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アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2018年8月 3日

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2018年08月03日西山火口散策路の景観整備

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 北海道地方環境事務所

みなさま、こんにちは。

洞爺湖担当の増田です。

7月25日(水)に2000年の有珠山噴火の爪痕が残されている西山火口散策路の草刈りを行いました。

まず、西山火口散策路についてご紹介します。

西山火口散策路は、洞爺湖有珠山ジオパークのジオサイトで、2000年の有珠山噴火によって被災した住宅や旧国道、今も蒸気を上げる火口など、自然の脅威を間近で見ることができるフットパスコースです。

この西山火口散策路の南ゲート付近には被災したお菓子工場や民家が災害遺構として残されています。

しかし、2000年の有珠山噴火から18年が経った今、草や木などの植物が繁茂し、これらの災害遺構が見えにくくなっていました。

 この植物は、被災して裂けた道路の割れ目やアスファルトの上に積もった火山灰のような、栄養の少ない厳しい環境でも生長できる植物であり、噴火によって被害を受け、裸地となった自然がどのように回復していくかを観察できる植物でもあります。

 今回、このように特別な価値を持つ植物の刈り払いにあたっては、地域の方々や洞爺湖有珠山ジオパークの関係者の方々のお知恵を借りながら、噴火後の植生の回復の観察と、未来の減災につながる災害遺構の景観の保全とを両立できるようにゾーニングを行いました。

旧国道230号線のビフォー・アフター。

↑ここはまだ一般公開されていませんが、路面が階段状になっているのがよく分かります。

お菓子工場ビフォー・アフター。

民家ビフォー・アフター。

景観整備により、お菓子工場が歪んだように倒壊している様子や民家の中にヘルメット等がそのまま残されているなどの生々しい様子を、はっきり見ることができるようになり、火山災害の凄まじさがより感じられるようになりました。

要所にはパネルでの解説もありますので、目の前の被害がどのようにして引き起こされたものなのかを詳しく知ることもできます。

また、散策路は枕木が敷かれているので安全に歩くことができます。

散策路には日陰がほとんどないので、飲み物を忘れずに、ぜひ歩いてみてください٩( 'ω' )و

↑噴火の影響でできた西山火口沼。沼の中には傾いた電柱や水没した道路標識がそのまま残されています。

※場所やコースマップなど詳しく知りたい方は洞爺湖有珠山ジオパークのHPをご確認ください。

 http://www.toya-usu-geopark.org/

※冬期は閉鎖されるため、訪問される際はご注意ください。

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