ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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大雪山国立公園

146件の記事があります。

2019年05月16日令和元年度パークボランティア連絡会総会と春山研修

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

 こんにちは、東川の渡邉です。

 東川町は田んぼに水がはり、天気の良い日は水田に映る大雪山を見ることが出来ます。稲を植え付ける前の、今しか見られない景色。次は農家の方が、トラクターを忙しくまわし、夜にはカエルの大合唱が聞こえてくるでしょう。そんな四季の到来を色濃く感じることが出来るこの町が大好きです。

 さて先日、十勝岳温泉 凌雲閣にて、パークボランティア連絡会総会と春山研修が行われました。

 昨年度、加わった新人の方々が参加するはじめての総会。新人の方にもわかりやすいよう、役員の皆さんが例年よりも丁寧に議事を進行してくれました。

 また、今回は北海道地方環境事務所から大林統括自然保護企画官も参加され、日頃からご活躍頂いているパークボランティアの皆さんへ労いの言葉がかけられました。

 議事では、提案や意見なども活発に交わされましたが、パークボランティアの皆さんが積極的に発言できる場、雰囲気って大切ですね。

 

 翌日の春山研修は、スキーやスノーシュー、5隊に別れ、上富良野岳や三段山周辺をトレッキングし、シーズン前の足慣らしをしました。

 歩き始めは濃かったガスもピークに立つ頃には青空となり、雪面に反射する太陽が眩しくてサングラスなしでは目を開けていられません。春のやわらかな空気、スクッと飛び抜けて高い十勝岳、荒々しいカミホロカメットク山。白い山と青空の爽やかなコントラストに見惚れ、足の裏から力が充電されてくるようでした。

 

 令和元年度の登録数は119名の大雪山のパークボランティア。今年は新たな行事も増え、活動が今まで以上に活発になりますが、大雪山の自然を守るために、楽しみながら活動に参加してもらいたいと思います。私も皆さんと一緒に山を歩けること、今から楽しみにしてます。

 皆さんの夏山シーズンが充実したものになりますようお祈りしています。

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2019年05月12日大雪山国立公園パークボランティア

大雪山国立公園 大久保 智子

こんにちは、上川自然保護官事務所の大久保です。

大雪山国立公園での好きな業務の一つがパークボランティア活動でした。

いままで歩いてきた大雪山のために何かをしたいという、意識の高い人達との活動は勉強になることが多かったです。

高齢化してきていると言われていますが、年齢なんて何のその、気持も若いし、体力もまだまだ十分、登山も人生も経験豊富、そして何より大雪山のことをよく知っている、本当心強い人達です。いろいろなことを教えていただいたおかげで、経験と知識を積み重ねてこられました。

感謝の意をこめて、大雪山国立公園パークボランティアさんとの思い出を振り返りたいと思います。

忠別避難小屋に捨てられてたまりに溜まったゴミを担ぎ下ろしました。

自分の泊まり装備に加え、人のゴミを背負って下ろすことはそう簡単にはできません。

 

(左)五色ヶ原の笹刈り、(右)愛山渓の笹刈り。

木道にかかる笹は、木道を滑りやすくしたり、覆ってしまったりして危ないです。

笹は小さいけれど、かがみ込んでの作業は結構辛いんです。

愛山渓の笹はものすごく元気で、背も高くて太い、渾身の力を込めてはさみを握ります。

 

登山道整備 (左)ロープ張り、(右)ロープ貼り直し

 

(左)ルピナス駆除に(右)湿原植生再生のためのむしろ敷き

 

マイカー規制の時の普及啓発活動。(左)過去に登山口レクチャーもしていました。

紅葉の見所やまだ咲いている花情報や、山座同定など案内しています。

紹介した活動内容はほんの一部ですが、休日返上で様々な活動をしてくれて、大雪山国立公園を支えてくれています。時には辛いし、汚いし、嫌なこともあります。

でもみなさんいつも笑顔で活き活きしているのは、大雪山のためにという熱い思いからです。

一緒に活動ができて本当幸せでした。ありがとうございました。

昨年新しい会員たちも増え一層活躍の場が広がると思います。これからも大雪山国立公園パークボランティアの活動を応援しています。

パークボランティアのみなさんが活動しているところを見かけた場合には一声かけてください。

きっとさらに気合が入ると思います。

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2019年05月12日大雪山の魅力 お気に入りの景色より

大雪山国立公園 大久保 智子

こんにちは、上川自然保護官事務所の大久保です。

上川は桜が咲きはじめ、生き物たちの息吹を強く感じる季節になってきました。

そろそろ大雪山の夏山計画をされる方もおられるようで、問い合わせの電話が増えてきました。「今年の高山植物はいつ見頃か?」こればっかりは・・・私も知りたい!!って思いながら頭の中は、広い稜線と高山植物の景色でいっぱいになります。

私は、広い景観とそこに咲き誇る高山植物に魅了され、大雪山の虜になってしまいました。

雪どけ後から次々と台地を埋め尽くす、色とりどりの高山植物は、毎週、いや毎日、表情の違う景観をみせてくれ、通い続けても飽き足りません。

夏山シーズン前に、今まで撮影した写真より、お気にいりを紹介したいと思います。

写真をみてたら、早く夏山を歩きたくてうずうずしてきました。

この景色と花たちを見ることが毎年の楽しみで、大雪山に関わる仕事が出来て幸せを感じるひとときです。

ですが、この度5月末日で、上川自然保護官事務所を退職することとなりました。

これまで多くの方々にお世話になりました。有意義に過ごせたのも関わってくださった皆様のおかげです。ありがとうございました。

でも大雪山愛は永遠ですので、これからも足を運びます。今シーズンの開花状況がどうなるのかが、今の楽しみです♪

では、また山で 

大久保 智子

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2019年04月26日春山登山にむけて

大雪山国立公園 大久保 智子

こんにちは、上川自然保護官事務所の大久保です。

明日から大型連休になる方やそうではない方も、

春山登山を計画されている方や、ちょっと山にでも・・・と考えている方もいると思います。

大雪山はまだ雪が多く、登山道は雪に覆われて、冬山の装備が必要です。

2019425日の黒岳スキー場情報によると、

積雪は、リフト乗場で250㎝、リフト降場で375㎝あるそうです。

入山される方、雪崩や滑落、また踏み抜きなどに気をつけてください。

連休中の天気予報では久々の雪マークもあります。

十分に情報収集してから、準備や装備を万全にして、山を楽しまれますようお願いします。

2019年4月26日の上川町内からシカと大雪山。今日はこれから雪予報です。

春山登山注意喚起報道発表(H310412発表)_確定版.pdf

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2019年04月24日十勝三股で植生復元活動

大雪山国立公園 北海道地方環境事務所

 十勝地方、上士幌町の三股は、かつて林業で賑わい千人以上が暮らす集落でした。帯広から国鉄士幌線が延び、小中学校が置かれ、神社には土俵も造られたと聞きます。広大な三股のカルデラは黒々とした針葉樹の森に満ちていたそうです。三股を起点に林道や森林鉄道、馬車による鉄道も敷かれ、風倒木をはじめ大量の木材が搬出され生産されました。

 しかし、やがて林業は衰退し、現在は二世帯が暮らすのみです。

 その三股で、環境省は跡地を森に帰そうと植生復元活動を続けています。ひがし大雪自然館と共催で植樹イベントを開き、鹿の食害を防ぐため、柵で四角く囲んだり、網で丸く囲んだりしながら植樹を増やしてきました。大雪山国立公園パークボランティアのみなさんの力を借りながら手入れもしています。

 雪解けが進む4月のある日、設備の点検に訪れました。

 設えてから年月が経った柵は、老朽して変形し、錆びて弱くなった金網は鹿に突き破られるようになりました。幸いにも柵の中に植樹した多くの木々は2メートル以上に生長し、鹿の食害を受けにくくなっています。倒れた柵は、これから順に解体していきます。

 数年前から、一本一本の木を支柱と網で囲む対策に変わりました。初めは、支柱の数を節約したり、固定の方法を試行錯誤したりしたものの、雪の重さに堪えられず変形してしまいました。今では、囲む網の径や支柱の数、そのほか設置のコツをつかみ安定するようになりました。植える木は、周辺の道路脇などから、放っておけば安全管理などのため刈り払われてしまう稚樹を掘り取っています。

 小さな小学校の跡地でも、かつての森に帰すには何十本も木を植え、長い年月をかけて見守っていかなくてはなりません。

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2019年04月04日春の予感

大雪山国立公園 岩城大洋

 みなさま、こんにちは。上川自然保護官事務所の岩城です。

先月上旬は例年になく暖かい日が続きましたが、中旬以降はすっかり冬の再来の3月でしたね。

新年度を迎え何かと環境の変化で心が揺れる時期ではありますが、春らしい陽気が心を弾ませてくれる時期でもあります。

今回のAR日記は、上川町で感じた春の予感を記事にしました。

上川町は北海道のほぼ中心に位置しています。町は山と森に囲まれ、北海道で最も長い石狩川が町沿いを流れています。

自然が豊かな立地だけあって集落から少し山へと足を運ぶと、そこには手つかずの自然が

どっしりと根を下ろしています。

早速、森の中へと探検してみましょう。

 

                  ユキウサギの足跡

 

 最初に出逢ったのはユキウサギの足跡、表面の雪は真冬とは違いザラメとなり足跡を眺めているだけで華麗なジャンプをしている姿が目に浮かんできます。(真冬の雪深い時期だと飛びづらそうですもんね)

 

 

さらに森の奥へと進むとそこには小さな沢がありました。沢のすぐ側まで足跡があります。

足跡の正体はキツネでしょうか。写真を良く見ると沢を飛び越えているのが分かります。

日差しを感じながら沢をのんびり眺めているうちに冷たい風が山側から吹き下りてきたので、そろそろ退散することにしました。

帰途の中、ふっと樹木に目をやるとそこには生々しい傷跡が。。。


        ヒグマの爪痕

 

よく見るとヒグマの爪跡のようです。

4月に入ると冬の厳しい季節を冬眠でしのいでいた動物たちがいっせいに目を覚まします。それはヒグマにとっても同じこと。目覚めたヒグマは空腹なため、人間をみると攻撃的になります。冬眠明けで飢えているためと、自分の餌場である場所によそ者が入ると攻撃的になるのです。

新しい爪跡だったので、私はすぐさま辺りを観察しましたがヒグマらしき個体はいませんでした。

「あー良かったー」と思った瞬間、強張った全身の筋肉が緩みました。

足踏みだった春も森の番人が目を覚まし、季節は冬から春へと移り変わろうとしています。

今回のAR日記はここまで。

また次回をお楽しみに。。。 

 

           おまけ

 

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2019年03月29日エルタテハ越冬中

大雪山国立公園 北海道地方環境事務所

こんにちは、上川自然保護官事務所の大久保です。

先日、層雲峡施設の現地確認にいきました。

配電盤をあけたら

おっと!!

お休み中のエルタテハがいました。

どうやら寝ているところを起こしてしまったようです。

蓋が開いて冷たい空気にふれたので、ぶるっと震えてました。

層雲峡でよく見かけるエルタテハですが、全国的にみると良好的な自然林が失われ減少しているみたいです。

こんな所で越冬しているとは驚きです。

もし、話が出来るなら聞いてみたい。

この場所にどうやって入ったの?

ここでも居心地よいのかしら?

などなど不思議なことがいっぱいです。。

この狭い場所で、寒さをしのいで、春を待ちわびる小さな生命に驚きました。

温かくなってきたらちゃんと羽ばたけますように、と願いながら蓋をそっと閉じました。

寒さがぶり返している層雲峡は、蝶が舞うのはもう少し先のようです。

2019年3月29日の小雪舞う層雲峡

【エルタテハ】

生息地:北海道では平地から山地にかけて生息。

行 動:アザミ類やノリウツギなどの花を訪れるほか、樹液や腐果に集まったり、地面で給水を行う。

特 徴:後翅の裏面中央部に小さな白色のL字紋がり、そこからエルタテハと名付けられた。

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2019年03月14日大雪山のスノーモビル乗り入れ規制

大雪山国立公園 上士幌 上村 哲也

 自然環境の優れた地域でのプレジャーボート、スノーモビル、オフロード車などの無秩序な使用は自然環境に悪影響を与えることから、これらを防ぐために国立公園内の特別保護地区、車馬等乗入れ規制地区、原生自然環境保全地域において、それらの乗入れを禁止しています。(北海道地方環境事務所のウェブページから)

 自然保護官事務所では、乗入れ規制地区への入口となる場所に看板を立て、乗り入れ規制を周知しています。また、これらの地区を随時、巡視しています。この日、十勝三股の森、奥深くに通じる林道の入口まで来ると、スノーモビル乗り入れの痕跡がありました。この場所は昔、山奥に野湯が湧いていて密かに人気であったらしいのですが、2016年の大雨被害で、道路は寸断、湯殿も流れ去っています。

林道に残るスノモビルのキャタピラ痕

 スノーモビルが自然環境に与える悪影響とは、排気ガスや踏圧、エンジンの音が考えられます。

 十勝三股は、石狩連峰やクマネシリ山塊に囲まれた広大なカルデラ地形で、スノーモビルのエンジン音は山に跳ね返されて森中に響き渡ります。

 大雪山に棲む野生動物たちは、ほとんどが臆病な性格をしています。シマエナガやハシブトガラ、カワガラス、ヤマセミ、エゾリス、ウサギ、...。大きな音におびえながら身を隠しているでしょうか。何度も繰り返されれば引っ越しも考えるでしょうか。これら臆病な小動物を捕食する猛禽類やキツネたちも、彼らがどこかへ姿を消してしまっては大迷惑です。静かな森は静かなままに、真っ白な野原は真っ白なままに、そおっとしておいてほしいものです。

 そうそう、冬眠を妨げられると不機嫌で凶暴になる山親爺もいます。まだ体温が残っているのではないかという真新しい足跡を見つけて、この日は退散することにしました。

目覚めた山親爺の足跡 

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2019年03月05日季節のうつろい

大雪山国立公園 大久保 智子

 こんにちは、上川自然保護官事務所の大久保です。

冬のピリッとした気温の低さがたまらなく好きですが、うららかな春の日差しも好きです。

ここ最近寒さが和らいできて季節の移ろいを感じます。

 層雲峡峡谷の森も、ほんのり色がついてきたように思います。

この色づきは、広葉樹が芽吹く準備をしている新芽の色です。新芽は紫外線で痛まないように太陽光を遮るアントシアニンとよばれる色素で葉を保護しているので赤くなります。新芽が膨らむほど枝の先が赤くなり、森全体がなんとなく徐々に柔らかい赤い色合いになります。森の色がつき始めると植物の生命の息吹を感じると同時に春の訪れを感じます。

 

                  2月27日の層雲峡

 さて、春はすぐそこですが、寒すぎず温かすぎないこの時期、今シーズンの冬遊びの締めくくりに氷遊びはいかがでしょうか?

氷は一段と引き締まり真冬よりも登りやすいと、氷瀑祭りのアイスクライミングスタッフが言っていました。アイスクライミングやチューブ滑りに遊びに来ませんか?

層雲峡氷瀑祭りは3月17日まで開催中です!!

<氷瀑祭りと黒岳の季節の移ろい>

   
     11月16日            11月30日          12月13日

  

     1月11日            1月30日            2月6日      

 

     2月22日

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2019年03月01日一本の電話からはじまる命のリレー

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

 25日(月)9:30 プルルル......月曜の朝、事務所の電話が鳴りました。

 電話先:北海道地方環境事務所 野生生物課 平アクティブレンジャー

「23日(土)朝にウミスズメが旭岳ロープウェイの物置で保護されたため、旭山動物園に保護収容していただくよう、環境省からお願いしました。ウミスズメに外傷はないが、保護から3日経っておりウミスズメは収容のストレスにも弱いので、早目にリリース(放鳥)したいのですが、これから動けますか?」

「ウミスズメ」絶滅危惧ⅠA類(ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの) 

【北太平洋、千島アリューシャン列島、アラスカ南部等に分布し、日本では天売島にのみ繁殖のために飛来してくる体長26cm位の海鳥。頭は黒、背面は灰色、喉は白。外敵から身を守るため、断崖の岩の隙間などに営巣し、ヒナは孵化して2日ほどで海上に出て、親鳥から海上で給餌される。捕食行動で時には水深40mまで潜水する。混獲や外敵による捕食などにより生息数が減少。】

・・・何故・・・ウミスズメが・・・旭岳に・・・???

 頭の中に浮かぶたくさんのクエスチョンマーク・・・ただし、既に無事が確認されているため、詳細は後から聞けば良し。ウミスズメは母なる海へ直ちに帰すべし!!

渡邉 「出動します!」

10:30 旭山動物園のバックヤードのゲージにウミスズメはチョコンといました。

 動物園の獣医師から、「置き餌としてワカサギ0.5匹捕食を確認、1匹を強制給餌、皮下補液の注射を行い、外傷や骨折は見受けられません。」と診断結果の伝言を承りました。

ウミスズメを段ボールに入れ、いざ搬送!と、その段ボールを持ち上げたとき、あまりの軽さに、この小さな体で雪深い旭岳まで来てしまったのか・・・と迷い子ウミスズメが不憫になりました。

 官用車の後部座席にウミスズメが入った段ボールをセット、必ずや海へ帰すよ!!と腕まくりして誓い、いざ日本海方面へ。

 運転中も、後部座席が気になって仕方ありませんが、ウミスズメは段ボールの中で大人しくしていました。話しかけたりするとウミスズメにもストレスだろうと思い、心の中で熱いエールを送り続けていました。

12:30 沼田町某所 羽幌自然保護官事務所の岩原希少種保護増殖等専門員と落ち合い、獣医師から聞いた情報を口早に伝え、「よろしくお願いします!!」とウミスズメを託しました。久々の岩原さんとの対面時間も約1分で終了。もうすぐ海だ、ガンバレー!

14:10 岩原希少種保護増殖専門官が羽幌町の北海道海鳥センターにウミスズメを搬入。海鳥センターの方々とイワシ15gを強制給餌し、水に浮かべて撥水性を確認。元気なうちに海に帰すことになりました。

1630 羽幌町日本海、カラスやカモメなどの捕食者がいない砂浜に・・・元気に放鳥―!!!砂浜を走り、少し飛び、着水のあと泳いで、大海原へ帰っていったそうです。

 なぜ、ウミスズメが北海道の内陸、旭岳に辿り着いたのでしょう?

 日本近海で越冬していた個体が悪天候と西風で内陸に飛ばされてしまった可能性などが考えられるそうです。風とともに生きる鳥の生態は不思議ですね。

 

 私達は業務で、既に死亡していたり、大怪我をしている野鳥を引き取りに行くことがあります。人為的な事故の場合、野鳥への申し訳なさや、自分に何か出来ることはなかっただろうか、と落ち込んだり後悔の念にかられることがあります。

 そんな中、今回のように元気な状態ですぐに野生に返せたことは、ウミスズメだけでなく、職員はもちろん、一丸となりリレーを繋いだ全ての人にとっても大変喜ばしいことで、小さな野生から大きな力を与えられたことと思います。

 翼を大きく羽ばたかせ、たくさんの試練が待ち受ける自然界に帰っていく勇敢なウミスズメの姿を思い返す度に、私の中からも沸々と力が沸いてくるような心に残る業務でした。

 

今回、ウミスズメの保護・収容・処置等にご協力いただいた旭山動物園、旭岳ロープウェイ、旭岳ビジターセンターの皆様、ありがとうございました。

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