支笏洞爺国立公園
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2021年07月28日羊蹄山避難小屋トイレ点検
支笏洞爺国立公園 小松瑠菜
こんにちは! 洞爺湖アクティブ・レンジャーの小松 瑠菜です!
先日、羊蹄山で避難小屋のトイレ点検と登山道巡視を実施しました。
20リットルの薬剤をメンバーで分担し、荷上げしました。
今回の巡視での3大エピソードをご紹介します。
【エピソード1】 お花真っ盛り!
道中、イワブクロやエゾノツガザクラ、コメバツガザクラ、クルマユリなど、
他にもさまざまな花を見ることができました。
足下に小さく咲く花は、登山客または野生動物に蹴られてしまったためか、
いくつか花が登山道に散っていました。
足下に咲く花にも目を向けて山歩きを楽しめるといいですね^^
↑羊蹄山で見た植物
【エピソード2】シマリス発見!
もう少しで避難小屋・・・!というところで、モグモグする音が・・・!?
登山道脇の木陰を探すと、なんとシマリスが・・・!
食事に夢中だったため、撮影することが出来ました^^
癒やしの足休めになりました。
【エピソード3】ホンドテンの赤ちゃんに遭遇!
日が暮れる前に下山しなければ・・・!と思っていた最中、ガサゴソ動く音が・・・
音の先を見てみると、ひょっこり可愛らしいお顔を拝見しました。
どうやらイチゴを食べに来たところに、我々登山隊と遭遇したようです。
とっても愛くるしい姿をしていますが、残念なことに外来種なんです。
サプライズ盛りだくさんで今年度 第1回目の避難小屋のトイレ点検が終了しました。
羊蹄山で避難小屋のトイレをご利用される際は、ゴミ・トイレの紙は便器の中に入れずに、
必ずお持ち帰りいただきますよう、ご協力をお願いいたします。
また、登山中にトレッキングポール(ストック)をご利用される方は必ずゴムキャップを装着し、
植生を傷めないよう、心がけて歩きましょう。
※現在、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、天候不良・体調不良などの緊急時を除き、
宿泊目的の羊蹄山避難小屋のご利用はできません。
2021年07月08日草刈り・ペンキ塗り
支笏洞爺国立公園 荒川真吾
こんにちは。支笏湖アクティブ・レンジャーの荒川です。
今回は、先日支笏湖地区パークボランティアの皆さんで行った「草刈り・ペンキ塗り作業」の様子をお届けします。この作業は支笏湖や休暇村の園地を利用される方々に、より気持ち良く利用していただけるよう毎年行っているものですが、コロナウイルス感染症拡大の影響で昨年は実施できず、今年も約1ヶ月の延期の末に実施することができました。
例年実施している休暇村園地周辺の草刈りや、標識・テーブルなどの拭き掃除に加え、今年は標識や看板の塗装作業も行いました。
支笏湖畔親水広場の標識は、湖からの風や飛沫、雪の影響で塗装が痛んでいましたが、見違えるように綺麗になりました。この夏も多くの方にこの場所で支笏湖を背景に写真を撮影していただければと思っています。
ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、国立公園には「日本を代表するすぐれた自然の風景地を保護する」という目的があり、公園内の建物や標識などは自然の景観になじむよう管理されているため、標識は茶色で塗装しています。
パークボランティアの皆さんも、支笏湖を訪れる方々に少しでも楽しんでいただきたいという気持ちで一生懸命作業に励んでいただきました。ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!
作業が無事に終わって片づけをしているとき、今回手入れを行ったテーブルで早速お昼を食べている利用者を見かけました。作業を行った施設を楽しく使って下さる方がいるということは、維持管理作業で一番嬉しいことですね。
国立公園の適正な保護と利用は、公園を訪れてくれる利用者の方々のご理解があって初めて成り立つものです。これからもパークボランティアの皆さん、利用者の方々と一緒に国立公園のより良い環境づくりに努めていきたいと思います。
2021年07月06日樽前山コマクサ除去
支笏洞爺国立公園 北海道地方環境事務所
こんにちは。支笏湖アクティブ・レンジャーの荒川です。
コロナウイルス感染症拡大の影響で、パークボランティア活動ができない状況が続いていましたが、先日、今年度初めての活動となる樽前山のコマクサ除去作業を実施する事ができました。今回はその様子をお届けいたします。
コマクサは「高山植物の女王」とも呼ばれ、北海道では大雪山系や日高山脈・知床半島の一部に分布しています。樽前山には本来生育しておらず、現在生育している個体は過去に人間によって持ち込まれたものです。そのため、環境省では樽前山本来の自然を取り戻すため、平成16年から継続的に抜取り作業を行っており、今年度は初めて支笏湖地区パークボランティアの皆さんと一緒に作業を行いました。
コマクサを除去する地点は山頂付近にあるため、自然観察をしながらまずは皆で登山です。
除去地点に到着後、長年除去作業に携わって下さっている講師の方からコマクサの生態や特徴について解説いただき、作業開始!
綺麗なコマクサの花を抜き取ってしまうのは少しかわいそうな気持ちもありますが、樽前山のコマクサは園芸用の品種が持ち込まれた可能性もあるそうです。放置しておくと元々生育しているイワブクロ(タルマイソウ)やコメバツガザクラといった植物や樽前山の生態系に悪影響を与えてしまうかもしれず、コマクサ生息域の拡大を防止しなければなりません。
当日の樽前山山頂付近は濃霧と強風で、午前中で作業を終了しましたが、皆さんとても熱心に作業を行って下さいました。ご参加いただいた皆さん、ありがとうございます!
気軽に高山植物を見ることができる樽前山には、年間を通じて多くの登山者が訪れます。皆さんも「登山道を外れない」「ゴミを捨てない」といった基本的なマナーを守って樽前山の自然を楽しんでみてはいかがでしょうか。
2021年06月30日オロフレ山ロープ張り
支笏洞爺国立公園 小松瑠菜
こんにちは! 洞爺湖アクティブ・レンジャーの小松 瑠菜です!
先日、「オロフレ山自然環境保全連絡会」で、ロープ張りと登山道の整備(ササ刈り)を行いました。
※ササ刈りは林野庁さんとの協働で実施しました。
↑野鳥を観察する荒川AR(支笏洞爺国立公園管理事務所)
国立・国定公園の特別地域では、自然公園法第20条第3項第11号において、
高山植物その他の植物で環境大臣が指定するものを採取し、又は損傷することが規制されています。
この制度は、風致の重要な構成要素である植物の採取等を規制することにより、
特別地域内の風致の維持を図ることを目的とするものですが、
同時に、国立・国定公園内の希少種を初めとする植物の保護にも大きな役割を果たしています。
支笏洞爺国立公園の特別地域ではシラネアオイの採取は違反となります。
↑シラネアオイ群落に設置したロープ柵
↑ロープ柵に設置したパウチ
「とって良いのは写真だけ」を忘れずに、ルールとマナーを守って自然を楽しみましょう。
↑花を撮影する伊藤R(洞爺湖管理官事務所)
2021年05月21日有珠山パトロール
支笏洞爺国立公園 小松瑠菜
こんにちは! 洞爺湖アクティブ・レンジャーの小松 瑠菜です!
先日、洞爺湖地区パークボランティアのみなさんと一緒に、有珠山で入山者の方たちに、
ルールを守って山菜採りを行ってもらうよう、パトロールを実施いたしました。
有珠山の外輪山遊歩道から内側(火口側)の区域は、国立公園の特別保護地区に指定されており、
動植物の採取は禁止されております。(落ちている枝を拾うのもNG!)
もちろん、今が旬の「山菜」の採取も外輪山遊歩道から内側(火口側)の区域では禁止となっております。
※同じく、外輪山遊歩道から内側(火口側)の区域は、災害危険区域とされており、
火山防災の観点から立ち入りが禁止されております。
また、パトロールを実施した際、登山客の方々に、国立公園のマナーブックをお渡ししました。
国立公園であること、場所によっては禁止行為があることなど、まだまだご存じない方も多いかと思います。
少しでもパークボランティア活動が国立公園や自然環境保全の普及啓発に繋がり、認知度が高まると嬉しいです。
有珠山を含め、洞爺湖エリア、登別エリア、羊蹄山エリア、支笏湖エリア、定山渓エリアなど、
様々なエリアが支笏洞爺国立公園に指定されています。
地元のみなさまも、観光で足を運んだみなさまも、ルールとマナーを守って国立公園を楽しめると良いですね。
2021年5月19日(水) 室蘭民報(朝刊)③ より
※室蘭民報さんに新聞記事の二次使用の許可を得て投稿しています。
2021年05月21日四十三山開通!
支笏洞爺国立公園 小松瑠菜
こんにちは! 洞爺湖アクティブ・レンジャーの小松 瑠菜です!
4月下旬に、洞爺湖地区パークボランティアのみなさんと一緒に、四十三山遊歩道の開通作業を実施いたしました!
開通作業では、毎年、
案内看板の清掃、倒木除去、枝払い、ゴミ拾い 等の作業を実施しています☆彡
道中、「国立公園の利用とマナー」の看板を設置していますが、経年劣化しており、
パークボランティアのみなさんが道具を持ち寄って、補強してくださいました。
毎年少なくとも年に2回、洞爺湖地区パークボランティアのみなさんと四十三山でゴミ拾いを実施していますが、
ペットボトルや缶などのごみは減りましたが、毎年必ず不法投棄と思われる大きな塩ビ管や、家庭ごみを発見します。
今年は、洞爺湖町役場さん、壮瞥町役場さんにもご協力いただき、大型ごみを回収していただきました。
そんな道中ですが、エゾリスを見つけることが出来ました・・・!
他にも、エゾシカの足跡、タヌキの溜めフンを発見したり、様々な鳥類のさえずりを耳にしたりします。
1910年の噴火から今年で111年を迎え、すっかり緑も回復し、野生動物もたくさんいる四十三山。
国立公園の利用ルールとマナーを守って、自然を楽しんでもらえると嬉しいです。
※新型コロナウイルス感染拡大防止 及び 緊急事態宣言により、
2021年5月16日(日)~2021年5月31日(月)は、四十三山を閉鎖しております。
※緊急事態宣言により、閉鎖期間が延長する可能性がございます。
※開通後は、他の登山客とエゾシカ1頭分の間隔をあけて散策してください。
2021年03月30日鳥たちを守る!!!
支笏洞爺国立公園 小松瑠菜
こんにちは! 洞爺湖アクティブ・レンジャーの小松 瑠菜です!
突然ですがこの写真、なんだかわかりますか?^^
これは 「バードセイバー」 と言います♪
Q.バードセイバーとは?
ガラス窓に映り込んだ空や林に飛び込もうとした鳥が、ガラスに衝突して、ケガをしたり、死んでしまったりする事を防ぐために、窓にタカやフクロウなどのシルエットを貼り付け、近づかないようにさせるためのものです。
実際に洞爺湖ビジターセンターの窓を見てみましょう♪
↑洞爺湖ビジターセンター1階
↑洞爺湖ビジターセンター2階
洞爺湖ビジターセンターには、この写真の外にも大きな窓がたくさんあります。
実際に外から窓を見てみると・・・
この日は曇っており、反射しにくい天候ではありましたが、
それでも確かにガラスに反射した周辺の山や空が見えます。
「ガラスに飛び込む鳥なんているの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
もし、他の鳥に襲われている時だったら・・・いくら住み慣れている鳥たちでも焦って飛び回るあまり、ぶつかることがあるかもしれません。
この日もハクセキレイのつがいが洞爺湖ビジターセンター園地内を元気に飛び回っていました。
バードセイバーは、洞爺湖のみならず、大きな窓がある各国立公園等の施設にも設置されています。ちなみに、洞爺湖ビジターセンターでは、このバードセイバーが29つありますので、訪れた際に探してみてください♪
2021年03月29日お気に入りの場所
支笏洞爺国立公園 當山真貴子
だんだんと日差しがあたたかくなり、鳥たちのさえずりが聞こえ始め、春の気配を感じる支笏湖。
季節の移ろいを実感中の當山です。
もうすぐ新年度が始まりますね。
今年度を振り返ってみると、イレギュラーな対応が多かったと感じる一方、支笏湖地区と定山渓地区の新たな一面を知った年でもありました。
そこで今回は、私の「お気に入りの場所」をご紹介したいと思います(^^)
「無意根山」
無意根山は、標高1,464mで中腹に「大蛇ヶ原湿原(薄別コース)」がある変化に富んだ山です。
昨年の10月、山頂の先の三角点の場所から美しい羊蹄山と遙か遠くに樽前山の溶岩ドームの噴煙が見られ、とても感動しました。
「定山渓温泉~二見公園の散策路~」
昨年(7月と9月)、一般社団法人定山渓観光協会さんと観察会を実施し、散策路沿いの豊平川で子ども達と一緒に川遊びや生き物探しをしました。
初めて、ダイモンジソウやギンリョウソウ等を見ることができ、温泉だけじゃない定山渓の魅力を発見した日となりました。
「赤く染まる支笏湖」
山々に囲まれた支笏湖は、陽が沈んだ後も、陽が残り美しい夕焼けが見られます。
赤く染まった空と湖、山々のシルエットが引き立てられ、思わず魅入ってしまいました。
「イチャンコッペ山」
軽アイゼンを装着し、冬山登山をした際に出会った景色です。
陽の光で湖面と雪がキラキラと輝き、幻想的な雰囲気に包まれていました。澄んだ空気が心地よく、下山を惜しんだひとときでした。
実は、私の日記は今回で最後となり、新たなステージへ進むことになりました。
当事務所に着任早々、支笏湖の春の風物詩「鏡」の現象と出会い、一気に支笏湖の虜となり、"しっかりやろう"と決意したことを覚えています。
今まで巡視やイベント企画、外来種除去作業、普及啓発、環境教育等、様々なことに携わらせていただきました。
パークボランティアや業者の方々にご指導いただきながら業務を進める傍ら、地域の清掃やイベントにも参加していく中で、多くの方々から愛されている国立公園だということを実感しました。
今後も支笏湖ファンの一人として、陰ながら魅力を発信できたらと思っています。
業務で関わっていただいた全ての方々、日記を読んでくださった方々、心より感謝申し上げます。
次のARへバトンタッチしますが、引き続き、支笏湖地区&定山渓地区の自然をお楽しみ下さい♪
2021年03月25日雪上の足跡シリーズ
支笏洞爺国立公園 小松瑠菜
こんにちは!洞爺湖アクティブ・レンジャーの小松 瑠菜です!
今回は洞爺湖ビジターセンター & 洞爺財田自然体験ハウスで見た、雪上の動物の足跡を紹介します☆
●洞爺財田自然体験ハウス
洞爺財田自然体験ハウスでスノーシューを借り、湖畔沿いまで散策した際に見つけた足跡を紹介します☆彡
1.シカ
洞爺財田自然体験ハウスから湖畔までの道でいくつも見つけることができました。
珍しく副蹄までしっかり残っている足跡もありました^^
2.キツネ
洞爺財田自然体験ハウスから湖にたどり着いたところで見つけました。
洞爺湖の北側から眺める夕日と、湖畔に沿って続く足跡が幻想的でした♪
3.タヌキ
洞爺財田自然体験ハウスの入り口に広がる雪原で見つけました。
肉球や爪まで、くっきりと足跡が残っていました。
4.ヒト(スノーシュー)
洞爺財田自然体験ハウスから湖畔に向かって誰かが歩いた後を見つけました☆
私は湖畔沿いを少し歩いたところで引き返しましたが、私よりも先に歩いた方は湖畔沿いを東側へ散策しに行ったようです。
洞爺財田自然体験ハウス周辺では、北海道を代表する哺乳類の足跡を多く見つけることができました☆彡
●洞爺湖ビジターセンター
洞爺湖ビジターセンター園地内で見つけた足跡を紹介します☆彡
1.ウサギ
朝、洞爺湖ビジターセンター正面入り口を出て左の散策路を歩いた先で見つけました。
新雪が降り積もったふかふかの雪の上に、まだ新しい足跡が残されていました。
2.ウサギ!
外勤から戻ってきたお昼頃、洞爺湖ビジターセンター裏の塀で見つけました。
昼の間、少し雪が降っていたため、足跡が少し埋まっています。
3.ウサギ!!
午後、洞爺湖ビジターセンターの太陽光パネルが雪に埋まっていないか確認しに行ったところ、
比較的新しい足跡を見つけることができました。
4.ウサギ!!!
夕方、またまた洞爺湖ビジターセンター横の塀に足跡が...!
傾斜が急だったためか、少し体が雪にかすったような跡も見受けられます。
洞爺湖ビジターセンターに事務所があるため、毎日周辺を歩いているのですが、北海道に多く生息しているシカなどの足跡は見つからず、ウサギの足跡ばかりたくさん見つけることができました。
地元では「北海道で一番雪が少なくて暖かい?!」なんて言われている洞爺湖周辺エリアですが、今年は大雪が降りました。現在はすっかり雪も解け、フキノトウやフクジュソウ顔を出し始めるなど、春の訪れを感じる洞爺湖です。
また雪を楽しめるシーズンが訪れた際は、洞爺湖ビジターセンター園地内や洞爺財田自然体験ハウス周辺散策路でも動物の足跡がたくさん見られるはずですので、次の冬旅の候補にいかがでしょうか♪
こんにちは! 洞爺湖アクティブ・レンジャーの小松 瑠菜です!
7月中旬に、大平山(北海道島牧郡島牧村)の登山道及び高山植物の盗掘等の状況確認をしに行きました。
大平山は支笏洞爺国立公園には含まれませんが、山頂より奥は、ほとんど人の手が加わっていない原生の状態が保たれている地域や優れた自然環境が維持されていることから、自然環境保全法に基づき「自然環境保全地域」に指定されています。
↑大平山で見た植物
道南地方には珍しい石灰岩露出地帯が広がり、日本の北限となるブナの天然林や、オオヒラウスユキソウなどの希少な石灰岩植生が数多く分布しています。特に、第2ピークより上にかけて多く分布していました。
↑オオヒラウスユキソウ
※近年、希少植物の盗掘や踏み荒らしが多発しています。
植物の採取は法律により禁止されていますので、ご注意ください。
※大平山はヒグマの生息地となっています。入山の際はご注意ください。
※山頂付近は経路が不明瞭となっていますので、ご注意ください。
植物への落石や踏み付け等を行わないよう、配慮しながら自然を楽しんでいただければと思います。