支笏洞爺国立公園
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2016年07月27日7月30日開催!THEキャンプフェス ~山の日制定記念~
支笏洞爺国立公園 高橋祐子
みなさま、こんにちは。今日はイベントの告知です。
いよいよ今週の土曜日に迫ってまいりました
羊蹄山のふもとで行われる『THEキャンプフェス ~山の日制定記念~』!!
私たち洞爺湖自然保護官事務所で企画したのは
トークライブ!!
完成するまで長い長い道のりがありました。
今年から休日に指定された『山の日』
そのコンセプトは
「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝すること」
自然やその恩恵・そこを選んで生きている人々・動物・植物
いろいろなことがつながり、絡み合って成り立っている世の中
羊蹄山を通して、そういう自然のいろいろを
みなさまともに体感し、共に歩み、後世につなげていけたら...
そんな思いを胸に
地元の方・各関係機関の皆様・登壇してくださるゲストのみなさまと一緒に創り上げてきました。
トークライブ登壇者
四角友里氏 (アウトドアスタイル・クリエイター)
古市竜太 氏 (マウンテンガイド・コヨーテ代表)
近藤英輝 氏 (蝦夷富士避難小屋・小屋番)
吉田亜希子 氏 (後志総合振興局 保健環境部環境生活課 自然環境係専門員)
当日、お近くにいらっしゃる方はぜひ!いらしてください!!
場所:羊蹄山自然公園(羊蹄山真狩登山口)
2016年07月10日日本景観生態学会エクスカーション
支笏洞爺国立公園 高橋祐子
日本景観生態学会 第26回 北海道大会のエクスカーションが、先日ここ洞爺湖で行われました。
景観生態学の研究者や学生さんなどのスペシャリストたちが大集結した濃い一日。参加者のみなさんは、朝8:00に札幌駅に集合し、バスで洞爺湖まで...
バスガイドは、な、な、なんと、岡田弘北大名誉教授!!
有珠山の第一人者にて主治医といわれている先生で、2000年の有珠山噴火において住民を事前避難成功に導いた立役者の一人です。バスの中では、定山渓などの火山地形の成り立ちやそこから得られる恩威などについて、地質のいろいろな解説を聴きながらいらしたそうです。う、うらやましすぎます...
洞爺湖ビジターセンターも利用してくださるとのことで、今回は私もお手伝い。小雨が心配でしたが、天気はなんとか保ち一安心。金比羅噴火遺構と有くん珠ちゃん火口を見学しました。メインガイドはもちろん岡田先生です。
お昼は屋根のあるところでBBQ、テーマは『火山がはぐくんだ大地の恵み』だったそうです。
別件で動いていたため、残念ながら写真はありません(>_<)
地元でとれた野菜や果物と、肉は農業被害で駆除されたエゾシカを使用したそうです。これらは全部「ジオの恵み」です。
そして午後一、ウチダザリガニの駆除・調査見学、実際にどう(籠)を湖から引き上げました。
酪農大吉田教授が洞爺湖の現状や課題などを説明し、ポスドク上原さんがウチダザリガニの生態を使って計測方法等を説明しました。たまたま居合わした方たちも一緒に参加です。
ここ洞爺湖地域は20~30年に一度、火山が活動する時期を迎えます。その短いスパンで被災し続けるリスクがある反面、火山の恵みに大きく助けられていることもしっかりと見つめていきたい。また、今抱えている外来種の問題も忘れてはいけません...そんな思いから、今回のエクスカーションは企画されたそうです。一方向の視点からでは到底語りつくせない、いろいろな想い。
火山の歴史とそこに住まう人々、そこに関係する様々な生物たち。
詳しく知りたい方は、ぜひ洞爺湖へ!!
2016年04月26日昭和新山学習登山会
支笏洞爺国立公園 洞爺湖 高橋祐子
みなさま、はじめまして。
4月より洞爺湖自然保護官事務所にアクティブレンジャーとして赴任いたしました、高橋祐子と申します。
これから支笏洞爺国立公園(羊蹄山・登別・洞爺湖地域)のことをいろいろ紹介して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
5月に入り、ようやく暖かい風がやさしく吹く日が増えてきた今日この頃です。春の陽気に誘われて、外での活動が楽しくなってきました。そんな中、先日昭和新山学習登山会に参加してきましたのでお伝えします。
洞爺湖のすぐそばにある昭和新山は、1944年ごろの有珠火山の活動によって隆起してできました。齢73歳と少し、場所によってはまだまだホットな山です。
もとは平らな麦畑だった場所が、1年少しの間に大きく盛り上がってできた山。今では木々も大きく育ち、山麓付近は緑がだいぶ回復してきました。普段は立入禁止区域となっているこの山も、この日だけは会参加者のために開放し、地球の息吹を存分に感じることができます。
火山は「生きてる地球」の内部とつながることができる窓のような場所。活動が始まると大変なこともたくさんあるけれど、山が与えてくれる「恵み」は、私たちの当たり前の中に実はたくさん存在します。おいしい水・良質な土壌・温泉・きれいな景色... 火山列島だからこその「恵み」に感謝しつつ、地球の活動様式をしっかり学んで、酸いも甘いもうまく付き合っていける未来につなげられたら、最高だなと思います(^^)
火山性地形の一般公開エリアは例年通り4月20日から一斉に開通しておりますので、ぜひ「地球の生き様」を体感しにいらしてください!
2015年10月16日最近の樽前山
支笏洞爺国立公園 支笏湖 畠山 夏香
秋も深まってきましたね。
繁殖期を迎えたエゾシカくんの、切なげな雄叫びを何度も耳にするようになりました。
さて、樽前山は14日に初冠雪が確認されました。
前の晩、千歳市は11月中旬なみの気温まで冷え込み、去年よりも2週間ほど早く雪が降ったのです。
そんな樽前山の様子を、冠雪から2日後の今日、見に行ってきました。
上:2015年10月14日の樽前山
下:2015年10月16日の樽前山
見ての通り、雪はすでに谷になって日の当たらない山肌に、わずかに残る程度となっています。
お花畑コースから歩き始めると、赤く紅葉したナナカマドやオオバスノキ、黄色く色づいたミヤマヤナギなどがみられ、秋らしい風景が広がっていました。
お花畑コースから932峰ピークまでの道
紅葉した木々がたくさん
樽前山の紅葉はピークを若干過ぎたくらいでしょうか。それでもとても美しい景色でした。
今日はあたたかい日だったので、登山道の付近の雪はほとんど残っていなかったのですが、
東山ピークからへ七合目ヒュッテの道
確認できました!
初雪はいくつになっても嬉しいものです。
樽前山は今、紅葉、雪、支笏湖ブルーを堪能出来き、もりだくさんです!
雪が溶けたからか...
なんだか私には春の香りまで感じられ、本当にもりだくさんでした(笑)
今年の冬はいつやってくるのか?
楽しみにしつつ、残りの秋を満喫したいですね。
■お願い■
「美しい景色に惹かれて」「休憩のために」など、理由はあると思いますが、
登山道の外へは極力立ち入らないようお願いします。
この厳しい環境のなかで生きている植物は、踏みつけによってかなりのダメージを受けてしまうのです。
ほんの小さな配慮を心がけることが、山を大切にしよう、この風景を未来に伝えようという、すてきな想いの表れだと思います。
どうぞよろしくお願いします。
2015年02月06日World Wetlands Day ~February 2, 2015~
支笏洞爺国立公園 支笏湖 畠山 夏香
今年も"World Wetlands Day"
世界湿地の日がやってきましたね。
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世界湿地の日とは、1971年2月2日にイランのラムサールという街で締結された「ラムサール条約」を記念して、毎年2月2日を「世界湿地の日 World Wetlands Day (WWD)」とした記念日です。ラムサール条約の目的である、湿地の恩恵や価値に目を向け、その維持と賢明な利用を達成するため、世界中で啓発イベントが行われています。
そこで一昨年に引き続き、ウトナイ湖、支笏湖、洞爺湖、クッチャロ湖、サロベツ原野など、北海道の代表的な湿地を含む国立公園等を所管するアクティブレンジャーで、AR日記のリレー企画を行います。
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世界湿地の日リレー企画、第2弾!
ウトナイ湖の平さんからバトンを受け取ったのは、支笏湖の畠山です。
支笏湖は4万年前にとてつもなく大きな噴火によって生まれたカルデラ湖です。その後の火山活動により上から見るとひょうたん型やまゆ型と表される形をしています。
周囲は40.3kmで面積78.76 km²。水深363m(平均265.4m)と深く、全国で2番目に多い、20.9 km²もの水を貯水しています。
周辺には針広混合林が広がり、多くの昆虫・動植物が暮らしています。
まず、皆さんは湿地(Wetlands)ってどんなところだと想像しますか?
年中湿っているところ...
湿原......沼......どろどろ
長靴でずぶずぶ歩く......
私にはこんなイメージが真っ先に浮かびました。
そんな湿地のイメージと支笏湖は大きくかけ離れていますよね。
でも、実は支笏湖は立派な湿地なのです。
『ラムサール条約湿地分類法』によると湿地は、たくさんのタイプに区分され、湖沼、沢、河川、低潮時における水深が6メートルを超えない海域なども含まれます。
支笏湖がカルデラ湖であるように、湿地の成り立ちというものは様々あります。
水田などの人工的につくられた水域であっても、そこに生息する生きものと同じ目線にたってみると、そこは大切な生息の場。重要な湿地なのです。
もともと、ラムサール条約は水鳥とその生息場所である湿地を守るための条約ですが、その役割は地球に暮らす、全ての生きものに影響しています。
水は全ての生命と密接につながり、共有している大切なものだからです。
ここで水について、ちょっと考えてみます......
水は住処となり水草、プランクトン、昆虫、魚たちが食物連鎖を繰り広げている。
更にそれを食べるために利用するのは、鳥たちに限らない。
動物たち、私たちも同じ。そして利用の際に残ったもの、排泄物はバクテリアなどに分解され、土を肥やし、地上の植物たちが成長していく。
水と全ての生きものはさまざまなかたちで関係をもち、つながっている......
そして、ひとつの生きものが、水とこんな関係を結ぶ場所が一カ所とは限らないだろうな......
実は支笏湖は現在、ラムサール条約に登録されていません。
しかし、たとえ登録されていない湿地であっても大切に守らなくてはいならないのはやっぱり同じです。
昨年末、支笏湖にはある嬉しいニュースが舞い込んできました。
「公共用水域水質測定」の2013年の結果が発表されたのです。
全国で調査された河川2560、湖沼189、海域590の水域のなかで、支笏湖が最も良い水質だとされたのです。
支笏湖が日本一の水質とされるのは、これで7年連続となりました!
このきれいな水をいつまでも大切にしていくことは、私たちを含め、全ての生きものを大切にしていくことです。
そして喜ばしいことに、この調査のなかで2番目に良い水質とされたのが、洞爺湖です。
今年は支笏洞爺国立公園、仲良くワンツーフィニッシュ。
つぎはその洞爺湖にバトンをつなぎますね!
松沢ARよろしくお願いしま~す!
みなさま、こんにちは。
洞爺湖自然保護官事務所の高橋です。
先月末に執り行われた山の日の制定を記念した大イベントは、当日の雨予報にも関わらず曇りを保ち無事開催することができました。今回、洞爺湖事務所では午前と午後2つのイベントと1日通しの自然体験プログラムを担当いたしました。
午前のトークセッションでは、4人のゲストをお招きして
羊蹄山のことについて熱く語りつくしていただきました。
羊蹄山の監視員であり避難小屋の番人の近藤さんからは、
羊蹄山周辺の人の歴史や山小屋と避難小屋の役割について。
北海道の山々を舞台にツアーを行う山岳ガイドの古市さんからは、
羊蹄山の生い立ちやその個性的な植生について。
道庁職員で動物の調査をしていた経験のある吉田さんからは、
熊や山で出合った動物について。
アウトドアスタイルクリエータの四角さんからは、
自分の命を守ることにもつながる山における正装・山ウエアについて。
各分野におけるプロフェッショナルが集結し語ってくれた1時間はとても有意義なものになりました。
午後の南コブ山登山会は、パネリストの近藤さんと古市さんにガイドをお願いして、
2チームに分かれ登頂。こちらも個性あふれるツアーで大満足の3時間でした。
一日通し企画、洞爺湖ビジターセンター協力のもと行われた自然体験プログラム
『羊蹄山の葉っぱでリーフプリントのエコバッグを作ろう!』も大盛況でした。
これからシーズン最高潮を迎え、たくさんの人たちが羊蹄山の山頂をめざし素敵な時間を過ごしてくださることと思います。利用者の皆さんが、今年も怪我無く安全に山行を楽しんでいただけたら、山に親しんでいただけたら、うれしいです。