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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

幻の白湯山スキーハイキング

2008年03月10日
阿寒湖
  
3月2日(日)。晴れ。今年度最後の自然ふれあい行事「白湯山スキーハイキング」に参加してきました。
  
10:00 阿寒湖畔スキー場に集合。身の回りの準備を整えたら、リフトに乗って今回のコースのスタート地点であるリフト終点へ向かいました。


▲リフトに乗ってスタート地点(リフト終点)へ向かう参加者の方々

 
10:30 リフト終点に辿りつき、準備運動をしていざ出発。はじめは登りでもっとも傾斜のきついところでした。皆さん苦戦しつつも階段登行などでなんとか一歩一歩登っていました。傾斜のきついところから登りつめやっと平坦になってきました。



▲階段登行で登る


11:30 針葉樹を避けながら先へと進むと、次第に雪の少ない開けた場所に辿りつきました。それは、今回のコースの見どころのひとつでもある「白湯山展望台」です。展望台周辺の雪が少ないのは、地熱があるためです。「白湯山」の名前の通り、ところどころに白い湯気が立ち昇っているのを観察することができます。この展望台からは、天候がよければ雄阿寒岳や阿寒湖、雌阿寒岳などが一望できます。参加者の方々は、その雄大な景色を前に思い思いに今回のハイキングの記念にたくさん写真を撮っていました。スタッフによる自然解説が終わると、最後に全員で記念撮影。


▲針葉樹が凛とそびえ立つその姿はとても美しかった


▲白湯山展望台に到着


▲白湯山展望台にて


▲白湯山展望台からの景色(右に見える山が雄阿寒岳、正面の白い部分が結氷した阿寒湖、その手前の湖畔が阿寒湖温泉街)


12:30 展望台を後にし、アカエゾマツやトドマツの木々を抜けて一端南東方向へと下っていくと昼食場所の三叉路に到着。風の当たらない木々の間で、昼食をとりました。

13:00 再度点呼をとって、参加者及びスタッフ全員がいることを確認すると、ダケカンバの純林をめざし、いざ出発。次第に針葉樹の森を過ぎると、突如ダケカンバだらけの森にでました。このダケカンバの森は、大正初期に山火事が発生し、その後、荒地にいち早くダケカンバが再生した一斉林だといわれています。ダケカンバの木々の間をうまくすり抜けて、参加者の皆さんは思い思いの場所をスキーで滑って楽しんでいました。


▲ダケカンバの純林


15:00 林道を滑り下りてゴール地点の大島前の駐車場につき、スタッフの車で阿寒湖畔スキー場へ移動し、再び集合場所に戻ってきました。ここで閉会式を行い、解散。皆さんケガもなく無事、行事を終えることができなによりでした。
 
  この「白湯山スキーハイキング」は、一昨年、昨年と天候に恵まれず、吹雪のため当日中止となっていたイベントでした。スタッフの間では、「幻の白湯山スキーハイキング」とまで呼ばれていました。今回はようやく天候に恵まれ、私が阿寒に来て3年目にして、初めてこのハイキングに参加することができました。冬でしか見られない阿寒の森を観察し、白湯山展望台からの雄大な阿寒カルデラの景色を眺め、ダケカンバの純林など植生の変化を楽しめる見どころ満載のスキーハイキングでした。