ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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支笏洞爺国立公園 洞爺湖

169件の記事があります。

2008年12月03日子どもパンフレットを作って

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 浅田 唯衣

 支笏湖自然保護官事務所、西川アクティブレンジャーの日記にもある子ども向けパンフレットの洞爺湖版も簡単にご紹介します!
 洞爺湖版パンフレットは・・・
洞爺湖の成り立ちや、火山活動によって人間の生活していた場所が変化する様子や火山の恵み、噴火後の植生の移り変わりなど、火山を中心とした内容から、洞爺湖を囲む森や周辺の野鳥について、さらには湖水にいる外来種ウチダザリガニと外来生物の理解を深めてもらうページなど、盛りだくさんとなりました。
 工夫したところは、パンフレットをただ見るだけでなく、洞爺湖の湖底を水深ごとに塗り分けたり、昭和新山・有珠新山の誕生前と後で盛り上がる様子を写真で見比べてもらったり、火口周辺の土の色を比較してもらうページなどを設けて、実際にフィールドに出るきっかけになようなパンフレットにしました。
 子どもの視点で、出来るだけ簡単に!をモットーに試行錯誤しながら作成にあたりました。簡単に書くことが一番難しい・・・と、痛感しましたが、地元の子ども達がこのパンフレットを持って、実際に歩いてもらい自然に関心をもってもらえたらと思います。今後、地元の小学校に配布する予定です。


洞爺湖版 子どもパンフレット です!

「噴火後のうつりかわり」についてのページです!

※ 詳細は洞爺湖自然保護官事務所(分室) TEL0142-73-2600までお問い合わせください。

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2008年11月17日火口を探検!火山の恵みを体験しよう!

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 浅田 唯衣

11月9日に自然ふれあい行事を行いました。場所は、洞爺湖ビジターセンターそばにある四十三山と金比羅火口です。お天気は晴れ時々曇りで参加者は20名。なんどもアクティブレンジャー日記でご紹介している四十三山は98年前に噴火によって出来た山。そして金比羅火口は8年前の2000年噴火によって出来た火口群です。その2つの場所を1日で歩いて約100年の経過を体感してみよう!というのが今回の目的です。そしてもう一つが、洞爺湖といえば温泉。その温泉の源泉井戸が四十三山にあります。火山の恵みも体験しちゃおう!というよくばりな計画をしました!
 午前中は、四十三山へ。この時期はすでに葉も落ちて、普段は四十三山遊歩道より見ることの出来ない洞爺湖・中島を眺め、そして山肌に黄葉したカラマツ林 がきれいに目立つ有珠山も目にすることが出来ます。そしてなんといっても、なかなか夏ではとらえにくに火口が現れます。その中には四十三山の噴火で2番目に大きな火口も!こんなに大きかったんだ~と思うほどはっきり見ることができます。その火口の壁面はヤナギやミズナラ、イタヤカエデなどの木が・・・ここが、昭和中期までには時に噴気していたなんて。想像するとわくわくします。参加者の中には、「四十三山に小さいころ遠足に来たよ」「昭和30年代の四十三山展望台の写真があるよ」など、四十三山がいかに地元の人と関わりあいの深い山だったかがわかります。火口を見た後には、四十三山のふもとにある源泉井戸へ行き、洞爺湖温泉の歴史や、源泉を実際に触ったりしました。これは参加者にも好評で約52℃ある源泉で冷えた手を温めました。
 午後は金比羅火口群へ。まずは2000年噴火の活動によって大きな断層が走っている箇所を見学しました。私たちの身長を大きく上回るほどの断層のずれ。そしてもともと人間の生活があった場所に大きな火口が出来ました。その火口の中で有くん珠ちゃんという火口があります。まだ火口のそばには噴気するような箇所もあり、火口の中エメラルド色の湖水が見えます。ここは今まで一般の人が立ち入ることは禁止されていましたが、6月に洞爺湖町によって整備され火口のすぐそばまで近寄ることが出来ます。かつての人間の生活を忍ばせる電柱やアパート、国道跡のアスファルト、そして昔、洞爺駅から洞爺湖温泉まで走っていた洞爺湖電気鉄道が走っていた鉄橋跡など火山と人間の生活がとなり合わせであることを感じます。実際に、あと何m先で現在も人間の暮らしがあるわけです。
 今日は1日で、2つの火口を見比べました。約100年後には豊かな森へと変化することを体感し、そして地球の変化を肌で感じました。このような場所は日本にはここひとつしかないと、講師を務めてくださったNPO法人 環境防災総合政策研究機構の宇井先生もおっしゃってました。そして何より、私は、この地が自然の移り変わり、地球の変化だけでなく、その変化に人間が共生していることにとても大きな衝撃と感動を覚えます。
 
※ 金比羅火口群は11月10日に冬期期間閉鎖されました。また4月の下旬より(正確な情報は洞爺湖町役場まで)オープンします。四十三山遊歩道については雪の状況により閉鎖しますが、今現在は歩くことができます。閉鎖する際には、洞爺湖ビジターセンターやアクティブレンジャー日記でお知らせいたします。

四十三山の火口と火口の間で・・・参加者のみなさん!

四十三山山頂で、昔の絵はがきを見ながら説明!

金比羅火口群と洞爺湖・中島を眺めながら・・・

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2008年10月21日相変わらず

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 加藤 康大

北海道洞爺湖サミットが閉幕し3ヵ月が過ぎた。あんなにざわついていた洞爺湖温泉街も今ではすっかり落ち着きを取り戻し、この地に各国の首相が集い会合を開いたということを忘れそうになる。

人間界でサミットの影は薄くなっても、自然界の営みは何も変わらない。例年通り木々は彩づき、葉を落とし、どこからともなくユキムシが舞い始めた。洞爺湖の水中では相変わらず、ウチダザリガニがしっかりと呼吸し、交尾し、繁殖を続けている。そしてそいつをなんとかしようと僕もいまだに足掻き続けており、僕が乗る官用車は相変わらずザリガニ臭い。

今月初旬の生息域確認調査において、その大幅な拡大が確認された。心配されていた河川流出口付近でも大型の個体が確認されており、今後河川への流出とそれに伴う河川生態系への影響が懸念される。そして僕は、とうとう川にカゴ罠を仕掛けている自分を想像してため息をつく。

私事だが、8月に講習を受けダイビングライセンスを取った。潜水士資格はないので業務として潜水することはできないから、一般ボランティアダイバーとして休日に、防除認定団体の活動に参加している。まさか自ら潜水してザリガニを追いかけ回すことになろうとは思ってもみなかったのだが…。

(写真提供:田中正文氏)

これまでは水中の様子について、全て潜ったダイバーからの情報を頼りに想像するしかなかったが、今は自分の目で直に見ることができる。ザリガニがどんな場所にどんなふうに隠れ、どれくらいの速度で歩いたり泳いだりするのか…。水中の様子がわかるから、効率良く捕獲できそうな場所にカゴを仕掛けることもできるようになった。「百聞は一見にしかず」とはよく言ったものだ。

ザリガニのみならず、水の中では新発見が多い。陸から眺めると何もないように見える洞爺湖の水中にも、しっかりと生命は息づいている。太陽光をうけてキラキラと輝く淡い水色の中で、背丈以上もある水草がユラユラと揺れ、そのあいだをウグイやワカサギの稚魚が群れていたりすると、あまりの美しさに見とれてしまう(ザリガニの生息密度の濃い場所には水草はほとんど生えていない)。

(写真提供:田中正文氏)

今冬の休日は、滑ろうか潜ろうか迷う日が多くなりそうだ。雪が降ったら山、降らなかったら湖。どっちも良さそうな日はどうしよう…。実に贅沢な悩みだ。

そんな馬鹿げたことに悩む僕を横目に、悩みの根源であるウチダザリガニたちは例年どおり、相変わらずの生命力で北海道の寒い冬をも乗り切ってしまうのだろう。大半のメスは相変わらずたくさんの卵をお腹に抱えたまま…。

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2008年10月20日大有珠登山会~洞爺湖の紅葉~

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 浅田 唯衣

 10月初め、天候も晴れ。洞爺湖地区パークボランティア(※)で大有珠の登山会を行いました。湖畔沿いの木々も紅葉し、洞爺湖や中島、羊蹄山、昭和新山、ニセコ連峰、遠く駒ヶ岳まで360度の眺望でした。
 有珠山は、火山活動によってできた小有珠、大有珠、オガリ山、有珠新山などから成り立っています。かつては、大有珠山頂へ登ることが出来ましたが、1977年の噴火以来、外輪山内側全体が立入禁止区域になっています。今現在は、昭和新山側からロープウエイで上がり、そこから有珠外輪山へと、または伊達市側から有珠外輪山へと歩くことができます。今回は特別に許可をもらい、ヘルメットをかぶり大有珠まで登山を行いました。
 まずは、昔、金沼があったといわれる場所へ。そこはもう沼ではなく1977年時噴火の活動で火口となりすでに木々が生い茂っています。その火口沿いを歩き、斜面を登ると、これまた1977年時噴火で大有珠と小有珠の間で大地が約180m隆起してできた有珠新山へ。そこからまるーい洞爺湖に中島という島が浮かんでいるのを見て、パークボランティアから「何にも要らない。このまま自然が残ってくれればいいね。」と一言。こんな景色が他にあるだろうかというくらいため息がでます。さらに登り、かつて参加者が、家族で大有珠山頂へ登った!という思い出を聞きながら大有珠山頂へたどりつきました。1977年以前は外輪山から見ることが出来る火口内には銀沼という沼や牧場があり、有珠山は気軽にハイキングで訪れることの出来る山でした。
 いつも山の麓から見る有珠山に登って参加者はより自分の住んでいる地域を見直す良い機会となったようです。この景色がいつまでも残りますように。

※パークボランティアってなぁに??
国立公園ごとに登録をして、自然解説、美化清掃、施設の簡単な修繕、自然の調査など、自分のできることに合わせて活動しています。

額縁は湖畔林の紅葉。中島が見える。

大有珠をバックにパークボランティアのみなさん。

雄大な洞爺湖、中島、羊蹄山を見ながら歩く。

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2008年10月06日昭和新山登山会

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 浅田 唯衣

 9月16日 地元、洞爺湖温泉小学校の講師依頼を受け、5・6年生と一緒に昭和新山へ登りました。昭和新山は1943年から1945年にかけてもともと麦畑だった所が火山活動によって隆起した山。そして国の特別天然記念物です。その隆起する様子を観察したのがミマツダイヤグラムで有名な故三松正夫郵便局長さんです。その三松正夫記念館の館長さんでまた、昭和新山の所有者でもある三松三朗さんに昭和新山の生い立ちを聞きながら子どもたちも頑張って頂上を目指しました。
 洞爺湖周辺では、昭和新山のように火山活動によって大地が変化します。江戸時代から数えると9回噴火がこの地で起きているのです。昭和新山や前回の日記に書いたような四十三山(明治新山)もそのひとつで洞爺湖も火山活動で出来たカルデラ湖。これら全てをひっくるめて広い意味で“有珠火山”といいます。
 大地が変化するといっても何によって動いているのかっていうと、それはマグマ。マグマが地中近くに入り込んで、地面を隆起させます。そのマグマが地表には出てこないで地下にとどまるのが潜在(せんざい)ドーム、マグマが地面を突き破って出てくるのが溶岩ドームといいます。昭和新山は見た目は若干、UFO(私はそのように見えます)。そのUFOの下の部分が潜在ドームとすると、UFOの丸い部分が溶岩ドーム。このように、昭和新山は潜在ドームと溶岩ドームで出来ています。
 今でも山頂近くは水蒸気が出ていて、また地面も熱い所で100℃近いところもあります。そこで子ども達は持参したソーセージなどを温めてお昼に食べました。教科書やお話で聞くのとは違い、実際に自分の足で歩き、目で確かめ、そして地球の熱のみで温められた食べ物を食べ、自然に生かされているということを肌で感じることができたでしょう。
いろんな情報が飛び交い、いろんなモノが溢れる世の中に、何が正しくて、どういったことが事実なのかを知るにはやっぱり自分で確かめなければなりません。そんなことも今回感じました。こういった経験を大人になった時にふと思い出してくれたらいいですね。

昭和新山が出来てから約63年経った今なお水蒸気が上がる

頂上をめざす子どもたち

昭和新山直下より眺める洞爺湖と羊蹄山

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2008年10月06日登別温泉 秋へ

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 浅田 唯衣

 先月、登別温泉へ工作物と利用状況を確認にパトロールへ行ってきました。登別温泉は今年、開湯して150周年。特に土日祝日は観光客で賑わいます。
 地獄谷から大湯沼に抜ける大湯沼遊歩道のナナカマドの径には、赤い実をたくさんつけて秋に近づいていく気配を感じます。地獄谷は環境省の「かおり風景100選」にも選ばれています。登別温泉に向かう道で次第に硫黄のにおいがただよい、この硫黄のにおいで温泉に入らずとも温泉に入っているかのような気分になります。日本人は温泉が大好きです。その象徴でもあるこの硫黄のにおいが登別の地獄谷や大湯沼、天然足湯などの名所で充満しています。
 なんといってもぜひ寄ってみてほしい所は、天然足湯。温かい温泉が川を流れています。外気温が低い時は、その川は湯煙をのぼらせています。季節や外気温によっても足を入れたときの温度も変わり、移り変わる季節で変化する木々に囲まれながら足をつけるのは格別です。例年通りですと、紅葉の見頃は10月中旬ごろです。


大湯沼 周囲1km、表面50℃、最深部130℃ で昔は、大湯沼より硫黄を採っていた


大湯沼川の小さな滝


天然足湯で賑わう観光客

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2008年08月29日2008年8月28日  橘湖(たちばなこ)巡視

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 加藤 康大

今夏は洞爺湖サミット関連の業務に追われ、なかなか外に出ることができなかった。久しぶりの巡視。

橘湖は国内では珍しい(唯一の?)個人が所有する湖。同じ支笏洞爺国立公園内にありながら、支笏湖や洞爺湖、クッタラ湖などと比べるとそれほどメジャーではなく、その存在を知っている人は少ない。周囲約1.2km・面積9ha、ちなみに洞爺湖は70k㎡だから、橘湖は洞爺湖の1/777しかない。

霧雨の中、背丈ほどもあるササやイタドリをかき分け、天然シャワー状態でびしょ濡れになりながら30分ほど歩くと、橘湖が姿を現した。周囲を丘に囲まれ、また湖岸には赤茶けた岩石が転がっており、火山活動によって形成された火口湖(カルデラ湖かと思ったが、直径2km以上はカルデラ、それ以下を火口と別けるらしい)であることが一目で見てとれる。数年前までは湖岸に釣り人用の管理小屋が建っていたが、今はその小屋も無く、人間の痕跡を感じる物は何一つない。とてもいい湖だ。



辺りはぼんやりガスがかかり、小雨が降っていたが、何故かこの湖にはとても雨が似合うと思った。聞こえるのは鳥の声と、木々の葉をたたく雨の音だけ。心地良い静寂。思いっきり深呼吸して美味しい空気をたくさん吸い込む。しばらくして雨が止み、湖面が鏡になった。時折大型の魚類(おそらくコイだろう)が「ジャボン!」と跳ね、その水紋がゆっくりと、いつまでも湖面に広がる。水は限りなく透明で、遠浅の湖中に流木や火山岩が沈み、幻想的な風景を作り出している。中心部は深いエメラルドグリーン。



水際を歩き、湖を半周した。ついつい「ザリガニはいないだろうな?」と水の中を覗き、石をはぐったりしてしまう。かなり特殊な職業病だ…。ウチダザリガニどころか他の水生生物の気配もまったくない。栄養の乏しい貧栄養湖なのだろう。

しばらく歩くと、この手つかずの「秘境」の中にはじめて人間の痕跡を発見。たき火痕とアルコールの空き缶と折れたパドルの残骸。カヌー?どうやってここまで運んで来たんだろう?確かにこんな場所でキャンプして、カヌー浮かべて、お酒でも飲もうものならさぞ気持ちよいだろうが…。



僕は数年前、カナダの山岳学校に在籍していたのだが、山の学校にも関わらず何故かカヌーの授業があった。そこでは、河原でのキャンプからその場所を立ち去る際、完全に人間の痕跡を消すように厳しく指導された。自然環境や動植物への配慮プラス、次にその場所を訪れるかも知れない人の気分を害さないためだ。当然ながら排泄物も全て持ち帰る。毎朝、携帯オマルを誰の船に積むか凄まじい牽制が始まる。結局最後はジャンケンになるのだが、僕の提案で「あっち向いてホイ制度」を導入してからというもの、唯一のあっち向いてホイ経験者の僕の船に「ブツ」が積まれることはほとんどなくなった。話が逸れてしまったが、とにかく、自分が出したゴミくらいは自分で持って帰っていただきたい。

そんなことを思い出しながら昔を懐かしみつつ、害された気分を元に戻すため、しばらくのあいだ大きな岩の上に寝転がって空を眺めた。それからたき火痕を消し、空き缶と折れたパドルを背負って帰路についた。

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2008年07月08日花の羊蹄山

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 浅田 唯衣

 6月28日、羊蹄山の真狩コースを往復して、土日の登山客利用者や登山道の様子を巡視に行きました。今年の羊蹄山の雪解けは昨年よりも早く、いつもならまだこの時期は登山道上にも雪が残っているのですが、真狩コースは羊蹄山避難小屋近くに雪渓が残っているだけでした。羊蹄山避難小屋管理人の方のお話によると、3週間ほど雪解けが早いそうです。この日は、お天気は晴れ、土曜日ということもあり、父釜の大火口や、母釜・小釜の小火口沿いの登山道は登山者でにぎわっていました。

 6月下旬~7月初旬に、頂上の火口の砂礫地帯で一番多く見ることの出来る花がエゾノツガザクラです。小さいけど群落となればピンク色の絨毯のようです。その他この日は、シラネアオイのうすい紫色と、キバナシャクナゲのクリーム色がコラボして登山者の目を楽しませてくれます。またタカネクロスゲ、ウラジロナナカマド、イワウメ、ミヤマキンバイ、ジンヨウイチヤクソウ、ハナニガナ、オクエゾサイシン、ハクサンチドリ、ウコンウツギ、サンカヨウ、イワベンケイ、イワヒゲ、メアカンキンバイが見れました。羊蹄山は時期によって6月から8月までお花が楽しめます。もちろんお花畑に入らず(基本です。)、写真と心で記録してくださいね。


【エゾノツガザクラ(ツツジ科)】


【イワウメ(イワウメ科)】

 登山道状況は倶知安コースともに真狩コースも拡幅化し、また80cmほどの高さまで深く削れてしまっている場所もありました。ストックの跡が登山道脇に目立ち、ストックのキャップを使用しないとますます道へのダメージは大きくなります。ストックの使用方法の他、登山道の拡幅化を防ぐために、多少歩きづらくても他の新たな道が出来ないように、道をはずさないで歩くというような登山者ひとりひとりの心がけが必要です。ゴミは昨年見られたようなひどい汚物などは見られませんでした。登山道にゴミが無いことは常識ですが、昨年は思った以上に利用頻度が高い倶知安・真狩コースではゴミが目立ちました。今年はそのようなことが無いことを願います。またゴミを見つけたらぜひ拾ってください。

 帰り際、真狩村から羊蹄山を振り返ってみました・・・。今この時期、じゃがいものお花が羊蹄山麓には咲いています。このジャガイモ畑は羊蹄山の火山灰で水はけが良く栽培に適しています。また、羊蹄山周辺ではおいしい湧き水もたくさんあります。山麓に住む人々は羊蹄山からいろんな恵みをもらって生活しています。


【羊蹄山】

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2008年07月03日洞爺湖環境体験プログラム

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 浅田 唯衣

 6月25日、「洞爺湖から贈る人と自然の明日へのメッセージ」をテーマに北海道地方環境事務所主催で、ITや観光メディア・報道関係者を対象に、洞爺湖地域で可能な環境体験活動(エコツアー)を行いました。これは、サミットを契機に、支笏洞爺国立公園「洞爺湖」地域の自然環境に国内外から関心が高まる中、洞爺湖の自然を国内外に発信していきたいという思いから行われました。海外の方を含めた10名の参加があり、洞爺湖ビジターセンター・火山科学館を出発し、午前は2000年噴火の影響を受けた西山山麓火口散策路へ、午後は中島へ行きました。

 快晴の中、西山山麓火口散策路では、噴火活動によって隆起した旧国道や、火口群を見学し、火山の仕組みを知りました。噴火してから8年経った今もところどころ噴気を上げていて、地熱も高く温度は約90℃も超える場所の中を歩きます。また、被害を受けた住宅やお菓子工場を見ながら、そして、ノビタキ、キビタキ、ノスリなどの野鳥観察もしながら火山の威力を感じ、それに適応して存在するたくましい生き物たちの生活を垣間みました。


【西山火口散策路のみなさんの様子】

 中島では、エゾシカが落ち葉を食しているところや、冬場死んだであろうエゾシカの死骸、木々の下の笹がエゾシカによって全て食べられてしまった林内の中を歩き、またオニグルミの木でエゾリスが食事中の風景を観察し、人間と動物との関わり合いについてを考えさせられるプログラムでした。


【中島のエゾシカ。落ち葉を食べています】

 終了後、参加者と主催者側で意見交換を行いました。今回の様なエコツアーで、火山の植生の変化を見ることができるというのは将来の可能性のあるテーマだ、また参加して帰ってから今回体験したことが自分の生活とどのように結びつけることができるか?など参加者からの貴重なご意見を聞くことができました。
 火山を間近に感じたり、中島に見るようなエゾシカと食害の問題を通して、人と自然の関わり方の重要なメーッセージが洞爺には隠されています。


【ある場所で木々の額縁から中島が見えました】

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2008年07月02日国立公園の標識

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 浅田 唯衣

 国立公園の境界には、「ここから国立公園ですよ。」ということがわかるように大きな標識が建てられています。その標識の周りも初夏になると、枝葉が伸びて標識が隠れてしまうことがあるのでそのような木の枝払いをしました。思ったよりもなかなか木が覆っている部分が多く、汗をかきながらの作業でした。やっと見やすくなりました~。この看板を見て、みなさんがすこしでも国立公園への意識を高めてもらえたらと思います。


【枝払い前】



【枝払い中】

 また、公園内で洞爺湖の美しい風景を見ることができる場所として、洞爺湖温泉、壮瞥温泉、中島などを「洞爺湖八景」として選定しました。いろいろな角度から洞爺湖や中島、羊蹄山、有珠山・昭和新山を望むことができます。ぜひ訪れて見てください。 



 サミットも控え、みなさんに洞爺湖が支笏洞爺国立公園であることがしっかりアピールできるように準備しています。

 ○洞爺湖八景について
http://c-hokkaido.env.go.jp/summit/topics007.html 

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