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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

はじまして

2008年04月11日
羅臼
羅臼自然保護官事務所に4月から赴任した、アクティブレンジャー(以下AR)の後藤 菜生子です。
3月まで東京の専門学校で自然環境保全、野生動物保護などを学び、このたび羅臼でARとして活動することになりました。
羅臼でARとして活動できる機会を与えてくださったことに感謝しながら、持てる力を精一杯発揮し、ここ羅臼を目一杯楽しみながら活動していきたいと思っています。
そして、このAR日記を読んでくださる多くの方々に、羅臼の自然の素晴らしさと私たちARの活動をお伝えしたいと思っています。


4月9日、羅臼岳に残雪状況・自然環境状態の把握のため巡視に行ってきました。連日の雪・濃霧にも関わらず、この日は見事な晴天に恵まれました。
今の時期でも山には雪があり、入山するにはスキーやスノーシューが必要になります。私たち(若松自然保護官・木村AR・後藤)はゾンメルスキーというスキーを装着して入山しました。このスキーは山を歩くためのスキーで、歩きやすいように踵が上がり、板の裏には斜面を登るときに滑らないよう、シール(アザラシの毛皮)がついています。その他にも、アイゼンやピッケルに加えビーコン,ゾンデ,スコップの雪崩対策3点セットを装備しての入山です。


雪の斜面に苦労する木村ARと後藤

岩肌や登山道がところどころ出ていたり、スキーを装着しては進めない所ではスキーを脱いで進みます。
しかし雪は見た目以上に深く、うっかりすると腰まで埋まってしまいます。また、雪質もくされ雪といわれる水分を多く含む雪で、重さがあるのでただ歩くだけでも体力を消耗してしまいます。
斜面では踏み外し滑ってしまうことを考えると、慎重になります。
また、この時期は雪崩の危険もあり、注意して進む必要があります。
ただでさえ歩くのに困難な状況なのに、それらも注意して進むなんて…。

その上空では…


雪の斜面に悪戦苦闘する私たちの上空を、オオワシが悠々と旋回していました。
まるでおもしろいものを見るかのようにしばらく旋回した後、壁を越え飛翔していってしまいました。

この日、羅臼の自然の素晴らしさと厳しさの一部を知り、羅臼岳の洗礼を受けたような気がしました。
今後も、私たちが定期的に行う巡視の中で得た、最新の自然情報や羅臼の情報を中心にお届けしていきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いします。