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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

利用者カウンター

2009年06月03日
羅臼
 こんにちは。羅臼でアクティブレンジャーをしている木村です。季節は早くも6月に突入!事務所の周りに生えている、ダケカンバやミズナラから伸びてきた黄緑色のピカピカした若葉が目に染みます(本当です)。まさに新緑真っ盛りと言えましょう!今の時期、流石の羅臼でも暖かくはなってきていますが、少し標高が高くなるだけで、雪は沢山残っています。

 今日は春と共に訪れる、アクティブレンジャーの重要な仕事をひとつ紹介しましょう!それは雪融けと共に始まる作業で、登山道に「利用者カウンター」を設置することです。

 羅臼には5基のカウンターがありますが、現在は4基目まで設置されています。設置の順番は、雪融けが早い低地や海岸線から行います。今年一番早かったのが羅臼岳の登山口(標高約100m)で5月12日でした。一方1番遅い羅臼湖(標高約700m)のカウンターは、去年6月4日に設置しましたが、今年は昨年に比べて雪が多め(とは言え例年並みだそうな)なので、10日間は遅くなることでしょう。標高が600mも違うと、雪融けの関係で設置時期が一ヶ月くらいは遅くなってしまうのです。

 ところでカウンターとは如何なる物かご存じでしょうか??
 利用者カウンターとは、赤外線センサーにより、カウンターの前を歩いた人の数、時間を自動で計測する装置のことで、外観はこんな感じです。(写真は知床岬方面の利用者を計測するカウンター)



 カウンターの構造は3つの機器と、固定のための支柱から成ります。
その①「ソーラーパネル」
 一番上のパネルがソーラーパネルです。自分で電力を賄ってくれるので、日当たりの良い場所ではバッテリー交換の手間が省けます。
その②「センサー」
 真ん中の出っ張りがセンサーになっています。よく見ると2つあり、右側、左側の感知の仕方で、前を通った人が登山者なのか、下山者なのかも判断してくれる賢いやつです。ただ残念なことに、野生動物が豊富な知床の森ですから、ヒグマやエゾシカもカウントされてしまうところが、玉にキズ・・・ですね。

 これから設置される羅臼湖カウンターも含めて、5基ある羅臼のカウンター達ですが、11月の上旬~中旬頃までは、羅臼の登山道を歩く動物たち!?の行方を見守ることになります。もし、カウンターを見つけても立ち止まらず、なるべく速やかに通り抜けて下さるようお願いします。その方が正確な値を測定することに繋がりますので・・。



///////////////////////羅臼に咲く花々/////////////////////
北海道は冬の時期が長いため、その分植物たちも短い期間で世代交代をしていかなくてはなりません。ということで、今は至る所で、すごい早さで植物たちが花を咲かせているのです。今回はその中から特に「旬」な花をご紹介しましょう!

お花No.1

ハマエンドウ(マメ科)
エンドウと名が付きますが、食用にされるエンドウと比べてもとても似ています。
本州の方がやや早い時期に開花しますが、それにはやはり雪が影響しているのでしょう。「ハマ」と名がつくだけあって海岸に生えています。写真は白花タイプのもの。

お花No.2


チシマフウロ(フウロソウ科)
本州北部と北海道に咲く花。主に海岸の岩場などに生えています。
淡いブルーがとても美しい花です。

以上2種類でした。「羅臼に咲く花々」は今後も継続!?予定となっております。
お楽しみに!!