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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

オロフレ峠の樹氷

2009年12月15日
洞爺湖
道内にある峠(車道)の中で標高が高い順でいうと、オロフレ峠は、石北峠、日勝峠につぐ標高930m付近の高さにあり、洞爺湖と登別をつなぐ道道となっています。「オロフレ」の語源はアイヌ語の「ホロ・フウ・レペツ」で「水中が赤い川」という意味があります。現在、オロフレ山から蟠渓へ流れ出る「白水川」を昔、「オロフーレ川」とよんだそうです。なぜ「水中が赤い川」が、「白水川」となったのかはわかりません。
 
オロフレ山は花の名所としても知られていますが、冬には峠へ向かう途中、ダケカンバの樹氷を見ることができます。


青い空と白い樹氷。

 オロフレ峠付近は地理的に濃霧(ガス)になることが多く、また風雪にさらされるせいかダケカンバの樹高は低く感じられます。樹氷とは、霧が樹木などに付着して生ずる氷のことです。室蘭地方気象台によると、海からの湿った暖気がオロフレ山系にはい上がり、雨雲を成長させるそうです。そのため、オロフレ峠に近いカルルスでは年平均降水量が2250mmに達し、道内でも一番の雨量を持つ地域だそうです。その雨雲がオロフレ山にあたった時、多くの霧を発生させ、ダケカンバに付着し、標高が高いことから氷り樹氷ができます。これから厳寒となり、さらにすばらしい樹氷を見ることができるでしょう。



オロフレ山はこれからさらに雪深くなるでしょう。


オロフレ峠からは羊蹄山やニセコ山系、倶多楽湖などの登別方面、太平洋などを望むことができます。冬の間はゲートが閉鎖されていますが、道道沿いからも絶景を望むことができます。運転にはくれぐれもご注意を!
 

道道沿いからの景色。左からニセコ山系、羊蹄山、尻別岳。尻別岳はアイヌ語でピンネシリ(雄岳)、羊蹄山はマチネシリ(雌岳)だそうです。私には親子に見えますが・・・

 

■洞爺湖登別線道道2号線からオロフレ峠展望台までの道路は、11月4日~6月14日まで冬期間閉鎖となっています。また、2号線の壮瞥町弁景から登別市カルルスまでは17時~9時まで夜間通行止めです。ご注意ください。

※参考書籍「壮瞥町史」