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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

春の利尻山登山情報

2009年04月23日
稚内
4月20日時点での利尻山の状況をお知らせします。
意外に思う方もいるかもしれませんが、雪は例年並みに残っています。
アメダスの記録を調べても、累加降雪量・最大積雪深ともに平年以上とのこと。
この冬、1月までは、雨で道路のアスファルトが顔を出してしまったこともあり、雪の少ない印象が強かったのですが、下記の通り、やはり2月後半の大雪が、この冬全体の雪の量にも影響を与えたようです。


アメダス(稚内)の記録
■ 累加降雪量
【2月2日16時】
昨年:391cm
今年:299cm
【3月31日24時】
昨年:539cm
今年:612cm
【2月のみ】
昨年:107cm
今年:254cm
※利尻町沓形のアメダスでは、積雪に関するデータを扱っていないため、最寄りの稚内のデータを用いています。
※上記データは、(社)雪センターからの引用です。


まだまだ雪山の利尻山。
アイゼン・ピッケル等の装備と、利尻山名物の強風に耐えられる服装を準備するのはもちろんのこと、登山の際は、沢沿いの落石や、尾根上での樹林の踏み抜きによる転倒にもご注意ください。

この時期、過去には、連休で浮かれ気分になってしまったためか、スニーカーに手提げカバンで利尻山に登り始めた若い観光客が、途中で怖くなり引き返そうと思ったものの、雪の急斜面を下りるに下りられなくなってしまった例(何とか自力で下りましたが)もありました。決して観光気分で登れる山ではありません!

また、この春すでにスキー・スノーボードでの怪我人も出ています。近年のバックカントリーブームは、利尻山も例外ではありませんが、利尻の場合、山の急峻さと、島という立地条件から大けがをした場合など救急時の搬送の点で、本土の山岳地よりも困難が伴います。「ケガは自己責任」というのは、どの山でも当然のことですが、自分の実力以上の斜面を滑らないなど、気を引き締めてお楽しみください。


山の状況、積雪深は、以下の通りです。

■ 利尻山の積雪深(4月20日時点)
鴛泊コース登山口(標高約200m):30cm
森林限界付近(標高約500m):80cm
避難小屋前(標高約1200m):70cm
山頂(標高1719m):110cm


標高550m 森林限界付近
奥に見えるのが、長官山付近。

鴛泊コース避難小屋(09.04.20)
出入りは2階の入り口から。ドアの閉め忘れに注意!

南峰とローソク岩
山頂付近は山稜が切り立っており、風も強い。