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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

摩周湖の夏景色

2007年08月22日
川湯
こんにちは。川湯ARの五月女拓磨です。
めっきり暑くなりましたね。川湯でもここ最近は真夏日が続くなど、ちょっと異常です。大丈夫か?地球!
そんな夏の暑さを遠くの彼方へぶっ飛ばす神秘の湖「摩周湖」の夏景色を今日は紹介します。


この写真は8月12日に摩周第三展望台にて撮影した摩周湖(カムイトー)です。
摩周湖は約7000年前の巨大な噴火によってできたカルデラ湖で、かつてシベリアのバイカル湖を抜く41.6mという透明度を記録し、世界一を誇りました。現在、透明度は減少しているものの、その美しい「摩周ブルー」の湖は、今なお健在です!
ちなみにカルデラとはポルトガル語で「ナベ」という意味です。

こっちは8月15日に摩周第一展望台から撮影した摩周湖。
摩周第三展望台とはまた違った顔の摩周湖が見られます。ちなみに向かって右に見える山が摩周岳(カムイヌプリ)、向かって左に見える小さな島はカムイシュ島です。
カムイトーはアイヌ語で「神の湖」、カムイヌプリは「神々が宿る山」、カムイシュ島は「神となった老婆」という意味です。

なぜ、カムイシュ島は老婆なのでしょうか?
それにはこんな伝説があるからなのです。

【昔、稚内のコタンの強い酋長がだまし討ちにあい殺されてしまいました。酋長の母は孫を抱き、闇にまぎれて逃げました。しかし、老婆は山野を逃げまどううちに命より大切な孫を見失ってしまいました。愛する孫をいく日も探し続けて摩周湖のほとりまで来た老婆は、カムイヌプリに一夜の宿をお願いしたところ、快く引き受けてくれました。老婆はそのまま悲しみと疲労で動けず、摩周湖のカムイシュになってしまいました。今でもこの島に人が行くと、孫が来たのかとうれし涙の雨や雪を降らせるということです。】

ちなみにこのカムイシュ島。実は山の頂上部が少し顔を出したもので、湖の中には標高240m程度の山が隠れているのです。驚きですね。

参考資料 弟子屈町HP