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アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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大雪山国立公園

106件の記事があります。

2016年10月24日黒岳の雪

大雪山国立公園 岩城大洋

こんにちは。上川自然保護官事務所の岩城です。

 

ヘリコプターによる黒岳石室バイオトイレのし尿の搬出作業のために、

10月13日に黒岳石室まで行って来ましたが、残念ながら雪と強風のため作業は

中止となってしまいました。

そこで今回は、黒岳石室へ至る雪の状況を写真でお伝えします。

 

 

もうすっかりあたりは冬です。

 

 

この時期になるとリフトは寒さとの戦いです。

スキーを滑りに来ていたら寒さもなんのそのなんですが・・・・。

雪が十分に積もると黒岳スキー場は11月11日にオープンする予定です。

(リフトは10月17日~11月10日まで整備運休しています)

 

 

7合目には大きな雪だるまが僕たちを出迎えてくれました。

 

 

ラッセルしながら登ってきましたが、雪が深くなってきたのでスノーシューを装着。

ふかふかの新雪の上を歩くのは気持ちがいいものです。

 

 

 

あたりが眩しくなったので、空に顔を上げると、雲の切れ間から青空が出てきました。

あたりは一面銀世界なので、照り返しの太陽光が目に焼き付きます。

雪の季節はサングラス、またはゴーグルを常備することをおすすめします。

雪目にならないように注意してくださいね。

 

 

雪のある山頂はやっぱり迫力があります。

 

 

雪をかぶった凌雲岳です。圧倒感が漂っていました。

この付近は風の通り道になっていたので、とにかくものすごく寒かったです。

 

 

黒岳石室が先に見えてきました。

 

 

この日作業の予定だった石室に無事に到着です。

周りを見渡すと、雪の世界。多いところでは約2mの積雪がありました。

この状況を見て、今回の作業は中止になりました。

これから大雪の山々は厳冬の季節へと進みます。

山へ入る際は、登山計画書の提出、しっかりした冬山の装備、また単独での登山は避け、天候の

状況にあわせた登山を心がけてください。決して無理な登山は行わないでください。

 

大雪山は四季折々のすばらしい景色が見えるところです。

みなさんも冬の大雪に遊びに来てくださいね。

今回のAR日記はここまでです。

また次回をお楽しみに。

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2016年10月12日黒岳バイオトイレの冬支度

大雪山国立公園 岩城大洋

こんにちは。上川自然保護官事務所の岩城です。

 

今回は黒岳石室の隣にある黒岳バイオトイレのくみ取り作業に行って来ましたので、

その様子をお伝えします。

 

上川総合振興局では、短い大雪山の山シーズンの間に6回のくみ取り作業を実施しています。

今年度最後のくみ取りは、10月3日に上川総合振興局、上川町、山のトイレを考える会、

上川自然保護官事務所で行いました。

 

天気はあいにくの雨模様。

時折吹きつける突風が体を冷やします。

雨具のフードをしっかり被り、15分ほどリフトに揺られると7合目に着きました。

 

7合目より登り始め、マネキ岩が見えてきました。もう少しで山頂です。

すっかり紅葉も終わり、あたりはさみしい景色になっていて、それはまるで

雪を待っているかのよう。でもそんなさみしい景色も僕は好きです。

 

山頂に到着です。リフトでは強風にあおられたので、山頂もさぞ風が強いと危惧していましたが、

心配するほどではありませんでした。

 

黒岳トイレまであと少しです。先を急ぎます。

山頂より20分ほど歩いて現場にたどり着きました。

 

作業は2班に分かれます。

トイレで実際にくみ取りをする班と、シーズン中に保管していたくみ取り済みの糞尿を

広いスペースへと運び、ヘリコプターでつるし上げられる状態にパッキングする班に分かれます。

 

私はくみ取り班で作業にあたりました。

 

まずは汚れたもいいように、白い作業服に着替えます。

 

くみ取りが始まりました。糞尿は、二重にした厚手のビニール袋に入れていきます。臭いとの戦いです。

 

一袋の半分ほどくみ取ると、中側の袋を縛り、外側の袋は結束バンドできつく縛ります。万が一でも漏れないようにするためです。それから重さを量ります。1袋平均約20kgでした。

 

 

 

黒岳バイオトイレはA、B、C、Dと4つのトイレがあり、それぞれくみ取った量を算出します。

          

         今回は Aトイレ 350kg

             Bトイレ 340kg

             Cトイレ 170kg

             Dトイレ 130kg でした。

 

総くみ取り量は990kgになります。くみ取りはこれで終了です。

すべてくみ取るまで2時間ほどかかりました。

 

パッキング班も作業が終わったようです。約20個にパッキングされた糞尿は、10月13日の予定で

ヘリコプターにより上川町に運ばれ、その後適切に処理されます。

 

順調に作業が終わったので、トイレの冬囲いを行いました。

 

 

厳しい冬を越え、来年の6月まで約9ヶ月間の冬眠に入ります。

 

もともと黒岳のバイオトイレは、おがくずに付着している微生物の分解能力によって糞尿を分解処理

する予定でした。

トイレは1日あたり最大200人の利用を想定し設計されましたが、利用者数が想定以上だったため、

トイレを維持するには、くみ取り作業を導入するしかありませんでした。

またこのバイオトイレは高山帯に位置するため、低温により微生物が予想より活発には働かない点も

くみ取りが必要な原因のひとつになっています。

トイレがオープンしている期間(6月中旬~10月初旬)の間に合計6回のくみ取り作業を行ってトイレを

維持しています。

 

少しでもくみ取りの量を減らすためにも、各登山者の携帯トイレの持参をお願いします。

登山者の1割が携帯トイレを持参することによって、くみ取り量は年間で約600kgの減少になります。

 

今まで黒岳バイオトイレを使用した方たち、これから使用するかもしれない方たちにも、

このような作業が行われて、はじめてトイレが維持されているのを記憶にとどめて頂ければと思います。

 

今回のAR日記はここまでです。

また次回をお楽しみに。

 

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2016年09月21日久しぶりの山仕事

大雪山国立公園 岩城大洋

みなさま、こんにちは。

上川自然保護官事務所の岩城です。日に日に秋めいてきましたが、

いかがお過ごしでしょうか。

 

8月は度重なる台風の上陸により、大雪山の各所でも被害が出ました。

特に各地の登山口までのアクセスは8月下旬から9月中旬までできない状況でしたが、

関係者の方々の懸命の復旧により徐々にアクセスは正常化しつつあります。

 

8月中旬以降は台風の影響で大雪山への巡視もできない状態でしたが、9月に入り

ようやっと山へと行く仕事も順次できるようになってきました。

 

今回は9月12日に上川総合振興局、上川中部森林管理署、上川自然保護官事務所が

合同で行った登山道補修の様子をお伝えします。

 

 

久しぶりの山仕事で気合い入りまくりです。

 

もちろん現場へは、まずは登山しないと着きません。

この日は薄曇りの中、黒岳7合目より背負子に補修に使う道具を取付け出発しました。

 

紅葉はまだ始まって間もない感じで、今年は例年より1週間くらい遅いようです。

 

山頂までせっせと登ると、雲はすっかり抜けきって青空が現れました。

その青空には、筆で薄く描いたような雲が連なっていて、その光景は秋を感じさせてくれます。

 

 

山頂をあとにして、黒岳石室まで進みます。石室の分岐まで来ると現場はもうすぐです。

 

 

当初は登山道の石組みが外れている箇所や、大雨の影響で壊れてしまったところを

補修する予定でしたが、赤石川の少し手前まで来てみると、昨年度に水が流れる区間の浸食を防止する

ために設置したワラムシロが大雨の影響で1箇所に集積してしまっている状況でした。

 

 

 

これはほうっておけません。

 

集積してしまったワラムシロを分け、大きめの石をワラムシロに包んで設置し、

土砂を堆積させ浸食を防止することとしました。

 

 

石を包んだワラムシロを真ん中に配置し、両サイドには石をしっかりと設置し雨水のせき止め土砂などが

堆積する効果を狙います。

おおよそ2m間隔でワラムシロを包んだ石を設置しました。

 

 

すっかりきれいになった現場。

 

この写真ではわかりにくいかもしれませんが、ワラムシロで補修を行った左側には

昔もう一本の登山道がありました。

見た目では自然に戻っているように見えますが、底の方は今現在も掘れた状態のままです。

自然が元の姿に戻るまでには、とてつもなく長い時間が必要になります。

 

今回、補修した箇所も元の様に戻るには長い時間が必要でしょう。

しかしゆっくりでもいいので、少しずつ確実に本来の自然の姿に回帰してくれたらと願っています。

 

今回のAR日記はここまでです。

また次回をお楽しみに・・・・・

 

 

 

 

 

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2016年08月31日3年目のテンサ-

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

ご無沙汰していました、東川の渡邉です。

短期間に凝縮された大雪山の四季。この夏はタイミングを逃し高山植物の大群落には出会えず...気づけば9月を目前となっていました。

赤・黄・橙・茶になるモザイク色の山の斜面や、陽に当たる美しい黄金色の穂、冬眠の準備に忙しそうな動物たちの残した食べ殻や足跡。淡々と、着々と、長い冬を受け入れる前のいつもより静寂を増した秋の大雪山は一段と美しく、山の稜線に立ち、乾いた透き通った風に吹かれると、このまま風になり山肌を撫でたり、稲穂を揺らす風になりたい、と願ってしまいます。

山が白くなる前に、まだまだたくさん大雪山を歩かなければ。

先日、パークボランティアと裾合平で登山道補修をしました。

流水で洗掘が進む登山道に、河川の土留めとして使われるテンサーを使い、土留め補修をするようになり3年目。

今年も北海道山岳整備の岡崎講師に来て頂き、頭の体操をしながら土木作業の開始です。

つくづく、登山道整備は体力はもちろん必要ですが、相手は山。

その場しのぎの整備では誤魔化しが効かず、中途半端な施工をするとすぐにひっくり返され、前より状態が悪化してしまうこともあり、そこで何が起こっているのかよくよく観察することが重要なのだと感じます。次にこれに対応するためにはどうすれば良いのか考える柔軟な頭、その次が技術...と登山道整備に関わるようになり駆け出しですが、毎回新たな発見と感動を覚えつつ、作業をしています。

2年前に置いたテンサーには土砂が満タンまで溜まり、予想よりもうまく機能していることに一安心。

しかし去年置いたテンサーに土砂はあまり溜まっていない・・・流速が早いところでは土砂が水と一緒に勢いをつけてテンサーを乗り越えて流れ出していってしまうようです。なので、昨年度の検証を生かし、大きな水たまりが出来易い、流速の弱まる部分にテンサーを設置することにしました。

3年連続参加してくださる方もいるので安心して作業をお任せでき、ARは石運搬係に徹します。(ときどき口うるさく監督します。)

そして設置したテンサーは10基。水たたき石代わりにササをはさみ石運搬は最小限にし労力を削減、ヤシロールで土砂を誘導しテンサーに土砂を溜まり易くするなど、確実に進化している3年目のパークボランティアでの登山道整備!!

嬉しく、燃えますね。

作業中、当麻岳の斜面には食事中のヒグマを見ることが出来ました。

100年後、200年後...山にはヒグマが悠々と草を食み、裾合平にはチングルマの大群落が咲き、毎年そこを訪れることを楽しみにしている人がいること、そしてその人たちが大自然から無限の癒しと力をもらい続けていること、それがいつまでも続くことを心から願い、今年も登山道整備をしました。

参加された皆さん、岡崎講師、楽しい作業でした。お疲れさまでした。

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2016年08月23日石狩川クリーンアップ作戦

大雪山国立公園 岩城大洋

 みなさま、こんにちは。上川自然保護官事務所の岩城です。

暑い日が続いていますが、いかがお過ごしですか。

 

今回は上川町役場が主体となり取り組んでいる石狩川クリーンアップ作戦が8月5日に開催され、

上川自然保護官事務所の3名が参加してきましたので、その様子をお伝えします。

 

 クリーンアップ作戦は、平成5年11月に開催されました石狩川サミットにおいて8月7日を石狩川の日と

することを川が隣接している市町村長によって宣言され、それにちなみ、翌年の平成6年から石狩川クリーンアップ作戦が毎年行われています。

 

もともと上川町だけで実施していたのですが、平成23年からは旭川市や近隣の自治体にも参加の

案内をしたところ、それ以来、多くの人たちが清掃活動に参加するようになりました。

 

クリーンアップ作戦が行われたのは層雲峡温泉の石狩川河川敷で、冬を彩る氷瀑まつりの会場としても

利用される場所です。

この日は時折強い風が吹いていましたが、青空が気持ちいい一日でした。

  

 みなさん左手にゴミ袋、右手には火バサミのスタイルで集合しています。

拾う気満々です。

 

 もちろん我々も同じスタイル。

 

スタートの合図とともに約30分間の作戦が始まりました。

 

 川沿いや雑草の中、ゴロゴロした石の間など様々なところをチェック。

するとやっぱり出てくるゴミ・・・・。

ゴミの種類はお菓子の包装紙やティッシュペーパー、たばこの吸い殻など、

変わったものでいえば針金などがありました。

 

 あらゆるゴミを拾い集め、袋がずっしりと重くなってきたところで、

一回探した場所をもう一度確認してみることに。

案の定、見落としているゴミがちらほらと姿を現します.....。

それらを回収したところで終了の声が掛かりました。

ゴミは1カ所に集められ、量りにかけられます。

 

 

参加された総人数は37人。回収されたゴミの総量は130kgでした。

 

これで今回の作業は終了です。

 

ぜひ来年も石狩川クリーンアップ作戦に参加して、今年以上にゴミを拾ってやるぞーと

心に誓う3人でした。

  

人にとって、動物にとって、

生きるものすべてにとって大切な自然が少しでもきれいになりますように。

 

今回のAR日記はここまでです。

次回をお楽しみに。

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2016年08月23日山の日は山に恩返し 大雪高原温泉沼めぐりコース荷揚げ登山

大雪山国立公園 大久保 智子

こんにちは、上川自然保護官事務所の大久保です。

811日が山の日に制定され、記念すべき1回目を迎えました。

「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」という山の日の趣旨に沿って、この日大雪山上川地区では、紅葉時期に人気の大雪高原温泉沼めぐりコースのぬかるみ対策用に登山道補修資材を荷揚げしてきました。

この資材は、昨年9月の紅葉時期に沼めぐりコースにおいて北海道大学が調査の一環として行った、登山道補修資材の購入用の募金をもとに購入したものです。

 

当日は、旭川西高校や上川高校の山岳部、北海道大学、上川山岳会、大雪山パークボランティア、大雪山自然学校、層雲峡ビジターセンター、にも協力してもらい、上川地区登山道等維持管理連絡協議会、大函森林事務所、上川総合振興局、上川自然保護官事務所と合わせて37名が参加。4班に分かれ、角材や丸太を、バショウ沼までの指定された場所まで運びました。今後、これらの資材をもとに、登山道を補修してぬかるみ対策を行う予定です。

私の班には、旭川西高校山岳部の生徒が6名いました。山中泊の山行も経験しているという彼らは、率先して重い物を持つなど逞しく、頼もしかったです。慣れない背負子での木材荷揚げも、黙々と足を運び、立ち止まった時には楽な姿勢を仲間と教え合ったり、荷を下ろしたり担いだりする時に支え合うなど、協力しあっている姿が微笑ましく、仲間を思いやる姿に感心させられながら目的の場所までゆっくりと歩きました。

 

重い荷を下ろし、背中に羽が生えたように軽やかになった足取りで、この日のもう一つの目玉、大学沼でのヒグマ観察に向かいました。朝のヒグマ情報センターの情報では4頭のヒグマが出没しているのが観察できるとのことで、みんな野生のヒグマを見るのを楽しみにしていましたが、大学沼に着いた時には、ヒグマは藪に隠れてしまい、30分待ちましたが出てきませんでした。そこでヒグマ情報センター職員にヒグマの監視活動などの話をしてもらい、姿は見えなくても近くに生息していること、そういう環境の中を自分たちは歩かせてもらっているのだということを学んで下山しました。

  

高原温泉の駐車場からは、親子グマの姿が豆粒のような大きさながら確認でき、ヒグマ情報センター職員が設置してくれたフィールドスコープでみんなで順番に覗きました。

ヒグマの生息圏で紅葉の名所の大雪高原温泉沼めぐりコース。野生動物と人が共存している場を大切にしながら、ぬかるみでの登山者のストレスを減らしたり、ぬかるみを避けて道が拡幅しないように、今回の資材が役立てばと思います。そうした中で、また今回のように多くの人たちと協力しあっていければ、なんと素晴らしいことでしょう。

募金をしてくださったみなさま、ありがとうございました。

荷揚げ登山に参加してくださったみなさま、お疲れさまでした。

 

 

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2016年07月29日 青い空と半月の沼

大雪山国立公園 岩城大洋

  みなさま、こんにちは。上川自然保護官事務所の岩城です。

 

   今回は、荒廃した湿原の復元のために平成19年に沼ノ平でおこなわれた植生復元プログラム

  (その後モニタリング調査を毎年実施)が、現在どのような状態になったのかを見てきましたので、

  その様子をみなさまにお伝えします。

 

  現場まで行くにはまずは登山です。

 

                ※愛山渓から滝ノ上分岐の中間地点

 

   愛山渓温泉を8:00にスタートし、少し遠回りでしたが、イズミノ沢沿いを登り滝ノ上分岐から

  沼ノ平分岐へ 。

 

                    ※沼ノ平分岐

 

   分岐より、姿見の池方面へ100mほど行ったところにワラムシロが敷きつめられた

  ポイントがありました。

  この場所は、約20年前から複線化が進み、敷設されているワラムシロの部分は、登山道と

  化していました。

 

                 ※分岐より約100m地点

 

   いまでは、ワラムシロに土壌が蓄積してミネハリイなどが生育している箇所があります。

  またワラムシロの表層には蘚類がチラホラと姿を見せていました。

 

  さらに先へと進みます。

 

                  ※半月の沼入り口付近

 

   半月の沼の付近までくると、この一帯は株移植試験区です。ミカズキグサや

  ミネハリイなどの生育状況は良好でした。

  ここでもワラムシロの表層には蘚類が育っています。木道の隅にはワタスゲが

  生息し、白い美しい綿をつけていました。

 

                      ※半月の沼

 

   私は過去の資料で復元プログラム前の現場写真を見ましたが、9年前と比べ今の状況は

  大きく改善していました。

   湿原の植生の復元は大変難しいと聞いていましたので、現場を見て、沼ノ平では結果が

  出ていて、このまま順調に元の姿を取り戻してほしいと思いました。

 

  今回のAR日記はここまでです。

  次回をお楽しみに・・・・・。

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2016年05月10日黒岳石室まで巡視に行ってきました。

大雪山国立公園 岩城大洋

みなさま、はじめまして。

4月より上川自然保護官事務所にアクティブレンジャーとして着任した岩城と申します。

これから上川地区(主に大雪山)の自然の情景や各イベントの情報などを定期的に、

みなさまにお伝えできればと思っております。

 

上川町でも春の訪れを少しずつではありますが感じられるようになってきました。

桜の花もようやっと咲き始めたところです。

 

さて、今回は4月26日に黒岳7合目から石室までを巡視してきましたので

その様子をみなさまにお伝えします。

 

(7合目リフト乗降場より。積雪は2mほどありました。)

 

層雲峡はあいにくの天気でしたが、7合目までやってくると、少しではありますが

青空もありました。

もちろん登山道は雪の下にあります。雪が解けてその姿が見えるようになるのはまだまだ先になります。

準備を整え、山頂へと出発です。

踏みしめる雪の状態は登るには最適のコンディションでした。

 

(黒岳9合目付近。急勾配が体力を奪います。)

 

山頂に近づくにつれて雪も硬くなってきましたが、この日はアイゼンを装着するほどではありませんでした。

 

(山頂に到着。)

 

黒岳の山頂には雪がほとんどありませんでした。強く吹きつける風が雪の着地を

拒んでいるかのようです。

今回は黒岳石室までの行程なので、のんびりしている時間はありません。

それに加え、吹きつける風雪に山頂を満喫する時間はありませんでした。

早々に石室へと足を進めます。

 

(山頂より石室方面)

 

視界が悪く、桂月岳や凌雲岳の姿はみえません。

登山道の両はじに刺さっているテッピンを頼りに先へと進みます。

 

なかなか姿を現さない石室にようやっとたどり着きました。

 

(手前:黒岳石室 後方:黒岳トイレ)

 

屋根の大きさが分かりにくかったので、私の手袋がここで活躍。

 

石室はほとんどがすっぽりと雪に埋まっていて、屋根がほんの少しだけ顔を出していました。

四方からの強風を雪の中でじーと耐えながら春を待っているかのようです。

こんなにも雪に覆われている石室ですけど、これから日に日に暖かくなるにつれて雪も解けて、

例年6月20日前後にはオープンします。

そしてそこは大勢の登山者の憩いの場と、休息と宿泊の場となります。

 

それがうそのような静かな静かな石室。

こんな静かな世界もいいなあと今回は感じ取れた1日でした。

 

巡視を行ったのは4月の終盤ではあったものの、少しでも天候が悪化すると、視界はホワイトアウトに

近い状況となり、気温は低下し、冬山装備でも体温を奪われてしまいました。

5月に入り暖かい日も増えてきましたが、入山される方は、充分な準備と装備をしてお出かけください。

 

今度は雪のないときの黒岳もレポートできればと思っています。

 

ではまた次回の日記でお会いしましょう。

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2016年01月29日崇高なる山々

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

北海道の冬は長いと言いますが、一口に冬と言っても初冬・厳冬・晩冬・初春など様々な表情があり、今は厳冬期。
一年の中で最も寒い今が、最も胸が躍るシーズンという人も多いでしょう。私もその一人です。
住民の方から「スノーモビル乗り入れがあるようだ」と情報が寄せられたため、週末に乗り入れがあったか走行跡を確認しに月曜の朝、とある場所に向かいました。
大雪山国立公園の一部の地域でスノーモビルの乗り入れは禁止・規制されており、スノーモビルが発する騒音は野生動物の営巣を妨げることとなります。実際に、大雪山には貴重な動物たちが暮らしていて、その暮らしが脅かされるのは見逃せません。
-20℃まで冷え込んだ朝。子供の頃は通学中にダイアモンドダストはよく見ていましたが、最近は暖冬でそれも見ることもめっきり減りました。寒いを通り越して、シバレル、と北海道弁が飛び出します。(シバレル=北海道の方言で厳しく冷え込むの意)
車から降りると低温で顔もヒリヒリと痛みますが、スキーシューで歩き始めると徐々に体に暖かい血が巡り、手足が順調に前に出ます。
目的の場所へ辿り着き、野ウサギやキタキツネ、スキーを履いた2名のトレースだけがあるのを確認し、別の場所へ向かいました。
この日、そこではスノーモビルの走行跡はありませんでしたが、今後もパトロールを強化し、今シーズンはもう少し深いところまで調査が出来そうです。

夏は高山蝶がヒラヒラと舞い、残雪のすぐ横には広大なお花畑が広がり、楽園を感じさせてくれる大雪山。
そのお花畑には気持ちよさそうにキタキツネが日向ぼっこをしていたり、運が良ければ遠くの斜面で草を食んでいるヒグマを見ることも出来るでしょう。雄大な山並みと野生動物たちが長い間同じサイクルで営みを続け、共存してきた大自然は、人々を癒やし、励まし、それが心の深いところまで届くと自然に対して敬いの心が芽生えてくることでしょう。
一方、冬は装いを変え、山で暮らす動物たちは眠りにつき、そこに入るものに対し過酷な環境を突きつけます。ラッセルに喘ぎ、風雪に叩かれ、吹雪が途切れたとき一瞬見れる山の輪郭や猛烈に舞い上がる雪煙。
無言の山と響く風雪だけがあり、人間の小ささを知り、太刀打ち出来ない偉大なものへの畏怖の念と、聖域とも思える場所に足を踏み入れる歓喜の念が岳人を奮い立たせ、白い山へ向かわせるのでしょう。

どうかこの聖域にエンジン音や騒音が駆けまわることがありませんように。
白銀の富良野岳を眺望

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2015年10月01日青い空、白い雪、黒岳石室は営業終了

大雪山国立公園 一守さちえ

山の紅葉が落ち着いたと思ったら、一気に冬がやって来た大雪山です。

山のシーズンオフに向けて、本日、黒岳石室バイオトイレの汲み取り及び荷下ろし作業に行って来ました。

辺り一面、雪景色の絶景です。

今シーズン汲み取ったおがくず屎尿と、本日汲み取った分を、モッコという網に積めて、運んでもらうという荷下ろし作業です。

北海道上川総合振興局、上川町役場、層雲峡観光協会、NPO法人かむい、山のトイレを考える会、自然保護監視員、上川自然保護官事務所から合わせて21名でしたが、みなさんのすばやい行動のおかげで、2時間程でバイオトイレの汲み取りと、冬囲いが終了できました。

黒岳石室には入れますが、営業は9月30日で終わっており、トイレも閉鎖されていますので、お越しの方はお気をつけ下さい。

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