北海道のアイコン

北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

スノーシューで歩いてきました!【自然観察会のご報告】

2009年03月30日
羅臼
以前AR日記でもお知らせしましたが、
3月20日(春分の日)羅臼自然保護官事務所主催の自然観察会を行いました。
今回のテーマは
『~スノーシューハイクで体感!のぞいてみよう!雪の世界~』でした。
スノーシューを履いて羅臼温泉施設周辺、熊越の滝下流ダムまで行き、
自然観察をしようというものでした。

残念ながら思っていた以上に雪解けが早く、予定していたコースの一部に雪崩の危険があり観察コースの変更をしなくてはなりませんでした。
熊越の滝下流ダムには行けず、予定していた水鳥の観察も行うことが出来ませんでしたが、参加された方はそんな変更も快く承諾してくださり、参加してくださいました。


出発前、羅臼ビジターセンターのレクチャールームで、事前レクチャーを行いました。
今回観察を予定している冬芽のつくりや水鳥の見分け方などの、参加者に配る観察シートの使い方やスノーシューの履き方、そして冬の国立公園を利用する際の注意などをお話ししました。



準備体操をし、スノーシューを履いて、いざフィールドへ!
朝方にチラついていたみぞれも止み、いつのまにか快晴に。
まさにスノーシュー日和!な青空の下、出発です。



ビジターセンター裏の間歇泉から羅臼温泉野営場に抜けます。
途中、事前レクチャーでお話した冬芽を観察シートを使いながら名前を調べてみたり、動物の足跡を見たり、発見した巣穴の主を想像してみたり…。
木の周りから雪解けする訳や、カエデの木がオスメスを変えるヒミツ、モモンガのマツ葉の食べ方などをお話しながら、歩きました。


「この冬芽はふわふわのダウンジャケットを着ているようですね~」

知床横断道路や羅臼川が展望できる折返し地点で小休憩をはさんだあとは、
トドマツの下に落ちているモモンガの食痕や、エゾシカの樹皮食い、鳥などを観察しながらビジターセンターに戻ってきました。


すべてが終了したときに私の口から出た言葉は「楽しかった~!!」でした。
みなさんと色んな話をしながら歩いた数時間がとっても楽しかったのです。
この日の為に2ヶ月ほど前から準備をしてきた私にとって、
「楽しかった」
「次はいつやるの?」
「また参加したい」
参加していただいた方の声と笑顔が最高のプレゼントでした。

普段周りにあり何気なく見ている自然のおもしろさや素晴らしさを伝えたい、感じてもらいたいと思って準備してきました。
でも何かを伝えようとすることや、どう伝えるかなど、その難しさに
頭を悩ませながらの準備でした。

また、今回参加者にお配りした観察シートにはちょっと力を入れていました。
周辺で見ることができる冬芽を、その形やつくりから名前を知ることができる分類表形式の冬芽観察シートと、体のつくりと行動のちがいで種類と雄雌を区別できる水鳥観察シートでした。
今回の観察会だけではなく、自宅の周辺などでまた使ってもらえるような、
そして参加された方がご家族や友人の方に話してあげられるような、そんな風に利用できる観察シートを目指して作りました。
いつかふと思い出した時にでも使ってもらえたらいいな、と。

そんな準備から当日まで、この観察会は私にとって、とても大きな経験となりました。


来年度は、年間計画をたてて開催していきたいと思っています。
また、このAR日記で報告していきます。
どうぞお楽しみに。