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アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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大雪山国立公園 東川

149件の記事があります。

2007年07月10日大雪山国立公園パークボランティアの活躍

大雪山国立公園 東川 山下 なつ絵

7月1日は旭岳と十勝岳連峰、7月8日は旭岳?間宮岳?中岳分岐周辺と裾合平、7月6日?8日にかけてトムラウシ山周辺の南沼とヒサゴ沼で、野営地及び登山道の清掃・整備などを大雪山国立公園パークボランティア行事として行いました。

東川自然保護官事務所では、7月1日は9名のパークボランティアの方々と十勝岳温泉から上ホロカメットク山経由で十勝岳山頂までの往復約12kmの区間を、7月8日は旭岳から間宮岳・中岳分岐から裾合平を通って1周する約11kmの区間を、こちらも9名のパークボランティアの方々と一緒に、保護ロープの張り替えや清掃活動を行いました。
両日、出発から解散までの活動時間は9時間半に及びましたが、皆さん疲れた様子も見せず、時には冗談を交えながら作業は進められました。
一緒に作業をしていて感心したのは皆さんのチームワークの良さです。ロープワークにたけた人、曲がった鉄杭をあっと言う間に直す鉄工所の職人のような人、重い資材を運んでくれる力持ちの人と、それぞれが得意分野を活かし協力し合いながら作業を進めていく姿は、大雪山の雄大な景色に自然と溶け込み、さわやかで温かい風を吹かせていました。

大雪山では、現在115名のパークボランティア会員が在籍し、清掃活動や自然解説活動、盗掘防止パトロールなどを行い、大雪山を訪れる方が安全に気持ちよく過ごせるよう日々活動しています。



雄大な山々を背に作業するパークボランティア。
(間宮岳から中岳分岐)


裏旭の野営地を過ぎた北海岳分岐手前の荒涼とした風衝地に彩りを添えていたエゾタカネスミレ。作業の疲れを癒してくれます。

古い鉄杭の抜き取りは見た目以上に困難でした。(十勝岳連峰にて)

晴天の十勝岳連峰で鉄杭とロープの付け替え作業。

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2007年06月21日残雪と花

大雪山国立公園 東川 山下 なつ絵

6月17日は旭岳、十勝連峰の山開きでした。前日の16日には、これから大雪山を訪れる利用者の安全を願い、旭岳で山の祭り(安全祈願際)、十勝連峰では町や山岳会、地元関係者により、山開き前の登山道整備(雪切りなど)が行われました。山開き当日は天気に恵まれ、十勝連峰では200人を越える登山者が雪の残る登山道を歩きました。

富良野岳山頂直下では、エゾノハクサンイチゲ、エゾノコザクラ、ミヤマキンバイ、エゾツガザクラなどが咲き始めています。
まだ雪渓が残る場所もありますが、すれ違う登山者はお互い情報交換をし合いながら、また、狭い道ではお互い譲り合いながら、初夏の登山を楽しんでいました。


エゾノハクサンイチゲ(キンポウゲ科):石川県の白山で最初に発見され名前が付けられたハクサンイチゲと似ていますが、エゾノハクサンイチゲの方は果柄が短い。富良野岳では眩しい白色の大群落が見られます。

まだ雪渓が残る十勝連峰。中央奥の一番高いく見える山が富良野岳。これから次々と高山植物が咲き競います。

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2007年06月07日見えるものと見えないもの

大雪山国立公園 東川 山下 なつ絵

日一日と新緑の緑が濃くなり、日差しが眩しい季節になってきました。
大雪山の麓の林内ではお花の開花も始まりましたが、歩いていて目に留まりやすい植物は、色が鮮やか、背丈が大きく遠くからでも目立つ、群落を作っていたりするなどでしょうか。しかし、普段と少し目線を変えて、小さく目立たない植物を意識して探してみると、今まで素通りしていた場所に以外なほど多くの花がひっそりと逞しくさいていたりする、そんな発見があります。

一見地味に見える植物も、一度その存在に気が付くと「自分は今まで何を見て歩いていたのだろう?」と思うほど、鮮やかに目に飛び込んでくるものです。意識の持ち方ひとつで見えてくるものに変化が生まれるなんて不思議だと思いませんか。
みなさんも機会があれば、地味な植物探し、してみませんか?


ツルネコノメソウ:低地?山地の沢沿いに生える高さ5?15cmほど、花は径3?5mmほどのユキノシタ科の多年草です。一つ一つは小さく軟弱な感じの花ですが、群生すると、淡い緑と黄色の花は大きな存在感があります。

トガスグリ:低地?山地の林内や林縁に生える高さ30?60cmほど、花は径5?6mmほどのユキノシタ科の落葉低木です。花は小さく色も地味なクリーム色なので横を通っていても気がつかない方もいますが、一度覚えるとまた見たくなる、そんな控えめでかわいい花です。

ゴゼンタチバナ:高さ5?15cmほど、花の径2.5mmほどのミズキ科、常緑性の多年草で、常緑で冬を越す葉っぱと紅葉して枯れる葉っぱがあります。
写真のものは新芽の葉っぱがまだ完全に開いておらず、色も薄い緑だったので最初はゴゼンタチバナだと気がつきませんでした。しかし、上から覗いてみると、倒卵形で輪生状に付いた葉っぱはまさにゴゼンタチバナのもの。そして、図鑑などに「花を付ける茎には葉が6枚付く」の通り、6枚の葉っぱにはしっかり花のつぼみが付いていました。

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2007年05月16日羽衣の滝

大雪山国立公園 東川 山下 なつ絵

5月15日に歩道調査のため、天人峡「羽衣の滝」まで足を運びました。

羽衣の滝までの歩道は、雪解けと共に関係者の協力を得て補修も終わり、まもなく多くの利用者を迎えます。

10分も歩けば汗ばむ陽気のこの日、雪解けで水量が増した羽衣の滝の水は、そびえ立つ岩の間から白く大きく流れ落ち、まさしく天女の羽衣のようです。
歩道脇には青紫の可憐な花、ショウジョウバカマも咲き始めました。

羽衣の滝までの歩道沿線にも面白い発見があります。
2匹のアオダイショウが冬眠から目を覚まし、仲良く春の訪れを喜んでいるようです。
苔むした岩も緑色に輝き、明るい春のオーラを放っています。



落差道内一(270m)を誇る羽衣の滝

仲良く日向ぼっこ?絡み合う2匹のアオダイショウ

ショウジョウバカマは雄しべが長く花の外に突き出ています

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2007年04月27日野鳥の森へ

大雪山国立公園 東川 山下 なつ絵

4月25日、美瑛町にある白金野鳥の森に巡視に行きました。

野鳥の森は約100haの原生林の中に3.7kmの遊歩道が整備され、途中、野鳥観察舎も設けられています。

針葉樹と広葉樹が入り交じる野鳥の森では、春から夏にかけて50種類程、秋には30種類程の野鳥が見られます。

遊歩道にはまだ60cm程の積雪があるので、スノーシューを履いて観察舎まで行ってみました。
誰も居ない静かな森の中を歩いていると、葉を落とした木にクマゲラが留まり、「キョーン、キョーン」とさえずっていました。

この日確認できた野鳥は、ヒガラ・コガラ・ゴジュウカラ・コゲラ・アオジ・アカゲラ・ミヤマカケス・センダイムシクイ・クマゲラなどでした。

これから雪解けとともに、多くの種類の野鳥達が見られるはずですが、広葉樹の葉が茂る前の春シーズンは野鳥観察にお勧めの季節です。
GWは野鳥図鑑と双眼鏡を持って野鳥の森に出かけてみませんか?



クマゲラのさえずりが森に響きわたっていました

野鳥の森遊歩道からは晴れていれば十勝連峰も見えます

野鳥の森観察舎

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2007年04月20日目覚めの時

大雪山国立公園 東川 山下 なつ絵

少し前の情報になりますが、4月2日に天人峡・くるみの沢でヒグマの足跡を発見しました。足跡の大きさからすると、3?4歳くらいの雄のヒグマと思われます。同行させて頂いたネイチャーガイドの方いわく、「例年より2週間早いお目覚め」だそうです。

春の気温で雪が締まり、つぼ足(スキーやスノーシューなどの道具を使わない)でも歩きやすいこの時期の散策は楽しいものですが、油断して歩いているとヒグマとばったりご対面という事もあり得るので、入山の際は鈴などの携帯をお奨めします。

同じくるみの沢で見つけた面白いものをもう一つ。
エゾモモンガの巣の周りにこれでもか!と言わんばかりに沢山の糞尿がありました。木の根元に溜まった糞は、冬の間は雪に埋もれていたので近くを通っても気付きませんでした。

エゾモモンガは、体長15?16cm、体重100?200gのリス科の動物で、日本では北海道に生息しています。平地から亜高山帯までの針葉樹林や広葉樹林の樹洞に巣を作り、日中は巣の中で休息し、日没後や日の出前に活動をはじめ、身体にある飛膜を使って木から木へと滑空し、木の芽や花、果実などを採食します。夜行性のため、巡視中に姿を見ることはなかったのですが、糞尿の臭いや巣穴の入り口に残された体毛からは、森に生きる小さな動物の濃い存在感が漂っていました。
 
みなさんも春の森に動植物の息吹を感じに出かけてみませんか?


ヒグマの足跡

エゾモモンガの巣と糞

家の近くの公園にエゾエンゴサクが咲き始めました

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2006年12月20日大雪山の雪遊び

大雪山国立公園 東川 山下 なつ絵

 旭岳は冬場、ロープウェイ姿見駅から4コースが圧雪車で整備されスキー利用ができるようになっていますが、国立公園内であるためコース上の高山植物・湿原植物・樹木などを損傷することなく滑走できる積雪量がなければコースオープンの許可がでません。
 15日の午前、東川町、上川南部森づくりセンター、東川自然保護官事務所合同で調査し、積雪量が基準に達した事が確認され、この日の午後にはスキーコースがオープンしました(1部のコースは積雪量不足の為、滑走不可)。
 悪天候などでコースを誤ると大変危険(雪崩や遭難の恐れあり)ですが、天候に恵まれれば大雪山の雄大な景色を眺めながらの滑走が楽しめます。

 もちろん、スキーやスノーボード以外にも大雪山の冬ならではの楽しみ方は色々あります。スノーシューを履いて日本一の雪質と言われるふかふか・サラサラの雪上散策や、雪の結晶観察、アニマルトラッキングなどなど。万全の装備で是非一度冬の大雪山にお越し下さい。
 旭岳ビジターセンター(TEL0166-97-2153)にて、スノーシューの貸し出しや、センター周辺を中心とした自然案内を行っています。詳しくはhttp://town.higashikawa.hokkaido.jp/vc/sub/frame.html 行事案内をご覧下さい)


晴天に恵まれたこの日、地元ガイドの池永氏がゾンデ持参で旭岳の積雪量調査に御協力下さいました。
写真奥に見えるのは当麻岳?安足間岳


晴れていれば、雄大な景色の中の滑走が楽しめます

今年3月の写真です。旭岳をバックにスキー、スノーボード、スノーシュー、カメラと道具は異なりますが、皆さんそれぞれ大雪山の冬を楽しんでいました

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2006年08月23日子供の目線

大雪山国立公園 東川 山下 なつ絵

 「休日まで山に行くなんてよっぽど登山が好きなのね」と良く言われますが、私はそんなに登山が好きな訳ではありません。しかし、休日で天気が良いとなぜか足は上に上にと向かっています。幼い頃から山や川で遊ぶことが多かった私の身体が、「自然の中は気持ちいい」ということを憶えているからでしょう。
 そんな訳で8月20日(日)の休日は大雪山国立公園内にある高原温泉沼巡りコースに、友達(9才)を連れて出かけました。
 出だしから汗が噴き出るほど蒸し暑い日でしたが、子供は元気。いきなり登り坂でダッシュ!したかと思うと、目の前に現れたオニヤンマに目をキラキラ輝かせ、トカゲの尻尾を追いかけ、エゾシカの足跡をいくつも見つけ、無名の沼に名前をつけ、飛んで跳ねて大学沼まで1時間半(約3km)、好奇心の塊に同行した私は子供の目線で自然を感じ、ほんの少しですが忘れかけていた子供の頃の感覚を取り戻しました。
 そして、めちゃくちゃ自由奔放に動き回っているように見えた彼が、自然に対する配慮をきちんと身につけていることや、数年前ここを歩いた時より乾燥化が進んでいるのでは?とか、沼に生息するエゾサンショウウオが前より少なくなったなどと、環境の変化に敏感な事に感心させられることしきりでした。
 自然の中で体験することは、誰かに言われたからではなく、自分自身の感性で物事を捉え感じる事が大事で、感じる事で何かに気づき、気づきがその後の行動に表れるのだと思います。そして、自然に対する畏敬の念や愛おしむ気持ちなどは、子供時代の自然の中での体験から生まれるような気がします。
 みなさんも機会があれば、子供と一緒に自然の中を歩いてみませんか?
子供は感性がより一層磨かれ、大人は子供の頃の感性が甦るかもしれませんよ。


とんぼさん、この指止ーまれ

「子ギツネかわいいけど餌あげちゃいけないんだよ」その理由もきちんと理解しています

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2006年07月20日遙かなるトムラウシ

大雪山国立公園 東川 山下 なつ絵

 7月7日、パークボランティアの方4名と、沼ノ原登山口からヒサゴ沼に向かいました。深くえぐれた急勾配の登山道を登り終えると、広大な高層湿原・沼ノ原が広がり、湿原のお気に入りヒメシャクナゲとナガバノモウセンゴケが小休止を促します。
 沼ノ原から少しずつ高度を上げ進んで行くと、やがて憧れの地、五色が原のお花畑へ。どこまでも広がる美しいお花畑は登山者の目を楽しませるだけではなく、ここで生きる動物達の営みにも必要であることが、食料を求めて走り回った動物の足跡や、根こそぎ掘り返され食べられた高山植物、ハイマツの葉やコケで作られた野鳥の巣などからも伺えます。
 五色が原から長いハイマツの海を漕ぎ、今夜の寝床・ヒサゴ沼に着いたのは、登山道を出発して9時間後でした。
 7月上旬でも雪渓の残るヒサゴ沼は、ガスでぼんやり霞み、息を呑むほど幻想的で美しい。一瞬、ここは人が足を踏み入れてはいけない場所なのではないかと思いました。まさに・・・言葉ではうまく表現出来ません。この風景をしっかり心の目に焼き付けながら、次に訪れる時はどんな姿を見せてくれるのだろうと、しばらく空想の世界に浸りました。

 ヒサゴ沼を拠点にトムラウシ山頂にも足を延ばし、2泊3日の登山道整備とヒサゴ沼避難小屋・野営地清掃を終え、パークボランティアの方々から色んな知識を吸収し、美味しいご飯をたらふくいただき、来るときより重くなった荷物(登山者が捨てていったと思われるゴミが沢山ありました)を担いでもなぜか心は軽く、下界に戻ってもしばらくはあの風景を思い起こしながら美味しいご飯が食べられるようで、背負った荷物の重さ以上に収穫の多い山行きでした。






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