ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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苫小牧

80件の記事があります。

2021年08月03日2021年夏のウトナイ湖野生鳥獣保護センターのイベント

苫小牧 大久保 智子

 北海道の夏ってこんなに暑かったかなぁと思う、札幌の大久保です。

暑い札幌を抜け出し、苫小牧市ウトナイ湖へ。

ウトナイ湖も札幌と変わらず暑かったのですが、水面を見ていると気持ちが涼みました。

 夏本番となりウトナイ湖でも夏の花、夏の鳥が盛況です。

ちょっと歩いてみたいっていう方は散策路に、ウトナイ湖のことを知りたいという方にはウトナイ湖野生鳥獣保護センターに足を運んでみませんか?

 現在、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターで行っている展示イベントのお知らせです。

◆環境省アクティブレンジャー写真展「北の自然の舞台裏」2021

 今年もウトナイ湖野生鳥獣保護センターの2階では、アクティブレンジャー写真展を開催しています。各地のアクティブレンジャー(自然保護官補佐)達が勤務中に見た景色や生きものたちのとっておきの瞬間を、愛おしさを込めて撮影した写真を展示しています。8月25日まで開催しています。同時に1月までInstagramでも開催していますのでお手元の携帯やご自宅のパソコンでも気軽にチェックできます。是非ご覧ください。

Instagram

https://www.instagram.com/hokkaido_active/

 

 

◆夏休み子どもスペシャル『野生動物を守るために!~獣医さんや環境省の活動を知ろう~』◆

 ウトナイ湖野生鳥獣保護センターでは、夏休み特別企画「子どもスペシャル」と題して、環境省のこと、獣医さんのこと、傷病鳥獣救護のこと、希少種のこと、ラムサールのことなどを子ども向けに解説したパネルを展示しています。子ども達にはパネルを見ながらクイズラリーができるようクイズ冊子も配布しています。

 ウトナイ湖は、都市部に近いのに、様々な生きものが生息・生育しているとても貴重な場所です。鳥獣保護地区にも指定されていたり、渡り鳥が集まるので国際的に重要な湿地としてラムサール条約に登録されています。

 また、ここのセンターは、何らかの事故に遭い怪我した希少種の鳥を保護する、貴重な施設です。入院中の鳥たちはとてもデリケートなので、一般の方は普段立ち入ることの出来ない治療室で治療やリハビリに専念してもらっていますが、関わる職員の奮闘の記録がこのイベントでご覧いただけると思います。

 展示してある環境省の取り組み、保護活動や保護の現状を普及啓発してくれているセンター職員の活動を子ども達に知ってもらって、将来は環境省職員やレンジャー(保護官)、獣医さんや動物救護員さんになることも目標の一つにしてくれたら嬉しいです。

なお、7月22日から開催していて現在までに子ども達から「面白かった」とご好評頂いています。

子どもスペシャルは8月15日まで開催していますので是非ご参加ください。

ウトナイ湖野生鳥獣保護センターFacebookでは、自然情報やイベント情報を発信しています。

https://www.facebook.com/pages/category/Animal-Shelter/ウトナイ湖野生鳥獣保護センター-104820047869772/

 

 

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2021年06月16日南からやってきた!!カラスバト

苫小牧 大久保 智子

こんにちは。大久保です。

5月中旬、苫小牧市内でカラスに襲われていたカラスバトが保護され、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターに持ち込まれました。

保護2日目の様子。写真:ウトナイ湖野生鳥獣保護センター

カラスバトには違いないけれど、カラスバトの中には、カラスバト、アカガシラカラスバト、ヨナグニカラスバトの亜種があるので、そのどれかを同定してほしいと依頼がありました。

カラスバトってなに?初めて聞く名前。どんな鳥だろうと図鑑や資料で調べてみました。図鑑の写真をみると、おお!!名前の通り黒いハト!!

『カラスバトは、羽色は全身黒く、頭部・後頸・背には赤紫色、頸と胸には緑色の金属光沢がある。

アカガシラカラスバトは、黒く金属光沢があり、頭上は単色でぶどう褐色。

ヨナグニカラスバトは、光沢のある黒い羽色で体色がやや薄い。』

ちょっと、いやかなり難しい。

羽色では違いがわからないので、生息環境などの情報を見てみます。

『カラスバトは、留鳥として京都府冠島以南の諸島に分布し、

常緑広葉樹林など密生した森林を好んで生息する。離島以外は稀。

アカガシラカラスバトは、小笠原諸島、硫黄諸島に分布。

ヨナグニカラスバトは先島諸島に分布。』

保護されたのは北海道苫小牧市。

なんで?どうしちゃったの?そんなことってある?

同定しようにも、調べれば調べるほど謎は深まるばかり。

小笠原諸島にしかいないアカガシラカラスバト、先島諸島にしかいないヨナグニカラスバトはあり得ないと思っても、カラスバトだって、いるのは京都より南の島が生息域とのことなので、もうお手上げです。

幸いにも事務所には、様々な分野に精通したベテラン保護官たちが在籍していて、しかもいろいろなネットワークをお持ち。心強いです。

早速、詳しい方たちに保護したカラスバトの写真を見てもらい同定してもらいました。

結果、収容された個体は、亜種カラスバトでした!

アカガシラカラスバトやヨナグニカラスバトは国内希少野生動植物種であり絶滅危惧種です。

カラスバトも環境省レッドリスト(※1)では準絶滅危惧種(※2)なので

希少な鳥が北海道にやってきたということになります。

2009年に函館で見かけたという報道があったそうで、北海道初飛来ではありませんでしたが、珍しい鳥には違いありません。

専門家の方が言うには、船で羽を休めてたら、船が出航しそのまま遠くの地へ運ばれるというケースが稀にあるそうです。

保護された日の苫小牧市の最高気温は15℃、最低気温は8.8℃でした。

京都府舞鶴市の5月の平均最高気温が23℃、最低気温は13℃なので、

たどり着いた先が寒くてさぞかし驚いたでしょうに。

ちょうどウトナイ湖に行く機会があったので、観察させていただきました。

ドバトより一回り大きく、全体が黒くて頸の周りが紫や緑色で綺麗です。

明らかな外傷はなく、体や翼などに異常もなく、様々な専門家のご指導を頂き、リハビリを行いつつ、体力も回復したと判断されたので、先日放鳥したそうです。

頑張って日本縦断旅を乗り切って無事に南にたどり着いてほしいです。

リハビリ中のカラスバト。写真:ウトナイ湖野生鳥獣保護センター

※1:環境省では、日本に生息する野生生物について、生物学的な観点から個々の種の絶滅の危険度を評価 し、レッドリストとしてまとめています。

※2:現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種のこと。

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2021年04月07日森へ戻る

苫小牧 大久保 智子

こんにちは、野生生物課の大久保です。

雪がとけたと思ったら、すぐにフクジュソウやエゾエンゴサクが顔を出してきて、植物の生命力を見て気持ちが高まりました。今年度も宜しくお願いします。

まだ少し肌寒い3月13日。とある山間の町の道路脇に羽を広げてうずくまっているオジロワシがいるとの通報があり、保護しました。

保護された時の様子(リハビリテータ-協会提供)

治療のため釧路湿原野生生物保護センターに収容し、猛禽類医学研究所の獣医師に様子を見てもらっていたところ、外傷はないけれど、衰弱しているとのことでした。

1週間後の経過は順調で、個体が妙齢なためもしかしたら繁殖を控えていたかもしれないとのことでした。そのため早く元にいた地域に戻した方がいい、という判断により、保護してから2週間足らずの3月26日に放鳥しました。

毎年、多くの猛禽類を保護しますが、再び野外へ戻すことができる個体は多くはありません。元気になって良かったと喜ぶ一方で、収容中はボーッとしている事が多いと獣医さんから聞いていたので、無事に飛び立ってくれるのか心配していました。


放鳥前のケージにいるオジロワシ

ですが、そんな心配をよそにケージを開けてみると、すぐに顔を出し、飛び去って行きました。







ドラマチックな放鳥シーンを想像していましたが、振り返ることも、頭上を旋回することもなく、なんともあっさりあっけなく、森に消えていきました。


でも、それが野生動物の本来の姿。躊躇することなく野外に飛び出し、たくましい後ろ姿、力強い羽ばたきをみせてくれました。

どうか、これからも元気に生き延びて家族を増やしてほしいものです。

この春、いい旅立ちに立ち会えて幸せでした。

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2021年03月04日オジロワシ・オオワシ 越冬調査

苫小牧 大久保 智子

こんにちは。

先日の早朝、元気よく鳴いていた小鳥たちに春が近いことを教えてもらった、野生生物課の大久保です。

オジロワシ・オオワシは冬になると北海道にやってくる大型の猛禽類です。

空高く、大きな羽を広げ、優雅に旋回する姿に目を奪われる人は少なくないと思います。

                                オジロワシ

オジロワシ・オオワシは、夏の間は極東ロシアで繁殖し、冬に北海道などで越冬して、春には極東ロシアへ戻っていきます。

彼らは、主食の魚がよく捕れる川や海沿いに生息していて、繁殖地の水辺が凍り始める10月下旬頃から、北海道を中心とする国内の越冬地に移動してきます。オホーツク海が流氷で閉ざされる2月頃には北海道での生息数が最大になり、3月初めに北へ戻り始めます。

環境省では、オジロワシ・オオワシの保護を進めるうえでの基礎資料とするため、数年おきに全道越冬数調査を行っています。先日私は札幌圏内の調査に同行してきました。

調査日の2月21日は気温は-1℃前後でしたが、快晴で風もほぼ無く、日差しが暖かく感じられた調査日和。よくワシ類が目撃されているという石狩川沿いの数カ所で調査を行い、川沿いで木に止まっているワシ達を見ることができ、オジロワシ14羽、オオワシ7羽を確認しました。

                                 調査風景

今回の調査では、ワシの越冬状況を知る以外にも、自分の生活圏付近でワシ類を見られるという、北海道の自然環境の素晴らしさも再認識することができました。

札幌近郊にオジロワシ・オオワシが生息していると知ったのは、去年の冬、市内の道路沿いで怪我しているオジロワシを保護したときでした。人の暮らしの近くで生息している分、交通事故なども見受けられるようになっています。

環境省では、人間の活動が要因となっている事故が少しでも減るように、原因を究明し再発を防止するための様々な取り組みを行いオジロワシ・オオワシの保全に努めています。

                                 オオワシ

                               オオワシ幼鳥

まだ寒さが厳しい日もありますが暦の上では春なので、そろそろワシたちも北へ向かう時を見計らっているかもしれません。

また来年の冬にもワシ類達の元気な姿を見ることができますように。

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2020年12月24日令和3年度 環境省 北海道地区 アクティブレンジャー募集

苫小牧 大久保 智子

こんにちは、野生生物課の大久保です。

札幌でも本格的に雪の季節になりました。しんしんと雪が降る静寂な空気が気持ちよいです。

さて、環境省北海道地方環境事務所では現在、アクティブレンジャー(AR)の募集を行っています。

この日記でも度々、北海道各地で様々な業務に奮闘しているARの活動報告を日記としてお伝えしていますが、全国の国立公園等で、国立公園の保護管理や野生生物の保全に自然保護官とともに取り組んでいるのが、私たちARです。

事務所によって行う業務は様々ですが、植物が好き、動物が好き、だからより生き物たちが暮らしやすい自然環境を守りたい、より多くの人に国立公園の素晴らしさや自然環境の大切さを広めたいという思いで活動しているところは共通しています。

具体的な業務としては、たとえば、管内の国立公園の自然環境や利用状況の把握、利用者指導やビジターセンターなどの維持管理、自然観察会や環境教育の企画・運営、動植物の保護活動や、外来生物対策など、屋外作業からデスクワークまで多岐にわたります。

北海道の自然を未来へ引き継ぐためにも、ARに応募しませんか?

詳細は募集要項の募集している勤務地ごとの業務内容をご覧ください。

http://hokkaido.env.go.jp/pre_2020/post_136.html

  

また現在、オンラインでAR写真展を開催しています!!

活動時に撮影した写真と業務内容を紹介していますので、是非参考にして下さい。

令和2年度環境省アクティブ・レンジャー写真展 ~北の自然の舞台裏~

◎環境省北海道地方環境事務所HP http://hokkaido.env.go.jp/post_92.html

Instagram https://www.instagram.com/hokkaido_active/

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2020年11月16日高病原性鳥インフルエンザ感染拡大防止のために気をつけること

苫小牧 大久保 智子

こんにちは、大久保です。

札幌でも初雪が降りました。毎年初雪をみると雪だぁって言わずにはいられないほどウキウキします。

冬を日本で過ごし、春になると繁殖地に渡って行く鳥を冬鳥といいます。

その冬鳥が飛来し、いよいよ本格的な冬を迎えます。

冬鳥が集まり始めると心配なのは、高病原性鳥インフルエンザです。

国際的に、野鳥の渡りと関連が疑われているため、環境省では、渡り鳥の飛来経路の解明や渡り鳥の飛来状況調査などを実施し、高病原性鳥インフルエンザの発生抑制と被害の最小化に努めています。

  

     オオバン            ダイサギ         羽を休めるカモ達

よっぽどのことがない限り、人へ感染はしないと考えられており、高病原性鳥インフルエンザをむやみに恐れる必要はありませんが、感染拡大の防止のために、私たちができる野鳥との正しい接し方をお伝えします。

◆野鳥や野生動物への安易な餌付けはやめましょう。

・・・人が与える食物に依存することで、個体間の接触が高まり、感染症拡大を招くおそれがあります。

◆衰弱していたり、死亡している野鳥や野生動物には素手で直接触らないように。

◆野鳥や野生動物の排泄物にも素手で触らないこと。

・・・野生動物は高病原性インフルエンザ以外にも、様々な感染症をもっている可能性があります。

◆野鳥や野生動物の排泄物を靴で踏まないように気をつける。

   

・・・ウイルスが他の地域へ運ばれるおそれがあります。万が一踏んでしまったら、靴底を消毒しましょう。

インフルエンザウイルスは壊れやすい膜で覆われているので、広く普及している消毒液で十分効果が期待できます。正しい情報に基づいた、冷静な行動をお願いします。

11月5日ウトナイ湖


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2020年11月12日高病原性鳥インフルエンザ 職員研修

苫小牧 大久保 智子

こんにちは。野生生物課の大久保です。

今年も北海道地方環境事務所では、11月6日に高病原性鳥インフルエンザ対応の職員研修を行いました。

気温が低くなり空気が乾燥してくると、人間の世界でもインフルエンザ対策が求められるように、野鳥の世界でも、高病原性鳥インフルエンザウイルスが野鳥から家きんへ感染拡大しないための細心の注意が必要です。

高病原性鳥インフルエンザは伝染力が強く、特にニワトリに対しては高致死性のウイルスなので、感染鳥類の早期発見、早期回収がとても重要になってきます。

高病原性鳥インフルエンザの職員研修では、札幌管内の各事務所の保護官やアクティブレンジャーに対して、野鳥の死亡個体や衰弱個体の情報の受付からそれらを回収、検査材料を採取し、検査機関への送付などの一連の対応が迅速にできるように、毎年実施しています。今年は大勢集まれないので、研修を受けたことがない最小限の職員を対象としました。

  

みんな真剣に実習に取り組みました。

なお、鳥インフルエンザウイルスは、野鳥観察など通常の接し方では、ヒトに感染しないと考えられています。正しい情報に基づいた冷静な行動をお願いいたします。

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2020年10月23日落雁

苫小牧 大久保 智子

こんにちは、野生生物課の大久保です。

季節が巡り札幌周辺は秋本番、紅葉が見頃になり、雪虫も飛び始めました。

市内や近隣市町村でもハクチョウの群れが飛んでいるのを見かけるようになり、多くの渡り鳥たちは本州へと向かっています。

宮島沼では、104日に55,000羽のマガンを確認した後、沼に滞在するマガンは少しずつ減ってきていて、今は、コハクチョウの滞在が目立つようです。ウトナイ湖でも、マガン、ヒシクイ、カモたちに混ざってオオハクチョウ、コハクチョウが集まってきています。

渡り鳥が多く立ち寄る沼や湖では、時期によって羽を休める鳥種が変わるのがおもしろいところです。

9/30宮島沼 沼いっぱいのマガン

10/14ウトナイ湖 ハクチョウとガンカモ類

10/14ウトナイ湖 湖面を飛ぶヒシクイ

10/14ウトナイ湖道の駅展望台 ウトナイ湖対岸に集まるガンカモ類。

沼に集まるマガンたちを見ていたら、周辺の安全を確認して、体を左右に振りながら着水していることに気がつきました。空から木の葉が落ちるように降りてきて着水するので、その様子が「落雁」と言われているそうです。

9/30宮島沼

時期的に渡り鳥の数は少なくなりつつありますが、この時期にしか見られない水鳥たちをじっくり観察できます。

宮島沼やウトナイ湖に足を運んでいただき、マガンがはらはらと舞いながら着水する姿を是非ご覧下さい。

すごい技に感心します!!

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2020年09月17日宮島沼での初雁(はつかり)

苫小牧 大久保 智子

こんにちは、野生生物課の大久保です。

札幌は9月に入ってからも蒸し暑さが続いていますが、宮島沼へ行くと、沼の周りは一面稲穂が黄金色に染まってきていて、確実に季節が巡っていることに気がつきました。

9月に入ると宮島沼ファン、渡り鳥ファンの皆さんは、そろそろかな?と気になる季節。

9月中旬になり宮島沼のブログのアクセスも増え始めたそうです。

そろそろ・・・とういうのは、秋になると渡り鳥のマガンが越冬地に移動する途中で宮島沼に集まるので、その渡り鳥が来始めただろうかと気になること。

本日9月17日に行った際には、まだ沼は静かで、数匹のカモたちが伸びやかに優雅に沼を縦横無尽に泳いでいました。

 

        カルガモ                  アカエリカイツブリ   

マガンはいつ頃に渡り始めてくるのかというと、

不思議なことに宮島沼での初雁は2017年、2018年、2019年と915日でした。

「初雁(はつかり)」というのは、その夏に産まれた幼鳥を含む群れを初めて確認した日のことをいいます。

では、今年はどうだったでしょうか?

なんと!!

今年も15日に初雁を確認しました。

それにしてもなんで毎年同じ日なんだろう?

渡り鳥には解明されていない不思議なことがまだたくさんあります。

今回は謎も魅力の一つとしておきましょう。

昨年11月13日のマガンのV字飛行

9月15日に初雁確認後、例年9月下旬から10月上旬に飛来数は最大になり、沼が氷結する前にはマガンはいなくなります。

宮島沼では、近況をブログ(ミヤログ)でお知らせしていますので、マガンの最大飛来日や飛来数なども予想しながらぜひご覧ください。

宮島沼ブログはこちら

宮島沼水鳥・湿地センター内にある、自然観察ニュースも日々更新しています。

宮島沼の周りでも鳥の観察ができ、9月10日にはチュウヒやダイサギ、アカゲラが観察でき、モズの幼鳥がとても賑やかに鳴いていました。

  

     チュウヒ            ダイサギ            アカゲラ 

なお、宮島沼水鳥・湿地センターでは、9月1日よりAR写真展を開催しています。

宮島沼にお越しの際には是非お立ち寄り下さい。

9月27日まで開催しています!!

 

      

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2020年08月07日アクティブ・レンジャー写真展2020~北の自然の舞台裏~    inウトナイ湖

苫小牧 大久保 智子

引き続き野生生物課の大久保です。

散策、鳥観察、ドライブなどでウトナイ湖にお越しの際には、是非ウトナイ湖野生鳥獣保護センターにお立ち寄りください。

センター2階では、7月4日から「アクティブ・レンジャー写真展2020~北の自然の舞台裏~」を開催しています。この写真展で展示している写真は、私たちアクティブレンジャー・希少種保護増殖等専門員12名が国立公園や鳥獣保護区等で撮影した、風景と生きもののとっておきの写真ばかりです。


野生生物課の私の写真の1枚は、キンメフクロウです。

昨年、道北のとある町で何かに衝突して衰弱しているキンメフクロウが保護されました。獣医師に診察してもらったところ、軽い顔面打撲が疑われたものの野外で十分に生活できる状態とのこと。数日で保護された地域に放鳥することができました。そのとき、自力で飛んでいくのを見守ったのですが、木の上に乗せて放した後、慎重に周りの環境を確認していたので、その様子を撮影したのがこの写真です。慣れ親しんだ森で今も元気に生きていてくれると嬉しいな、との思いも込めて選びました。

北海道地方環境事務所では、希少鳥獣や国指定鳥獣保護区内で怪我や病気などで衰弱した野生動物を収容し鳥獣保護センターなどに搬送して、獣医師による治療やリハビリを経て野生に戻す活動を行っています。しかし残念ながら、現実は野生に戻すことができる個体はそう多くはありません。

私にとって、キンメフクロウの放鳥は野生生物課に勤務してから初めての放鳥だったので、森に返したときに感慨深いものがありました。


安全な環境かどうか周りを確認しているキンメフクロウ。

北海道の景色や動植物の写真をみて、次の旅先の候補としてくれたら幸いです。

ウトナイ湖では、7月27日まで写真展を開催しています。

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