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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

美味しい火山のお話

2009年01月15日
洞爺湖
 新年の有珠山や羊蹄山は年末の降雪によりすっかり麓まで雪に覆われました。
 先月、洞爺湖ビジターセンター屋内行事として“キッチン火山”を行いました。キッチン火山ってご存じですか?食べることの出来る材料で火山活動を再現し、その仕組みを知ってもらおうという実験です。参加者は親子合わせて7名。まずは、ビジターセンターのパネルや航空写真を使って、地球のマグマや、洞爺湖周辺の火山のお話をして実験に入りました。

さあ実験だ!潜在ドーム・溶岩ドーム出来るかな?!

 有珠山周辺の火山活動で特に重要なのが、潜在ドームと溶岩ドーム。昭和新山や四十三山も地表面近くにあるマグマが地面を押し上げて隆起して出来ました。穴をあけた板にココアパウダーをふりかけてゆるやかな大地を作ります。その後、チョコレートと水あめを混ぜてマグマに見立てて、板の下の穴からぐんぐんお菓子用の注入器で押し上げます。子ども達は真剣。すると・・・・ココアパウダーの表面が盛り上がってきます。その姿が潜在ドーム。そしてさらに注入していくと、なんとココアパウダーの表面からマグマ(チョコと水あめ)が姿を現します。マグマが地表に出てきたら、それは溶岩ドーム。参加者のみなさんそれぞれが、むくむく盛り上がるドームに興味津々の様子です。

溶岩ドームできました!!感動!

 次は、カルデラのでき方。洞爺湖もたんなる湖ではなく実は約11万年前の噴火によっって出来たカルデラです。そのカルデラに水が溜まって洞爺湖になりました。そのカルデラが出来る様子を美味しく再現してみました。小さな穴をあけた板の上にアルミホイルでまあるく囲んだ中に水あめを注ぐ。その上に見えなくなるくらいにココアパウダーを振りかける。そして最後に穴をふさいでいたティッシュペーパーを一気に抜くと・・・みるみるうちに水あめがその穴から落ちてきて、水あめを入れていたところが陥没。上から見ると、まさしく洞爺湖にそっくりです。そして「洞爺湖が出来た後に中島が出来たんだよ~」とお話しました。

うーん!洞爺湖にそっくりだ!

 なかなか有珠山周辺の火山活動を説明するには難しいけれど、今回はあまーいものを使って地球の活動を再現しました。グループごとで実験したので、注入の仕方でドームやカルデラの形は様々ですが、子ども達は「きれいに出来た!」「こうやってできるんだね~」と喜び、最後に盛り上がったマグマやカルデラを美味しく食べました。

※参考にした本の紹介です!・・・「世界一おいしい火山の本」林 信太郎・著
          小峰書店(税別1,500円)