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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

支笏洞爺国立公園指定60周年 

2009年05月19日
支笏湖
毎日の通勤 往復60km

冬は本当に大変ですが、今の時期は日に日に緑が濃くなっていき、晴れた日には本当に気持ちの良いものです。信号もほとんどないのでス~イスイ。
このまま事務所ではなくどこか遠くへドライブに・・・・・なんて(笑)


『若葉の頃』


心がウキウキします。


みなさんこんにちは、支笏湖AR西川です。
随分ご無沙汰しておりました・・・


突然ですが、


1949年5月16日 
支笏洞爺国立公園が誕生。


2009年5月16日(土)
支笏湖では国立公園の60歳のお誕生会を行いました。


「伝えよう! 神秘の美しさ、支笏湖ブルー」

午前の部は支笏湖ビジターセンターにて、
私アクティブレンジャーによるクイズ大会
『知ってる?国立公園のひみつ』


洞爺湖事務所からもレンジャーとアクティブレンジャーが応援に駆けつけてくれました!


そして、しこつこ自然体験クラブ「トゥレップ」事務局長であり、市立小学校教諭の中原直彦氏による講演
『明日の支笏湖 ~子ども達に託す 次の60年 ~』



を行いました。

当初の予想より子どもの参加が少なかったですが、クイズ大会では国立公園の制度や支笏洞爺に関わる外来種問題などの解説を取り入れながら出題をしました。

Q1.北海道に国立公園はいくつあるでしょう?
Q2.日本の中に国立公園はいくつあるでしょう?
Q3.希少な野生動物や植物を守っている国立公園に人は住めるでしょうか?
Q4.支笏湖と洞爺湖 どちらが先にできたでしょう?
Q5.外来生物被害予防3原則『入れない OOない 拡げない』 ○○に入る言葉は?



さて、みなさんはいくつ分かりましたか?
答えは・・・

1.6 (支笏洞爺・大雪山・阿寒・利尻礼文サロベツ・釧路湿原・知床)
2.29(詳しくはhttp://www.env.go.jp/park/で)
3.住める(もともと人が暮らして(活用して)いた場所に国立公園という規制をかけたので)
4.洞爺湖 (洞爺湖は約11万年前、支笏湖は約4万年前の噴火で誕生したといわれています)
5.捨てない


子ども向けに作った問題でしたが、大人でも結構悩んでくれていました。
一方的に説明されてもなかなか頭に入りませんが(私だけ?)、クイズというのは誰でも気軽に取り組め、学習の要素も含んでいる。最高の手段ですね。
準備は色々と大変ですが自分の勉強にもなります。
今回は楽しく国立公園のことを知ってもらえて良かったです。


中原先生の講演では・・・

長年、支笏湖をフィールドにしているだけあって、とても心に響くお話が聞けました。
釣り糸の絡まった電線に留まるヤマセミや、大量に捨てられたゴミの山などの写真はただ単に「悲しい」気持ちになりました。それ以外に、この気持ちを表す言葉を私は持ち合わせていません。

途中でギターを手に自作の歌も披露してくださいました。
「山川草花」高速道路の建設のために山の形が変わってしまった追分(千歳の隣町)で作ったという歌。
人の手によって変わっていくふるさと。
心のふるさとが消えてしまったら・・・

ハッとする歌でした。



しかし、それらを吹き飛ばしてくれるかのような子ども達のつぶやき。
子ども達の感性はすごいです。
繊細だけど強いです。
私たちも子どもの時があったのに・・・
私たちもあんな素晴らしい感性を持っていたのに・・・

いや、まだあるはず。
あの時を思い出させてくれるような子ども達の生き生きとした野外活動中の写真が印象的でした。
(うまく写真が撮れていませんでしたので想像してください 笑)



午後からは、フィールドに出て『春の息吹観察会』です。
今回は記念行事として、参加者の皆さんには観察会をしながらゴミ拾いもしてもらいました。


支笏湖パークボランティアによる自然解説を聞きながら、園地を散策しました。


大人も子どもも興味津々です


やっぱりお天気の日には野外へ出るのが一番!
足取りも軽く、みんなの顔が自然とほころびます。

「シラネアオイ」が美しく咲き誇っていました。
「マルハナバチ」が巣に適した場所を探して上下に飛んでいました。
「ウグイス」が上手に鳴いていました。

一見ゴミなんてないように見える園地も、歩道から見えない所にポツポツとゴミがありました。
でも、みんなが拾ってくれたのでキレイになりました。


誰かが言っていました。

「ゴミはゴミを呼ぶ」
「緑は緑を呼ぶ」

次の60年も緑豊かな支笏湖であってほしいですね。


※支笏湖ビジターセンターでは国立公園指定60周年を記念して「支笏湖の今昔写真展」を開催しています。