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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

洞爺湖環境体験プログラム

2008年07月03日
洞爺湖
 6月25日、「洞爺湖から贈る人と自然の明日へのメッセージ」をテーマに北海道地方環境事務所主催で、ITや観光メディア・報道関係者を対象に、洞爺湖地域で可能な環境体験活動(エコツアー)を行いました。これは、サミットを契機に、支笏洞爺国立公園「洞爺湖」地域の自然環境に国内外から関心が高まる中、洞爺湖の自然を国内外に発信していきたいという思いから行われました。海外の方を含めた10名の参加があり、洞爺湖ビジターセンター・火山科学館を出発し、午前は2000年噴火の影響を受けた西山山麓火口散策路へ、午後は中島へ行きました。

 快晴の中、西山山麓火口散策路では、噴火活動によって隆起した旧国道や、火口群を見学し、火山の仕組みを知りました。噴火してから8年経った今もところどころ噴気を上げていて、地熱も高く温度は約90℃も超える場所の中を歩きます。また、被害を受けた住宅やお菓子工場を見ながら、そして、ノビタキ、キビタキ、ノスリなどの野鳥観察もしながら火山の威力を感じ、それに適応して存在するたくましい生き物たちの生活を垣間みました。


【西山火口散策路のみなさんの様子】

 中島では、エゾシカが落ち葉を食しているところや、冬場死んだであろうエゾシカの死骸、木々の下の笹がエゾシカによって全て食べられてしまった林内の中を歩き、またオニグルミの木でエゾリスが食事中の風景を観察し、人間と動物との関わり合いについてを考えさせられるプログラムでした。


【中島のエゾシカ。落ち葉を食べています】

 終了後、参加者と主催者側で意見交換を行いました。今回の様なエコツアーで、火山の植生の変化を見ることができるというのは将来の可能性のあるテーマだ、また参加して帰ってから今回体験したことが自分の生活とどのように結びつけることができるか?など参加者からの貴重なご意見を聞くことができました。
 火山を間近に感じたり、中島に見るようなエゾシカと食害の問題を通して、人と自然の関わり方の重要なメーッセージが洞爺には隠されています。


【ある場所で木々の額縁から中島が見えました】