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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

利尻山登山情報(7月10日版)

2009年07月14日
稚内
7月9日、久々の晴天の下、鴛泊コースの登山道整備を行ってきました!
3班に分かれて行ったのは、次の作業です。
①補助ロープの点検及び交換
②立入禁止ロープの点検及び交換
③合流点付近の土留めの補修
④避難小屋の清掃とゴミの持ち下ろし
私たちは利尻山に訪れる皆さんが、安全に気持ち良く過ごせることを願って作業していますが、登山者の皆さんも植生には踏み込まないなどのルールを守って、やさしい気持ちで歩いて下さいね!
以下に、登山情報も掲載しますので、ご参考までに。


作業しているのは、地元利尻富士町や林野庁、環境省の職員です。

安全と植生保護のために、トラロープ(黄色と黒の縞)より外には出ないようにお願いします!


【登山情報】
■ルート状況
鴛泊コース、沓形コースともに登山道上の残雪はありません。アイゼン等の必要はなく一般夏山装備で通行可能です。ただし今年は6月以来雨が続いているため、土壌が緩んでいることが予想されます。沓形コース上部の崩壊地に隣接する区間では落石や路肩崩壊に十分ご注意ください。
また、鴛泊コースの3~4合目、沓形コースの登山口~避難小屋、7合目付近は、登山道が粘土質の土壌のため、ぬかるみや滑りやすい場所が多く、特に下りの際は通常のコースタイムより時間がかかることもあります。計画にゆとりを持ちましょう。

■利尻山の様子
山頂付近のお花畑が見頃を迎えていますよ~♪
特に目立つのはボタンキンバイの群落で、鴛泊コース8合目の長官山から山頂を見ると、東側斜面が黄色く染まって見えるほどです。また、立入禁止ロープの先の崩壊地には、ボタンキンバイと同じく利尻山特産種のリシリヒナゲシも少しずつ開花してきています。双眼鏡や望遠レンズで見つけてみましょう。他にもリシリゲンゲやリシリオウギなど花盛りですので、お楽しみに!!
ただ、今年は天候が不安定で、山頂付近では30m以上の強風が吹く日も多いので、無理をせず、予備日をつくるなど、ゆとりを持った旅行計画でお越しくださいね。


ボタンキンバイの花

■いま咲いている花
(白っぽい花)
マイヅルソウ、ゴゼンタチバナ、エゾノヨツバムグラ、カニコウモリ、ヨブスマソウ、オニシモツケ、シュムシュノコギリソウ、ヤマブキショウマ、エゾマルバシモツケ、タカネナナカマド、エゾノハクサンイチゲ、リシリゲンゲ、リシリオウギ、ミヤマタネツケバナ、ミヤマハタザオ、タカネグンバイ、チシマイワブキ、ヤマハナソウ、ミヤマダイモンジソウ、イワウメ、イワヒゲ、カラフトイチヤクソウ、オオハナウド、ミヤマセンキュウ、エゾヤマゼンコ、ムカゴトラノオ
(赤っぽい花)
コケモモ、チシマアザミ、ハクサンチドリ、チシマヒョウタンボク、エゾイブキトラノオ、エゾツガザクラ、エゾツツジ、ミヤマアズマギク
(青っぽい花)
チシマフウロ、シラゲキクバクワガタ、エゾヒメクワガタ、ミヤマオダマキ、ミソガワソウ、イワギキョウ
(黄色っぽい花)
ミヤマオグルマ、イワベンケイ、ミヤマアキノキリンソウ、キバナノコマノツメ、ウコンウツギ、リシリヒナゲシ、ヤマガラシ、エゾカンゾウ
(地味な色の花)
マルバギシギシ、タカネスイバ、バイケイソウ、ミネヤナギ、チシマヨモギ
※他にもたくさんの種類が咲いていますが、ひとまず目立つ花だけを挙げておきました。名前が間違っていたらごめんなさい。

■装備・計画のアドバイス
利尻山は海上の独立峰で天候が変わりやすく、9合目以上では強風が吹き荒れます。どんなに天気予報の良い日でも、必ずレインウェアをお忘れにならないよう気を付けてください。また登山の標高差1500m、標準コースタイム10時間は、北アルプスで言えば、新穂高発→槍沢経由で槍ヶ岳山頂に日帰りで登るのに相当します。しかも利尻山には途中に水場も売店もありませんので、安易に登れる山ではないことをしっかりと肝に銘じておいてください!
ちなみに、利尻にはクマがいませんので、鈴は不要です。