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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

釧路川カヌー巡視

2006年08月23日
釧路湿原
水遊びが気持ちいい夏、釧路湿原ではカヌーによる川下りが人気を集めています。

というわけで川下りに仲間入り。8月14日に釧路川をカヌーで巡視しました。
区間は塘路湖から細岡地区のカヌーポートまでの約10?。2時間程度と手頃な時間で下ることができるためか、利用者が多いポイントです。巡視途中にも何艇かのカヌーと出会いましたが、ゆったりとした川の流れと静寂に包まれる湿原を満喫している様子でした。

さて巡視中、可能な範囲でゴミ拾いを行いましたが、川の中のゴミの量、そして回収作業の困難さは想像以上でした。
ゴミが集積している地点はヤナギの藪や流木などの障害物が複雑に入り組んでおり、流れも速く、回収以前にゴミへの接近が困難でした。各ゴミのたまり場で流木のダムを足場にしたり、パドルでゴミをたぐり寄せたりと悪戦苦闘しつつ回収できたのは1/3程度の量。それでも数?の区間で特大のゴミ袋3つがいっぱいになりました。

ゴミの中には、納豆のパックや洗剤のボトル、調味料の瓶といった「生活ゴミ」が多く、冷蔵庫のフタや消火器などの粗大ゴミも含まれていました。今年春、釧路湿原を横断する道路沿いでゴミの不法投棄が発覚したのは記憶に新しいところ。人の生活圏と接している釧路湿原では、住民が普段の生活の中で出すゴミの扱いに配慮する必要性が高いことを、改めて目の当たりにさせられた結果でした。

とはいえ、視点を変えて湿原を中から覗くことができるのもカヌーの魅力。もうしばらくは川下りを楽しめるシーズンが続きます。
釧路湿原自然再生協議会では、安全上の注意点や自然環境への配慮などを取りまとめた「釧路川保全と利用のカヌーガイドライン」を作成しています。川下りをされる方は是非参考にして下さい。

釧路湿原自然再生協議会HP釧路川保全と利用のカヌーガイドライン
http://www.kushiro-wetland.jp/news/canoe/


ゆったりとした釧路川の流れ


ゴミの集積箇所


流木を足場にしてのゴミの回収作業