ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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支笏洞爺国立公園 支笏湖

135件の記事があります。

2009年05月19日支笏洞爺国立公園指定60周年 

支笏洞爺国立公園 支笏湖 西川 裕美子

毎日の通勤 往復60km

冬は本当に大変ですが、今の時期は日に日に緑が濃くなっていき、晴れた日には本当に気持ちの良いものです。信号もほとんどないのでス~イスイ。
このまま事務所ではなくどこか遠くへドライブに・・・・・なんて(笑)


『若葉の頃』


心がウキウキします。


みなさんこんにちは、支笏湖AR西川です。
随分ご無沙汰しておりました・・・


突然ですが、


1949年5月16日 
支笏洞爺国立公園が誕生。


2009年5月16日(土)
支笏湖では国立公園の60歳のお誕生会を行いました。


「伝えよう! 神秘の美しさ、支笏湖ブルー」

午前の部は支笏湖ビジターセンターにて、
私アクティブレンジャーによるクイズ大会
『知ってる?国立公園のひみつ』


洞爺湖事務所からもレンジャーとアクティブレンジャーが応援に駆けつけてくれました!


そして、しこつこ自然体験クラブ「トゥレップ」事務局長であり、市立小学校教諭の中原直彦氏による講演
『明日の支笏湖 ~子ども達に託す 次の60年 ~』



を行いました。

当初の予想より子どもの参加が少なかったですが、クイズ大会では国立公園の制度や支笏洞爺に関わる外来種問題などの解説を取り入れながら出題をしました。

Q1.北海道に国立公園はいくつあるでしょう?
Q2.日本の中に国立公園はいくつあるでしょう?
Q3.希少な野生動物や植物を守っている国立公園に人は住めるでしょうか?
Q4.支笏湖と洞爺湖 どちらが先にできたでしょう?
Q5.外来生物被害予防3原則『入れない OOない 拡げない』 ○○に入る言葉は?



さて、みなさんはいくつ分かりましたか?
答えは・・・

1.6 (支笏洞爺・大雪山・阿寒・利尻礼文サロベツ・釧路湿原・知床)
2.29(詳しくはhttp://www.env.go.jp/park/で)
3.住める(もともと人が暮らして(活用して)いた場所に国立公園という規制をかけたので)
4.洞爺湖 (洞爺湖は約11万年前、支笏湖は約4万年前の噴火で誕生したといわれています)
5.捨てない


子ども向けに作った問題でしたが、大人でも結構悩んでくれていました。
一方的に説明されてもなかなか頭に入りませんが(私だけ?)、クイズというのは誰でも気軽に取り組め、学習の要素も含んでいる。最高の手段ですね。
準備は色々と大変ですが自分の勉強にもなります。
今回は楽しく国立公園のことを知ってもらえて良かったです。


中原先生の講演では・・・

長年、支笏湖をフィールドにしているだけあって、とても心に響くお話が聞けました。
釣り糸の絡まった電線に留まるヤマセミや、大量に捨てられたゴミの山などの写真はただ単に「悲しい」気持ちになりました。それ以外に、この気持ちを表す言葉を私は持ち合わせていません。

途中でギターを手に自作の歌も披露してくださいました。
「山川草花」高速道路の建設のために山の形が変わってしまった追分(千歳の隣町)で作ったという歌。
人の手によって変わっていくふるさと。
心のふるさとが消えてしまったら・・・

ハッとする歌でした。



しかし、それらを吹き飛ばしてくれるかのような子ども達のつぶやき。
子ども達の感性はすごいです。
繊細だけど強いです。
私たちも子どもの時があったのに・・・
私たちもあんな素晴らしい感性を持っていたのに・・・

いや、まだあるはず。
あの時を思い出させてくれるような子ども達の生き生きとした野外活動中の写真が印象的でした。
(うまく写真が撮れていませんでしたので想像してください 笑)



午後からは、フィールドに出て『春の息吹観察会』です。
今回は記念行事として、参加者の皆さんには観察会をしながらゴミ拾いもしてもらいました。


支笏湖パークボランティアによる自然解説を聞きながら、園地を散策しました。


大人も子どもも興味津々です


やっぱりお天気の日には野外へ出るのが一番!
足取りも軽く、みんなの顔が自然とほころびます。

「シラネアオイ」が美しく咲き誇っていました。
「マルハナバチ」が巣に適した場所を探して上下に飛んでいました。
「ウグイス」が上手に鳴いていました。

一見ゴミなんてないように見える園地も、歩道から見えない所にポツポツとゴミがありました。
でも、みんなが拾ってくれたのでキレイになりました。


誰かが言っていました。

「ゴミはゴミを呼ぶ」
「緑は緑を呼ぶ」

次の60年も緑豊かな支笏湖であってほしいですね。


※支笏湖ビジターセンターでは国立公園指定60周年を記念して「支笏湖の今昔写真展」を開催しています。

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2009年03月11日「体感!!パークレンジャー」まとめ発表会

支笏洞爺国立公園 支笏湖 西川 裕美子

みなさんこんにちは、支笏湖AR西川です。

今年の冬はよく雨が降ります。
かと思えば、3月に入ったのに真冬に逆戻り。
忙しい天気の北海道です。

昨日(10日)、『体感!!パークレンジャー』に参加してくれた千歳市立北栄小学校6年生のみんなが、体験したことをまとめて発表会を開くというので、招待を受けて北栄小へお邪魔してきました。

12月に行った第3回体感!!パークレンジャーから約3ヶ月。
久しぶりに会う6年生のみんなは心なしか顔つきが大人になっていました。

グループごとに体験したことや感想などを模造紙にまとめ、個人の感想なども加えて発表してくれました。




・支笏湖に居る人はみんな自然が好きなんだと思った。
・レンジャーの仕事は大変だけど大切な仕事だと思った。
・笹の葉にアイロンを当てて展示物の補修をしたのが楽しかった。
・色んな人が支笏湖の自然を守るために協力していることが分かって良かった。またこのような活動に参加したい。
・今回の体感!!パークレンジャーはとても勉強になったので、もっとたくさんの人にも参加してもらえば良いと思う。
・支笏湖はゴミがあまり落ちていないので良かった。
・(観光客など)人の為に(遊歩道など)きれいに整備することが、動物たちにとっては必ずしも良い環境とはいえないと思う。
・自然に順番はつけられないので、どの自然も平等に守らないといけないと思う。





たった2回や3回の活動で何を伝えられただろうか・・・と少々弱気になっている自分がいましたが、昨日の発表を聞いて、「やってよかった!!」と強く思いました。

美しいものを美しいと思える、ダメなことはダメと言える、そんな素直で強い心を持った北栄小の6年生を羨ましくも思いました。


6日後に卒業を控えたみんなは、卒業式で歌う歌もプレゼントしてくれました。
優しい歌声の中に、なにか凜としたものを感じました。
(あまりに感動したので写真は撮れませんでした。ごめんなさい。)



最後にひとりの男の子が夢を語ってくれました。

「今まで自然なんて全く興味がなかったけれど、体感!パークレンジャーの活動で支笏湖に行き、自然に触れたり、感じたり、自然を守ってる人を見て、僕も自然を守るボランティアをしてみたいと思いました。将来は海外へ行って環境保護の活動もしてみたいです」

たった数時間の支笏湖での活動で、ここまで彼の心を刺激したモノとは一体・・・

私も北海道の自然に憧れて移住し人生が大きく変化した一人として、彼の夢を応援するとともに、彼の心を動かしたモノを探すために、もう少し支笏湖に身を置いてみようと思います。

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2009年01月30日最近の支笏湖

支笏洞爺国立公園 支笏湖 西川 裕美子

今年は観測史上2番目に暖かい冬だと今朝のニュースで言っていました。
1月の北海道で何度も雨が降ったり、日中の気温がプラス7℃まで上がったり、やっぱりおかしいです。

「何とかせんとあかん!!」

みなさんこんにちは、最近やけに大阪弁が懐かしい支笏湖AR西川です。


ここ支笏湖では冬の名物イベント『支笏湖氷濤(ひょうとう)まつり』が今日から始まりました。

今年は暖冬の影響でうまく凍り付かず、凍っても日中に溶けてしまったり、まつりに携わる方はヤキモキしていましたが、なんとか間に合って地域の皆さんもホッとしているようです。
先程、ビジターセンターへ用事に行ったので会場を覗いてきました。
ちょうどライトアップの時間で点灯する瞬間が見られました。ラッキーです!

※日中は紋別岳に登って山頂から氷濤まつり会場を見下ろしていました。



氷濤の前で記念写真を撮る観光客

氷濤まつりに関することは→ http://www.1000sai-chitose.or.jp/japanese/event/event_2008_11a.htm

この氷濤まつりに合わせて、支笏湖ビジターセンターでは『支笏湖思い出写真展』を開催しています。
支笏湖の昔を記録した大変貴重な写真をたくさん展示してあります。
現在の支笏湖と変わらない所、変わった所、一目でわかります。
昔の支笏湖の人々の生活風景や、湖畔の様子、昔があるから今がある。
長い歴史を経て今の支笏湖が形成されてきた様子がよく分かります。




昔はこんな湖畔近くまでバスが入っていました。



さてもうひとつ。
12月に行った千歳市立北栄小学校6年生との『体感!!パークレンジャー』の活動の様子と、6年生が詠んだ支笏湖の俳句(川柳)をビジターセンターの廊下に掲示しています。
支笏湖に対する思いがいっぱい詰まった作品です。
子ども達の素直な思いが5・7・5で表現されています。




皆さん、ぜひこの機会に支笏湖を訪れて、冬の支笏湖を目で見て、肌で感じてみてください。
きっと夏には見えなかったもの、感じられなかったものがあるはずです。





『体感!!パークレンジャー』活動の様子と俳句(川柳)



【支笏湖ビジターセンターは入場無料です】

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2008年12月25日第3回 体感!!パークレンジャー

支笏洞爺国立公園 支笏湖 西川 裕美子

クリスマスイブだというのに昨夜は雨でした。
ホワイトクリスマスはどこへ・・・

みなさんこんにちは、支笏湖AR西川です。


2008年も残りわずかとなりましたね。
皆さんにとってどんな1年でしたか?


12月12日(金)第3回体感!!パークレンジャーを行いました。
今回は千歳市の北栄小学校6年生47名と一緒に、水質日本一(詳しくは→http://www.env.go.jp/water/suiiki/h19/full.pdf

に輝いた支笏湖の『水』をテーマに活動しました。

まずは、全国から集結した水道水の利き水です。

・沖縄(那覇)
・関西(大阪)
・関東(東京)
・北海道(支笏湖・洞爺湖)

どこの水かわからないようにして、それぞれの水に対する感想を書いていきました。






・ゴムのような味がする
・やわらかい感じ
・プールのようなにおいがする
・いつも飲んでる水と同じ

などなど、それぞれの水に対して色んな意見や感想がありました。
みんなの意見が出たところで答えあわせです。
大半が「おいしい!」「これが支笏湖の水だ!」と言っていたのは、


実は・・・・・・・・



『東京の水』


なのでした。
あれ!?

では、と気を取り直して次こそはと、ほとんどの子ども達が手を挙げた水は・・・・



『那覇の水』

次いで

『大阪の水』


あれれれれ~?


結局最後に残ったのは『支笏・洞爺の水』でした。
私たちが考えるように、 【きれいな水=おいしい】 とはならないのでしょうか?

今回の利き水では
・各水道管の新旧による違い
・水を置いていた場所の温度(暖房に近い・遠い)
など様々な配慮が足りなかったこともひとつの要因かと思います。

しかし最後の感想で、あるグループは「東京都は浄水施設が充実しているのだと思う」と発表してくれました。また、あるグループは「水といっても各地域によって色んな水があることがわかった」と言っていました。
きっと貴重な体験になったことでしょう。

その後は外へ出て、支笏湖の水を見て俳句を詠みました。
これがなかなか面白い作品が出来上がりました。
各グループごとに「水のある風景」を写真に撮り短冊に俳句を書いてまとめましたので、年明けに支笏湖ビジターセンターに飾る予定です。楽しみにしていてくださいね。

午後からは、「レンジャーの仕事体験!」ということで、各グループに分かれて
・湖畔の清掃活動
・ビジターセンターの展示物修繕
・自然保護官事務所の見学
を行いました。




展示物修繕の様子

支笏湖ビジターセンターの展示物の修繕や、水槽の清掃などを楽しく行いました。



事務所見学の様子


自然保護官事務所の見学では、支笏洞爺国立公園の地図を見ながら「この色は何ですか?」「この線はどういう意味があるの?」などとても意欲的に質問が飛び交っていました。

雪の降る寒い一日でしたが、みんなとても楽しそうに取り組んでくれました。
今回の体感!!パークレンジャーの活動を通して、少しでも国立公園や自然に興味をもってくれたら嬉しいです。
そして、将来この中から国立公園で働く人が出てくれば・・・


今後も様々な人に支笏湖の魅力を伝えられるよう、そして今ある豊かな自然を後世に残していけるように精力的に活動していきたいと思います。


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2008年12月01日遂に完成です!

支笏洞爺国立公園 支笏湖 西川 裕美子

雪が降り山の白さが増すとともに、テンションも上がります。
スノーボードも車も初滑りを終えました。

支笏湖AR西川です。


さてこの度、支笏洞爺国立公園ではG8・J8が開催されたのをきっかけに、子ども向けのパンフレットを作成しました。
支笏湖では春から(実際には昨年度末から?)ビジターセンターの職員と協力し、支笏湖周辺で見られる自然について楽しく理解してもらおうと、「あ~でもない」「こ~でもない」「もうちょっとこうしたら?」などと試行錯誤を重ね、ようやく印刷を終えて先週納品されました。

このパンフレットは小学校5~6年生を対象に作成しましたが、「あれも!」「これも!」と言っているうちにどんどんボリュームが増え、先日出来たてホヤホヤの完成品を地元商店街の方に見てもらったところ、
「観光客の方に説明するのに丁度イイわ!」
とのことでした。

今後、支笏湖周辺(千歳市・苫小牧市・恵庭市・札幌市など)の小学校の総合学習などで活用していただけたら・・・
もちろん観光で来られた家族連れにも・・・
そして環境教育イベントなどでの配布も考えています。

詳細は支笏湖自然保護官事務所 TEL0123-25-2350
までお問い合わせください。

※洞爺湖版は洞爺湖自然保護官事務所(分室) TEL0142-73-2600まで



表紙です

見開き全20ページです

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2008年10月23日体感!!パークレンジャー

支笏洞爺国立公園 支笏湖 西川 裕美子

今年は山よりも平地の紅葉のほうがキレイだったという印象が強いです。

みなさんこんにちは、支笏湖AR西川です。


支笏湖は紅葉も終わり、見た目も体感的にも寒々しい風景になってきました。
事務所前には立派なモミジの木が3本あるのですが、その真下に駐車しているマイカーは落ち葉に埋もれ、「雪掻き」ならぬ「落ち葉掻き」をして帰るという毎日でしたが、そろそろ葉も落ち切った感じです。

先週になりますが、10月18日(土)ここ支笏湖で『体感!!パークレンジャー』という子ども向けの環境教育イベントを行いました。
千歳市や札幌市などから親子での参加もあり、子ども11名・大人7名の総勢18名の方が参加してくださいました。
当日は薄曇り~小雨という下り坂のお天気でしたが、元気いっぱい支笏湖の魅力を探してくれました。

今回の体感!!パークレンジャーの目的は・・・

①自然保護官の仕事を体験しよう
 
・自然保護官の仕事は大きくわけて「保護」と「利用」の2つの観点がありますが、今回は「利用」のほうで、支笏湖を訪れた人に子どもたちならではの視点で魅力を伝えよう!


②五感を使って自然を体感しよう

・普段の生活で鈍ってしまった五感を研ぎ澄ませ、心と体で自然を感じよう!


まずは、アイスブレイクで気持ちをゆるやかにしていきます。
そしてグループに分かれます。
が、今回は保護者(大人)の参加が思った以上に多かったので、子どもグループ3つに加え、急遽大人グループ1つを発足。

あらかじめ用意しておいたワークシートにある8項目に該当するもの(事)を探してデジタルカメラで撮影する。
その写真に感じたことや伝えたいことを自分たちの言葉で表現し、それらをまとめて冊子にする。

という行程でした。




今回探した8項目は・・・

支笏湖の
・おもしろい形のもの
・音のするもの
・ワクワクドキドキ
・ガッカリしたこと(もの)
・森の主
・守りたいこと(もの)
・びっくり!!
・森の赤ちゃん

です。



活動中の子どもたち


ちょうど紅葉の時期でもあり支笏湖の周囲の山々の紅葉の美しさを写真に撮り、この景色をいつまでも「守りたい」というような思いや、そこに何十年と生きているであろう巨木を「森の主」として、自分たちと大きさを比較して撮影したり、散策路に落ちている空き瓶などのゴミが落ちている(捨てた人がいること)に「ガッカリ」したり、とても純粋に感じてくれたことにホッとしました。

中でも子どもらしくて面白い発想だな~っと思ったのは、樽前山の溶岩ドームを見てプリンみたいで「おもしろい形」と感じた4年生の女の子。自分で撮影した写真にカラメルソースのようにペンで色をつけ、コメント欄には「スプーンを持って登山しないでください」笑
食べられたら大変ですね!!

また、2年生の男の子は水中船に乗れたのが相当嬉しかったようで、船内で何枚も何枚もシャッターを切っていました。
その内の1枚、水面を写した写真に地上の紅葉が反射して写っており、その美しさに感動したようです。
「水がきれいな支笏湖なので水を写しただけなのに、紅葉まで映ってとってもきれいです。船に乗った時は水に映るものも見てください」
本当に純粋な気持ちで感じたままを表現していますね。



船上より水面を写す


大人グループも子どもたちに負けじと心のアンテナを張り巡らせ、童心に返って楽しんでくれていました。

世界にひとつだけの、とってもユニークな支笏湖ガイドブックが出来上がりました。
支笏湖ビジターセンターに展示していますので、来られた際はぜひ見てください。
今後は支笏湖に来られたみなさんにも写真絵本のページを増やしてほしいと思いますので、良い写真が撮れた方(何か発見があった方)はビジターセンターの職員に声を掛けてくださいね。


自分たちの作品を囲んで・・・
「どんな人が見てくれるのかな?」

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2008年09月29日滝巡り&自然探勝会

支笏洞爺国立公園 支笏湖 西川 裕美子

みなさんこんにちは、支笏湖AR西川です。

先週はグ~っと冷え込みが強くなり、大雪山系や羊蹄山など道内でも初冠雪を記録した山がたくさんありましたね。

そんな季節の変わり目の9月27日(土)千歳市との共催で支笏湖周辺の『滝巡り・自然探勝会』を行いました。
この行事は、支笏湖周辺の景勝地を巡りながら市民に自然を身近に感じてもらい、自然環境保全と適正な利用を促進することを目的に年2回行っています。
今回は過去最高となる千歳市民21名の参加者とともに、支笏湖パークボランティア3名の楽しい解説を聞きながら改めて支笏湖の魅力を感じた有意義な一日となりました。

前日の夜は支笏湖周辺でも厳しい冷え込みで、まだ紅葉も始まっていないのに思いがけず白いものを目にすることができました。




オコタンペ湖展望台から小漁岳を望む


そういえば、まだ雪虫も見ていませんね・・・




七条大滝へ向かう参加者


この七条大滝はガイドブックなどには載っておらず、口コミで広がっている隠れたスポットです。今回参加された方も「一人じゃ来られない場所ですね~」「こんなステキな滝があるなんて!」と皆さん喜んでおられました。


移動中のバス車内ではパークボランティアさんによる地名に関する話、火山や鉱山の話、湖の話など千歳市の歴史について楽しく解説していただきました。
長年千歳市に住んでらっしゃる方でも知らないような話が出てきたり、見たことのない昔の支笏湖を想像してみたり、狭い車内でも退屈しない楽しい時間でした。

こうして、いま目にしているものだけでなく、昔のことを聞いたり知ることによって、さらにいま残されている自然へのありがたさが心の底から湧いてくるように思います。


今回滝巡りに参加された方はどのように感じられたでしょうか・・・

深まりゆく秋とともに、皆さんの心の中にも支笏湖や豊かな自然に対する思いがいっそう深まっていくと嬉しいですね。

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2008年08月14日エコギャラリー 【AR活動展】

支笏洞爺国立公園 支笏湖 西川 裕美子

みなさんこんにちは。
あっ!という間に8月も半ばを過ぎ、北海道の学校は来週から2学期(後期)が始まります。
駆け足で過ぎていく北海道の短い夏に、「今年も海には行けずに終わるのか・・・」と少し焦り気味の支笏湖AR西川です。

今月は自然公園クリーンデーの清掃活動や特定外来生物オオハンゴンソウの抜き取り、パークボランティアによる自然観察会などの行事のほかに、ウチダザリガニの駆除や登山道巡視など毎日アクティブに働いており、なかなかブログも更新できずにいました。(ちょっと言い訳・・・)

そんななか、12日から始まった洞爺湖ビジターセンターに隣接してあるエコギャラリーでの『アクティブレンジャー活動展』に行ってきました。
現在北海道には15人のAR(自然保護官補佐)が活躍しています。今回はそのうち札幌管内で活躍するAR8人の展示パネルによる活動紹介が行われています。
まだ一般の方にはその存在を広く知られていないARの日頃の活動内容や、ARから見たそれぞれの国立公園のおすすめスポット(お気に入りの場所)、現在抱えている問題などを紹介しています。




8人8様の楽しい内容となっています。

エコギャラリー内は夏休みということもあって、家族連れの姿が多かったです。

・北海道ではおなじみの『牛さん』のうんちの持つすごさや・・・
・昔の人の生活には今よりすごい『エコ』が当たり前のように取り入れられていたことや・・・
・家族みんなでどれだけCO2(二酸化炭素)排出を減らせるかをチェックシートで計算して数字を出したり・・・

エコだけではなく、行きたくてもなかなか行けない日本の国立公園の紹介などもあり、大人も子どもも楽しく学べます。



上川自然保護官事務所の青柳レンジャーによるクイズ大会の様子。
大人も子どもも真剣です!!



エコギャラリーで学んだことや感じたことを生かして、自分にできる『エコ』を書いて意思表明!



夏休みの思い出作りに海水浴やキャンプ、遊園地に花火大会などもいいですが、

『親子で環境について考える夏休み』

粋な感じですよね。

エコギャラリーは8月31日までやっていますので、ぜひみなさんも足を運んでください!



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2008年07月08日大量殺人(殺蛾?)事件

支笏洞爺国立公園 支笏湖 西川 裕美子

みなさんこんにちは!
最近、車を運転していると数少ない信号のほとんどが赤信号で止められる支笏湖AR西川です。
きっと人生には立ち止まって考える時間も必要ということなのでしょうね・・・笑

先日、セイヨウオオマルハナバチの監視活動のため支笏湖公園線にある発電所へ行ってきました。


カナディアンロッキー(行ったことはありませんが笑)を思わせる豪快な眺めです
春は桜・秋は紅葉の名所(穴場)として千歳市民には有名な場所です

近隣の千歳市・恵庭市・苫小牧市では毎年たくさん捕獲されており、昨年は第3発電所(国立公園外)で1頭捕獲しているので、国立公園内に侵入していないかビクビクしながらの監視活動でしたが今回は1頭も発見ならず。ホッと一安心です。


と思ったのもつかの間。

駐車場に戻ろうと歩いていると、足下に白い羽根のようなものが・・・




よく見れば周りにわんさか落ちています。

不思議な現象を帰って調べると、この羽根の正体は『オオミズアオ』という蛾の仲間で、ちょうどこの時期に大量発生し街灯の明かりに集まってきたところをフクロウの仲間(アオバズクかな?)に食べられてしまったようです。
胴体だけ食べられて羽根はヒラヒラと・・・
羽化したての柔らかい体はさぞかし美味しかったのでしょう。

オオミズアオを食したフクロウの糞が土の栄養となって森の木々が育ち、その森の恵みによって小さな虫や植物が育ち、それを鳥やリス・キツネなどの動物が食べ・・・こうしてなかなか人の目には見えない【命のリレー】が行われているのですね。


文章で書くとステキな場面に出会えたようですが、人っ子一人いない場所での目撃はちょっと鳥肌の立つ殺人(殺蛾)現場でした・・・


このゲートの先が現場です・・・





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2008年07月04日J8ジュニアエイトサミット開会式

支笏洞爺国立公園 支笏湖 西川 裕美子

みなさんこんにちは、支笏湖AR西川です。

いよいよ来週から洞爺湖サミット(G8)が始まります。
洞爺湖ARの日記にもありますが、ここ支笏湖周辺や千歳市内、札幌市内でもものすごい数の警察車両や警察官が全国から集結し厳戒態勢を強いています。
私も千歳市内で富山県警・群馬県警の検問を受けました。
新千歳空港では神奈川県警の検問でした。
こんな西部警察のような光景も慣れましたが、さすがにこの北の大地で沖縄ナンバーのパトカーを見たときは驚きました・・・(笑)

そんななか、7月2日(水)一足早く千歳市・支笏湖を舞台にJ8(ジュニアエイトサミット)が始まりました。。

【J8とは・・・?】
G8各国に加え、バルバドス・コートジボアール・イラク・キルギス・モンゴル・ネパール・南アフリカの各国からそれぞれの国・地域を代表する若者(主に高校生)39名が参加し、気候変動・貧困と開発の問題・国際保健(子ども達の命やHIV/エイズに関連する問題)を議題とし、J8としての宣言にまとめ、G8各国首脳ならびに国際社会へ発信する会議(今回で4回目)のことで今回は7月2日~9日の間行われます。

開会式は晴天のもと、支笏湖園地で行われました。
主催関係者はじめ国内外のメディアなど大勢の人々が集まり、支笏湖小学校全校児童(12名)による「歓迎のことば」や、和太鼓の演奏などで華やかに始まりました。

外務省副大臣、ユニセフ東アジア太平洋地域事務所長、山口千歳市長、高橋北海道知事から挨拶のあと、元サッカー日本代表の 中田 英寿氏 が登場。
自身のホームページ上で展開する環境保護の取り組み(地球のために何かできることひとつ)
【TAKE ACTION!2008「+1 TANZAKU」】
の一環として全世界から集めたメッセージが書かれたれた大きなフラッグを手渡し、参加者にエールを送りました。



元サッカー日本代表 中田英寿氏とJ8参加者

影響力のある有名人・スポーツ選手などがこういう活動をしてくれると、一般の人への普及に繋がると思います。特に、日本代表として世界中を飛び回っていた中田氏などは、様々な国や地域の様々な人と出会って、様々な問題を目にしていることでしょう。現役を引退しても自分の使命を感じて行動する(行動できる)というのはとっても素敵で意義深い事だと思います。

また、今回のサミット&ジュニア8サミットが支笏洞爺国立公園で行われるということも、気候変動などの問題を話し合うには最高の舞台ではないでしょうか。

柳谷自然保護官によるプレゼンテーションの様子


午後からのフィールドトリップでは支笏湖地区パークボランティア・自然公園財団職員と千歳市ボランティア通訳の方々の協力によって、支笏湖園地内を散策しました。
北海道とは思えないくらいの暑さでしたが、みなそれぞれに支笏湖の自然や歴史に触れ、良い思い出を持って帰ることができたと思います。



フィールドトリップではJ8参加者がゆったりと支笏湖の自然に触れる唯一の機会でした


J8参加者の一人は「日本に歴史的建造物や大きなビルがあることは知っていたが、こんなにきれいな景色が見られるとは思っていなかった」と話してくれました。

この素晴らしい自然環境を後世に残していくために、今私たちがしなければいけないことを真剣に考え、行動していかなければ!と改めて心に誓った一日でした。














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