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アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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利尻礼文サロベツ国立公園 稚内

268件の記事があります。

2020年09月14日サロベツにてAR写真展開催中

利尻礼文サロベツ国立公園 青山留美子

9月に入ってから夏日が6日もあり、稚内の代名詞の風がなく、80%以上の湿度が続き......稚内に来て初めて扇風機が欲しくなった、サロベツ担当の青山です。

それでも、湿原の花リレーは既に最終ランナーにバトンが渡り、湿原全体が少しずつ黄金色を増してきています。また、越冬のために北から南へ移動する渡り鳥たちもちらほらと姿を見せ始め、すっかり秋のにおいを感じています。

そんな秋の湿原へお越しの際は、

「環境省 アクティブ・レンジャー写真展2020~北の自然の舞台裏~」へも是非お立ち寄り下さい!

サロベツ湿原センター展示室奥にて、9/30(水)13時まで開催中です!

北海道の西側にある国立公園や鳥獣保護区、希少野生動植物等に関わる現場などで活動している12名が、それぞれ業務中に撮影した風景と生き物の写真各自2枚の展示と、それぞれの業務紹介をしています。

私が選んだ写真の1枚は、

10月中旬にサロベツ湿原センターの木道から撮影した夕景です。

業務時間内に夕日や夕景を見る事は、日の入りの早い秋になってから得られる特権の一つです。

この写真は、パークボランティアさんなどと施設の維持管理作業を行った後に撮影しました。

帰り際、頭上を通過していくハクチョウたちを追いかけて木道まで行ったので、ハクチョウたちに導かれて撮影できた1枚です。

北から南へ移動途中のハクチョウたちが次から次へと、ものすごい数がはためくように頭上を通過していく様も圧巻で、これもこの時期の特権です。※下の写真で伝わるでしょうか?

更なる特権としては、この広大なサロベツ湿原を独り占めできることです。

サロベツを訪れる人の多くは、湿原がお花や夏鳥で賑やかな68月が最も多く、お花や夏鳥が減るのに合わせるかの様に訪れる人も少なくなっていきます。

静けさの中、少しひんやりはするものの寒すぎないこの季節、夕日に照らされ輝く湿原の中、どんどん変わって行く空の色を眺めながら、湿原を独り占めして歩く、こんな至福の時はありません。

そんな様々な特権のあるこの季節を皆さんにおすすめしたく、選んだ写真です.

サロベツ湿原は、秋の夕暮れもおすすめです!

写真を選んだ思いや、私たちの業務についてより詳しく知っていただけるように、会場には冊子も用意しています。

様々な環境で様々な生き物がいること、そして各地の舞台裏で行われている様々な活動を、展示と冊子で是非ご覧下さい!

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2020年09月14日西海岸沿の集落~召国地区~

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 津田涼夏

こんにちは!

日が暮れるのがはやくなり、「夏が終わってしまう」、「花の季節が過ぎ去ってしまう」、とヒシヒシと感じております。礼文アクティブレンジャーの津田です。

今回は礼文島の(めし)(くに)地区の巡視を行いました。

召国は、礼文島の北部に位置し、8時間コース(トレッキングコース)の途中の召国分岐から海岸に降りていくコースです。ここは夏の間、漁師さんが住んでいます。海岸沿いには番屋があり昆布漁やウニ漁を行っています。

召国は自動車が通行できる道がありません。徒歩でおよそ1時間坂道を下ります。(召国から出るときは坂道を1時間ちょっと登ることになります。)*ウルシが膝あたりまで伸びていますので、通行の際にはお気を付け下さい。


最初は歩きやすく、景色も見れる最高のコースですが、段々ササに覆われた道になってきます。

どんどん下っていくと、道がなくなり植物に囲まれてしまいます。今年は観光客も少なくトレッキングを行う人も少ないため、植物が伸び放題となっていました。以前まで使っていた道を見極め慎重に前に進んで行きます。


このやぶをぬけると、周囲が明るくなり少し細い林道にでてきます。

細い林道を進んで行くと、海が見えてきました。礼文島の西側の海岸です。ここが召国地区になります。この日は天気もよく、波の音、風の音、鳥のさえずり、そして漁師さんの船の音が聞こえてきました☆

そして、開花しているスナビキソウに出会うことができました。礼文島のスナビキソウは、日本の最北の自生地と言われています。スナビキソウは白い花を咲かせ、アサギマダラという蝶にとって大事な栄養源となっています。周辺でアサギマダラがいないか少し探していましたが、見つかる気配がありません......

いつか礼文島でスナビキソウに集まるアサギマダラに出会えたらと思います☆

アサギマダラについて、大雪山国立公園のAR日記【2020年9月10日 旅をする蝶】に掲載されております。是非ご覧ください。

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2020年08月21日夏の終わりの礼文滝

利尻礼文サロベツ国立公園 津田涼夏

みなさま、こんにちは!腕だけが真っ赤に焼けました礼文島アクティブレンジャーの津田です。

先日、礼文滝に巡視に行ってきました。

礼文滝は、礼文林道コースから分岐をして、西海岸に降りていくコースです。

*只今大雨の影響により、トレッキングコースの一部が通行止めになっています。

お出かけの際は最新の情報をご確認してください。

礼文島トレイルオフィシャルウェブ】よりトレッキングコースの開通の状況が掲載されています。

 

スタート地点からすぐ、ササで覆われた林道を通ると、ツタウルシが大きく成長している箇所があります...用心しながら通ります。少し歩くとエゾマツ林の中に突入していきます。

針葉樹に覆われ日が当たらないため、暑い夏でも涼しく散策できるのがポイントです。

ササや蝦夷マツを抜けると通称ハイジの丘と呼ばれる開けた丘にでます。

視界も良く、レブンウスユキソウやガンコウランが広がりをみせていました。

 

 

 

礼文滝に行くまでにはあちらでもこちらでも、トウゲブキやコガネギク(ミヤマアキノキリンソウ)の黄色のお花と、ツリガネニンジンやミソガワソウの紫のお花が咲き広がっています。

レブンサイコは小花序と呼ばれる小さな花が10数個集まったものです。遠くからみると一つの花のようにもみえます♪

 

滝が近づくにつれ...エゾオグルマのお花畑が辺り一面に広がっていていました。エゾオグルマのお花畑の反対側をふと覗くとカモメたちが滝の上で水浴びをしていました。水浴びに一生懸命なためか、人が通ってもバシャバシャとしていました。

そしてお目当ての礼文滝のかっこいい姿を拝むことができました。

只今、礼文町町民活動総合センター(ピスカ21)において8月27日までアクティブ・レンジャー写真展を開催しています。是非ご覧ください(^^)

 

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2020年08月14日礼文島パークボランティア活動始動!

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 津田涼夏

こんにちは!礼文アクティブレンジャーの津田です。

礼文島ではあちらこちらに、夏の終わりを感じるような花々が広がっています~!


礼文島では今年始めてのPV活動として、"礼文島 花みっけ"を行いました✿

*現在は礼文島在住の方のみで活動を行っています。

"礼文島 花みっけ"活動とは......

礼文島の高山植物群落がササ類の侵入・拡大によって減少しているため、ササの刈り払い試験が行われ、ササを刈り払った後にでてくる植物の数をハイカーやPVのみなさんで調査をする活動です。

活動を行うことによって、ササの刈り払いで、高山植物群落がどれぐらい回復したのかを把握することや、たとえササ群落から回復したとしても、背が高いイワノガリヤスやオニシモツケなどで構成された高茎草本群落や山のしめったところに生えるナガボノワレモコウなどで構成された山地性植物になるのかも含めてどのような植物群落になるのかを知る大まかな指標として、使用できればと思っています。



環境変化の指標種として、礼文島桃展望台コースに見られる代表的な高山植物種を10種リストアップした簡易モニタリングシートです。

当日は、PVさんの協力いただき、活動の準備をし、調査場所(キンバイの谷)に到着すると、調査対象の花の確認を行いました♪

PVさんと桃岩展望台コースを通る観光客の方にご協力をいただき一緒に活動を行いました。


調査範囲では4種の花が確認されましたが、そのほとんどがアキカラマツでした。

調査範囲外の方が、ナガボノワレモコウやレブントウヒレンのお花が目立っているように感じました。


ご協力いただいたみなさん、ありがとうございました!!

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2020年08月03日PV活動再開!浜勇知園地にて外来種除去

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 青山留美子

今年も、最北での日差しを浴びて、顔と手だけが黒々してきたサロベツ担当の青山です。

利尻礼文サロベツ国立公園パークボランティア(以下PV)の活動も、4月中旬から全て中止になっていましたが、7月より活動を再開しました!

715日(水)、稚内市内の高校で理科の授業の一環で行われている外来種除去活動に、PVさん10名と一緒にお手伝いしてきました。

稚内市内にある国立公園内の浜勇知園地にて、生徒さん70名を迎えました。

国立公園保護管理企画官より、外来種についての説明後、4班に分かれてそれぞれ作業しました。

駐車場周りや木道沿いにも様々な種類の外来種がありますが、生徒さんたちにご協力頂いて除去したのは、砂浜に広がっている"オニハマダイコン"です。

昔からこの場所を知っているPVさんによると、"オニハマダイコン"が増えてきたのは13年前くらいからとの事でした。

町中で見かける外来種とは違うため、こちらが差し示さないと見逃していたり、小さかったり大きかったりすると違う植物に見えたり、葉の形が同じような"シロヨモギ"と悩んだり、最初はわかりづらいようでした。

それでも、"オニハマダイコン"しかないような場所も多く、すぐに慣れてどんどん抜いてくれます。

抜くのも、道具を使わず指だけでできるため、とても楽です。

力加減を間違えなければスーッと根っこまできれいに抜くことができます。

量にうんざりするのと、たまに大根のようなにおいがきつく感じる以外は、とてもやりやすい外来種除去です。

もう一つ難点と言えるのが、砂浜で直射日光を浴びての作業なため、とても暑く過酷な点です。今年は更にマスク着用が加わり、とても大変でした。

それでも、1時間ほどの活動で、熱中症などになる方もおらず、無事に150kg分の"オニハマダイコン"を除去することができました。

暑い中、地道な作業を行ってくれた生徒さんたち、ありがとうございました!

ところが、

"オニハマダイコン"を除去している最中、PVさんが違う外来種が花を咲かせているのを見つけました。

それが、"アメリカオニアザミ"です。

数年前からこの場所で確認されており、PVで除去していました。

多い年では300株以上を除去した年もあったようです。

が、最近は姿を見なくなったと思っていたのですが......「やっぱりまだあったか~」と、根絶は簡単ではない事を思い知らされます。

ちらほら花を咲かせている10株ほどを確認し、見つけたPVさん4名と、日を改めて駆除することにしました。

花が咲いた状態では既に背が高く、スコップが不可欠です。また、茎や葉にはするどいトゲが多く、軍手は意味をなしません。厚手の手袋をも突き抜けてくるため、とてもやりにくい外来種除去といえます。

10株かと思いきや、ここにもあそこにもと発見し、最終的には31株を数えました。5名で奮闘すること一時間、株数と作業量を軽く見ていたことを反省するほど、汗だくになりました。

用意していた袋に入れるのも大変だったため、数日乾燥させて小さく切ってから、ゴミ袋につめました。最後までトゲはするどく、たった31株の植物とは思えない大変さでした。

数が多くて大変だったり、1株抜くのが大変だったりと、タイプの違う2種類の外来種を抜きながら、様々な事を考えさせられました。

根っこが複雑だったり茎がすぐ折れたり、刺があったりなどを目の当たりにし、植物の戦略に脱帽したり、

外国からたどりついた異国の地で一所懸命生きている植物のたくましさに思いを馳せたり、植物そのものに罪はないことはわかっていながらも、どうせ抜くのなら、おいしく食べられる方法はないのかと考えてみたりしました。

実際に外来種に向き合いながら様々な事を考える一時は、とても貴重な時間だと感じました。

そう感じられるのも、一緒に活動して下さる学生さんやPVさんなど、とても心強い存在がいるからこそでもあります。

一度広がってしまった外来種を根絶するのはたやすくありませんが、これからも地道な活動へのご協力、お願いいたします!

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2020年07月09日サロベツの車窓から~野生動物を観察~

利尻礼文サロベツ国立公園 青山留美子

青い空に白い雲、海岸線のエゾニュウの群落に、少し強いくらいの風がちょうど良く感じる今日この頃。

ここ最北でも "夏"の到来を実感している、サロベツ担当の青山です。

外に出掛ける機運も高まるこの季節。

道道106号線(通称オロロンライン)の稚内市から幌延町区間には、信号機が1基しかないことも相まって、ついつい先を急いでしまいがちです。

しかし、この道路は、野生動物を観察するにもおすすめの場所です。

71日、この通りを往復した際に出会った野生動物たちを紹介します。

オジロワシは、浜辺に佇んでいたり、悠々と空を舞っていたりなど、季節を問わず目にすることができます。この時は、浜辺に2羽で止まっていて、写真を撮ろうと車から降りた所で飛び立ってしまいました。デートの邪魔をしてしまったのかもしれません。

どちらも繁殖のために渡ってくる夏鳥です。

サロベツで多いのはカワウですが、特定までは至りませんでした。V字編隊で移動する姿をよく見かけます。

また、道路横で獲物を探し飛んでいるチュウヒと、並走する時があります。飛ぶスピードの早さにとても驚きます。

※鳥に夢中になり走るのは危険ですので、観察する際は安全な場所に停車してから観察して下さい!

本来ならばシベリアなどに帰っているはずですが、たまに残留組がいるようです。

残留しているハクチョウやオオワシなどが、ケガなどで保護されることもよくあります。そのため、様子を観察しましたが、この時はエサを探している様子も見られ、元気そうに見えました。後日再度探しましたが姿はありませんでした。

無事に夏を越えてくれることを願います。

事故にあってしまった姿もよく見かけることがある2種です。

キタキツネは巣立ちした若い子がうろうろしている姿を、

エゾシカは、袋角を携えて群れで行動している姿をよく目にします。

※北海道を運転される際は、くれぐれもご注意ください。

別の日ですが、とてもラッキーな出会いがあったのでご紹介します!

サロベツでもここ数年、繁殖のためやってくるタンチョウが増えてきています。

それでも、お目にかかれるのはとてもラッキーです。

この日は2羽でいて、鳴き声も聞くことができました♪

また別の日、少し色の変わったタンチョウだな~と思っていたら......

クロヅルだった事が判明!

繁殖地への移動中にたまたま立ち寄った所に出くわしたのか、本当にラッキーでした♪

これらは全て、車窓から出会いました。

出会いにあふれた道路沿い、スピードを出して一瞬で通りすぎるにはもったいないと思いませんか?

安全運転を心がけ、ゆとりを持った運転と、他車に迷惑のかからないよう注意しながら、

北の大地で生きている野生動物たちとの出会いを、逃さず見つけてみてください!

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2020年07月03日不思議な魅力に惹かれています...!

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 津田涼夏

礼文島の西海岸は断崖絶壁が続いており、海岸線の多くの場所は人が立ち入ることのできない秘境の地になっています。ですが北部の鉄府海岸や8時間コース終盤のアナマ、南部の礼文滝など一部通行可能な場所もあります。そこでは砂地や岩場に生息する海岸性の植物を見ることができます。

               北部の鉄府海岸

               礼文滝コース

その海岸性の植物の1つであるハマナスが、高山植物群落のすぐ横の浜辺でひっそりと咲いているのを見つけました。


ハマナスはバラ科の仲間であり、枝に鋭いトゲを持っています。

また、ハマナスと同じ海岸性の植物である、ハイネズ、ハマボウフウ、ハマニンニク、

ハマハタザオを見ることができます。

 

 

写真ではまだ花は咲いてないのですが、ハマボウフウは白いカリフラワーの様な花を咲かせます。テンキグサは葉が厚くニンニクに似ていることから別名ハマニンニクとも呼ばれているイネ科の植物です。ハマハタザオは花の時期を終え、実になっていました。

海岸性の植物は砂地や岩場で潮風に耐えながら生きている姿そのままのたくましさと力強さがみなぎっているように感じます。

礼文島では、海岸性の植物と高山性の植物が同じ場所に咲く不思議な光景を見ることができます。礼文島ならではの光景と不思議な魅力どんどん惹かれています...!

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2020年06月10日木道からサロベツ

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 青山留美子

サロベツにある環境省の施設では、

幌延町にある幌延ビジターセンターが527日から、豊富町にあるサロベツ湿原センターが61日から、

それぞれ通常開館しております。

ただし、来館者の皆様へ感染予防対策のお願いをしておりますので、

ご来館の際はご協力をお願いいたします。

人との距離を保ちながら、さっそく木道へ。

一部、私なりの楽しみ方つきで、今の湿原の様子をご紹介します♪

湿原は一気に緑が増え、小さな植物たちが咲き始めました。

"足下に広がる星空"と言いたいほど、小さな☆がいっぱいで、きらきら輝いている様に見えます♪

☆がいくつか集まって咲く花たちも咲き始めています。

こちらは"星団"といったところでしょうか♪

これからどんどん咲いていく草丈の高い大きめの花たちも、ちらほら咲き出しています。

大きさなどから"銀河"に相当するでしょうか♪

目だけでなく、耳でも楽しい季節になってきました。

ノビタキやノゴマ、コヨシキリなどのさえずりに加え、オオジシギやカッコウの声も聞こえだし、

発声練習をあちらこちらでしているかの様にとても賑やかです♪

更に、湿原を五感で楽しむために、昨年度改修された木道でおすすめの場所があります!

どちらの施設の木道にも広めのベンチが設置されたのです!

座ってぼーっとするも良し、寝転がって空を真正面から見るも良し、使い方はあなた次第です。

私は、周りに人がいないことを確認して寝転がってます♪

座ると目線が変わり、湿原の見え方も変わるので、湿原にあるベンチには是非とも座ってみて欲しいです。

座ることによって、鳥の声や風の動きなどもより感じられ、

湿原の中にどっぷり浸かっている気がしてきます♪

春先だけのお楽しみ、地平線での蜃気楼も見られる広大なサロベツ。

サロベツ湿原では、花や鳥を楽しむだけでなく、

この広大さから、地球や宇宙を感じることもできてしまいます!

サロベツの木道で、

あなたならどんな風に楽しみますか?

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2020年06月08日霧の浮島

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 津田涼夏

季節は初夏を迎え礼文島では、花々が見ごろを迎えているようです。

中でも高山植物のお花畑がみられる桃岩展望台コースでは、例年5月の終わりから6月にかけて、エゾノハクサンイチゲやレブンコザクラ、レブンハナシノブ、キジムシロ、ハクサンチドリ、オオバナノエンレイソウなどのお花が一面に広がっています。

  

    エゾノハクサンイチゲ                レブンコザクラ

  

      レブンハナシノブ                 キジムシロ

  

      ハクサンチドリ               オオバナノエンレイソウ

また、礼文島の初夏と言うと、霧が発生しやすい時期でもあります。

6月の礼文島は特に霧が発生することが多く、あたり一面が真っ白になることも珍しくありません。一人でいると、心細くなってしまうような時もあります。ですが、礼文島の高山植物にとっては命の源となっています。高山植物が多く生息する礼文島の西海岸はほとんどが急峻な斜面もしくは断崖絶壁となっています。そのような場所にも高山植物たちは自生しており、そこには川など水の供給源はありません。しかし、そんな高山植物たちにとって強い味方となっているのがまさにこの霧なのです。雨が降っているわけでもないのに着ているものがじっとりと湿ってくるほどの水分を含んだこの霧が、植物たちが生きるために不可欠な水分を与えているのです。

霧が発生すると、視界が悪くなり、礼文島の西海岸の景色が楽しめなくなることも残念な気持ちもありますが、高山植物の生き生きとした姿を見るためだと思うとなぜか霧の天候が嬉しくなるアクティブレンジャーの津田でした♪

なお、礼文町から、新型コロナウイルスに立ち向かう新たな取り組みとして

「新しい生活様式(礼文島モデル2020)」が提案されています。

ご来島前に必ずお読み頂き、それを念頭においた行動をお願いいたします。

皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

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2020年04月30日#おうちでサロベツ

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 青山留美子

サロベツにある環境省の施設では、4月中旬より臨時休館をしていましたが、510日まで延長することになりました。特に豊富町にあるサロベツ湿原センターでは、木道の利用もご遠慮頂きたく、駐車場から閉鎖することになりました。

ご不便とご迷惑をおかけいたしますが、ご理解とご協力の程、よろしくお願いいたします。

そんな人間社会とは裏腹に、自然はしっかりと季節の移ろいを進めています。

残念ながら今年は、この芽生えの季節を直に見ることが叶わないため、写真で味わおうと過去の写真を集めてみました。皆さんにもお裾分けいたします!

★春を真っ先に教えてくれる、マガンやオオヒシクイなどの渡り鳥

3月下旬~ゴールデンウィーク頃まで、サロベツでは見ることができます。そろそろ旅立ちの時でしょうか。

★エゾアカガエルの卵

エゾアカガエルの鳴き声がガンたちの鳴き声とかぶり、何が鳴いているのか毎年惑わされます。

★ハンノキの花

湿原にある数少ない高木のハンノキ。雄花がほころび、その脇でひっそり雌花が真っ赤に色づく、この地味な花が湿原内一番の開花です。

★ミズバショウの群落

北海道ではどこにでも群生地が広がっています。

★湿原でいち早く花を咲かせる植物たち

初級:ワタスゲ 

     

中級:ヤチヤナギ 

    

上級:ガンコウラン

どれもとても小さい花ですが、まだまだ枯れ草色の湿原の中で見つけると、春の息吹を感じて嬉しくなります。今の時期はこの子たちが主役です。

★冬を越したクジャクチョウ

痛々しい姿の時もありますが、植物に負けない鮮やかな色が舞う姿は、枯れ草色の世界で一段と輝きます。

★今後続々と咲く花たち

これから湿原では続々と花が咲いていき、夏鳥がやってきて賑やかな季節がやってきます。

その頃には木道から直に出会えることを、祈るしかありません。

写真を見るとますます行きたくなってしまい......この状況を私も残念に思っていましたが、

稚内市内の私の自宅近くでは、最近タンポポが開花しました。

花壇では、いち早く咲いていたクロッカスやスイセンに続く植物たちが伸びてきています。

街路樹はまだまだ枯れ木ですが、冬芽がほころんできていました。

こんな町中でも、芽生えの季節を感じることができることに気づきました♪

皆さんも、遠くの自然は写真などで楽しんで、今は自分の周りにある身近な自然を楽しみましょう!

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