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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

小さな宇宙

2007年05月02日
稚内
利尻島に湿原があることはあまり知られていません。

島の南部にある南浜湿原も、そのひとつです。
ここは、利尻山の火山活動の一時期に出来た側火山の爆裂
火口跡に生まれた湿原で、ギザギザした利尻山の稜線を背
景に、ミズゴケの赤い絨毯が広がる素敵なところ。
しかし、国立公園に指定されているわけでもなく、ひっそ
りと小さな漁港のそばにたたずんでいて、観光シーズン前
の今は、近所の人達のお散歩コースになっています。

南浜湿原メヌウショロ沼(06.5.16.撮影)
「日本の重要湿地500」に選ばれています。


今は、ちょうど「萌え?♪」の時期。

まだ寒々しい風景の中、ミズバショウの清楚な白い苞が、
太陽を指さすように咲いています。
「なんて、けなげでたくましいんだろう。」
と、少し感動。。

天を指す水芭蕉(以下全て07.4.25.撮影)


他にも、子犬のようなワタスゲの花(地味)。
キバナノアマナやザゼンソウが咲きはじめ、しょぼくれて
いたヒメシャクナゲの幹も、水分を吸い始めたのか徐々に
シャキッとしてきました。

春の湿原の植物はどれも小さくて、屈まないとよく観察で
きません。動きやすい服装で、小さな宇宙を散策してみま
せんか?

きっと新鮮な喜びが待っていますよ!


キバナノアマナ
 昨秋枯れたヨシが、雪の重みで倒されて、そのままフリ
ーズドライされています。それは、遅霜から花を守る天然
の毛布のようです。

ワタスゲ
 今は花の時期。見つけられるでしょうか?地味にむっく
りと咲いています。