2021年9月16日
2件の記事があります。
2021年09月16日夏の終わり
釧路湿原国立公園 佐野 綾音
皆さまこんにちは。
今年の夏は、釧路湿原でも暑い日が例年に比べ多く、今までにないほどに半袖を着る日が続きました。
すっかり薄着が身についていましたが、ついにここ数日、気温が下がり、朝晩の冷え込みが身に沁みる季節になりました。
先日、釧路湿原国立公園と国指定釧路湿原鳥獣保護区の巡視を行いました。
小鳥たちの子育ては終わり、林内は静かになりましたが、平常な営みを送っているようで時おり姿を見せてくれました。
【巡視の様子(国指定釧路湿原鳥獣保護区内)】
途中、鳥獣保護区内に設置している制札看板が、90度折れ曲がっているものを発見しました。風では流石にこんなことにはならないだろうな...はてさて、平和なヒグマが戯れたのかな?などと思いながら、応急処置をしました。
写真左【鳥獣保護区制札看板が半分に折れ曲がっている様子】
写真右【右側からしか字が読めません...】
【応急処置後】
晩夏の釧路湿原、姿は見えないものの、オジロワシやタンチョウの鳴き声が湿原内から聞こえてきました。
写真左【キラコタン岬展望地(湿原内:鳥獣保護区特別保護地区)】
写真右【ハンゴンソウやエゾトリカブトが開花しています】
これから、動物の動きは活発になるので、変化を感じながらパトロールを丁寧に行ってまいります。
【湿原内に生息していたエゾシカ(赤丸)(川辺で採餌中?)】
こんにちは、野生生物課の大久保です。
札幌は、木々がちらほらと色づき始め、エゾリスたちも冬支度に備え、餌集めに大忙しです。
宮島沼周辺も黄金色に染まった稲の刈り取りが始まり、
沼でも今シーズンの初雁(今年生まれの幼鳥を連れたマガン一行)が9月13日に確認され、渡り鳥がやってくる時期になりました。
8月下旬に行った際には、のんびりとした風景が広がっていて、賑やかな渡りのシーズンとはまたひと味違う宮島沼の様子でした。
たとえば、カンムリカイツブリ家族の滞在。
真ん中が成鳥で左右が幼鳥です。幼鳥の顔には白黒のシマ模様があります。
頭頂に短い冠羽があるのが名前の由来です。
そして別の日にはカルガモの親子。子どもを7羽引き連れて沼を横断中。
春に話題になる光景ですが、この家族をみたのは8月下旬でした。孵化してから2ヶ月ほどで飛べるようになるということなので寒くなる前に大きくなるといいのだけれど。
この日は他にも数羽のカルガモたちがくつろいでいました。
秋が深まるまで、それぞれの家族が子育てできる環境の宮島沼ですが、
これからは、渡り鳥が冬に備えて本州へ南下する途中で、休息とエネルギー補給のために立ち寄り、たいへん賑やかになります。
なお、渡り鳥シーズンに合わせて宮島沼水鳥・湿地センターでは、アクティブ・レンジャー写真展を開催しています。ですが、9月30日まで北海道に緊急事態宣言が発令され、宮島沼水鳥・湿地センターの利用は美唄市民に限定されています。温かい手作り感満載の展示物が多いセンターでのAR写真展は、ほのぼの暖かい空気に包まれていてお勧めなのですが、こういった状況では仕方がありません。AR写真展はインスタグラムでも開催していますので是非こちらをご覧ください。
https://www.instagram.com/hokkaido_active/
宮島沼がある美唄市では「人の流れを抑制することが重要である」としています。
渡り鳥の観察は10月に渡り鳥のピークを迎えますので、緊急事態宣言の解除までもう少しお待ち下さい。
渡り鳥の朝晩の飛び立ちや集結する様子は、心動かされるものがあり大変人気ですが、日中のおしゃべりしてまったりしているマガンたちの姿もなんともいえない休息日の顔を見せてくれます。解除後は観察での密を避けられる、人が比較的少ない平日もしくは日中の宮島沼をおすすめします。
最新のマガン情報はこちらMIYATOMOをご覧ください。