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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

登別~橘湖自然観察会

2009年10月19日
洞爺湖
 今年は支笏洞爺国立公園60周年。5月16日で還暦を迎えました。そのお祝いに洞爺湖自然保護官事務所では10月に、登別の橘湖、羊蹄山山麓の半月湖、洞爺湖の四十三山・金比羅火口の3つの地域で自然観察会を行います。3日には橘湖で自然観察会を行い、地域住民15名が参加しました。
 橘湖は年代不明の噴火活動によってできた火口湖です。カルルス温泉から約2.3km、歩いて約40分~50分程です。最初に国立公園クイズを出しました。そのクイズをいくつかご紹介します。

Q1.北海道にはいくつ国立公園があるでしょう?
意外とみなさんわからなかったようです。みなさん調べてみてください。(答えは最後)

Q2.昭和9年に初めて日本でいくつかの国立公園が指定されることになりましたが、実は、この最初の国立公園の指定の時、登別や支笏湖、洞爺湖も国立公園の候補に挙がっていました。でも当時は「同一形式の風景を代表して傑出すること」と選定の方針にあったため道内のある場所に先を越されてしましました。ではその先に越されてしまった同一形式の風景を持つある場所とはどの国立公園だったでしょうか?
 
 さて、話は戻り、自然観察会では、子供達も4名も参加し、登山道沿いのキノコや落ち葉を見ながら元気に歩いていました。橘湖では青空も顔を出し、突然の通り雨もありましたが、静かな湖を堪能することができました。


参加者のみなさん。晴れ間ののぞく橘湖の前で。

 今回この記念行事では、参加者のみなさんへ自然保護官事務所で手作りの記念冊子をお配りしました。内容は、「写真でみる支笏洞爺国立公園の今昔」です。昔の絵はがきや写真から同じ場所を探し出し、巡視の中で同様の場所から撮影し、まとめました。今回は登別の今昔を一枚お見せしたいと思います。


大湯沼の昔。「日和山付近から大湯沼を望む。湯沼では、舟を浮かべて硫黄を採取している。」と記載されています。


大湯沼の現在。もちろん今は硫黄の採取は行われていません。

 最後に、橘湖周辺はクマが棲息している地域です。下見ではクマの糞を歩道沿いに見かけました。鈴の携帯や単独での歩行は避けるよう注意しましょう。
 
クイズの答え
Q1.答えは6箇所。日本には29箇所。道内は、利尻礼文サロベツ、知床、阿寒、釧路湿原、大雪山、支笏洞爺の6箇所。

Q2.答えは阿寒国立公園です。阿寒国立公園は、屈斜路湖、摩周湖、阿寒湖といったカルデラ湖や硫黄山や砂湯、ボッケといった自然景観や、温泉があり、「火山と湖と温泉」という類似の景観を誇り「同一形式の風景の代表」として「阿寒」が選ばれました。今でこそ国立公園の数は多いですが、当初は限定されたようです。

参考文献:「支笏洞爺国立公園指定経過記録」発行支笏洞爺国立公園指定記念式典協賛会(昭和25年5月)
写真抜粋文献:「登別温泉(札幌-第61号)」北海道地質資源調査所(昭和29年3月発行)