アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
2008年4月27日 第1回 洞爺湖湖底クリーンナップ
2008年05月19日
洞爺湖
UWクリーンレイク洞爺湖
(UW=アンダーウォーター。水中。)
私たちのウチダザリガニ事業も3年目に突入し、これまでの活動が功を奏したのか、今春、地元の方が立ち上がってくれました。昨年度、なんとかして駆除を引き継いでくれる団体を… という思いで四苦八苦してきた私にとってはまさに救世主。「UWクリーンレイク洞爺湖」はその名のとおり、水中環境をはじめとした洞爺湖の自然を守り「洞爺湖を次世代に美しく残す」ことを目的として発足した団体です。
今、この団体を中心に洞爺湖のウチダザリガニが大きく動き始めています。サミット効果もあってか、代表の室田氏は取材攻勢により大忙しで、同団体のホームページへのアクセスも急増中だとか。
団体発足後、第1回目のイベントとなりました「洞爺湖湖底クリーンナップ」。私たちもお手伝いとして参加させて頂きました。湖畔での水中清掃・引き揚げたゴミの仕分け、ザリガニの駆除・測定を行った第一部と、洞爺湖ビジターセンターにて環境学習会、ダイビング体験を行った第二部の二部制で開催され、参加者総勢120名というビッグイベントとなり、注目度の高さを再確認いたしました。
ウチダザリガニの生態について子どもたちに説明をするUWクリーンレイク洞爺湖代表 室田氏
一般の参加者は地元の子どもたちとその親が中心で、湖畔での作業では、初めて見る巨大なザリガニと、水中から次々と引き揚げられるゴミの数々に驚きの声をあげていました。午後から開催されたビジターセンターでの学習会では、それらが環境に与えるダメージについて学び、ダイビング体験では実際にレギュレーターをくわえ、水に顔をつけブクブク…。「すごい!水の中でも息ができるよ!」子どもたちの楽しそうな顔が印象的でした。もしかしたら、将来ダイバーになって洞爺湖のウチダザリガニを駆除する子が出てきたりして。
ダイビング体験に夢中になる子どもたち。 協力:マリンハウスロビンソン
学習会の中で講演していただいた同団体理事である写真家、田中正文氏ことサミーさんの写真芝居には、私も改めて考えさせられました。
「おおきな手のものがたり」と題され、美しい写真の数々を使用した写真芝居。その内容はこうでした。
洞爺湖に住むウチダザリガニの内田ザリ男さんとザリ子さん夫婦(笑)。昔々、彼らの祖先は遠いどこかから、神様によって日本に連れて来られたのだとか。ある日突然「おおきな手」が現れて、ザリ男さんを死刑にしました。続いてザリ子さんも「おおきな手」に捕まりそうになりました。お腹に赤ちゃんをいっぱい抱いたザリ子さんは、「どうか子どもたちだけは助けて!」と叫びましたが、赤ちゃんもみんな「おおきな手」に捕まって死刑にされました。
おおきな手は神様の手?おおきな手は人間の手。私たち人間は、ほかのいろんな生きものを生かすことも殺すこともできるのです。人間の手によって洞爺湖にやってきたウチダザリガニ。彼らはただ懸命に生きようとしているだけなのです。どうして死刑にされなければいけないの…?
サミーさんの写真芝居に聞き入る子どもたち
昨年度、8761尾のウチダザリガニを死刑にした張本人として、わかっていながら心が痛みました。
UWクリーンレイク洞爺湖さんのような地元の有志が、地元の子どもたちに外来生物問題をはじめ、様々な環境問題を伝えていくことは非常に大切なことです。資金調達から各イベントや調査捕獲の調整等、本当に苦労されていると思いますが、それにめげず、今回のようなイベントをどんどん開催し、サミット開催地であります洞爺湖の自然を末永く守っていただけたらと思っています。及ばずながら、これからも地元アクティブレンジャーとして協力していくつもりです。また、これを読んで下さった方々に、現場最前線で頑張っている方へのサポートをお願いしたいと思います。アピールだけの派手な環境活動なんかより、地元の子どもたちの心に響くような活動が増えることを願って。それこそが環境問題解決への第一歩なのではないでしょうか。
UWクリーンレイク洞爺湖ホームページ
http://cl-toyako.hp.infoseek.co.jp/
(UW=アンダーウォーター。水中。)
私たちのウチダザリガニ事業も3年目に突入し、これまでの活動が功を奏したのか、今春、地元の方が立ち上がってくれました。昨年度、なんとかして駆除を引き継いでくれる団体を… という思いで四苦八苦してきた私にとってはまさに救世主。「UWクリーンレイク洞爺湖」はその名のとおり、水中環境をはじめとした洞爺湖の自然を守り「洞爺湖を次世代に美しく残す」ことを目的として発足した団体です。
今、この団体を中心に洞爺湖のウチダザリガニが大きく動き始めています。サミット効果もあってか、代表の室田氏は取材攻勢により大忙しで、同団体のホームページへのアクセスも急増中だとか。
団体発足後、第1回目のイベントとなりました「洞爺湖湖底クリーンナップ」。私たちもお手伝いとして参加させて頂きました。湖畔での水中清掃・引き揚げたゴミの仕分け、ザリガニの駆除・測定を行った第一部と、洞爺湖ビジターセンターにて環境学習会、ダイビング体験を行った第二部の二部制で開催され、参加者総勢120名というビッグイベントとなり、注目度の高さを再確認いたしました。
ウチダザリガニの生態について子どもたちに説明をするUWクリーンレイク洞爺湖代表 室田氏
一般の参加者は地元の子どもたちとその親が中心で、湖畔での作業では、初めて見る巨大なザリガニと、水中から次々と引き揚げられるゴミの数々に驚きの声をあげていました。午後から開催されたビジターセンターでの学習会では、それらが環境に与えるダメージについて学び、ダイビング体験では実際にレギュレーターをくわえ、水に顔をつけブクブク…。「すごい!水の中でも息ができるよ!」子どもたちの楽しそうな顔が印象的でした。もしかしたら、将来ダイバーになって洞爺湖のウチダザリガニを駆除する子が出てきたりして。
ダイビング体験に夢中になる子どもたち。 協力:マリンハウスロビンソン
学習会の中で講演していただいた同団体理事である写真家、田中正文氏ことサミーさんの写真芝居には、私も改めて考えさせられました。
「おおきな手のものがたり」と題され、美しい写真の数々を使用した写真芝居。その内容はこうでした。
洞爺湖に住むウチダザリガニの内田ザリ男さんとザリ子さん夫婦(笑)。昔々、彼らの祖先は遠いどこかから、神様によって日本に連れて来られたのだとか。ある日突然「おおきな手」が現れて、ザリ男さんを死刑にしました。続いてザリ子さんも「おおきな手」に捕まりそうになりました。お腹に赤ちゃんをいっぱい抱いたザリ子さんは、「どうか子どもたちだけは助けて!」と叫びましたが、赤ちゃんもみんな「おおきな手」に捕まって死刑にされました。
おおきな手は神様の手?おおきな手は人間の手。私たち人間は、ほかのいろんな生きものを生かすことも殺すこともできるのです。人間の手によって洞爺湖にやってきたウチダザリガニ。彼らはただ懸命に生きようとしているだけなのです。どうして死刑にされなければいけないの…?
サミーさんの写真芝居に聞き入る子どもたち
昨年度、8761尾のウチダザリガニを死刑にした張本人として、わかっていながら心が痛みました。
UWクリーンレイク洞爺湖さんのような地元の有志が、地元の子どもたちに外来生物問題をはじめ、様々な環境問題を伝えていくことは非常に大切なことです。資金調達から各イベントや調査捕獲の調整等、本当に苦労されていると思いますが、それにめげず、今回のようなイベントをどんどん開催し、サミット開催地であります洞爺湖の自然を末永く守っていただけたらと思っています。及ばずながら、これからも地元アクティブレンジャーとして協力していくつもりです。また、これを読んで下さった方々に、現場最前線で頑張っている方へのサポートをお願いしたいと思います。アピールだけの派手な環境活動なんかより、地元の子どもたちの心に響くような活動が増えることを願って。それこそが環境問題解決への第一歩なのではないでしょうか。
UWクリーンレイク洞爺湖ホームページ
http://cl-toyako.hp.infoseek.co.jp/