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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

「宗谷岬」に歌われた春が来た① ~原野の大きな水溜まりと渡り鳥編~

2009年05月20日
稚内
 私は子どもの頃、あの有名な「宗谷岬」という曲が好きでした。この曲には風雪に閉ざされる長く厳しい冬を経て訪れた春への喜びが歌われています。メロディーもさることながら歌詞がとても好きです。長い歌詞でもなく簡単な言葉なのに、作詞者の吉田弘という人の感性はどうしてこのように生き生きと最北の自然の情景やそこに生活する人たちの心情を描写できるのだろうかと。 大人になってまさか自分がその地へ行くだろうとは思っていませんでした。初めて冬を経て春を迎えてみて、歌の3番の始めの一節「幸せ求め 最果ての地にそれぞれ人は 明日を祈る」という言葉の意味が今、心から分かる気がしています。

 歌詞の情景そのものではありませんが、私が感じたサロベツの春の様子を何回かに分けてご紹介しようと思います。

 4月上旬、サロベツ原野では雪解けによる増水のためなのか、原野の牧草地にも川の岸辺にも海岸線の草地にもまるで昔からそこにあった湖のように大きな水溜まりがそこかしこにできていました。例年見られるというこの光景は去年に限って顕著ではありませんでした。そして、水溜まりに大群で群れるコハクチョウやガンカモ類たち! 巡視に出てこの光景を見た私はサロベツが湿地であることと、ここがずっと昔から水鳥の楽園であることを改めて実感することができました。


清明川の岸辺から利尻山を望む



湖?! ではありません! 原野の大きな水溜まりは水鳥の楽園(ここにはコハクチョウ多し)


別の水溜まりではヒシクイの大群も!