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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

これは?

2007年08月07日
川湯
みなさんはじめまして。川湯ARの五月女拓磨です。

世の中には変なものがたくさんあります。普段気にしなければ気にならないのに、一度気になってしまうと、気になりっぱなしになってしまうものです。
今回は7月25日に和琴半島の探勝路で、私が出会った『変なもの』について書きたいと思います。

ちなみに和琴半島とは屈斜路湖に突き出た半島で、探勝路は一周4km程度と短く、誰でも手軽に自然を満喫でき、数多くの植物や鳥類と出会える場所であるため散策におすすめです。また火山の影響を受けて地熱が高く、冬でも凍結しない場所があるため、多くの生物の生息を可能にしています。中でも和琴のミンミンゼミは生息の北限地として国の天然記念物にも指定されています。

そんな和琴半島での『変なもの』との出会いは突然でした。
彼(?)は、たった1個体のみで佇んでいました。ますます変だ…


これが変なもの。
葉はないし、なんかビヨーンと出ているし…。
とにかく、目立つようで目立たないやつでした。


アップ写真!
近づいてはじめてランの仲間だと気づきました。


変なもの改め、ランの仲間と思われる植物を、帰ってから図鑑で調べるとオニノヤガラというラン科の植物だと分かりました。真っ直ぐに伸びた花茎を鬼の使う矢に例えたことから『鬼の矢柄』という名前がついたのだそうです。
葉緑素を持たない腐生植物で、ナラタケ菌と共生をしています。だから、葉が見あたらなかったんです。

和琴半島にはまだまだ『変なもの』がたくさん潜んでいるはず。ぜひ探してみて下さい。
ただし、蚊があなたの血液を求めて、まだまだ飛んでいます。献血するつもりがないのであれば、きちんと虫除け対策は行っておいてください。


参考文献
 監修/林弥栄 写真/平野隆久 解説/畔上能力・菱山忠三郎・西田尚道(2002)山渓ハンディ図鑑1 野の花.山と渓谷社