アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
可愛いお客様
2009年09月28日
阿寒湖
毎朝一番に、阿寒湖自然保護官事務所のお隣(同施設内)にある阿寒湖畔エコミュージアムセンターへ新聞を取りに行くのが私の日課なのですが、この日は嬉しいサプライズがありました。
エゾモモンガです!
阿寒湖畔エコミュージアムセンター内の図書コーナー「憩いのサロン」に、黒くて大きな目をした可愛らしいエゾモモンガが、本棚の上段からこちらの様子をうかがっているのです。おそらく暖炉の煙突から入ったのでしょう。職員の方曰く、年に何度か迷い込んでしまうそうです。驚くことに、過去にエゾフクロウが入ってしまったこともあるとか!
突然知らない所に来てしまった上、大勢の人間に注目されて居心地が悪いのでしょうか。小さなそのエゾモモンガは、せわしなく床を走り回ったりイスの上へ上ったり。少しの間様子を見ていると、本棚の上に置かれらステレオから飛び降りるその瞬間、超短距離ではありますが、両手脚に張られた飛膜を広げ、滑空する姿を見せてくれました。森の中でも、きっとそんなふうに木と木の間を上手に飛び回っているのでしょうね。写真を撮らせてもらった後、そっと、エコミュージアムセンターの裏にある「ボッケの森」へと帰しました。
さてここで、せっかくなのでエゾモモンガについて少し紹介したいと思います。
エゾモモンガは、ネズミ(げっ歯)目リス科モモンガ亜目モモンガ属の小型哺乳類で、ユーラシア大陸に生息するタイリクモモンガの亜種です。頭から尾までは20cm程。体の背面はネズミ色、腹側は白色をしています。前脚から後脚にかけて飛膜をもち、それを広げて滑空する特徴があります。分布は北海道の主に森林。夜行性のため、日中は樹洞の中の巣で過ごしますが、夜になると、エサである木の芽や葉、昆虫や果物などを求めて木から木へ空中移動します。生活の場を全て木の上にすることで、キツネなどの危険な肉食動物から身を守っているのです。ただし、木の上にはフクロウ等かなりの天敵がいますが…。得意の飛び技とすばしっこさ、それから暗闇でも良く見えるキュートな大きな目を駆使して、強く生きてほしいと思います!笑
野生のエゾモモンガを間近で見られるのは、阿寒湖の自然が豊かである証拠ですね。皆さんもぜひ遊びに来て下さい。運が良ければ、森の中を自由に飛び回っているエゾモモンガに出会えるかもしれません。