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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

中島の湖畔清掃

2009年06月11日
洞爺湖
先月末、洞爺湖地区パークボランティアによる中島の歩道清掃が行われました。お天気は曇りのち雨。中島は洞爺湖の真ん中に浮かぶ島で面積は5.2K㎡。湖畔より見ることの出来る洞爺湖は中島あっての景色です。もやのかかった中島や、風が穏やかな時に湖面に映しだされる中島など、一度として同じ景色を見せることはありません。洞爺湖地区パークボランティアでは、その中島の環境について考えながら、歩道沿いの清掃を行っています。
  
 コースは温泉街より出ている観光船で大島桟橋まで向かいます。下船後、島内唯一のトイレを済ませ、森林博物館で入山届けを出し、火ばさみとゴミ袋を持って出発。中島は、かつて全周歩くことができましたが、西側歩道沿いは崩落により今は通行出来ません。まず始めにカラマツ・トドマツ林内のウッドチップが引かれた歩道を、大平原に向かって歩きます。ところどころゴミはあるものの、目立ったものはありません。大平原では羊蹄山の中腹もわずかに顔を出していました。大平原までは約30分ほどです。


大平原に向かう途中にあるカツラの巨木。


 大平原より北側の歩道へ下りると、時計回りに大島桟橋まで歩道が続き、この間ではゴミが多くあります。内容としては、特に、ティッシュの花(汚物)や、瓶・缶、ペットボトルが目立ちます。他、発泡スチロール、食品などの袋、靴、燃料缶、ベニヤ板、ゴムボートなど様々なものがあり、湖岸から流れ着いたものや、中島で焚き火などをしてゴミを捨てていくことで、飲み干したビールの缶などが取り残されています。焚き火の跡は3~4箇所ありました。


湖畔沿いにあった焚き火跡。まだ新しい。

 こうしたゴミを一人一人が40Lのゴミ袋を両手に、約1時間30分から2時間ほどかけながらゴールを目指して歩きます。

 中島は、対岸から見れば湖に浮かぶきれいな島々です。しかし中を歩くと無惨にゴミが湖岸や歩道沿いに落ちている現状があります。支笏洞爺国立公園である前に、みなさんの一人一人のマナーが守られない限り、この自然をいつまでも残すことはできません。中島はシカによる食害など問題は山積していますが、私たちの中島による小さな“こつこつ活動”がみなさんにも広がるように期待します。
 
 おまけですが、歩道沿いではヤマツツジやヤマシャクヤクなどが咲き、大きな巨木も見ることができます。ゴミではなく、すてきな自然にもちろん出会いましたよ。中島を1周歩かれる場合は、歩き慣れた靴で歩いてくださいね。
※中島では、キャンプは禁止されていて、法により罰せられることがあります。マナーを守りましょう。


今回拾ったゴミ。これはまだ少ない方で時期が変わればまた増える・・・。