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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

オンネトー自然探勝会

2007年07月31日
阿寒湖
 
 7月22日(日)、阿寒湖畔エコミュージアムセンター主催の自然ふれあい行事「オンネトー自然探勝会」が催され、巡視を兼ねて行事に参加協力してきました。
 
 今回の行事の一般参加者は7名、スタッフは9名、あわせて16名での自然探勝会となりました。当初、一般参加者は倍以上の人数が見込まれていましたが、なぜか阿寒地域以外の釧路、弟子屈、網走地方では、どしゃぶりの大雨の天気だったようで、急遽行事への参加をキャンセルされる参加者の方もみられました。なぜか阿寒地域だけ『台風の目』のような天気で、幸運にも自然探勝会日和となり予定どおり行事が行われることとなりました。
 
 今年度のオンネトー自然探勝会の散策コースは、雌阿寒岳温泉を出発し、オンネトー野営場を通り、最後の目的地であるオンネトー展望台を目指すルートでした。主な見どころは、雌阿寒温泉からすぐの湿地帯。ここをじっくり観察しながら歩くと、赤褐色の水面を見ることができます。これは、水底に鉄鉱(酸化鉄)が堆積しているためと言われています。



赤褐色の水面(湿地帯)



 湿地帯を過ぎると、まただんだんと植生が変化し、高く真っ直ぐそびえるアカエゾマツの純林に出会いました。「アカエゾマツの純林?」とお思いになる方もいらっしゃるかもしれませんが、丁度見頃を迎えていたハクサンシャクナゲとともに見るその光景は本当に美しいもの。スタッフの解説によると、アカエゾマツは他の樹木が育ちにくい厳しい環境のところでも生育できるという特徴を持っていて、逆に条件の良い環境では他の木との競争に負けてしまうのだそうです。静寂した森に包まれながら、改めて自然のたくましさを目の当たりにしました。


アカエゾマツの純林



ハクサンシャクナゲ

 
 アカエゾマツの純林を過ぎると、ようやく青いコバルトブルー色に輝く水面、「オンネトー」が見えてきました。昼食場所は、そのオンネトーをゆっくりと眺めることのできる、湖畔にあるオンネトー野営場。皆それぞれ思い思いのところで、昼食をとりました。


コバルトブルー色したオンネトーの湖面
 
 昼食後は、オンネトー野営場から再び歩き、最後の目的地、オンネトー展望台にたどり着きました。オンネトー展望台は、よく晴れた日にはコバルトブルー色のオンネトーの湖面と雌阿寒岳、阿寒富士を望むことができ、多くの観光客が訪れる名所となっています。この日は、雌阿寒岳の山頂部分が雲で少し隠れてはいましたが、オンネトー展望台からの美しい景色を望むことができ、参加者もスタッフも皆さん満足されていました。最後に展望台で記念写真を撮り、車で雌阿寒温泉に戻り現地解散しました。



オンネトー展望台にて

 
 誰一人ケガもなく、楽しくオンネトー周辺の生き物を観察することができ、なによりの自然探勝会でした。オンネトーへの利用者の多くは、オンネトー展望台や雌阿寒温泉に集中していますが、今回の自然探勝会で散策したコースは、なかなか表では見ることのできないもうひとつのオンネトーの美しい自然の姿を見ることができる素敵なコースでした。