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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

火山を体験!!

2007年07月20日
洞爺湖
 7月10日に子どもパークレンジャーとして地元の洞爺湖温泉小学校5・6年生24名と「火山を体験しよう」をテーマに洞爺湖の近くにある普段は入ることのできない有珠山の外輪山内へ行きました。アドバイザーとして火山の研究をされている宇井先生に、火山の仕組みや有珠山がどのように変化してきたかなどをお話ししてもらい、子ども達が感じたこと見たこと不思議なことを写真に撮って、ワークシートに記録しました。
 各グループが温度計を片手に地表の温度を測ったところ85℃近くあるのにびっくりした様子。そして自分たちが立っている地面の下にはマグマが潜み、断層がずれているのを見てマグマが動くことを知りました。外輪山内に入ると穴を見つけました。その穴はそこに立っていた木が燃えて倒れた跡の穴。「深?い!」という声。さらに奥に歩くと、イタドリが点々にあり、岩がごろごろした荒涼地帯に1977年噴火の銀沼火口があり、今は火山灰や噴石で重なった地層が見ることができます。昔、ここには森と沼と牧場で魚も棲んでいました。また、その頃の写真を見せると「牛がいる!」と子ども達ははたまたびっくりしていました。遠くに目を向けると有珠山頂上部は平らで「どうして平らなの?」という質問。「実は今君たちがいる場所とあそこの平らな部分はつながっていたんだ。地面が約200m弱あそこまで隆起したんだ。」なんとも信じがたい面持ち。銀沼から少し歩くと未だに噴気現象が活発な一帯があり火山性ガスがもくもくあがっています。その辺りは地表温度は300℃近くにもなり場所によって地表の温度が変わることも知りました。
1977年噴火は彼らはまだ生まれていませんが2000年噴火は小さい頃に体験しています。そして今後も噴火が起きる可能性はあります。でもこの洞爺湖周辺は昔から火山と人とが共生してきた場所です。まずは火山がどんなものなのか?を知ることが大切です。今回子ども達は、普段の生活の中で何気なく見ている有珠山に行き、火山の不思議を肌で感じたことでしょう。
 次回は「火山の歴史を感じよう」がテーマで噴火の年代順に火口の植物調査をする予定です。


地表の温度を測る!


銀沼火口をのぞく!

広い外輪山内を歩く!