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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

四十三山の姿~冬編~

2009年01月22日
洞爺湖
!お知らせです!
四十三山(明治新山)は2008年12月27日より4月中旬(予定)まで閉鎖されました。(正確な開通時期については、積雪状況により変わります。開通間近になったら改めてお知らせします。)

 四十三山の冬の様子を記録するために巡視へ。お天気はくもりのち晴れ。洞爺湖温泉側より雪で隠れた傾斜と起伏のある雪面をスノーシューでがつがつ登っていった。驚いて?アカゲラが近くを飛んで逃げていった。積雪量は、おおよそ場所によっては60cm~70cm位。よーく見ると、いたるところにあったあった!人のいる温泉街から数歩歩いただけで、沢山の動物のあしあとが交差している。どれどれ、エゾウサギ、エゾリス、キタキツネ・・・と、なんとまあにぎやかである。雪面に残るあしあとからその生きものたちの暮らしを想像するのは冬ならではの楽しみだ。

エゾリスの足跡!立ち止まって何かを考えているのか?!

 まず気になったのは、以前に紹介した噴気孔。冬も変わらずゆっくりと蒸気が出ている。その周りもやはり地温が高いために雪が溶けている。その茶色の地面からは早くも、うすい黄緑色の芽が・・・フキノトウだった。冬から春に向けてじっと雪の中にいるはずのフキノトウがもうひょっこり出てきてしまっている。

早くも芽が!フキノトウ。

 次に気になったのは、そこ以外に地温の高い場所があるのかどうか?すると四十三山ピーク近くにま~るく穴があいている場所と、枯れ木の中に緑色の苔がついた岩場から時々にゆーらりと白い蒸気が見える場所の2箇所を見つけることができた。以前、「前に頂上付近でも噴気していたところあったんだけど・・・」ということを聞いていたので、冬に来れば地温も高く雪が溶けているからきっとわかるだろうと思っていたので、ここだ!って見つけた時は、あの噴気孔以外にもあったことが嬉しかった。そしてまだ、四十三山が生きていることを実感した。

穴がぽっかりあいている。

 世界ジオパーク(科学的に重要な地形・地質を含む自然公園で、地域振興や教育などでの活用が重視。)への申請に向けて、四十三山も含む「洞爺湖有珠山」が昨年、国内初の候補地となった。そのような動きがある一方、いつもと変わらない地球の呼吸を今回の巡視で感じ、未来の四十三山を思いました。