支笏洞爺国立公園 支笏湖
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2020年07月14日支笏湖地区パークボランティア活動開始!
支笏洞爺国立公園 當山真貴子
曇り・雨・霧でスッキリしない天気が多い支笏湖。
その中で晴れの日があると、何気ない風景でも、つい写真を撮ってしまう當山です。
さて、新型コロナウイルスの感染症の影響により、4~6月までは支笏湖地区のパークボランティア活動を自粛していましたが、感染予防対策を徹底した上で、7月から再開することとなり、先日(7/4)、パークボランティア研修会を開催しました。
午前の部は、外部講師(早稲田宏一氏)をお招きし、「ヒグマとエゾシカ」をテーマに、食べ物や糞の見分け方、1年の暮らし、移動範囲等の基本的な生態から専門的な内容まで丁寧にご説明いただきました。
質疑応答の時間では、特に熊鈴の効果、都市部に出没したヒグマ等の「ヒグマと人との関わり方」について、会員から多くの質問が挙がり、有意義な時間となりました。
ヒグマは気性が穏やかな個体もいれば、怒りっぽい個体もおり、一概にヒグマは「こういう性格である」と断定できないそうです。また、昔は狩猟が盛んに行われ、「人=殺される」という認識を持ったヒグマが存在していますが、今は狩猟をする人が少なくなり、稀に認識が薄れたヒグマも存在しているとのこと。
まずは、ヒグマは人間と同じで、各ヒグマの性質(性格)を知ることがベースにあり、且つ時代の変化も念頭に置きながら、「人が生活するエリアまで出没するようになった原因」と「防ぐ方法」をとことん追究していくことが、適正な付き合い方に繋がっていくのだと感じました。
午後の部は、支笏湖ビジターセンター職員さんによる解説方法で、「支笏湖の成り立ちや歴史」等について、詳細にお話いただきました。
支笏湖の水深を測るために、当初ルーカス深測器を使って91地点で調査したことや、
支笏湖の南側のエリアで苫小牧市が温泉の調査をしていたこと等、とても興味深い内容ばかりでした(^^)
2020年06月10日支笏湖ビジターセンター館内掲示情報の充実に向けて♪
支笏洞爺国立公園 當山真貴子
支笏湖へ向かう通勤ルート。
今までは木々の葉がなく、太陽の光が道路を照らしていましたが、あっという間に葉が生い茂り、樹木の屋根で日陰になっています。
支笏湖の初夏を実感中の當山です。
さて、先日、支笏湖ビジターセンター館内の掲示板に、新たに「樽前山&風不死岳登山マップ」と「写真」を掲示しました♪
緊急事態宣言中、宣言が解除された後を見据え、館内の掲示情報の充実を目指し、作成させていただきました。
これから樽前山の登山に挑戦する方々に向けて、登山ルート上で見られる高山植物などの見どころや注意点の情報をまとめています。
支笏湖周辺の自然に触れ、より一層、支笏湖を大切に想っていただける方々が増えると嬉しいです(^^)
英訳の添削にご協力いただいた支笏湖ビジターセンター職員の皆様、この場をお借りしまして、感謝申し上げます。
支笏湖ビジターセンターでは、新型コロナウィルス感染防止のため、受付場所にアクリル板の設置やこまめな換気、消毒液での拭き取り等、様々な対策をなさっています。
来館の際は、マスクの着用、人と人との距離を保つようにご協力をお願いします。
登山マップ作成を通して、自粛期間中だからこそ、今までやりたくても出来なかったことに目を向ける時間ができました。
今の時代をどのように暮らしていけばいいのか、模索しながらも新しい生活スタイルに適用していきたいと感じた日々でした。
2020年05月25日支笏湖の春をお届け
支笏洞爺国立公園 當山真貴子
いつの間にか樹木の枝先から新芽が芽吹き、初夏の装いに向けて準備を始めている支笏湖。
支笏湖アクティブレンジャーの當山です。
遅くなりましたが、GW終盤頃、支笏湖のエゾヤマザクラが綺麗に開花しましたので、今回はその様子をお届けしたいと思います(^^)
本州では「ソメイヨシノ」が有名ですが、「エゾヤマザクラ」は、花の色が濃く鮮やかで、寒さに強く、花と葉がほぼ同時に開花するのが特徴です。他にも、チシマザクラという桜もありますが、こちらは花が散ったあとに、葉が生成し、根元から分かれて横や斜め上に伸びることが特徴的です。
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、時々、慣れない在宅勤務をしながら、書類の作成や巡視、Web会議、清掃等をしている日々を過ごしていますが、世の中のざわめきとは関係なく季節はしっかりと着実に流れています。
力強い春の息吹を感じつつ、前向きに過ごしていきたいですね(^^)
2020年04月27日新体制!
支笏洞爺国立公園 當山真貴子
こんにちは。支笏湖アクティブ・レンジャーの當山です。
今回はご報告があります。
2018年に「支笏湖自然保護官事務所」から「支笏洞爺国立公園管理事務所」に名称が変更され、事務所の人員は3人体制となっていましたが、2020年4月からは、所長と管理官の2名が加わり、総勢5人体制になりました。
新体制での始動直後から新型コロナウイルスの対応による出勤回避で体制が十分でないところもありますが、引き続き、支笏洞爺国立公園の自然を守りながら、よりよく利用するためには何が必要か、何ができるかということを考え、取り組んでまいります。
今後ともよろしくお願いいたします。
2020年04月27日10年後に残したい風景
支笏洞爺国立公園 當山真貴子
ツンと冷たい風から暖かい柔らかな風になったと思いきや、パラパラと雪が舞い、冬と春を楽しめる季節となった支笏湖。春を待ち遠しく感じている當山です。
さて、先月(3/4~3/29)、支笏湖ビジターセンターの多目的室にて、「支笏洞爺国立公園指定70周年記念インスタグラムフォトコンテスト当選者写真展」を開催しました。
※本国立公園は2019年5月16日に指定70周年を迎えたことを記念し、「10年後に残したいあなたのお気に入りの風景」というテーマで、フォトコンテストを実施しました。
詳細は下記URLをご覧下さい。
http://hokkaido.env.go.jp/post_70.html
新型コロナウイルスの影響で外出自粛を考慮し、InstagramやFacebookで動画も発信しました。
素敵なお写真ばかりなので、ご興味のある方は是非、下記のURLもご覧下さい(^^)
併せて、フォローもいただけると嬉しいです♪
https://www.instagram.com/shikotsutoya_nationalpark/
https://www.facebook.com/ShikotsuToya/videos/249958662704038/
星空と紅葉の定山渓、夕方の洞爺湖、水鏡の羊蹄山、針葉樹林が続く中島の散策路等、皆さんから投稿いただいた写真を拝見し、「こんな風景があったんだ」と新たな魅力を発見し、私自身より一層、支笏洞爺国立公園が好きになりました。
また、公式Instagramに投稿されていた洞爺湖での活動(清掃等)の写真も見て、この風景を維持するために、多くの方々が活躍しているということも実感しました。
「私の10年後に残したい風景」(鏡現象)
支笏洞爺国立公園に限らず、国内外には多くの国立公園があります。同じ国立公園であっても、動植物、景観、歴史、暮らしている人々等、多種多様でそれぞれの魅力があります。
「あなたの10年後に残したい風景はなんですか?」
なかなか落ち着かない状況ですが、思い浮かんだ風景に想いを馳せてみてはいかがでしょうか(^^)
2020年02月14日あなたは何問正解??~支笏洞爺国立公園指定70周年記念○×クイズ~
支笏洞爺国立公園 當山真貴子
現在、支笏湖では「千歳・支笏湖 氷濤まつり」が開催されていますが、先日、その会場で「支笏洞爺国立公園指定70周年記念○×クイズ」を実施しました!
※1/25(土)、2/8(土)、2/9(日)の計3回実施。
クイズの内容を一部ご紹介します♪
【Q1】羊蹄山の別名は「蝦夷(えぞ)富士」である。○or×
【Q2】洞爺湖が誕生したのは、今から約11万年前である。○or×
【Q3】支笏湖の食べ物屋さんの商品の一つに「ヒメマスクレープ」がある。○or×
【Q4】本公園に国の天然記念物の「クマゲラ」という野鳥が生息しているが、
その舌の長さは約30cmである。○or× etc...
ちなみに、すべて正解は「○」です。当たりましたか?
残った50名様からオリジナルのエコバック、上位3名様にはオリジナルのロゴ入りシェラカップをプレゼントしました。
簡単な問題からマニアックな問題まで出題し、全問正解者や途中で間違って悔しがる方等、皆さん楽しんで参加していました(^^)
ほんの少しでも支笏洞爺国立公園のことを知るキッカケになれれば良いなと感じた一日となりました。
※氷濤まつりの詳細情報はこちら↓↓
●千歳観光連盟 氷濤まつり情報
http://www.1000sai-chitose.or.jp/icefes.html
●支笏湖氷濤まつり Facebookページ
2020年02月14日支笏湖を擬態化した氷のオブジェ~千歳・支笏湖 氷濤まつり~
支笏洞爺国立公園 當山真貴子
ただいま、支笏湖では「千歳・支笏湖 氷濤まつり」が開催されています♪
昼の全体の様子
よく層雲峡の「氷瀑(ひょうばく)まつり」と間違われることが多い「氷濤(ひょうとう)まつり」・・・笑
まだまだ認知度が低いのかなと感じつつも、「瀑」と「濤」は一体何が違うのか、辞書で調べてみました。
「瀑」とは、「川の水が高い所から落ちて飛び散る所、滝」。
「濤」とは、「大きくうねる波」。
「氷瀑」とは、「凍った滝、氷結した滝、南極などの氷河が流れ落ちている場所」。
「氷濤」とは、「湖の波しぶきで作った氷柱」。
まとめると・・・
☆滝を表した氷のオブジェが「氷瀑まつり」
☆波を表した氷のオブジェが「氷濤まつり」
個人的に上記のような違いで理解しようと思いました。
夜の全体の様子
今年は、雪不足でしたが、製作スタッフの方からは「雪が付着しなかった分、透明度が高く出来が良い」とのこと♪
ただ、今週は気温が上がり、溶けてしまい、氷像内に入るもの(苔の洞門等)は、安全の都合上、制限されていますが・・・毎年、12~14名のスタッフで一生懸命、氷像製作を行っています!
来年も1月下旬頃に開催予定なので、是非お立ち寄り下さい~(^^)/
※詳細情報↓↓
●千歳観光連盟 氷濤まつり情報
http://www.1000sai-chitose.or.jp/icefes.html
●支笏湖氷濤まつり Facebookページ
2020年02月14日支笏洞爺国立公園指定70周年記念 冬の七条大滝自然観察会!
支笏洞爺国立公園 當山真貴子
今年は雪不足で、雪かきの回数が少なかったと感じる今日この頃。
みなさんは、いかがお過ごしでしょうか?(^^)
さて、先日(2/2)に千歳市役所さんとの共催行事「冬の七条大滝自然観察会」を開催しました。
※参加者:13名(小学生:3名、20代~60代:10名)
8:00に千歳市役所に集合し、そこからマイクロバスに乗り、七条大滝へ!
七条大滝に続く林道を歩いていると、子供達が素敵なオブジェを見せてくれました(^^)
雪を固めて土台にし、その上にツルアジサイやノリウツギ、イワガラミ等を生け花のように飾っていました♪
大人には思い付かない子供達の発想力の高さに驚かされました☆
目的地の七条大滝を見る予定でしたが、滝壺まで続く階段が凍結し、滑りやすくなっていたため、
昨年度と続き、安全面を考慮し、上から眺める方法となりました。
もし、降りることができた場合は、下のような景色が眺められます。
1/27(月)下見時の様子
小休憩をし、駐車場へ引き返そうとしたその時、マリモのような木を発見!
※クリックすると大きくなります。
謎の丸い塊の正体は「てんぐ巣病」という病気でした。
「てんぐ巣病」とは、樹木、野菜、草花等に発生し、発病すると、枝や茎の1か所または株元から、小枝や小さな葉を多く生じます。病名は、症状が言い伝えで天狗のすみかとされる場所に似ることに由来し、その部分を「てんぐ巣状」と呼んでいます。考えられる病原は二つあり、一つは「糸状菌(カビの仲間)」の一種で樹木に感染します。もう一つは「ファイトプラズマという細菌」で、主に野菜や草花などに感染しているそうです。
今年は、雪不足で、スノーシューは履かず、七条大滝も上から眺めることになりましたが、エゾリスの足跡、赤い実が特徴的なツルウメモドキ、クマゲラが突いた大きな食痕、雪だるまのようなシマエナガ等を見ることができ、参加者の皆さんは、冬の景色を満喫していました。
2019年12月26日2019年を振り返って~支笏洞爺国立公園指定70周年~
支笏洞爺国立公園 當山真貴子
日中でも気温が氷点下になり、寒さが身に染みる支笏湖。
報告書作成等に勤しんでいる當山です。
さて、今年は支笏洞爺国立公園が国立公園に指定されて70周年目♪(1949年5月16日指定)
この節目を記念し、「今、見つめ直そう。いちばん身近な山と森と湖を」をコンセプトに、本公園の魅力を広く地域内外に向けて発信すると同時に、多くの方々に本公園の魅力を発見してもらう取り組みを実施しました。
☆支笏洞爺国立公園指定70周年シンポジウム☆
9月28日に洞爺湖文化センターで「支笏洞爺国立公園指定70周年シンポジウム」を開催!
「どう活かす?どう守る?みんなに愛される国立公園の未来形」というテーマで、各地域の関連自治体、企業、団体、一般のお客様等、約160名の方々にお越しいただきました。
始めに、「基調講演1」一般財団法人自然公園財団専務理事の阿部宗広氏から「国立公園~地域で活かし、守る日本の宝~」と題して、洞爺湖でのレンジャー時代の思い出話を織り交ぜながら、日本の国立公園の歴史・概要や支笏洞爺国立公園の特徴、保護及び利用者の増加策、将来の課題等について説明していただきました。
次に、「基調講演2」ミュージアムアドバイザーの染川香澄氏から「人々の経験を豊かにするには-ミュージアムでの先進的なプロジェクト」と題して、関心を持たない人に利用してもらうために数々の事前調査、試験イベント等による多角的な意見の集約と試行錯誤を繰り返した事例が紹介されました。現場の一人一人が自分の頭で考え、チームで取り組み、慣習に囚われることなく、利用者も巻き込んで、楽しいプロジェクトをつくっていくことの重要性等について語っていただきました。
パネルディスカッションでは、「支笏洞爺国立公園 指定100周年に向けて」というテーマで国立公園内の各地区関係者が、本公園についてどのような自然・景観の保護、利用・サービスの提供、管理運営を行い、どういった空間に作り上げていくかについて議論されました。
各地域に共通する課題としては、自然体験プログラムを充実させ、各地域の滞在時間の延長を図る(もう一泊してもらう)ことが示唆されました。
私は特に、「高齢化等により営業の問題を抱える商店街への対策の必要性」や「国立公園利用者向けのアプリの開発(羊蹄山の冬季B.C.スキーの遭難対策として)」、「広大なエリアを管轄する国立公園のレンジャーを増員させること」が印象に残りました。
オーバーユースや商店街の後継者、レンジャーの少なさ、外来種問題等、多くの課題が山積みではありますが、新千歳空港が近くアクセスの良い立地で、地球の鼓動を感じる活火山と清澄な湖、それを囲む森林、道内屈指の温泉を満喫できる魅力が溢れ、まだまだ可能性を秘めている公園だと思います。利用に傾き過ぎるのではなく、この自然を活かしつつ、多くの方々に楽しんでいただき、"この自然を後生まで残していきたい"と思うファンが増えると更に良くなるのではないかと感じました。
☆支笏洞爺国立公園指定70周年記念マーク及びポスターの作成☆
広報・普及啓発に役立てるため、ロゴマークとポスターを作成しました。これらを見かけた際は、本公園のことを思い出していただけると嬉しいです(^^)
☆支笏洞爺国立公園指定70周年記念インスタグラムフォトコンテスト☆
インスタグラムアカウントを開設し、6月~11月までフォトコンテストを実施しました♪
※「10年後に残したいあなたのお気に入りの風景」をテーマとし、投稿された写真の中から毎月5名様に記念品をプレゼント!
投稿者の皆さんの写真は、普段、私が見ている景色とは違ったものが多く、視野が広がり、新たな魅力を再発見することができました。
☆支笏洞爺国立公園指定70周年 関連イベントカレンダー☆
地域のみなさんにご協力いただき、本公園の自然・まつり・アクティビティを楽しめるイベントを掲載したカレンダーを作成し、観光案内所や道の駅等に配布しています。3月まで掲載されているので、ご参加下さい。
※詳細はこちら↓↓
●支笏洞爺国立公園指定70周年事業について
http://hokkaido.env.go.jp/post_73.html
●イベントカレンダー(2019.10-2020.3)
ちなみに・・・
1月24日(金)から「千歳・支笏湖氷濤まつり」が始まりますが、そのプログラムで「支笏洞爺国立公園指定70周年記念○×クイズ」を実施する予定です。最後まで勝ち残った方々には、素敵な景品もご用意していますので、こちらにも是非、検討しながら、素敵な新年をお迎え下さい♪
※詳細はこちら↓↓
お盆を過ぎても気温の高い日が続いている支笏湖。若干、バテ気味の當山です。
さて、新型コロナウイルスの感染予防対策を徹底した上で、8/2(日)に「夏の自然観察会」を開催しました。
※参加者:8名(40代~70代:6名、子ども:2名)
参加者の皆さんと一緒に園地内を散策していると、突如、パークボランティアさんが嬉しそうな声で呼びかけてきました!
シマヘビの黒化型を発見!
シマヘビとは、全長80~200㎝で、北海道・本州・四国・九州等に分布しており、背中の4本の縦縞が特徴的です。体色や色彩には変異が大きく、縦縞のない個体や色のない個体もいるそうです。哺乳類や鳥類、爬虫類等を餌とし、小さいものは巻き付かずそのまま飲み込むことが多いとのこと。
「黒化型(こっかがた)」という全身が真っ黒なシマヘビを発見し、積極的に触る子どもたちを見て、好奇心旺盛な子どもたちに驚かされました(^^)
他にも、赤色のヘビイチゴや淡い紫色のウツボグサ、エゾハルゼミの抜け殻やサッポロマイマイ等を観察することができました。
今回は、解説者3名で、植物・歴史・昆虫担当等に分かれ、それぞれ連携しながら説明し、参加者の皆さんは、支笏湖の夏を満喫なさっていました(^^)