アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
「野生動物たちの生活感 IN ボッケの森」(最高気温:-3.3℃、
2010年02月03日
阿寒湖
これらの写真は、阿寒湖の南岸にあるボッケの森で見た光景を撮影したものです。
まずはこの写真を見て下さい。
こんなに木の欠片を散らかしたのは、誰かというと…。
その犯人は、エゾオオアカゲラです。
木の表面を突っついて、木の中にいる虫を食べます。
頭部が赤くないのでメスのようです。
周囲に見事なドラミングの音を響かせていました。
さて、お次はこの写真、
樹皮が剥がされています。これはいったい誰の仕業でしょう?
その通り、エゾシカです。
冬の間は食べるものが乏しく樹皮を剥いで食べてしまうため、エゾシカの食害問題が生じています。その対策として、エゾシカが好む樹種を選定し、予めネットを巻いておくことで、被害を広げない活動が行われています。ネット巻きされた樹木は、ボッケの森のいたる所で見ることができます。
上の写真のエゾシカ達は、地熱により温められて積雪の少ない場所を探し、僅かにある草を食べています。
そして、これが最後の写真です。
何だかわかりますか?
雪の奥へと伸びた穴と半分に割られ食べられたクルミ、それからその隣にはコロコロの茶色いウンチ。周囲には、近くの木から木へとジャンプした足跡が、たくさん見られました。
さて、こんなにインパクトのある痕跡を残してくれた野生動物は、何者でしょう。
冬の間冬眠せず、秋のあいだに地面に隠しておいた木の実を掘り起こして食べる、木登りの上手な生き物といえば…、
そう、エゾリスですね。
これらの生き物の他にも、キタキツネの足跡やエゾモモンガの食痕など、冬の間雪の上で生活する様々な生き物の暮らしを垣間見ることができます。
この時期ならではの阿寒湖の自然を、ぜひ見に来て下さい。