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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

御神渡り出現

2007年12月13日
釧路湿原
釧路湿原の東側には、かつて海であった名残の湖が点在します。
この季節、凍った湖面に「御神渡り(おみわたり)」が出現しはじめます。

御神渡りは、湖の氷が寒暖の差で収縮と膨張を繰り返し割れ目から隆起していく現象です。
塘路湖に例年より10日ほど早く出現したと情報が入り、早速確認しに行きました。が・・・


収縮と膨張を繰り返すということは、いつも盛り上がっているとは限らない・・・。
私が行った時は氷が緩んで水面がのぞいていました。
高さは今ひとつでしたが、対岸まで見事に一筋に続いている様子がうかがえました。
辺りには氷がぶつかりあう「ミシミシ」「パキン」という音に混じり、これも氷が動くことで出るものなのでしょうか?
音叉のような、あるいは動物が啼いているような、何とも表現しようのない微かな音が響いていました。
この音も「御神渡り」と表現される理由かと思う神秘的な印象を受けましたが、人によって感想は異なるようです。
あなたの耳にはどう響くのでしょう?
氷の織りなす湿原の世界を堪能しに、是非足を運んでみて下さい。

御神渡りは寒さが厳しくなるにつれ高く盛り上がり、その表情を刻々と変え見応えも増していきます。
塘路湖エコミュージアムセンターのスタッフによると、塘路湖で御神渡りができる場所は今回の地点を含め3カ所ほど。
但し、御神渡りの見やすい場所がわかりにくい場合や、見に行く際に私有地を通らせてもらう場合もあるとのことです。
エコミュージアムセンターに立ち寄り、詳しい情報を確認してから見に行くことをおすすめします。

同じ湿原東側のシラルトロ湖、達古武湖も御神渡りができはじめているので、そちらに足を伸ばして観察することもできます。
いずれの湖もまだ氷が不安定なので、必ず岸から観察して下さい。


エコミュージアムは現在改装中ですが、通常どおり開館しています。
映像展示などもリニューアルしたので、是非お立ち寄り下さい。
冬期開館時間 10:00~16:00 
休館日 毎週水曜日 及び 年末年始(12月29日~1月3日)


湖の氷の状態が水鳥の行動を左右することも。
シラルトロ湖では奥のほうで羽を休めていることが多いヒシクイ。
この日は国道沿いから観察できるわずかな開氷面に集中していた。
全面が氷で覆われる日が続くようになると南へ渡るため、姿が見られなくなるのもそろそろ。