アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
冬の火山にのぼろう!
2009年03月24日
洞爺湖
先月、“身近な火山活動と、冬に活動する生きものの生活を知る”をテーマに、西山山麓火口散策路にて、今年度最後の自然観察会を行いました!
西山山麓は、2000年の噴火で約70mも隆起し、約60個近い火口が出来ました。散策路では一部の噴火口や火山灰によって枯れてしまった木、被害を受けた建物や道路を間近に見れるようになっています。夏でも噴気(水蒸気)が地面から出ており、地温は約90℃近い所もあります。この散策路は冬期閉鎖されていますが、今回は許可をもらい、冬ではどのような姿を見せてくれるのか調べに行きました。
天候はあいにく曇り。散策路入口でわかん(雪面を歩くための道具)を履いて歩きました。参加してくれた子ども達は、わかんを履くのが初めてで大変そうでした。歩いてほどなく、雪面にぽつぽつ動物の足跡が出てきました。配られた足跡カードで、どんな動物の足跡なのかを親子でひとつひとつ立ち止まりながら推測します。同じ足跡でも、雪面についている間隔が違います。のんびりしていたのか、走っていたのかなど、どんなことをしていたのかみんなで想像してみました。
洞爺湖ビジターセンタースタッフが足跡や食痕についてお話してくれました!足跡が何㎝か子どもたちと測りました。どんな生きものかな?
その先、エゾリスが食べたマツの食痕を通して、マツが湿度によって開いたり閉じたりすることや、燃料になることなどの特性について知り、身近な植物が自然を知るバロメーターであることをお話しました。
しばらく歩いて、地面が階段状になった場所や壊れた建物を観察しました。これは地殻変動によって生じた現象で、地震活動のように一気に壊れたり、段差ができたのではありません。さらに歩くと周りの様子が変わってきました。
「雪がないところがある!」
子ども達は地温が温かいことにすぐ気がつきました。温度計を手渡し、色々な場所を測ってもらうと、外気温は-2.5℃、雪の中は-2.3℃、土の中は61℃でした。
噴気孔はどのくらいの温度なんだろう?
一番見晴らしの良い展望台に着くと、いくつかの火口跡を見ることができます。火口にたまっている水に氷りが張っていたり、噴気が出ている火口もあります。小さな噴気孔があったのでその地温も測ってみました。よく耳を澄ますと、“クツクツ”と小さな音を立てています。噴気孔の温度は、96.5℃で表面はとても熱く、子ども達はぐんぐん上がる温度にかなり驚いた様子です。
火口から噴き出る水蒸気によって、周りの草木に水分が付着して白く凍りついた風景も見られました。、冬ならではの芸術品にみんなが堪能しました。
水蒸気が火口周辺の草木についてこんな芸術品が見られました!
最後に、洞爺湖ビジターセンターに戻り、地温が高かったり、地面が盛り上がったりすることがなぜ起きるのかについて、温泉などの火山の恵みにもふれながら、地球の内部のマグマの話をしました。そして見つけた生きものの足跡をふり返り、館内のパネルやジオラマで、動物の体の仕組みについても理解を深めました。地熱を利用して生きもの達もきっと暖まりにきているのではないでしょうか?そんな想像をしながら今回の観察会を終えました。 (洞爺湖ビジターセンター・火山科学館、洞爺湖自然保護官事務所主催)
西山山麓は、2000年の噴火で約70mも隆起し、約60個近い火口が出来ました。散策路では一部の噴火口や火山灰によって枯れてしまった木、被害を受けた建物や道路を間近に見れるようになっています。夏でも噴気(水蒸気)が地面から出ており、地温は約90℃近い所もあります。この散策路は冬期閉鎖されていますが、今回は許可をもらい、冬ではどのような姿を見せてくれるのか調べに行きました。
天候はあいにく曇り。散策路入口でわかん(雪面を歩くための道具)を履いて歩きました。参加してくれた子ども達は、わかんを履くのが初めてで大変そうでした。歩いてほどなく、雪面にぽつぽつ動物の足跡が出てきました。配られた足跡カードで、どんな動物の足跡なのかを親子でひとつひとつ立ち止まりながら推測します。同じ足跡でも、雪面についている間隔が違います。のんびりしていたのか、走っていたのかなど、どんなことをしていたのかみんなで想像してみました。
洞爺湖ビジターセンタースタッフが足跡や食痕についてお話してくれました!足跡が何㎝か子どもたちと測りました。どんな生きものかな?
その先、エゾリスが食べたマツの食痕を通して、マツが湿度によって開いたり閉じたりすることや、燃料になることなどの特性について知り、身近な植物が自然を知るバロメーターであることをお話しました。
しばらく歩いて、地面が階段状になった場所や壊れた建物を観察しました。これは地殻変動によって生じた現象で、地震活動のように一気に壊れたり、段差ができたのではありません。さらに歩くと周りの様子が変わってきました。
「雪がないところがある!」
子ども達は地温が温かいことにすぐ気がつきました。温度計を手渡し、色々な場所を測ってもらうと、外気温は-2.5℃、雪の中は-2.3℃、土の中は61℃でした。
噴気孔はどのくらいの温度なんだろう?
一番見晴らしの良い展望台に着くと、いくつかの火口跡を見ることができます。火口にたまっている水に氷りが張っていたり、噴気が出ている火口もあります。小さな噴気孔があったのでその地温も測ってみました。よく耳を澄ますと、“クツクツ”と小さな音を立てています。噴気孔の温度は、96.5℃で表面はとても熱く、子ども達はぐんぐん上がる温度にかなり驚いた様子です。
火口から噴き出る水蒸気によって、周りの草木に水分が付着して白く凍りついた風景も見られました。、冬ならではの芸術品にみんなが堪能しました。
水蒸気が火口周辺の草木についてこんな芸術品が見られました!
最後に、洞爺湖ビジターセンターに戻り、地温が高かったり、地面が盛り上がったりすることがなぜ起きるのかについて、温泉などの火山の恵みにもふれながら、地球の内部のマグマの話をしました。そして見つけた生きものの足跡をふり返り、館内のパネルやジオラマで、動物の体の仕組みについても理解を深めました。地熱を利用して生きもの達もきっと暖まりにきているのではないでしょうか?そんな想像をしながら今回の観察会を終えました。 (洞爺湖ビジターセンター・火山科学館、洞爺湖自然保護官事務所主催)