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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

巡視場所紹介③

2008年07月02日
羅臼
 みなさん、こんにちは。
木村ARの投稿に引き続き、私たちが定期的に行っている巡視場所の紹介をしたいと思います。

 第3回目の今回は、私たちが「相泊」と呼んでいる巡視場所の紹介です。
「相泊」とは?

 知床半島は先端部まで車道は通っていません。途中までしか車道はないので、知床半島に車で行ける最北東端の地が「相泊」という地名の場所です。
 羅臼町内から道道87号知床公園羅臼線を北上し終点の相泊まで約24㎞、その往復約48㎞の行程が、私たちが「相泊」と呼んでいる巡視場所です。

相泊巡視では
・施設利用状況の把握
・利用者動向の確認
・自然状況の把握
を主な調査項目として、巡視を行っています。


オジロワシ

 相泊に向かう道路沿いでは、よくオジロワシを見かけます。ここには、繁殖している番(つがい)がいるのです。手前に写っているのはハシボソガラスですが、大きさの違いがよく分かると思います。
 海岸や木の上にとまっている姿や、上空を飛翔している姿などを目撃することができます。
 他にも、冬場はたくさんのカモ類などの水鳥を海上に見ることができますし、現在山側では様々な夏鳥のさえずりを聞くことができます。


ヒカリゴケ

 北海道指定天然記念物の一つで、マッカウス洞窟に自生するヒカリゴケです。幻想的なグリーン色を放つヒカリゴケは、そのものが光を放っているのではなく、ヒカリゴケの茎にあるレンズ状の細胞に光が反射し、光っているように見えるのです。神秘的な光です。見る角度によって光の強さなどが違って見えるので、方向を変えて見てみるといいですよ。


くじらの見える丘公園(羅臼漁港も見えます)

 ざいもく岩トンネル上には羅臼灯台があり、その隣にくじらの見える丘公園があります。
 羅臼の海では8種類のクジラの仲間や、シャチやイルカが確認されています。
丘からクジラやシャチの姿を観察できるのは日本でもここ羅臼だけ! くじらの見える丘公園はその観察にとても適している場所なんです。
 丘からクジラの噴気が見えるなんてすごいと思いませんか?!しかも、今年はシャチの目撃件数が多いらしく、高い確率で確認されているようですよ!


 また、道道87号知床公園羅臼線沿いには相泊温泉とセセキ温泉という温泉があります。どちらも海の向こうには国後島を眺めることもでき、開放的な温泉です。
 相泊温泉は日本最北東端の温泉です。6月下旬から8月末(日程は要問い合わせ)には浴槽を囲う屋根付きの小屋が掛けられ、脱衣所と浴槽が男女別になります。期間中でも高波の影響で小屋を撤去する場合もありますのでご注意を。
 セセキ温泉は「北の国から2002遺言」で撮影地になった温泉です。こちらは番屋の方が個人で管理している温泉ですので、入浴の際は必ず管理人の方に声をかけてくださいね。入浴料は無料ですが、清掃協力金として寸志をお願いします。また、写真を撮るだけでも、個人の敷地に入るわけですから、管理人の方にひと言お断りをお願いします。
 どちらも海岸にある温泉なので、入浴可能な期間や時間帯があります。また、特に女性の方は脱衣所などの設備等の情報を、事前に確認してからお越しください。
 地元の漁師さんを始め多くの方々が利用する温泉です。ルール・マナーを守って気持ち良く入浴しましょう。

 山も海も動物も植物も温泉も楽しめる、道道87号知床公園羅臼線。
知床半島の最北東端にぜひ、いらしてみては?!