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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

2009年6月3日(水) ボッケの森 ~ニリンソウ~

2009年06月04日
阿寒湖
ボッケの森の巡視を行いました。春まっ先に咲き誇っていたミズバショウも、今時期になると大きな葉を広げ、初春の頃とは違った存在感があります。
阿寒湖畔エコミュージアムセンターからボッケの桟橋へ向かう直線の遊歩道脇では、ニリンソウが全盛期を迎えています。周りで成長を始めたエゾイラクサに負けないように、健気に小さく可憐な白い花を咲かせ、私たちの目を楽しませてくれます。ニリンソウ(二輪草)はキンポウゲ科の多年草で、林床や草原に好んで生育します。ニリンソウとはいうものの、花柄(かへい)(花軸から分かれ出て、その先端に花を付ける小さな枝のこと)は1~3つ付けます。ボッケの森では、5月半ばから6月下旬頃まで見ることができます。


さて、ニリンソウ(二輪草)があるなら、イチリンソウ(一輪草)やサンリンソウ(三輪草)もあるのでは?と思われる方もいるのではないでしょうか。その通り!いずれも、植物分類学上で、立派な種として実在します。ただ、それらの見分け方は、1つの茎に2つの花柄(かへい)を付けるからニリンソウ…というような、単純なものではないようです。花柄(かへい)が2つのイチリンソウや、花柄(かへい)が1つのサンリンソウだってあるのです。では、どのようにしてそれらを見分けるのでしょうか?いくつか方法はあります。
まず、3種の花の大きさを比較すると、イチリンソウが最も大きいこと。また、イチリンソウとサンリンソウの葉には柄があるのに対し、ニリンソウの葉は無柄であるという違いがあります。その他にも、サンリンソウの開花時期が他の2種に比べて少し遅いなど、実はいろいろな違いがあるようです。
 現在ボッケの森では、ニリンソウの他にもエゾオオサクラソウやミヤマエンレイソウなど、様々な花を見ることができます。野鳥の声を聞きながら、爽やかなボッケの森をのんびり散策してみてはいかがでしょうか?