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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

春の訪れ

2008年05月12日
羅臼
ゴールデンウィークも終わり、本州では汗ばむ日も多く季節は春まっさかりを通り越し初夏に近い?!といったところでしょうか。
本州の情報を耳にしながらも、道東の先端にある知床半島にはなかなか春が到着しないなぁと思っていました。
羅臼岳を始め山々には雪が残り、知床峠ではひんやりと冷たい空気も流れます。でもようやく最近になって春の気配を感じるようになりました。

今日は羅臼の春の光景、春の使者の一部をみなさんに紹介します。

羅臼岳と羅臼川

羅臼町の中心を流れる羅臼川。その河口に掛かる羅臼橋から、羅臼川を背に羅臼岳を望むことができます。真ん中に見えるのが標高1661mの羅臼岳です。まだ若干雪が残っているのがわかります。
1ヶ月前には雪で真っ白だった羅臼川の両岸には、フキノトウが芽吹き、さらにはフキの葉で岸一面緑色になりました。
羅臼川の寒々しく聞こえた水の流れも、今では軽やかに聞こえます。


カラスがエゾシカの毛抜き

この写真はあまりはっきりしませんが、エゾシカはただいま夏毛に向け、冬毛の抜け替わりの時期にあります。その冬毛をカラスがエゾシカの背中に乗り、毛を抜いているところなんです。
なぜ?!
カラスは抜けるエゾシカの冬毛を巣作りの材料にするそうなんです。エゾシカにとっては暑い冬毛を抜いてくれるカラス、カラスにとっては巣材を提供してくれるエゾシカ、といったところなんでしょうか。
それにしても面白い光景ですよね。


エゾエンゴサク開花中!

樹木の芽吹きもようやく見られるようになり、段々と色づき始めた羅臼。草花の開花も徐々に見ることができるようになりました。
その中でも、開花の早かったエゾエンゴサク。背丈も低く、小さな花ですがきれいな青紫色が目を引きます。
こんな小さな花をつけるエゾエンゴサクが、厚い雪の下で長い冬を乗り越え開花したのだと思うと、春の日の暖かさと自然の中でたくましく生きる力強さを感じずにはいられません。