時間を要します。

巡視初日、天気は曇り空。気温は平年値より高めで巡視にはちょうど良い天候での出発となりました。

緑岳山頂直下のガレ場ではナキウサギに出逢え、高根ヶ原からは沼めぐりコースの沼も見ることができました。しかし、秋の天候は変わりやすく、最初穏やかだった高根ヶ原も中間地点まで進むと、時折強い風が突き抜けるようになり、途中からは弱いながら雨も降り出してきました。

防寒着とカッパを着込み、初日の宿泊地となっている忠別岳避難小屋へ足を急がせます。

通り道の忠別岳山頂からはうっすらとトムラウシ山の上部を見ることができました。

一瞬見えたその姿は神秘的で荒々しく不思議な光景でした。

9時に高原温泉を出て、忠別岳避難小屋へ到着したのは16時30分。

長時間の行程で疲れ切っていたので、初日は夕食を取った後、すぐに就寝。

翌朝は寒さで目が覚めるまでは熟睡できました。

2日目、外に出ると雲一つ無い晴天。

最高の巡視日和です。朝6時に避難小屋を出発し、五色岳へ、そこから徐々に標高を落としながら

沼ノ原へ向かいます。

五色岳へ伸びる登山道の脇では放射冷却によってウラシマツツジなどに霜がおりていました。

また、途中にはヒグマの痕跡が。。。

五色岳山頂まで来ると正面には昨日の姿とはまったく違ったトムラウシ山がありました。

右手トムラウシ山を見ながら沼ノ原へと進みます。ここから先の登山道は木道で整備されている部分が多く歩きやすい歩道です。五色の水場付近では登山道の荒廃や洗掘が進んでいる箇所もありましたが、登山道の状態は比較的良好な印象を受けました。

反面、歩道上を行き交う登山者が大幅に減少した影響で登山道脇の蟻の巣をヒグマが掘り返した形跡や、ササの成長が著しい箇所などがありましたが特に問題になるレベルではありませんでした。

山頂から約3時間で久しぶりの沼ノ原へ到着。

沼ノ原まで来ると前方には石狩岳連峰がどっしりと構え、右手には満水状態の大沼がありました。晴天にもかかわらずここまでの道のりで他の登山者と遭遇することはなく、

沼ノ原は静かな楽園のように静寂の中に。そこはとても贅沢な空間となっていました。

今回の巡視の終点地点はクチャンベツ側の沼ノ原入口までです。終点地点まで登山道などを確認し巡視は無事に終えることができましたが、業務はまだ終わっていません。

ここから来た道をまた1日半掛けて戻らないと終わらないのでした。

沼ノ原を視で巡った記録はここまで。

次回のAR日記もお楽しみに。

ページ先頭へ↑

2018年08月31日ウラシマツツジ

大雪山国立公園 上川 大久保 智子

こんにちは、上川自然保護官事務所の大久保です。

まだ雪が多く残る大雪山の春一番に咲くウラシマツツジ。

前年の枯れた葉に守られるように、クリーム色の小さな壺型の花をつけます。

この花よく見ると、顎の近くがほんのり透明です。

太陽の光を十分に集められるように窓の役割をしているのではという人もいて、真相の所はわかりませんが、そうだとすると、まだ寒い春先に咲いていて、僅かな光を集めていると思うと、顔がほころびます。

夏は、花を落とし緑色の絨毯を張り巡らせ、ひっそりと実をつけます。花に比べ実は大きく熟すと黒くなります。そして気温の低下ともに秋の一番乗りするように葉の色を変え始め、みるみる山肌を深紅色に染め上げ、1年で一番賑やかな紅葉シーズンを迎えます。

今シーズンも、ウラシマツツジがちらほら赤色に染まってきました。

今年も大雪山上川地区の銀泉台(赤岳)、高原温泉(沼巡りコース、緑岳)は、

紅葉期のマイカー規制を行います。

みなさま、ご協力の程よろしくお願いします。

マイカー規制実施日やバスの時間などお間違えの無いようにご注意してください。

マイカー規制のお知らせはこちら↓

https://www.town.hokkaido-kamikawa.lg.jp/section/sangyoukeizai/chs81200000015es.html#event0


私の好きなウラシマツツジの景観

ページ先頭へ↑

2018年06月28日ルピナス防除活動

大雪山国立公園 上川 大久保 智子

 6月8日と13日に大雪山パークボランティア活動で層雲峡地区のルピナス駆除をしました。

 ガーデンやお庭で手入れ管理されている分には園芸種として華やかな存在ですが、野生化したものは、もともとあった在来植物を脅かす存在でもあります。層雲峡の中でも紅葉谷入り口や写真ミュージアム付近で繁茂しています。外来生物法に基づく特定外来生物には指定されていないものの、繁殖力が非常に強いので、層雲峡峡谷の在来植物が抑圧されないように早めに駆除しています。

 ルピナスは、マメ科の属で、地中海沿岸地方と南北アメリカ、南アフリカなどに200種以上が分布しています。日本では、明治期に緑肥用作物として導入されたようです。藤の花に似ていて、下から上に立ち上がって咲く姿形から、昇藤(ノボリフジ)と呼ばれ、親しまれています。

 名前の由来は、ラテン語でオオカミを表す「ループス」という語源からきています。オオカミにたとえられるように、どんな土地でも育つ強さを持っているという意味をするのではないかと解釈されているようです。

そのルピナスを駆除して7年。根っこが残っていると、翌年以降に芽を出すので、根っこまで完全に抜き取らないと駆除成果がでないのですが、それがなかなか苦労します。根っこが長くて太く、容姿はまるで山芋のようです。どんな場所でも生えるし、根っこも強靱なので、株を抜き取る前に、駆除道具の方が変形することもあり、度々唖然します。

そんな労力の多いルピナス駆除活動ですが、今年も2日間活動しました。活動日は雨降りだったり雨上がり後だったりと、抜きやすい土の状態とはいえ、大変な作業に協力してくれたパークボランティアの皆さんには感謝です。おかげさまで1日目は100kg、2日目は120kg抜き取ることができました。


ページ先頭へ↑

2017年11月09日沼めぐりフォーラム

大雪山国立公園 岩城大洋

 

 みなさま、こんにちは、上川自然保護官事務所の岩城です。今回は10月24日に上川町役場大会議室で行われました大雪高原温泉沼めぐりコースのフォーラムの様子についてお伝えします。

                  ↑上川町長開会の挨拶の様子

当日は、まず、環境省上川自然保護官事務所首席保護官より、沼めぐりコースの歴史が次のように紹介されました。「沼めぐりコースは国策パルプ(後に日本製紙と合併)により、昭和36年に歩道が整備されました。昭和56年に巡視員等がヒグマに追われる事件が発生、そのためコースは2年間閉鎖されました。

昭和58年に上川支庁と上川町の協力のもと巡視員を配置することとなり、再び沼めぐりコースは開放されました。平成6年にはヒグマ情報センターが開館し、その後、登山者は事前にレクチャーを

受講してから入山する今の体制ができました。」

                    ↑沼めぐりコースの概要

また年々利用者が減っていることを踏まえ「沼めぐりコースには、野生のヒグマを遠望できるなど、ここにしかない特色もあり、その他にもいかに魅力を発掘し向上させていくか、そのために必要な安全対策の検討も重要」との話がありました。

                ↑上川自然保護官事務所からの発表の様子

その後、知床財団から、知床五湖の管理運営の事例が紹介されました。現在のように利用調整地区に指定されるまでの経緯が紹介され、「利用調整地区に指定されるまでは紆余曲折があった。利用者数を制限することによって、観光客が減少してしまうとの心配もありましたが、現状では、観光客数は指定以前と変わりなく推移している」、またヒグマの活動期(5/10~7/31)には、「知床五湖を周回できるコースに入場するためには、必ずガイド付きのツアーに申し込む必要がある」ことなどが紹介されました。

                 ↑知床財団からの発表の様子

※知床五湖の利用調整地区の詳細は下記のアドレスよりご覧になれます。

<www.goko.go.jp/rule.html>

最後に参加者が4班に分かれ、沼めぐりの魅力向上や安全対策について参加者間で意見交換が行われました。参加者からは、魅力の向上では、紅葉以外の魅力を、例えば新緑の緑、沼の青さ、また残雪の白さなど、多様な沼めぐりの自然をいかにして発信していくかが大事だとの意見や、大雪では知床と違って人慣れしたヒグマが極めって少なく、それをアピールできることも大雪の強みであるとの意見もありました。

短い時間で十分な意見交換はできなかったので今後引き続き沼めぐりコースの将来について考えるためにもっと議論が必要と感じました。また、皆さんが沼めぐりコースを大事に思い、今後も魅力あふれる大雪山国立公園にとって重要な場所で有り続けてほしいと願っていることも肌で感じ取ることができました。

参加していただきました皆様、本当にありがとうございました。

最後に今年の9月22日に撮影しました緑沼の紅葉の写真をUPします。

今回の日記はここまで。

また次回をお楽しみに。。。

ページ先頭へ↑

2017年09月15日大雪山に日本一早い紅葉がやってきました♪

大雪山国立公園 上川 大久保 智子

上川自然保護官事務所の大久保です。

木々や葉が派手な装いをし始め、いよいよ紅葉シーズンに突入しました。

ここ2,3年に比べると色づきペースは早めで、今のところどこも色づき具合は絶好調です。

 

 

(9月14日(木)の赤岳第一花園下の斜面)

大雪山上川地区の紅葉を目に非常の多くの方が訪れるので、混雑を緩和するために今週末からマイカー規制が始まります。

銀泉台は9月16日(土)から9月24日(日)まで

高原温泉は9月21日(木)から10月1日(日)まで

銀泉台と高原温泉の両区間シャトルバスが運行するのは9月21日から24日。その4日間はこの時期限定の車回しを考えず銀泉台から高原温泉までの縦走ができます。

マイカー規制シャトルバスの運行時間など詳しくは、上川町役場HPをご覧ください。

http://www.town.hokkaido-kamikawa.lg.jp/section/sangyoukeizai/chs81200000015es.html#event0

また紅葉状況は日に日に変わります。

層雲峡ビジターセンターでは自然情報を発信していますのでご覧ください。

http://sounkyovc.net/

先日、白雲岳と赤岳周辺では、初雪が舞いました。シマリス、ナキウサギやホシガラスなどの大雪山の住人も冬支度に大忙しです。毛糸の帽子、手袋、ネックウォーマーやフリース類などを用意して防寒対策万全でお越しください。

 

 

(9月9日(土)黒岳9号目招き岩付近)

 

 

(9月9日(土)黒岳石室から赤石川方面)

 

(9月14日(木)沼ノ平)

ページ先頭へ↑

2017年09月13日黒岳クリーンアップ大作戦

大雪山国立公園 岩城大洋

 みなさま、こんにちは。上川自然保護官事務所の岩城です。

今回の記事は8月18日に親子参加型イベント「黒岳クリーンアップ大作戦」

(主催:上川自然保護官事務所、上川中部森林管理署)の様子を、実施から少し時間が

経過してしまいましたが、お伝えします。

            

 

 黒岳クリーンアップ大作戦は、大雪山周辺の子どもたちに、黒岳旧野営指定地の

清掃活動や高山植物の自然観察を体験することにより、大雪山国立公園と森林生態系の

保護への関心を高めてもらうことを目的に行いました。

当日は3組の親子トータル8名の参加を頂きました。

 

黒岳ロープウェイに乗り込むまでは曇り空だったのですが、黒岳5合目まであがって

きたところからあいにくの雨模様。降り方はどんどん強まり黒岳リフトに乗る前に

雨合羽を着ることになりました。

   

 

リフトに乗り7合目へと向かいましたが、7合目リフト乗降場に到着した時点でも

雨脚は弱まる気配がなく、黒岳山頂へ登ることは難しい状況でした。

  

     

そこで予定を変更して、黒岳7合目登山口から少し登り、歩きやすい登山道を維持

する仕事や、登山道の利用者数を調査するカウンターのことなどを、子どもたちに

解説しました。

 

   

 

子どもたちは登山道が多くの人たちによって守られていることを知り、真剣な眼差しで

話に聞き入っていました。

雨の状況に変化がなかったので、残念ながら早めに下山することに。

山麓駅まで戻る道中では高山植物の花々の香りを楽しむこともできました。

 

  

 

下りのロープウェイに乗車する前に、本当は山頂での記念撮影のために

作成したラミネートを5合目で子どもたちひとりひとりに持ってもらい、

集合写真を撮ることに。

カメラを向けると、みんなのいい表情をしてくれました。

 

 

その後、層雲峡ビジターセンターに行き、職員の方から、大雪山や層雲峡が現在の姿に

なるまでの形成過程などをレクチャーしていただきました。

特に子どもたちが興味を示したのは、野生動物の話について。

実際に展示されている剥製を使っての解説は子どもたちにとっては、興味津々だったようです。

 

    

 

レクチャー後は、昼食をみんなで食べ、最後に参加者全員に記念バッチが贈られ

今回のイベントは終了しました。

 

  

今回、黒岳旧野営指定地での清掃活動を行えなかったことは心名残ではありますが、

環境省自然保護官(レンジャー)や林野庁森林官(フォレスター)の仕事の様子を

子どもたちに伝えることができたのは良かったです。

今回はここまで。

また次回をお楽しみに。。

ページ先頭へ↑

ページ先頭へ