利尻礼文サロベツ国立公園
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2019年04月16日ペンケ沼は、鳥もいっぱい、ゴミもいっぱい!
利尻礼文サロベツ国立公園 青山留美子
パークボランティアの今年度最初の集まりである「パークボランティア総会」が終わり、新年度が本格的に始まった気がしている、稚内の青山です。
先日、今年度一番最初のパークボランティア活動で、利尻礼文サロベツ国立公園内にある「ペンケ沼」へ行ってきました。
ペンケ沼は道路が通じていないため、気軽に行ける所ではありません。
私も過去に2回しかペンケ沼へは行った事がありません。
過去2回はカヌーで行き、おしりが痛くなるほど漕いでやっと到着した、とても大変だったイメージしかない場所です。
人の出入りがないからこそ、野鳥たちの憩いの場所となっており、
鳥獣保護区やラムサール条約湿地に指定され、守られている場所です。
今回は、特別に牧草地を通らせてもらい、ササを越えて、ペンケ沼を眺めることができました。ハクチョウがいたり、マガンが飛び交ったりしていて、正に、野鳥の楽園でした!
その光景を楽しめたのはつかの間で、この日の目的は足下にたくさんありました。
前日の雪で見えていなくても、歩くとベコベコ音がするのでわかります。
ペットボトルや空き缶、空き瓶がとても多かったです。
道路は通じていませんが、ペンケ沼には川が流れ込んでいます。
この川を通じて運ばれてきたゴミたち。
それらが、大雨や雪解け水などで増水し、ここまで運ばれてきた物と考えられます。
回収できない大きさのタイヤやボンベのようなものまでありました。
雪で大部分は見えていないにもかかわらず、大人3人1時間足らずで、40リットルのゴミ袋8つ分、50kgを回収しました。
回収したペットボトルをつぶしていれる時にキャップをとる事が大変だったり、ゴミ袋より大きいものを入れる事が大変だったりで、
ゴミ拾いには、強力な切る道具が必要だと知りました。
そして、一番大変だったのは、牧草地を通り運ぶ事でした。
運んだ後、車にのせてもパンパンで、ゴミ拾いをした後の大変さを痛感した、ゴミ清掃でした。
雪が溶けたらどれだけのゴミが見えるのか、とても心配になりましたが、
雪が溶けると寝ていたササが立ち上がり、ただ行くだけでも大変になるため、ゴミの全体を見ることは容易ではありません。
人の手が入っていない地域のハズが、人の影響は及んでいました。
どこかでうっかり落としてしまったゴミが、回り回って、どこかの地域の何かの生き物に影響を与えているかもしれないと、考えさせられました。
皆さんも1度、自分の視界に入る周りだけではなく、そこからつながる森や川、沼、湖、海などがあることを想像してみてください。
そこには、多くの生き物が生きています。
多くの生き物が当たり前に暮らせる環境があり続けるために、
まずはうっかり落としてしまうゴミが減るように意識することなど、自分ができることから始めてみませんか?
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【参考】
ポイ捨てなどにより、回収されずに河川などを通じて海に流れ込む「海洋プラスチックごみ」が日々発生しています。
世界全体で日々大量に発生する「海洋プラスチックごみ」は長期にわたり海に残存し、このままでは2050年までに魚の重量を上回ることが予測されるなど、地球規模での環境汚染が懸念されています。 こうした問題の解決に向けては、個人・企業・団体・行政などのあらゆる主体が、それぞれの立場でできる取組を行い、プラスチックと賢く付き合っていくことが重要です。
環境省では、そうした取組を応援し、さらに広げていくため「プラスチック・スマート」キャンペーンを実施しています。
2019年03月28日雪の中で、木道誕生!
利尻礼文サロベツ国立公園 青山留美子
あっという間に雪が溶けた3月でしたが、彼岸荒れで一面真っ白の冬に逆戻りになりました。
「彼岸荒れがあるかも」と地元の方から聞いていましたが、春にまっしぐらだった景色をここまで戻すのかと、彼岸荒れの威力に驚いている、稚内の青山です。
風と雪が横殴りで吹き荒れる冬の湿原は、見られる生き物も限られ、人も寄りつかず、静けさに包まれています。
そんな中、環境省の施設である幌延ビジターセンターでは、設置されている木道の工事が行われていました。
この時期に行われる理由は、重機などにより湿原植物に影響を与えないよう、雪が積もってから行うためです。
12月、まだまだ雪が少ないため、既存の木道を使ってできる作業が行われていました。
1月、重機が入り、木道も撤去され、工事が本格化していました。
2月、新たな木道が組み立てられていました。
そして、2月末には大体完成していました。
3月に入ってから検査も終わり、先日ついに完成となりました!
少し見に行くだけでも風の強さと寒さに負けそうになる真冬に、作業をしてくれる方々がいるおかげで、
湿原を守りながらも、木道が作られています。
その木道があるおかげで、私達は湿原に落ちたりヤチマナコを気にすることなく、楽しむことができているのです。
作業して下さった皆さん、本当に、ありがとうございます。
まだ、周りには彼岸荒れの雪が残っていますが、
北へ帰る渡り鳥たちがどんどん増えて、新たな季節の予感を届けてくれています。
新しい季節には、新しい木道で、お待ちしています!
サロベツ湿原を体験しに、是非お越し下さい!
2019年03月22日礼文島と皆様に感謝を込めて
利尻礼文サロベツ国立公園 小笠原涼太
皆さまこんにちは!
礼文担当アクティブレンジャーの小笠原です!
日々少しずつ暖かさが増し、雪が姿を消し始めています。。
稚内は一度積雪ゼロを観測し、本州では桜の開花宣言がされた場所もあるそうです。
また礼文の花のシーズンが近づいてきました。
今回は3月の礼文の様子をまずお知らせしようと思います・・・と言いたいところなのですが、
3月20日に礼文島を訪れたところ・・・。
とても霧が濃い状態でした!ここは北のカナリアパークと呼ばれる礼文町の施設で、
奥には本来利尻島が見えるのですが、ご覧の通り、何も見えませんでした。
残念ながら礼文の様子をお見せするのはまた今度ということになります。
今年も礼文の美しい花々にご期待ください。
さて、3年に渡り皆さまに礼文の様子をお知らせしてきましたが、私、小笠原は今月末を以てアクティブレンジャーを退職いたします。この三年間如何でしたでしょうか?
皆様に少しでも礼文の魅力などを伝えられていたのなら、幸いです。
次回からはまた新しい礼文担当のアクティブレンジャーが更新を担当します。
どうか皆さま楽しみにしていてください。
今まで大変お世話になりました。どうもありがとうございました。
2019年02月12日サロベツ子どもパークレンジャー 冬も元気です!
利尻礼文サロベツ国立公園 青山留美子
インフルエンザの大流行に巻き込まれそうになったサロベツの青山です。
寒い日が続いていますが、しっかり春の気配も近づいてきている気もする、今日この頃です。
数年に1度の寒波が来る前、とても天気の良かった2月2日は「世界湿地の日」!
それに併せ、サロベツでも子どもパークレンジャーの活動でスノーシュー散策を行いました。
そもそも、子どもパークレンジャー(JPR)とは?
環境省レンジャー(自然保護官)と一緒に国立公園などにおいて、自然観察や自然解説による自然環境学習などを小・中学生に体験してもらうプログラムです。
サロベツでは、昨年の6月から小学生を対象として始動し、今までに5回の活動を終えており、今回は、今年度最後の活動となりました。
更にスペシャルな事に、サロベツと同じく日本最北のラムサール条約登録湿地クッチャロ湖で日頃活動している、浜頓別町の「ジュニアガイド」の子どもたちとの交流を兼ねた活動でもありました。
浜頓別から1時間ほど車に揺られてやってきた7人の子どもたちを加え、19名の子どもたちでとても賑やかになった活動の様子を、ご報告します。
まずは、お互いがどんな地域でどんな活動をしているか、それぞれの紹介から始まりました。
左が浜頓別町の子どもたち、右がサロベツのこどもたちです。
その後、地域ごちゃ混ぜの2チーム、野生動物を探す班と植物について調べる班とに分かれました。そして、スノーシューをつけて、いざ森へ出発です!
この森は、湿原のとなりにある森で、雪がある今だからこそ入っていける場所です。
迷子にならないよう、みんな同じ道を辿ります。それぞれの指令を気にしながらも、遅れないようにガシガシ進んでいきます。
雪がのっているだけで、景色はとても変わった物に見え、これは何かと、至る所でみんな覗き込んだり、つついたりしていました。
これは、根っこごと倒れた木を根っこ側から見えている図です。
そして、森の奥では、ミズナラの巨木にも出会いました!
ぱっくりと大きな洞がありますが、悠々とした枝振りをしていて登りたくなるどっしり感があります。
この森では、昔木を切っていたそうなので、そんな時代も生き抜いた、この森の主でしょうか?
そんな巨木のパワーを感じつつ、近くでしばしの休憩タイムをとりました。
飲み物を飲むくらいで終わるのかと思いきや、
子どもたちのリュックからはお菓子がどんどんでてきます。さすがです。
飲み物をあったかくしてくる事しか考えていなかったお菓子ゼロの私にも、あちこちからお裾分けを頂きました。みんなのやさしさと甘さにほっこりしました。ごちそうさまでした。
休憩の後は、今年の湿地の日のテーマ「湿地と気候変動」にちなみ、
今年の積雪量は例年と比べてどうなのか、写真を見比べてみてから、実際に雪を掘ってみました。子どもたちも交代で掘り進め、ササに到達!
森の中での積雪量は80㎝ほどだとわかりました。積雪量としては、昨年度の2月2日の豊富町の積雪量とほぼ同等です。昨年よりも雪が少なく感じていましたが、最近の吹雪などで盛り返してきているのでしょうか?
更に、冬山経験のある有山首席自然保護官が、雪の断面をきれいにして見せてくれました。
そこには線のようなものがあり、雨が降った跡など、天気の状態を雪から読み取れることを教わりました。
雪の様子もわかったところで、あとは来た道を辿って戻ります。
お昼もチームで食べ、午後からは指令の総仕上げとして、森で見てきた物を体で表現してもらいます。
何を、どう表現するか、机を離れてみんなで考えていました。
一つだけ紹介すると、
植物班が森で見つけたものを体で表現したこちら↓は、何を表現したものでしょうか?
正解は、
「幹にからみついた蔓」を表現したそうです。
力作ですよね。しかも楽しそうです♪
子どもたちの印象に残ったものや、気になったもの、表現の仕方など、私達の想像を超える時があり、毎回とても驚かされます。
みんなの中で、何か一つでも持ち帰ってもらえるものがある活動になっていれば嬉しい限りです。
そんな感想を期待して、新聞記事形式に個人の感想や見た物などをまとめて書いてもらい、終了しています。今回も無事に、みんな任務完了となりました!
お疲れ様でした。
一見静かな森ですが、よく観察すると、とても賑やかな気がしてきます。
そして、更に、
カラフルな子どもたちに彩られて、白一色の景色が一気に鮮やかに華やぎました。
ワイワイ言いながらも、子どもたちは、様々な物を見つけ、記憶して戻ってきていました。
ガシガシ歩きながらも、浜頓別町の子どもたちとサロベツの子どもたちは交流していました。
歩き疲れ、お昼を食べて、午後は疲れ切ったかと思いきや、自分達の力で発表内容や方法を考えていました。
子どもたちはすごいです!
そして、冬の森は楽しいです!
サロベツでのJPRは今回で、今年度の活動すべてが終了しました。計6回で延べ77名の小学生にご参加頂きました。ご参加頂いたみなさん、ありがとうございました。
また、機会があれば、国立公園や鳥獣保護区で一緒に楽しみましょう♪
2019年01月28日風と、雪と、氷と
利尻礼文サロベツ国立公園 小笠原涼太
こんにちは!礼文担当アクティブレンジャーの小笠原です。
今年も礼文の様子をたくさん伝えていきますので、宜しくお願いいたします。
さて、先日冬型の気圧配置によって列島全体を寒波が襲いました。
北海道も大雪に強風と凄まじいことになりました。礼文も例外ではありません。
強風によって海は大時化となり、フェリーは連日欠航。
これが何日も続いたために、島唯一のコンビニからは商品がどんどんと無くなり、町も外を歩く人は殆ど居らず、ひっそりとした雰囲気に包まれました。そんなタイミングに、私は礼文へ赴いておりました。
予定を超過して礼文に滞在する事になってしまい、皆様に真冬の礼文をお伝えするのに時間がかかってしまいました・・・・・。
さて、では気を取り直して早速、今の礼文をご紹介します!
桃岩展望台の途中で撮影した写真です。青い空や降り積もった雪が印象的ですが、この写真を撮影した時もずっと風が吹き付けておりました。
フェリーが動かなかった15日から17日の間に私が確認した最も低かった気温はマイナス13度!寒い!!風も強いからなおさら寒い!!!
もっと気温が低い場所も日本にはありますが、どちらにせよ寒いことに変わりはありません。そして、これだけ気温が低い状態で、風によって雪が飛ばされれば、剥き出しになった地面は凍っていきます。
それが桃岩展望台付近の状態です。雪は少しだけしか積もっておらず、殆どが風で吹き飛んでいました。アスファルトに至っては、完全に顔を出しています。
露出している部分の地面を触ってみると、しゃりしゃりというシャーベットのような音と感触がします。こういった特殊な条件が礼文を花の浮島と呼ばれる場所にしているのですね。
この写真は礼文の北側にある久種湖。最近の寒さで、全面結氷したようです。
しっかりと氷が固まれば、他の地域にある結氷した湖同様に上を歩くことも出来ます。
今回は見かけることはありませんでしたが、ワカサギ釣りをしている人も居るそうです。
風が強く、平地では雪に、山地では氷に覆われた礼文島。
一つの島の中で様々な景色を見ることが出来、同時に離島特有とも言える船が来ない間の島の様子を見ることができたのは、中々貴重な体験でした。
※最後におまけとして、先日浜頓別で撮影した写真を掲載します。さて、この写真にはオオワシが3羽写っているのですが・・・。皆さんはどこに居るかわかりますか?
2018年12月07日最果ての島の冬
利尻礼文サロベツ国立公園 小笠原涼太
皆様こんにちは。
礼文担当アクティブレンジャーの小笠原です。
初雪からしばらく。雪が降ったり、暖かくなって溶けたり、と秋と冬を行ったり来たりしている稚内及び礼文島ですが、皆様は如何お過ごしでしょうか?
最近は毎年恒例であるインフルエンザ流行の兆しも見え始めています。
どうか体調を崩さないようにお気を付け下さい。
さて、今回は12月の礼文島についてご紹介します。
雪こそ降りましたが、まだこんもり積もったというわけではないため、今のタイミングならまだ歩けるだろうと桃岩展望台コースにも行ってきました。
※荒涼とした冬の礼文。本格的な積雪はまだですが、それでも雪はこうして残っています。また一度気温が高くなり、雪が溶けそうではありますが、根雪になるのは時間の問題でしょう。
※晴れていたため気温は暖かめだったのですが、体感気温はマイナスでした。とにかく風が冷たい!
冬になると、礼文は西海岸側から大変強い風が吹き付けてきます。桃岩展望台コースも例外ではありません。むしろ、風の通り道にコースが作られているため、強烈な風が直に当たることとなります。今回コースを歩いた時も、冬の礼文の中では平時より若干強い程度の風だったのですが、それでも幾度となく体は風に煽られて転びそうになり、その冷たさによって体温が奪われてしまいました。
一緒にコースの巡視をした私の上司は「本州の3000メートル級の高山のようだ」と仰っていました。
しかしこの厳しい自然こそが、礼文の不思議で豊かな自然を生み出す要素になっているので、礼文の草花は逞しいなあと改めて感心しきりです。
師走に入り、既に年の瀬が直ぐ傍に迫っています。
平成最後の一年は皆様にとって、どのような一年間となったでしょうか?
私も反省すべき点、評価すべき点、色々ございました。
初心を忘れず、反省を活かし、上手くいったところはしっかり誇って、来年以降も頑張っていこうと思います。これからも宜しくお願いします!
※最後の写真は、礼文の人気観光スポット「澄海岬」。夏は穏やかで美しく、その名の通り「澄んだ海」が見られますが、冬になると大波が次々にうねりながら押し寄せるため、「荒れ狂う海」を感じさせます。
2018年11月02日サロベツで、冬期営業始まりました!
利尻礼文サロベツ国立公園 青山留美子
早々に初冠雪した利尻山や雪虫が飛び交う姿に冬の足音を感じつつも、まだストーブをつけずに過ごせているサロベツの青山です。
季節にあわせ、11月より、サロベツにある環境省施設は冬期営業になりました。
まず、豊富町にある「サロベツ湿原センター」は、開館時間の変更と毎週月曜日が休館日となります。
また、夏の間は24時間使用できたトイレも、冬期間は開館時間内だけの利用となりますので、ご注意下さい。
<11月1日~4月30日まで>
○開館時間 10時~16時まで
○休館日 毎週月曜日、12/29~1/3
○トイレの利用時間 上記内容と同じ
続きまして、幌延町にある「幌延ビジターセンター」は、11月1日~4月30日まで、冬期閉館となります。
併せまして、パンケ沼園地にある建物やトイレも閉鎖しましたので、幌延ビジターセンターやパンケ沼方面へお越しの際は、使用できるトイレがありませんので、ご注意下さい。
サロベツ湿原センターも幌延ビジターセンターも、そしてパンケ沼園地も、
施設は冬期営業になりましたが、木道は通年変わらず営業中です。
花が無い湿原も、よくよく見るととてもきれいです。
特に夕暮れ時の湿原はとても素敵だと思います。
夏鳥がいなくても、渡り鳥たちがにぎやかですし、1年中いる鳥たちもいます。
雨の切れ間に、湿原に虹がかかるのを見られるのも、今だからこそです。
今の時期だからこその出会いがある湿原、これからの季節もおすすめです!
2018年10月30日秋も終わりに
利尻礼文サロベツ国立公園 小笠原涼太
こんにちは。
礼文担当アクティブレンジャーの小笠原です。
9月は色々ありました。
大雨、地震・・・。北海道にお住まいの方々は色々大変だったと思います。
僕が勤務している稚内や礼文では、特に大きな被害はありませんでした。
礼文に至っては、停電すらも無かったようです。離島は自家発電となっているんですね。
しかし、物流が滞ることはどうにもならず。しばらくはコンビニもガラガラでした。
そんな9月を終え、そしてまもなく10月も終わり。
季節は11月。北海道はもう雪が降る時期です。峠道などは既に雪を観測しているそうですよ。
礼文では、草原が緑から褐色へと色づき、白い穂を揺らしていたススキももう終わりです。
コースを歩いていると冷たい風が吹き抜け、さわさわと残った草が揺れる音のみが周囲に響き渡り、一抹の寂しさを感じさせます。
既にコースには殆ど人が居なくなりましたが、その静謐な風景が風情を感じさせてくれます。もし、今の時期に礼文へといらっしゃる機会があれば、是非花のシーズンとは全く違う礼文を体験して見て下さい。ただ、この時期の礼文の風は冬とほぼ変わりなく、大変冷え込んでいます。歩く際は、多少厚着に思えてもきちんと暖かい格好をして歩いて下さいね。
上記から話は変わりまして、以前お話ししていた、桃岩展望台コースの工事についてです。
先日、工事が終了し、新しい木道が設置されました。
※写真はまだ作業中の時のもの。それでも大部分が完成していました。
これによって、今年の春よりも更に桃岩展望台コースが歩きやすくなりました。
多くの方々が楽しんでいただけるようになっていますので、桃岩展望台コースへといらっしゃった際には是非体験して見て下さい。
礼文とは別地域となりますが、道北で有数の渡り鳥の中継地である浜頓別町・クッチャロ湖にも冬の使者とも呼ばれるハクチョウ達を初め、多くの渡り鳥達がやって来ています。
今年も残すところ2ヶ月ほど。
冬の礼文やクッチャロ湖の様子など、これからも色々お伝えしていきますのでお楽しみに!
※今年の様子を撮影し忘れたため、1年前の10月のクッチャロ湖。今年も同様に、ハクチョウやカモたちが飛来しております。次回更新の際には、今年の様子を撮影してきます!
2018年08月20日夏がまもなく・・・
利尻礼文サロベツ国立公園 小笠原涼太
こんにちは、礼文担当アクティブレンジャーの小笠原です。
8月も下旬に差し掛かり、まもなく秋がやってきます。
季節が巡るのは早いですね・・・。
さて、まずはお知らせです。
環境省では、9月中旬から礼文島の桃岩自然歩道において、秋に自然歩道整備の工事を行う予定です。
本工事は3年前から行われており、今年も工事の続きを実施いたします。
今は工事実施のため関係者と調整中ですが、工事中は歩道脇に資材などを置くことになります。
勿論、希少種などの植生には配慮して工事を実施しますのでご安心下さい。
※去年の工事の様子です。
今年はこの先、ツバメ山の麓の歩道部分及びキンバイの谷の展望部分などを工事することになります。
話は変わって、現在の礼文島をご紹介しようと思います。
先月のAR日記では、色鮮やかな夏の花が咲いておらず、一時的に一面緑となっておりましたが・・・。
この通り、綺麗な花が咲きました。
この写真に写っているツリガネニンジンの他にも、コガネギクやキタノコギリソウなど、
またたくさんの種類の花が咲いています。
秋が近くなったとはいえ、まだまだ礼文島は賑やかです。
ただ、猛暑の時期も過ぎたため、日が落ちたあとなどは徐々に冷え込みが強くなっていきます。
これから礼文島へといらっしゃる方々は、念のために上着などを持ってきておくと良いかもしれませんね。
※中央にある紫色の蕾が見えますか?これは本来秋に咲く花・リシリブシの蕾です。
附子という名の通り、あのトリカブトの仲間です。根っこだけではなく、葉っぱや花、蜜にも毒がありますが、口に入れなければ何も問題はありません。
この一本は随分と気の早い個体でしたが、これから少しずつリシリブシの花も増えていきます。秋には色んな所で紫色の綺麗な花が見られるようになります。
はじめまして!こんにちは!
この春より、北海道の酪農学園大学を卒業し、利尻礼文サロベツ国立公園の礼文島担当のアクティブ・レンジャー(AR)に着任しました、津田涼夏と申します。前任の小笠原ARに代わり、これから礼文島の魅力を皆様にお伝えします。
さて、今年度の春より、礼文郡礼文町香深港フェリーターミナル一階におきまして、
稚内自然保護官事務所礼文事務室詰所を開設致しました。レブンアツモリソウの保護増殖事業計画や国立公園でのルールやマナー周知をお伝えすることができればと思っております。ぜひお立ち寄りください!!
写真1:礼文事務室詰所 (2018/4/4 香深港フェリーターミナル一階)
4月16日~18日の三日間、島内の巡視・歩道補修を行いました。風は強く冷たく、まだ寒い時期は続きますが、少しずつ春を感じるようになり、天候もよく気温も上がり遊歩道の雪は溶けていました。そんななか、久種湖を歩いてみると、ちらほらと芽をだしてきた植物に出会いました。
写真2:ミズバショウ (2019/4/16 久種湖) 写真3:キバナノアマナ (2019/4/17 久種湖)
久種湖周辺には、ミズバショウの群生地があり、多くのミズバショウが観察できます。他にはザゼンソウ等の花が咲いており、春の匂いを感じさせてくれました。
写真4:エゾエンゴサク (2019/4/18 ゴロタ岬) 写真5:キジムシロ (2019/4/18 ゴロタ岬)
ゴロタ岬へ向かう歩道のあちらこちらで青い花畑を咲かせているエゾエンゴサクや黄色の可愛らしさのあるキジムシロがみられました。
また、利用者の方が安全にトレッキングを楽しむことや高山植物の観察が行えるように、歩道外の踏み込みを防ぎ、高山植物を守るために、土嚢を用いてゴロタ岬の歩道の補修を行いました。北海道、礼文町、NPOや地元の方などが多く集まり、皆さんで協力して土嚢の設置を行いました。土嚢とは布の袋の中に土や砂を詰めて用いる資材のことであり、たくさん詰めれば詰めるほど重くてなり、なかなか持ち上がらなかったです。
ですが、皆さんの力を合わせた結果、半日で作業が終わりました。
写真6:ゴロタ岬遊歩道作業中(2019/4/16) 写真7:ゴロタ岬遊歩道作業後(2019/4/18)
私はアクティブ・レンジャーに採用されるまで礼文島を訪れたことがありませんでした。
初めての環境に戸惑いと不安もあったのですが、島の方は優しく、温かく迎えてくださり、本当に嬉しく思います。これから自分の役割を果たせるように尽力してまいります。
どうぞよろしくお願い致します☺