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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

冬の利尻登山

2009年03月10日
稚内

3月になると、利尻山にも島外からの登山者・スキーヤーも増えます。
以下、参考程度に、私が歩いた2月末時点での利尻山北稜ルートの状況をお知らせします。

◆ ルート状況
[標高200m付近の樹林帯]
・ 積雪1m50cm程度(笹藪が埋まった程度)。山スキーならラッセルなし。
[標高600m森林限界付近]
・ 稜線で積雪1m50cm程度。雪質は、靴のつま先がちょうど良く刺さる程度。
・ 沢沿いルートなら、つぼ足の場合で膝上のラッセル。
・ 沢の中にデブリは見られないが、東側斜面の雪質はゆるそう。
[標高1200m付近(長官山~避難小屋付近)]
・ 稜線の東側斜面は吹き溜まり。1m程度の雪庇あり。
・ 稜線の雪質はアイゼンの爪がよく効く程度。


第2見晴台(標高1150m付近)から鴛泊市街を見下ろす。


[避難小屋~山頂(北峰)]
・ 稜線沿いは西側のトビウシナイ沢からの吹き上げ風が強い。雪質はアイゼンの爪がよく効く程度。
・ 山頂は風が弱く、積雪2m程度あり。(夏と同じで、北東、南西どちらの風でもあまり強くはないので、雪が溜まりやすい。)

◆ 避難小屋の状況
・ 出入りは北側に付けられた2階ドアから。積雪は3m程度。
・ ドアは押し開きタイプで、掛け金を外して開ける。ドアの位置は下写真の通り。
・ 位置は、ほぼ稜線上の最低鞍部で周囲の雪は固い。視界の悪い時(特に北稜を下降路として利用する場合)は、東側の吹き溜まり斜面に踏み込みやすく、見つけにくいこともありますが、雪質と風の強さも発見のヒントになるかと思います。
【避難小屋利用の注意】
・ ドア掛け金のかかりが渋くなっているので、使用後の閉め忘れに注意してください。


避難小屋概況。裏側(9合目側)からは発見しづらいので要注意。


◆ 利尻山の気象
・ この冬は降雪が少なく、山麓部では笹藪が出ていましたが、2月中旬~末までの連日の降雪で、現在は、ほぼ例年通りの積雪量(上記参考)になっています。
・ 北海道中央部と比べると、気温は高い(厳冬期でも山頂でマイナス20度を下回ることは少ない)のですが、日本海上の離島にあるため、季節風は強烈です。
・ 3月に入り、山頂部まで見える晴天と降雪を交互に繰り返しているので、積雪状況は上記の情報と大きく異なっていることが予想されます。

◆ その他
・ 利尻山には、スノーモビル等の乗り入れが禁止されている地区があります。詳しくは下記のURLをご覧下さい。
(利尻礼文サロベツ国立公園・利用規制情報URL)
http://www.env.go.jp/park/rishiri/guide/files/regu01.pdf
・ 上記は、あくまで2月末時点での概況に過ぎません。安易な登山は控え、登られる際には、状況判断に十分ご注意ください。
 

3月5日に撮影した、利尻山の全容(北面)。