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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

冬のカモ観察会

2010年02月16日
稚内
カモという鳥のグループは姿や仕草がどことなくユーモラスで、小鳥と比べると大きくて観察しやすいので野鳥観察を始めたいと思う人にはもってこいなのかもしれません。

 毎年恒例の「冬のカモ観察会」は、見通しのよい稚内港の海面上にいる海ガモやカモメたちを観察するもので、今年も20人近くの参加者の皆さんが集まりました。

 観察会前日の下見では、昨年と比べて港の岸近くに沢山のクロガモが寄ってきていました。よく見ているとクロガモたちは潜水し、クルミよりひとまわり小さいくらいの丸いものをくわえてきて、それを丸呑みにしていました。貝か甲殻類だったようです。何かを狙っていたのかふわりと空から舞い降りたオジロワシも見られました。

 観察会当日の1月23日は前日と比べると寒さが和らいだ波が穏やかな日でした。一般的に、外海がしけていたほうがカモたちは港の中へ避難してくるので数多く観察することができます。今日はあまり見られないかもしれないな・・・、と思いながら海面に目をやりました。けれども、毎年一番人気のコオリガモ、一番よく見られるシノリガモ、前日見たクロガモを始め、オオセグロカモメ、ワシカモメ、シロカモメなどのお馴染みメンバーはいつも通り観察することができました。コオリガモを初めて見る人の中には、鳴き声がどうしても「アッアオナ、アッアオナ」には聞こえないという人もいました。鳥の声を人の言葉に置き換えることを「聞きなし」といいますが、確かに「この鳥はこのように鳴くのだよ」と教えられてもそのように聞こえるというものではありません。
聞きなしでは鳴き声の音の雰囲気は掴みづらいので、先ずは実際に鳴き声を聞いてから自分が覚えやすい言葉に直すのがいいのかもしれません。
また、普段全く見られないというわけではありませんが、そこまで数多く見かけるわけではないウミアイサも見られ、参加者は頭の羽がツンツンとたったおもしろい姿を楽しんでいました。さらに上空を舞うオジロワシの姿を捉えた人もいました。この観察会はリピーターが多いのですが、海ガモたちの姿には見ていて飽きないものがあるからに違いありません。


コオリガモ


シノリガモ

 屋外の野鳥観察から戻ってきた後は、稚内自然保護官事務所にて、
見られた鳥についてパークボランティアからさらに詳しい解説がありました。
そして、参加者ひとりひとりから感想をいただきました。

 さて、その後に用意していたのが「一番人気コオリガモの折り紙教室」です!
観察会で見た動物の特徴を思い出しながら折り、記念に持って帰ってもらおうと、賀勢の方で折り方を創作し、折り線と翼や目、嘴の色を塗った折り紙を用意しました。皆さんはワイワイ言いながら折り紙を楽しんでくれました。
最後にひとりひとりのコオリガモを中央に並べて記念写真を撮りました。

 今回の観察会は、リピーターさんからは今年もいつやるのかと楽しみにしていた、初めて参加した人からはカモの観察も懇談会も折り紙もとても楽しかった、などと非常に嬉しい感想をいただきました。
観察会を楽しんでもらうにはしっかりとした下見や様々な準備が必要で大変なこともあるのですが、これを励みにより楽しい観察会になるよう工夫していきたいと思いました。
参加してくださった皆さま、ありがとうございました。


折り紙コオリガモ(賀勢作成)